学戦都市アスタリスク ~六花の星野七瀬~   作:ムッティ

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最後の更新からニ年半・・・

今ッ!ムッティが帰ってきたッ!

シャノン『そのままあの世に帰りやがれえええええッ!!!!!』
 
ちょ、止め・・・ギャアアアアアッ!?


利害の一致

 「金獅子のシキ同盟?」

 

 「どこのフワフワの実の能力者ですか・・・金枝篇同盟です」

 

 「お母様、ワ●ピースをご存知なんですね・・・」

 

 呆れたようにツッコミを入れるイザベラさんに、同じく呆れているクローディア。

 

 俺達は今、イザベラさんとクローディアから金枝篇同盟なる存在について説明を受けていた。

 

 「最近になって我々の情報網に、この組織が六花で暗躍しているらしいという話が引っ掛かるようになりました。どうやらこの組織には、《処刑刀》が関わっているようです」

 

 「《処刑刀》・・・」

 

 その名を呟く俺。

 

 あの男が関与しているということは・・・

 

 「零香姉やヴァルダも関わってるってことか・・・」

 

 「えぇ、そう見て間違いないでしょう」

 

 頷くクローディア。

 

 「七瀬には以前お話しましたが、ヴァルダこと《ヴァルダ=ヴァオス》はラディスラフ・バルトシーク教授が創り出した純星煌式武装です。能力は精神干渉で、人の認識や記憶に干渉したりすることが出来るそうですよ」

 

 「なるほど、あれが認識干渉ですか」

 

 納得している三咲姉。

 

 そういえば《獅鷲星武祭》の決勝戦前日、ヴァルダの人払いを破って三咲姉が助けに来てくれたっけ・・・

 

 「七瀬と天霧くんの助太刀に入る前、何故か『ここから先に立ち入ってはいけない』という気持ちになりました。普通であれば、先に進もうとは思わなかったでしょうね」

 

 「三咲姉、よくそれを破れたね?」

 

 「心を強く持っていれば、抗えないものでもなかったですから。それに・・・」

 

 俺に抱きついてくる三咲姉。

 

 「可愛い弟の為だと思えば、あの程度どうということはありません」

 

 「いつになくスキンシップが激しいな・・・二葉姉に毒された?」

 

 「どういう意味よ!?」

 

 二葉姉のツッコミ。

 

 自覚の無い人のツッコミはさておき・・・

 

 「つまり身体を乗っ取られるのは、その能力の代償なのか・・・まぁヴァルダに意志がある以上、能力を使う気がなくても強制的に乗っ取られるんだろうけど」

 

 「じゃあウルスラの身体を操っているのは、《ヴァルダ=ヴァオス》という純星煌式武装の意志というわけね?」

 

 「そういうことになります」

 

 シルヴィの問いに頷くクローディア。

 

 「一番最初にヴァルダに操られたのは、開発者であるバルトシーク教授です。ヴァルダは能力を使って多くの学生を洗脳し、あの《翡翠の黄昏》を引き起こしました」

 

 「えぇっ!?」

 

 「《翡翠の黄昏》!?」

 

 驚愕しているシルヴィと三咲姉。

 

 一方、一織姉と二葉姉は表情を変えなかった。

 

 「その様子だと、二人は知ってたみたいだね」

 

 「七瀬もね」

 

 溜め息をつく一織姉。

 

 「私達には、事前にイザベラさんから説明があったのよ。三咲とシルヴィは他学園の人間だから、今日が初めての説明なの」

 

 「それで姉さんとアタシにも立ち会ってほしいってお願いされたってわけ」

 

 「あぁ、なるほど・・・っていうか今さらなんだけど、何で一織姉達までこんな話を聞かされてんの?」

 

 「星野零香の関係者、及び星導館の関係者だからですよ」

 

 俺の疑問に答えるイザベラさん。

 

 「我々としても、金枝篇同盟について探る味方が欲しかったので。星野零香の行方を追う一織さん達と、利害が一致したわけです」

 

 「いや、一人ガラードワース関係者がいますけど」

 

 「あぁ、そういえば言ってませんでしたね」

 

 ガラードワース関係者こと三咲姉が、衝撃の事実を口にする。

 

 「私、星導館の教員試験に合格しました。ガラードワース卒業後は星導館で教鞭をとるので、れっきとした星導館関係者ですよ」

 

 「「ええええええええええ!?」

 

 絶叫してしまう俺とシルヴィ。

 

 嘘だろオイ!?三咲姉が星導館の教師に!?

 

 「ちょ、マジで!?ガラードワースは何て!?」

 

 「何も言われませんでしたよ?」

 

 「嘘でしょ!?何で!?」

 

 「何でと言われましても・・・」

 

 シルヴィの問いに苦笑する三咲姉。

 

 「卒業後の進路について、学園側から口出しされることは基本ありませんよ?まぁ学園の機密情報等を知っている場合、他学園に関わる仕事に就くのを止められることはあるかもしれませんが・・・私は生徒会の役員をしていただけで、特にそのような情報は持っていませんから」

 

 「でもガラードワース的に、星導館に人材が流出するのは面白くないんじゃ・・・」

 

 「その辺りは、アーネストが上手く口添えしてくれました。おかげで円満に卒業、円満におさらばです」

 

 「いや、おさらばって・・・」

 

 「まぁそういうわけなので、来年度から好きなだけ七瀬と会えます。あぁ、今からワクワクが止まりません・・・!」

 

 目がキラキラしている三咲姉。

 

 ヤッベ、来年度からどうしよ・・・

 

 「コホン・・・まぁそんなわけです」

 

 仕切り直すイザベラさん。

 

 「ちなみにシルヴィア・リューネハイムを呼んだのは、現在ヴァルダが身体を乗っ取っているウルスラ・スヴェントなる女性の関係者だからです。そして彼女の目標がヴァルダを捕えることにあるならば、我々とは利害関係が一致しますから」

 

 「・・・つまりクインヴェールやW&Wには内密に、私と手を組みたいってこと?」

 

 「理解が早くて助かります」

 

 「・・・分かった。その話、乗らせてもらおうじゃない」

 

 「シルヴィ!?本当に良いのか!?」

 

 「勿論。ウルスラのことは諦めないって、前にも言ったじゃない」

 

 苦笑するシルヴィ。

 

 「っていうか、ななくんは知ってたんでしょ?ヴァルダの正体を」

 

 「・・・まぁな。巻き込みたくないから黙ってたけど」

 

 「協力するって言ったくせに」

 

 「うっ・・・ゴメン」

 

 「フフッ、冗談」

 

 俺の頬に手を当てるシルヴィ。

 

 「私を想ってのことなのは、よく分かってる。でも私は、どうしてもウルスラを取り戻したいから。その為にアスタリスクに来たのに、何も出来ないのは嫌なの」

 

 「シルヴィ・・・」

 

 「それに・・・ななくんの力になれないのも嫌だから」

 

 俺の額に、自分の額をコツンと合わせるシルヴィ。

 

 「私はななくんの彼女なんだから・・・好きな人の力になりたいじゃない」

 

 「・・・ズルいなぁ」

 

 そんな言い方をされたら、もう『巻き込めない』なんて言えないじゃん・・・

 

 「・・・ありがとう、シルヴィ」

 

 「フフッ、どういたしまして」

 

 俺達が笑い合っていると・・・

 

 「・・・私の存在を忘れていませんか?」

 

 拗ねた表情のクローディアが、背中から抱きついてくる。

 

 「私だって七瀬の彼女です。力になりたいと思っているのは、シルヴィだけではないんですからね」

 

 「忘れるわけないだろ」

 

 クローディアの頭を撫でる俺。

 

 「クローディアが思ってる以上に、俺はクローディアのことが好きなんだから」

 

 「っ・・・///」

 

 「あっ、クローディア照れてる~♪可愛い~♪」

 

 「シルヴィ!?茶化さないで下さい!」

 

 顔を赤くするクローディア。

 

 こんな良い彼女が二人もいるなんて、幸せだなぁ・・・

 

 「・・・何か複雑だわ。弟が彼女とイチャイチャするのを見るのって」

 

 「ホントそれ・・・しかも二人よ二人・・・複雑さも二倍だわ・・・」

 

 「あのクローディアのこんなところを、目の前で見る日が来るとは・・・」

 

 「・・・私も混ざってきて良いでしょうか?」

 

 「あっ、三咲が壊れたわ・・・」

 

 「戻ってきなさい三咲・・・アンタが壊れたら、アタシ達どうしたらいいのよ・・・」

 

 何故かげんなりしている大人達なのだった。

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

 

 「コホン・・・話を元に戻しますが、これが《翡翠の黄昏》の真実です」

 

 イザベラさんの前でイチャイチャしてしまったことが恥ずかしかったのか、気まずそうに本題へと戻るクローディア。

 

 「銀河としては《ヴァルダ=ヴァオス》、そして金枝篇同盟を野放しにしておくわけにはいかない・・・理由はお分かりですね?」

 

 「《ヴァルダ=ヴァオス》が、テロリストを量産出来るからでしょう?そんな純星煌式武装を世に解き放った責任を問われようものなら、銀河の存亡に関わりますから」

 

 「そんな《ヴァルダ=ヴァオス》が、今度は金枝篇同盟なる組織で暗躍している・・・これ以上の騒ぎを起こさせたくない銀河としては、放っておけないよね」

 

 厳しい表情の三咲姉とシルヴィ。

 

 金枝篇同盟か・・・絶対ろくでもないことを企んでるだろうな・・・

 

 「そして、そんな《ヴァルダ=ヴァオス》と行動を共にしている《処刑刀》・・・かつて《蝕武祭》で闘技者を務めていた彼もまた、要注意人物ですね」

 

 溜め息をつくイザベラさん。

 

 「報告は受けていますが、彼は未だに《赤霞の魔剣》を使用しているそうですね?」

 

 「えぇ、この目で見ました」

 

 頷く俺。

 

 「レヴォルフの学有純星煌式武装である《赤霞の魔剣》を、何で《処刑刀》が持ってるんですかね?凍結処理中だって聞いてますけど・・・」

 

 「彼は《蝕武祭》時代から《赤霞の魔剣》を持っていました。《蝕武祭》の主催者と思われるダニロ・ベルトーニは、レヴォルフの運営母体・ソルネージュの幹部でしたから。何か手を回したのかもしれませんね」

 

 俺はそこで、以前ヘルガさんから聞いた話を思い出した。

 

 「そういえば、ダニロ・ベルトーニは精神操作を受けていた可能性があるって・・・まさか・・・」

 

 「そのまさか、でしょうね」

 

 二葉姉が同意する。

 

 「ダニロ・ベルトーニに精神操作を施していたのは、恐らく《ヴァルダ=ヴァオス》でしょう。《処刑刀》とヴァルダが、当時から行動を共にしていたのなら・・・」

 

 「えぇ。仮面を被った《処刑刀》の正体が、誰にもバレなかったことも説明がつく」

 

 真剣な表情の一織姉。

 

 「そして当時から、あの二人と零香姉さんは手を組んでいた・・・」

 

 「・・・何を考えてるんですか、あの人は」

 

 忌々しそうな表情の三咲姉。

 

 金枝篇同盟が何を企んでいるかは知らないが、俺達としても放置出来ない。

 

 これ以上、零香姉に手を汚させるわけにはいかないのだから。

 

 「金枝篇同盟については、まだほとんど実害がありません。その為、どこの統合企業財体も本腰を入れて対処はしていないようです」

 

 シルヴィへと視線を向けるイザベラさん。

 

 「危機感を持っているのは我々と、べネトナーシュを何人か失ったそちらくらいです」

 

 「へぇ・・・それも知ってるんだ」

 

 鋭い視線をイザベラさんへ向けるシルヴィ。

 

 べネトナーシュが・・・

 

 「つまり我々は、大々的に動けないというのが現状です。直轄の部隊を動かせば、先日のように他の統合企業財体の知るところとなります。何を勘ぐられるか分かったものではないので、我々は秘密裏に動かなくてはならないのです」

 

 イザベラさんはそう言うと、ゆっくり立ち上がった。

 

 「こちらも何か分かったことがあれば、クローディア経由で皆さんにお伝えします。ですので皆さんも情報を掴んだら、クローディア経由で報告をお願いします。通信にはくれぐれも気をつけて下さい。それでは」

 

 「あっ、イザベラさん!」

 

 立ち去ろうとするイザベラさんを、俺は呼び止めた。

 

 「何でしょう?」

 

 「一応、ちゃんとご報告させていただこうと思いまして」

 

 俺はクローディアへと視線を向けた。

 

 「貴女の娘であるクローディアと、お付き合いさせていただくことになりました」

 

 「えぇ、聞いていますよ。目の前でイチャイチャされましたしね」

 

 イザベラさんの言葉に、クローディアの顔が赤く染まる。

 

 まぁそれもそうか・・・

 

 「クローディアが誰と付き合おうが、クローディアの自由です。反対などしません」

 

 「・・・既に彼女がいる男でも、ですか?」

 

 「クローディアが納得しているのなら、それでも構わないと思いますよ」

 

 淡々と答えるイザベラさん。

 

 「もういい歳なのですから、それくらいは自分で判断出来るでしょう。私が口を出すことではありません」

 

 「・・・銀河を脅した男でも、ですか?」

 

 「二人の交際は、銀河の不利益になることではありませんから。そうならないかぎり、別に良いのではないでしょうか?」

 

 「・・・そうですか」

 

 この人は本当に、銀河にとって利益か不利益かでしか物事を見ていない。

 

 どちらでもない場合は、本当にどうでもいいんだろう。

 

 これが精神調整プログラムを受けた、統合企業財体の最高幹部か・・・

 

 「・・・ですが」

 

 そのまま出口へ向かおうとしていたイザベラさんが、背中を向けたまま立ち止まる。

 

 「その・・・良かったのではないでしょうか」

 

 「え・・・?」

 

 「クローディアはずっと、七瀬さんを想い続けてきたのでしょう?それが叶ったのですから・・・喜ばしいことではあると思いますよ」

 

 「お母様・・・?」

 

 信じられないものを見たような表情でイザベラさんを見るクローディア。

 

 「一応、私の娘ですから・・・人を見る目があった、ということでしょうね。それでは」

 

 それだけ言うと、そそくさと部屋から出て行くイザベラさん。

 

 全く・・・

 

 「素直じゃないんだから・・・クローディアそっくりだわ」

 

 「ちょ、七瀬!?私とあの人のどこがそっくりなんですか!?」

 

 「いやぁ、やっぱり母娘だねぇ」

 

 「シルヴィ!?」

 

 「これからよろしくね、クローディア」

 

 「歓迎するわ、クローディア」

 

 「七瀬のことは頼みましたよ、クローディア」

 

 「急に馴れ馴れしくなりましたね!?」

 

 姉さん達に絡まれ戸惑いながらも、イザベラさんが去っていった出口へ視線を向けるクローディア。

 

 その口元が、嬉しそうに少し緩んでいたのだった。

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

 

 「さて・・・とりあえず、今後の方針を決めようか」

 

 皆を見渡す俺。

 

 「恐らく零香姉は、また俺に接触してくると思う。零香姉を捕まえるなら、そのタイミングがベストじゃないかな」

 

 「でしょうね。零香さんを捕らえることが出来れば、《処刑刀》やヴァルダについての情報も得られますから」

 

 頷くクローディア。

 

 「とはいえ、七瀬の身が危険に晒されることになりますが・・・」

 

 「そんなの今さらだろ」

 

 肩をすくめる俺。

 

 「それに星導館の敷地内であれば、零香姉も迂闊には手を出せないはずだ。手を出してくるとすれば、公共エリアに出た時だろうな」

 

 「じゃあ、公共エリアに出る時は護衛をつけて・・・」

 

 「それは止めた方が良いでしょうね」

 

 シルヴィの提案に、苦々しい表情で首を横に振る二葉姉。

 

 「中途半端な護衛は、零香姉さん相手に何の意味も無いわ。時間稼ぎにもならない」

 

 「・・・前々から思ってたんだけど、零香さんってそんなに強いの?私、零香さんが戦ってるところって見たことなくて・・・」

 

 「悔しいことに、メチャクチャ強いわよ」

 

 苦笑する一織姉。

 

 「私は単独じゃ勿論、二葉と一緒に挑んでも勝てたことが無いもの。二葉と組んで《鳳凰星武祭》への出場を決めた時も、零香姉さんにお願いして二対一の模擬戦を何度もやったけど・・・全敗だったわ」

 

 「しかも全部完敗だったっけ・・・あれは悔しかったなぁ」

 

 「・・・本気で言ってる?あの一織さんと二葉さんが?」

 

 「かつての星導館の序列一位と二位・・・しかもその《鳳凰星武祭》を制したお二人が、二人がかりで一度も勝てなかったと・・・?」

 

 シルヴィは勿論、クローディアまでが唖然としていた。

 

 「本当よ。本人がその気なら序列一位は勿論、グランドスラムも達成出来たでしょうね」

 

 「道理で《星武祭》に参加しないと思ったら、《蝕武祭》に参加してたとはね」

 

 忌々しそうな二葉姉。

 

 「しかも危ない連中と手を組んで・・・何をしようとしてるのかしら・・・」

 

 「それは本人に聞いてみるしかないでしょうね」

 

 溜め息をつく三咲姉。

 

 「護衛と言うのであれば、一織姉様・二葉姉様・私の誰かがつくべきでしょうが・・・仕事の都合上、それは厳しいでしょうね」

 

 「護衛なんて要らないさ」

 

 首を横に振る俺。

 

 「零香姉は俺が捕まえる。もう手を汚させはしない」

 

 「でも七瀬、くれぐれも気をつけてね」

 

 一織姉から忠告される。

 

 「なるべく一人で行動しないことと、もし零香姉さんが現れたらすぐに連絡すること。時間さえ稼いでくれたら、すぐに駆けつけるから」

 

 「了解。心配してくれてありがとな」

 

 苦笑する俺。

 

 「それから、《処刑刀》とヴァルダの行方だけど・・・」

 

 「それは私の方で探りを入れてみるわ」

 

 「私もお母様と情報を共有しつつ、色々と当たってみます」

 

 「私も《歓楽街》の捜索を続けるよ」

 

 二葉姉・クローディア・シルヴィがそう言ってくれる。

 

 「よろしく。それと・・・」

 

 俺はもう一つの可能性に言及した。

 

 「《金枝篇同盟》には・・・《悪辣の王》が関与してる可能性がある」

 

 「《孤毒の魔女》絡みね?」

 

 一織姉の言葉に頷く俺。

 

 ヴァルダは俺達の故郷に現れた時、《孤毒の魔女》の名前を口にした。

 

 レヴォルフの序列一位である《孤毒の魔女》が《金枝篇同盟》に関わっているなら、あのブタが無関係とは思えない。

 

 それに・・・

 

 「レヴォルフの生徒会長であるアイツが、学有純星煌式武装である《赤霞の魔剣》の現状を知らないはずがない。凍結処理中とはいえ、学園に無かったら普通は気付くだろ」

 

 「でしょうね。学有純星煌式武装は厳重に管理されていますから」

 

 同じく生徒会長という立場のクローディアも同意する。

 

 「《悪辣の王》についても、少し探りを入れてみます」

 

 「私もまだガラードワースの生徒会役員なので、少し調べてみますね」

 

 三咲姉もそう言ってくれる。

 

 あとは・・・

 

 「一織姉、綾斗のお姉さん・・・遥さんはどう?」

 

 「残念ながら、封印の解除は難しそうね」

 

 険しい表情の一織姉。

 

 遥さんが治療院にいることが明らかになった今、一織姉はコルベル院長に協力して封印解除の道を模索してくれていた。

 

 「院長が言うには、統合企業財体のバックアップがあれば可能性はあるみたいなんだけど・・・一番早くて確実なのは、《大博士》の力を借りることでしょうね」

 

 「・・・やっぱりか」

 

 遥さんが早く目覚めてくれれば、色々と情報が得られそうではあるが・・・

 

 こればかりは綾斗の気持ちがある。

 

 《大博士》の力を借りるというのは、綾斗としては避けたいところだろう。

 

 ユリスの気持ちを考えれば尚更だ。

 

 「とりあえず、引き続きそっちは頼むな」

 

 「えぇ、色々と探ってみるわ」

 

 頷いてくれる一織姉。

 

 とりあえずはこんなところか・・・

 

 「まぁ、もうすぐ冬季休暇だ。実家にも帰ることだし、零香姉については家族で話し合おう。他の件は他言無用で」

 

 「了解。まぁ簡単には話せないものね」

 

 苦笑する二葉姉。

 

 「七瀬はいつ実家に帰るの?」

 

 「クローディアや綾斗と綺凛の家にお邪魔することになってるから、年明けかな。シルヴィ達と同じくらいに帰るようにはするよ」

 

 「フフッ、クローディアとクロエを紹介しないとだもんね」

 

 「あ、あのっ!よろしくお願い致します!」

 

 「アハハ、そんなに緊張しないでよクローディア」

 

 「そうですよ。自分の実家だと思って来て下さい」

 

 盛り上がる俺達なのだった。




どうも〜、ムッティです・・・(ボロボロ)

シャノン『オイコラ、今まで何してたクソ作者』

あれ、シャノンってこんなキャラだったっけ・・・

シャノン『誰のせいだと思ってんの!?』

本当にすまないと思っている( ー`дー´)キリッ

シャノン『・・・・・(カチャッ)』

止めて!?無言で銃を構えないで!?

本当に申し訳ありませんでした!(土下座)

シャノン『七ヶ月どころか二年半も空白期間作るとか何やってんの!?何してたのさ!?』

いやぁ、モチベーション低下しちゃって・・・

シャノン『今年に入ってからはサンシャインも更新されてないしさぁ!』

虹ヶ咲とスーパースターに目移りしてました(笑)

シャノン『しばくぞコラ』

ホントすいませんでした!(土下座)

シャノン『で?何で戻ってきたわけ?』

学戦都市アスタリスクが完結したからです!

三屋咲先生、おめでとうございます!

そしてお疲れ様でした!

シャノン『なるほど、それでモチベーションが復活したと』

そうなのよ。

本編が完結したわけだし、この作品をこのままにしとくのも嫌だなぁなんて思ってさ。

シャノン『じゃあまた更新を続けるの?』

その予定なんだけど、多分更新頻度はスローペースになると思う。

とりあえず失踪しないようには頑張りたい願望。

シャノン『願望で終わらせるなや』

が、頑張ります・・・(震え声)

失踪中も続きを期待して下さる読者の方もいて、本当にありがたかったです!

少しずつマイペースに更新出来たらと思うので、どうか温かい目で見守っていただけると幸いです!

これだけ失踪しておいて『また応援して下さい』と言うのも身勝手な話だということは、重々承知しております。

少しでも『仕方ない。また読んでやるか』と思って下さる方がいらっしゃれば、目を通していただけるとありがたいです。

これからもこの作品をよろしくお願い致します。

シャノン『お願い致します(ぺこり)』

次回の更新日は未定ですが、なるべく早く更新出来たらと思っています。

それではまた次回!以上、ムッティでした!

シャノン『またね〜!』

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