《獅鷲星武祭》編をアニメで見たいわぁ・・・
「ここに来るのも、学園祭の時以来だなぁ・・・」
そんなことを呟きつつ、ホテル・エルナトの廊下を歩く俺。
あの後クローディアから、このホテルの部屋番号と時間が書かれたメールが送られてきたのだ。
わざわざこんなところに呼び出すくらいだから、きっとかなり重要な話なんだろう。
緊張しながら歩いていると、やがて目的の部屋へと辿り着いた。
フロントで受付をした際に渡されたカードキーを差し込み、恐る恐る中に入ると・・・
「よし、上がり!」
「負けたあああああっ!?」
一織姉と二葉姉がトランプで遊んでいた。
「何やってんだあああああっ!」
「ぐはっ!?」
「ごふっ!?」
二人の頭に拳骨をお見舞いする。
「え!?七瀬!?」
「何でアンタがここに!?」
「それはこっちのセリフだわ!っていうか何でトランプやってんの!?」
「「暇だったんだもん」」
「《放電》」
「あぁっ!?」
「トランプがっ!?」
トランプが黒焦げになったところで、俺はソファで寛いでいるもう一人の人物へと視線を向けた。
「まさかお前もいるとはな・・・シルヴィ」
「ヤッホー、ななくん」
笑顔で手を振るシルヴィ。一体どういうことなんだ・・・?
「んんぅ・・・騒々しいですね・・・」
のっそりとベッドから起き上がる人物がいた。
えっ・・・
「三咲姉!?」
「ふわぁ・・・こんばんは、七瀬・・・」
大きな欠伸をして立ち上がる三咲姉。
何で三咲姉まで・・・
「ちょ、それより三咲さん!?その格好はマズいって!?」
「格好・・・?」
「早く服を着て!?ななくんがいるんだよ!?」
慌てるシルヴィ。
今の三咲姉はガラードワースの制服を着ておらず、完全に下着姿だった。
抜群のスタイルの良さに加え、扇情的なランジェリーを身に纏う三咲姉は・・・弟の俺から見ても、とてつもなくエロかった。
「別に良いじゃないですか。私も他の男にこんな姿を見られたくありませんが、七瀬は別です。七瀬だったら、裸を見られても大丈夫ですから」
「どこまでブラコンなの!?」
「安心しろ、シルヴィ。要は男として見られてないってことだから」
苦笑する俺。
見慣れたわけではないが、姉さん達のこういう姿は何度も見てきている。
今に始まったことではないので、別に慌てることもないのだ。
「おや、それは聞き捨てなりませんね」
俺に抱きつく三咲姉。
豊満な胸が俺の胸板に押し付けられ、ムニュッと形を変える。
「私は七瀬のことを、ちゃんと男として見ていますよ。心を許しているから、見られても大丈夫だと言っているんです」
「そんなこと言ってると、本当におっぱい揉むよ?」
「構いませんよ。七瀬が望むのなら、その先も・・・」
「ストップううううううううううっ!?」
慌てて俺と三咲姉を引き剥がすシルヴィ。
俺を思いっきり抱き寄せ、涙目で三咲姉を睨みつける。
「な、ななくんは渡さないんだからっ!」
「フフッ、嫉妬ですか・・・シルヴィも可愛いですね」
「三咲、からかうのもその辺にしておきなさい」
呆れている一織姉。
「そろそろ彼女達が来る頃だし、制服を着ておいた方が良いわよ」
「それもそうですね」
いそいそと制服を着始める三咲姉。
全く、この人ときたら・・・
「三咲姉が寝る時、寝巻きを着ないのは知ってたけど・・・何でここで寝てたの?」
「最近生徒会の業務が忙しくて、疲れてるんですよ。集合まで時間があったので、少し仮眠をとらせてもらったんです」
「仮眠どころか爆睡してたでしょ」
溜め息をつく二葉姉。
「それより七瀬、何でアンタがここにいるの?聞いてないんだけど?」
「クローディアに呼び出されたんだよ。俺の方こそ、姉さん達やシルヴィがいるなんて聞いてないんだけど」
「すみません。セキュリティの関係上、どうしても情報は最低限にしておかないといけなかったもので」
部屋へと入ってくるクローディア。
そしてそんなクローディアの後から、一人の女性が入ってきた。
「イザベラさん・・・?」
「こんばんは、七瀬さん」
クローディアの母親であるイザベラさんが、穏やかな笑みを浮かべて挨拶してくる。
何がどうなってるんだ・・・?
「・・・イザベラさん、これはどういうことでしょう?」
静かに切り出す二葉姉。
冷静だが、怒っているのがよく分かる。
「何故この場に七瀬がいるんですか?まさか、七瀬を巻き込むおつもりで?」
「巻き込むも何も、七瀬さんは当事者でしょう」
淡々と話すイザベラさん。
「星野零香が七瀬さんを狙っている以上、七瀬さんに何も知らせないわけにはいきません。ですので今回、七瀬さんをお呼びしたのです」
「・・・あわよくば七瀬を危険な目に遭わせ、抹殺してしまおうとお考えですか?銀河にとって、七瀬の存在は厄介でしょうからね」
イザベラさんを睨みつける三咲姉。
イザベラさんが溜め息をつく。
「アーネスト・フェアクロフは、貴女に例の一件を教えてしまったようですね。我々としては、あまり知られたくないのですが」
例の一件とは、恐らくクローディアを暗殺しようとした時のことだろう。
それを利用して俺は銀河を脅迫したわけだが、どうやらアーネストはそれを三咲姉に話したようだ。
「心配せずとも、銀河に七瀬さんを狙う意思はありません。弱みを握られていることは事実ですが、それを盾に無茶な要求をしてくることもありませんし・・・何より七瀬さんは、《ヴァルダ=ヴァオス》と行動を共にしている星野零香が狙う人物です。彼女達を刺激したくない我々が、七瀬さんの抹殺を企む理由はありません」
「だったらどうして・・・!」
「そこまでにしておきなさい」
二葉姉の言葉を遮る一織姉。
「イザベラさんの言う通り、七瀬は当事者よ。この場に参加する権利がある」
「でも・・・!」
「もっとも・・・私達には、事前に話を通してもらいたかったけどね」
凄まじい殺気を放つ一織姉に、二葉姉も三咲姉も思わず口を噤む。
ここにいる全員が、一番キレているのは一織姉だと理解した瞬間だった。
「・・・申し訳ありません、一織さん」
イザベラさんでさえ固まる中、クローディアが深々と頭を下げる。
「お怒りなのは重々承知しています・・・本当に申し訳ありません」
そんなクローディアの姿に、一織姉は溜め息をついた。
「・・・参ったわね。義理の妹になるかもしれない貴女に謝られたら、これ以上怒るわけにもいかないじゃない」
「ぎ、義理の妹って・・・私が七瀬の・・・お、お嫁さんに・・・!?」
ボンッと顔が赤くなるクローディア。
可愛すぎかオイ。
「可愛すぎかオイ」
「二葉姉、人の心の声と被せないで」
「私もだからね!?私もななくんのお嫁さんになるんだからね!?正妻だからね!?」
「はいはい、分かってますよシルヴィ」
涙目で抗議するシルヴィの頭を、三咲姉が呆れながら撫でる。
「・・・クローディアのこんな姿、初めて見ました」
驚いているイザベラさん。
「あの子も年頃の娘だったのですね・・・」
「当然です。クローディアは俺が幸せにします、イザベラさん・・・いえ、お義母さん」
「さりげなく『お義母さん』と呼ぶのは止めていただけますか!?」
ツッコミを入れるイザベラさんなのだった。
どうも〜、ムッティです。
シャノン「まさかの二日連続投稿とは・・・」
まぁまだ続き書いてないから、一旦止まるんだけどね。
シャノン「また半年ぐらい失踪しないでね?」
・・・善処しまゆゆ。
シャノン「そこは失踪しないって言いなさいよ!?」
それではまた次回!以上、ムッティでした!
シャノン「逃げるなあああああっ!?」