いや、マジで名作だった・・・
っていうか、ヒロインの桜良が可愛い!
やっぱりLynnさん最高です!
まだ観ていない方には、是非ともオススメしたいです!
翌日。
「そんなことがありました。以上」
「報告が軽くない!?」
シリウスドームの控え室で、俺は皆に昨晩の出来事を話していた。
一織姉・二葉姉・八重も、応援の為に控え室を訪れてくれていた。
「ちょっと二葉!?全く聞いてないんだけど!?」
「いや、決勝が終わったら話そうと思ってたのよ・・・重大な話だし」
「それをお兄様が、決勝前にさらっと話してしまったと・・・」
「皆いるし、ちょうど良いかなって」
まぁ四糸乃姉と九美は入院中だし、五和姉と六月姉はランスロットの控え室に行ってるから居ないけど。
「全く、本当にどうしていつもいつも・・・」
「流石はトラブルに愛される男」
「まぁそれが七瀬さんですよね」
「綺凛、お前までそれを言うか・・・」
自分からトラブルに首を突っ込んでるわけじゃないんだけどなぁ・・・
「それで綾斗、怪我は大丈夫なのですか?」
「うん、大した怪我じゃないから」
クローディアの問いに笑って答える綾斗。俺は綾斗へと視線を向けた。
「綾斗・・・ゴメンな」
「姉さんのことなら、七瀬が謝ることじゃないよ」
綾斗が首を横に振る。
「六年前、姉さんを斬ったのは零香さんだった・・・その事実が分かった今、俺は零香さんに良い感情は持てない・・・ゴメンね、七瀬のお姉さんなのに」
「・・・当然のことだろ。自分の姉を殺しかけた人なんだから」
「でも、七瀬に責任なんて無い。勿論、一織さん達にだって責任は無い。だから謝らないでほしい。逆に俺が申し訳なくなっちゃうよ」
「綾斗・・・」
自分の姉を斬ったヤツの家族に対して・・・何処まで優しいんだよ・・・
「それに姉さんは生きてるんだ。今はただ、姉さんに早く目覚めてほしい。そしたら、六年前のことだってきっと分かる。だから・・・優勝しようね、七瀬」
「っ・・・あぁ、必ず」
俺は綾斗と拳を合わせた。と、そこに四つの拳が加わる。
「私達もいるからな」
「フフッ、燃えてきましたね」
「何が何でも勝つ」
「全力で戦いましょう!」
ユリス、クローディア、紗夜、綺凛が笑みを浮かべていた。お前ら・・・
「・・・相手は強敵だ。何しろ、ガラードワースの最強チームだからな」
現在二連覇中のランスロット・・・メンバーが変わっているとはいえ、核となる二人はずっと在籍している。
《聖騎士》の二つ名を持つ序列一位、アーネスト・フェアクロフ。
《絶剣》の二つ名を持つ序列三位、星野三咲。
『ガラードワースの二大剣王』と称されるこの二人がいたから、チーム・ランスロットは《獅鷲星武祭》二連覇を達成したのだ。
そして今、前人未到の三連覇に王手をかけている。だが・・・
「優勝は譲れない・・・勝つぞ、お前ら」
「「「「「応ッ!」」」」」
改めて、皆の心が一つになった。
「・・・良いチームね、二葉」
「・・・えぇ、本当に」
一織姉と二葉姉が微笑んでいる。
「皆・・・悔いのないよう、全力で戦ってきてね」
「死に物狂いで戦いなさい。必ず勝機はあるわ」
「私達の分まで頑張って下さい!」
「・・・ありがとな、三人とも」
三人に見送られながら、俺達は控え室を出た。そしてステージに繋がる通路へと、足を踏み入れるのだった。
「さて・・・行こうか!」
*****
『今回の《獅鷲星武祭》も、いよいよ決勝戦を残すのみとなりました!』
梁瀬さんの声がドームに響き渡る。
『まず登場してきたのは、星導館学園のチーム・エンフィールドだーっ!』
大歓声が沸き起こる中、俺達はステージへと降り立った。
『序列二位の《千見盟主》、クローディア・エンフィールド選手がリーダーを務めるチーム・エンフィールド!準々決勝ではクインヴェールのチーム・ルサールカを、準決勝では界龍のチーム・黄龍を破ってきました!柊さん、このチームで注目している点は?』
『やはり七瀬選手でしょうな』
柊さんの声が聞こえてくる。
『ルサールカ戦も界龍戦も、七瀬選手が相手チームのリーダーを下して勝利を収めています。このチームのエースは間違いなく彼ですし、決勝でも活躍を期待したいですな』
「フフッ・・・頼みますよ、エースさん」
「いや、エースはユリスだろ。能力的に」
「そっちのエースではないからな?」
クローディアにそう返すと、ユリスからツッコミを入れられた。
「え、マジで?火拳とか撃てないの?」
「撃てるかっ!私はメラメラの実の能力者ではないぞ!?」
「じゃあマグマグの実?」
「赤犬でもないからな!?」
そんなやり取りをしていると、反対側のゲートからチーム・ランスロットの面々が現れた。確かな足取りで、ゆっくりこちらへ進んでくる。
『聖ガラードワース学園の、チーム・ランスロットが登場しました!こちらは序列一位の《聖騎士》、アーネスト・フェアクロフ選手がリーダーを務めるチームです!果たして《獅鷲星武祭》三連覇はなるのでしょうか!?』
『アーネスト選手は勿論ですが、私は三咲選手に注目したいですな。三咲選手は七瀬選手のお姉さんですし、この姉弟対決をどちらが制するか注目です』
柊さんがそう話す中、ランスロットの面々が俺達の前へとやってくる。
「やぁ七瀬・・・遂にこの日が来たね」
「あぁ、待ちくたびれたよ」
アーネストと会話する俺。
「お互い全力で戦おうぜ」
「あぁ、勿論」
「絶対に負けませんわ」
高らかに宣言するレティシア。
「勝つのは私達です。優勝はいただきますわ」
「やかましいわ、このお嬢様もどき」
「もどき!?私はブランシャール家の令嬢ですわよ!?」
「ブランチュール?」
「それはお菓子ですわ!」
「おかしいのはお前の髪だろ。早く刈ってこいよ」
「だから羊の毛ではないと言ったでしょう!?」
「ハハッ、面白いなオイ」
ゲラゲラ笑っている軽薄そうな男子。この人が《黒盾》、ケヴィン・ホルストか。
「レティをここまでからかえるのは、お前ぐらいしかいないと思うわ」
「確かにこういった光景は珍しいな」
頷いている真面目そうな男子。《王槍》、ライオネル・カーシュだっけ?
「《雷帝》とレティシアは仲が良いのだな」
「クローディアとレティシアの仲の良さには負けるわ」
「七瀬!?」
「あらあら」
少し恥ずかしそうなレティシアと、ニコニコ笑っているクローディア。
否定はしないあたり、レティシアも少しは素直になったのかな?
「七瀬」
そんなことを考えていると、パーシヴァルが前へ進み出てきた。
「良い試合にしましょう」
「あぁ、お互いにな」
握手を交わす俺達。
その時、パーシヴァルの後ろにいた三咲姉と目が合うが・・・三咲姉はすぐに目を逸らし、開始位置へと下がっていった。
「・・・言葉を交わさなくて良かったのですか?」
「言いたいことは、お互いもう言い合ったからな」
パーシヴァルの問いに、肩をすくめる俺。
「今の俺達の間に、余計な言葉はもう要らない。後は戦うのみだ」
「・・・君達の関係が羨ましいよ」
苦笑するアーネスト。
「僕とソフィアも・・・君達のような関係になれるだろうか?」
「なれるよ、お前達兄妹なら」
俺はアーネストへと拳を突き出した。
「兄貴として、病室で試合を見ている妹に良いところ見せなきゃな。お互いに」
「それもそうだね。お互い頑張ろう」
アーネストは拳を合わせると、レティシア達と共に開始位置へと戻っていった。
「さて・・・いよいよだな」
「ですね」
頷くクローディア。
「作戦はミーティング通りでお願いします。それぞれ状況に応じて、臨機応変に対応して下さい」
「了解」
それぞれ開始位置につく俺達。いよいよ決勝か・・・
「・・・このチームで試合に臨むのは、これで最後なんだな」
俺がポツリと呟くと、隣にいたクローディアが俺の手を握ってきた。
「寂しいことを言わないで下さい。試合に臨むのは最後かもしれませんが、この六人の絆は永遠です。それは何があっても絶対に変わりません」
「・・・だな。ありがとう、クローディア」
クローディアの言葉が心に沁みた。こういう時、クローディアの気遣いや励ましの言葉が本当にありがたい。
クローディアの存在に、俺がどれほど救われてきたことか・・・
「ハハッ・・・答えなんて、考えるまでも無かったな」
「七瀬?どうかしましたか?」
「後で話すよ。それより・・・始まるぞ」
改めて気を引き締める。やがて機械音声が、試合開始を告げるのだった。
『《獅鷲星武祭》決勝戦、試合開始!』
どうも~、ムッティです。
シャノン「本日9月6日は作者っちの誕生日!おめでとう!」
お、ありがとー。
シャノン「誕生日を迎えた感想は?」
俺も歳をとったなぁ、って思う。
シャノン「まだ二十代だよねぇ!?」
いや、そうなんだけどさ。
もうこんな歳かぁ、とも思うわけよ。
シャノン「そういうもんなんだ・・・じゃあ、これからの抱負をどうぞ!」
んー、抱負ねぇ・・・
毎日を大切に生きたい、かな。
『君の膵臓をたべたい』を観て、そう思ったよね。
シャノン「メッチャ影響されてるね・・・」
影響されやすい人間、それがムッティです。
皆さん、いつもこの作品を読んでいただいてありがとうございます。
皆さんのおかげで、ここまで書き続けることが出来ました。
これからもこの作品をよろしくお願い致します。
シャノン「え、失踪するの?」
いや、しないわ・・・多分。
シャノン「そこは言い切ってよ!?」
続けられるかぎり続けるから大丈夫・・・多分。
シャノン「だから言い切ってってば!?」
それではまた次回!以上、ムッティでした!
シャノン「またね~!」