学戦都市アスタリスク ~六花の星野七瀬~   作:ムッティ

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期間が空いてしまってスミマセン・・・

忙しくてなかなか執筆できず・・・

早く《獅鷲星武祭》を終わらせたいなぁ・・・

それではいってみよー!


勝ちたい

 「綾斗!綺凛!」

 

 暁彗と対峙している二人に向かって、俺は声を張り上げた。

 

 「一分で良い!時間を稼いでくれ!」

 

 「了解!」

 

 「分かりました!」

 

 二人は力強く返事をすると、暁彗に向かって駆け出していく。

 

 「七瀬、私も時間稼ぎに・・・」

 

 「ストップ」

 

 二人の助太刀に行こうとするクローディアの手を掴む。

 

 「お前がやられたら俺達の負けだって言ったろ。今のお前じゃ、暁彗を相手にすることは難しい。ここは綾斗と綺凛に任せとけ」

 

 「ですが・・・!」

 

 「いいから大人しくしとけ」

 

 クローディアを強く抱き寄せ、身動きが取れないようにする。

 

 「なっ、七瀬!?」

 

 「・・・俺の側にいろ。絶対に離れんな」

 

 「はうっ!?」

 

 勝手な行動をしないよう、少々強めの口調で言ったのだが・・・何故かクローディアの顔が真っ赤になっていた。

 

 身体から力が抜け、俺に身体を預けるような形となっている。

 

 「クローディア?どうした?」

 

 「あ、あうぅ・・・」

 

 「・・・まぁいいや」

 

 何故か目を回してまともに喋れないクローディアを放置し、俺は目を閉じた。

 

 「七海、俺のイメージは伝わってるな?」

 

 【えぇ、危ない橋を渡ろうとしてることが伝わってきてます】

 

 溜め息をつく七海。

 

 【本当にやるんですか?】

 

 「あぁ、頼む」

 

 【・・・了解です。いきます】

 

 七海がそう言った直後、俺の頭に七海のイメージが流れ込んできた。

 

 【今マスターの身体とシンクロして、異常を探しているんですが・・・どうやら、マスターの身体にコーティングのようなものが施されていますね】

 

 「やっぱりか・・・」

 

 《魔術師》や《魔女》は、大気中の万応素とリンクすることで能力を発動させている。

 

 つまり能力が使えないということは、大気中の万応素とリンク出来ない状態になっているというわけだ。

 

 「封印っていうより妨害だよな、これ」

 

 【ですね。自分達の星辰力をコーティングに使い、大気中の万応素とマスターのリンクを妨害するとは・・・】

 

 つまりこのコーティングを剥がせさえすれば、再び能力が使えるようになるというわけだ。

 

 そしてその手段として、俺は一つの方法を思いついていた。

 

 「さて・・・やるぞ、七海」

 

 【・・・くれぐれも加減を間違えないで下さいね?】

 

 「分かってるさ・・・ほらクローディア、起きろ」

 

 力が抜けているクローディアの頬をぺちぺち叩く。

 

 「んんっ・・・ハッ、私は何を!?」

 

 「あ、戻ったな」

 

 俺は立ち上がると、《神の拳》を自分自身へと向けた。

 

 「少し下がってろ。何があるか分かんないからな」

 

 「七瀬・・・?」

 

 怪訝な顔をしているクローディアに微笑む。そして・・・

 

 「・・・《断罪の一撃》」

 

 自分自身に、光輝く《神の拳》を当てた。

 

 「ッ!?七瀬ッ!?」

 

 驚愕しているクローディアだが、あまりの眩しさに顔を覆う。

 

 俺の身体は《神の拳》による光に包まれ、そして・・・

 

 「・・・成功だな」

 

 俺の身体から、激しく雷が迸るのだった。

 

 「さぁ・・・決着をつけようか」

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

 

 《綾斗視点》

 

 「ハァ・・・ハァ・・・」

 

 《黒炉の魔剣》を地面に突き刺し、それを支えにしながら踏ん張って立ち上がる。

 

 この試合、何度地面を転がっただろうな・・・

 

 「綺凛ちゃん、大丈夫かい・・・?」

 

 「・・・正直、そろそろ限界です」

 

 同じように《千羽切》を地面に突き刺し、よろよろと立ち上がる綺凛ちゃん。

 

 「強いことは分かっていましたが、これほどまでとは・・・」

 

 「・・・ホント、嫌になるよね」

 

 俺達の視線の先には、悠然と構える《覇軍星君》が立っている。汗一つかいておらず、呼吸も乱れていない。

 

 本当に恐ろしいな・・・

 

 「ですが・・・ここで諦めることは出来ません」

 

 《千羽切》を引き抜き、構える綺凛ちゃん。

 

 「私は勝ちたい。絶対に負けたくありません」

 

 「同感だね」

 

 《黒炉の魔剣》を引き抜く俺。

 

 「ほう・・・まだ立ち上がるか」

 

 感心している《覇軍星君》。

 

 「だが、お前達では俺を倒せんぞ」

 

 「えぇ、分かっています」

 

 綺凛ちゃんが悔しそうに頷く。

 

 「ですが、私達の役目は時間稼ぎ・・・後は七瀬さんにお任せします」

 

 「・・・よほど信頼されているのだな、七瀬は」

 

 《覇軍星君》が笑みを浮かべた。

 

 「七瀬は実に不思議なヤツだ。師父だけでなく、アレマ、冬香、セシリー、虎峰、沈雲、沈華・・・その他の師父の門下生達まで、アイツを気に入っているのだから。無論、この俺もな」

 

 目を閉じる《覇軍星君》。

 

 「もし俺が七瀬のような人間だったら・・・師父の渇きを満たすことも、出来たのかもしれんな」

 

 「渇き・・・?」

 

 妙な言い方に引っかかりを覚えた時だった。七瀬とクローディアがいる方が、眩く光ったのだ。

 

 「これは・・・!?」

 

 あまりの眩しさに、腕で顔を覆う。そして光が収まった時、そこにいたのは・・・

 

 「・・・成功だな」

 

 身体から雷を迸らせた七瀬だった。

 

 「さぁ・・・決着をつけようか」

 

 「・・・封印を解いただと?」

 

 驚いている《覇軍星君》。

 

 「一体どうやって・・・」

 

 「《断罪の一撃》で吹き飛ばした」

 

 あっけらかんと答える七瀬。えっ・・・

 

 「《断罪の一撃》って・・・まさか自分に撃ったの!?」

 

 「撃ったけど?」

 

 「何で無事なの!?」

 

 確か《断罪の一撃》は、相手を消し飛ばしてしまえる程の技のはず・・・

 

 それを自分に撃ったのに、何で七瀬は無傷なんだ!?

 

 「封印だけ消せるように、威力調整したから」

 

 「え、出来るの!?」

 

 「まぁな。昔と違って七海とコミュニケーション取れるし、力に振り回されることもなくなったから」

 

 【能力制御の修行をした甲斐もありましたね。おかげで星辰力の細かい調整が出来るようになって、私の威力を調整できるようになりましたし】

 

 「ホントそれな」

 

 楽しげに会話している七瀬と七海さん。いやいやいや・・・

 

 「さらっと言ってますけど、ご自分に《断罪の一撃》を撃ったんですよね!?それって威力調整を間違ったら死にますよね!?」

 

 「うん、死んじゃう」

 

 あっさり頷く七瀬。

 

 「だからリスキーな方法ではあったんだけど・・・七海のサポートもあって無事に成功したわけよ。ありがとな、七海」

 

 【いえいえ、マスターのお力ですよ】

 

 能天気に会話している二人。もう何でもアリだな・・・

 

 「・・・流石に予想外だったな」

 

 《覇軍星君》も驚きを隠せないようだ。

 

 「一歩間違えたら、自分自身が消し飛ぶというのに・・・何故そこまで・・・」

 

 「勝ちたいからな」

 

 《覇軍星君》を見据える七瀬。

 

 「別に死にたいわけじゃないが・・・お前に勝とうとしてるんだから、それぐらいの覚悟は必要だろうよ」

 

 「・・・何故そこまで勝ちにこだわる?」

 

 「そんなもん決まってんだろ」

 

 雷に包み込まれる七瀬。これはまさか・・・

 

 「自分自身の為だ」

 

 《雷帝化》・・・七瀬の身体が、金色に光り輝いている。

 

 「仲間の願いを叶えたい、友達を救いたい・・・全て俺のわがままだ。そのわがままをどうやったら通せるか・・・答えは一つ、優勝するしかない。なら、こんなところで負けられないだろうよ」

 

 「・・・なるほど、実にお前らしい理由だな」

 

 苦笑している《覇軍星君》。

 

 「それだけの力を手に入れたというのに・・・お前は変わらんな」

 

 「生憎それで一度・・・いや、二度失敗してんだよ」

 

 今度は七瀬が苦笑する。

 

 「俺はもう力に呑まれることも、溺れることもあってはいけない・・・それだけだ」

 

 そこまで話すと、七瀬は拳を構えた。

 

 「さぁ・・・そろそろ終わりにしようか、暁彗」

 

 「・・・そうだな」

 

 笑みを浮かべ、拳を構える《覇軍星君》なのだった。

 

 「お前には負けられん・・・いくぞ、七瀬」




どうも~、ムッティです。

シャノン「いよいよ黄龍戦もクライマックスだね」

次の話で決着がつきます。

っていうか、早いところ《獅鷲星武祭》を終わらせたいのよね。

書きたい話もあるし、コラボもやりたいし。

後は・・・チラッ。

シャノン「え、何?何で私を見てるの?」

フッ・・・色々と考えているのだよ。

シャノン「はっ!?まさか私でいかがわしい妄想を!?」

・・・・・はぁ?

シャノン「ごめんなさい!冗談だからそんな冷たい目で見ないで!?」

ナニソレイミワカンナイ。

シャノン「何で急に西●野真姫ちゃん!?」

それではまた次回!以上、ムッティでした!

次回からはシャノンではなく、西木●真姫ちゃんを登場させます!

シャノン「作品的に無理だよねぇ!?」

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