忙しくてなかなか執筆できず・・・
早く《獅鷲星武祭》を終わらせたいなぁ・・・
それではいってみよー!
「綾斗!綺凛!」
暁彗と対峙している二人に向かって、俺は声を張り上げた。
「一分で良い!時間を稼いでくれ!」
「了解!」
「分かりました!」
二人は力強く返事をすると、暁彗に向かって駆け出していく。
「七瀬、私も時間稼ぎに・・・」
「ストップ」
二人の助太刀に行こうとするクローディアの手を掴む。
「お前がやられたら俺達の負けだって言ったろ。今のお前じゃ、暁彗を相手にすることは難しい。ここは綾斗と綺凛に任せとけ」
「ですが・・・!」
「いいから大人しくしとけ」
クローディアを強く抱き寄せ、身動きが取れないようにする。
「なっ、七瀬!?」
「・・・俺の側にいろ。絶対に離れんな」
「はうっ!?」
勝手な行動をしないよう、少々強めの口調で言ったのだが・・・何故かクローディアの顔が真っ赤になっていた。
身体から力が抜け、俺に身体を預けるような形となっている。
「クローディア?どうした?」
「あ、あうぅ・・・」
「・・・まぁいいや」
何故か目を回してまともに喋れないクローディアを放置し、俺は目を閉じた。
「七海、俺のイメージは伝わってるな?」
【えぇ、危ない橋を渡ろうとしてることが伝わってきてます】
溜め息をつく七海。
【本当にやるんですか?】
「あぁ、頼む」
【・・・了解です。いきます】
七海がそう言った直後、俺の頭に七海のイメージが流れ込んできた。
【今マスターの身体とシンクロして、異常を探しているんですが・・・どうやら、マスターの身体にコーティングのようなものが施されていますね】
「やっぱりか・・・」
《魔術師》や《魔女》は、大気中の万応素とリンクすることで能力を発動させている。
つまり能力が使えないということは、大気中の万応素とリンク出来ない状態になっているというわけだ。
「封印っていうより妨害だよな、これ」
【ですね。自分達の星辰力をコーティングに使い、大気中の万応素とマスターのリンクを妨害するとは・・・】
つまりこのコーティングを剥がせさえすれば、再び能力が使えるようになるというわけだ。
そしてその手段として、俺は一つの方法を思いついていた。
「さて・・・やるぞ、七海」
【・・・くれぐれも加減を間違えないで下さいね?】
「分かってるさ・・・ほらクローディア、起きろ」
力が抜けているクローディアの頬をぺちぺち叩く。
「んんっ・・・ハッ、私は何を!?」
「あ、戻ったな」
俺は立ち上がると、《神の拳》を自分自身へと向けた。
「少し下がってろ。何があるか分かんないからな」
「七瀬・・・?」
怪訝な顔をしているクローディアに微笑む。そして・・・
「・・・《断罪の一撃》」
自分自身に、光輝く《神の拳》を当てた。
「ッ!?七瀬ッ!?」
驚愕しているクローディアだが、あまりの眩しさに顔を覆う。
俺の身体は《神の拳》による光に包まれ、そして・・・
「・・・成功だな」
俺の身体から、激しく雷が迸るのだった。
「さぁ・・・決着をつけようか」
*****
《綾斗視点》
「ハァ・・・ハァ・・・」
《黒炉の魔剣》を地面に突き刺し、それを支えにしながら踏ん張って立ち上がる。
この試合、何度地面を転がっただろうな・・・
「綺凛ちゃん、大丈夫かい・・・?」
「・・・正直、そろそろ限界です」
同じように《千羽切》を地面に突き刺し、よろよろと立ち上がる綺凛ちゃん。
「強いことは分かっていましたが、これほどまでとは・・・」
「・・・ホント、嫌になるよね」
俺達の視線の先には、悠然と構える《覇軍星君》が立っている。汗一つかいておらず、呼吸も乱れていない。
本当に恐ろしいな・・・
「ですが・・・ここで諦めることは出来ません」
《千羽切》を引き抜き、構える綺凛ちゃん。
「私は勝ちたい。絶対に負けたくありません」
「同感だね」
《黒炉の魔剣》を引き抜く俺。
「ほう・・・まだ立ち上がるか」
感心している《覇軍星君》。
「だが、お前達では俺を倒せんぞ」
「えぇ、分かっています」
綺凛ちゃんが悔しそうに頷く。
「ですが、私達の役目は時間稼ぎ・・・後は七瀬さんにお任せします」
「・・・よほど信頼されているのだな、七瀬は」
《覇軍星君》が笑みを浮かべた。
「七瀬は実に不思議なヤツだ。師父だけでなく、アレマ、冬香、セシリー、虎峰、沈雲、沈華・・・その他の師父の門下生達まで、アイツを気に入っているのだから。無論、この俺もな」
目を閉じる《覇軍星君》。
「もし俺が七瀬のような人間だったら・・・師父の渇きを満たすことも、出来たのかもしれんな」
「渇き・・・?」
妙な言い方に引っかかりを覚えた時だった。七瀬とクローディアがいる方が、眩く光ったのだ。
「これは・・・!?」
あまりの眩しさに、腕で顔を覆う。そして光が収まった時、そこにいたのは・・・
「・・・成功だな」
身体から雷を迸らせた七瀬だった。
「さぁ・・・決着をつけようか」
「・・・封印を解いただと?」
驚いている《覇軍星君》。
「一体どうやって・・・」
「《断罪の一撃》で吹き飛ばした」
あっけらかんと答える七瀬。えっ・・・
「《断罪の一撃》って・・・まさか自分に撃ったの!?」
「撃ったけど?」
「何で無事なの!?」
確か《断罪の一撃》は、相手を消し飛ばしてしまえる程の技のはず・・・
それを自分に撃ったのに、何で七瀬は無傷なんだ!?
「封印だけ消せるように、威力調整したから」
「え、出来るの!?」
「まぁな。昔と違って七海とコミュニケーション取れるし、力に振り回されることもなくなったから」
【能力制御の修行をした甲斐もありましたね。おかげで星辰力の細かい調整が出来るようになって、私の威力を調整できるようになりましたし】
「ホントそれな」
楽しげに会話している七瀬と七海さん。いやいやいや・・・
「さらっと言ってますけど、ご自分に《断罪の一撃》を撃ったんですよね!?それって威力調整を間違ったら死にますよね!?」
「うん、死んじゃう」
あっさり頷く七瀬。
「だからリスキーな方法ではあったんだけど・・・七海のサポートもあって無事に成功したわけよ。ありがとな、七海」
【いえいえ、マスターのお力ですよ】
能天気に会話している二人。もう何でもアリだな・・・
「・・・流石に予想外だったな」
《覇軍星君》も驚きを隠せないようだ。
「一歩間違えたら、自分自身が消し飛ぶというのに・・・何故そこまで・・・」
「勝ちたいからな」
《覇軍星君》を見据える七瀬。
「別に死にたいわけじゃないが・・・お前に勝とうとしてるんだから、それぐらいの覚悟は必要だろうよ」
「・・・何故そこまで勝ちにこだわる?」
「そんなもん決まってんだろ」
雷に包み込まれる七瀬。これはまさか・・・
「自分自身の為だ」
《雷帝化》・・・七瀬の身体が、金色に光り輝いている。
「仲間の願いを叶えたい、友達を救いたい・・・全て俺のわがままだ。そのわがままをどうやったら通せるか・・・答えは一つ、優勝するしかない。なら、こんなところで負けられないだろうよ」
「・・・なるほど、実にお前らしい理由だな」
苦笑している《覇軍星君》。
「それだけの力を手に入れたというのに・・・お前は変わらんな」
「生憎それで一度・・・いや、二度失敗してんだよ」
今度は七瀬が苦笑する。
「俺はもう力に呑まれることも、溺れることもあってはいけない・・・それだけだ」
そこまで話すと、七瀬は拳を構えた。
「さぁ・・・そろそろ終わりにしようか、暁彗」
「・・・そうだな」
笑みを浮かべ、拳を構える《覇軍星君》なのだった。
「お前には負けられん・・・いくぞ、七瀬」
どうも~、ムッティです。
シャノン「いよいよ黄龍戦もクライマックスだね」
次の話で決着がつきます。
っていうか、早いところ《獅鷲星武祭》を終わらせたいのよね。
書きたい話もあるし、コラボもやりたいし。
後は・・・チラッ。
シャノン「え、何?何で私を見てるの?」
フッ・・・色々と考えているのだよ。
シャノン「はっ!?まさか私でいかがわしい妄想を!?」
・・・・・はぁ?
シャノン「ごめんなさい!冗談だからそんな冷たい目で見ないで!?」
ナニソレイミワカンナイ。
シャノン「何で急に西●野真姫ちゃん!?」
それではまた次回!以上、ムッティでした!
次回からはシャノンではなく、西木●真姫ちゃんを登場させます!
シャノン「作品的に無理だよねぇ!?」