学戦都市アスタリスク ~六花の星野七瀬~   作:ムッティ

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梅~雨~が~は~じ~まる~よっ♪

・・・ハァ(憂鬱)


弱音

 「あー、酷い目に遭った・・・」

 

 雷の翼をしまいながら、溜め息をつく俺。

 

 本当はすぐに上昇したかったのだが、上から次々に瓦礫が降ってくるので上昇できなかったのだ。なので逆に下降し、瓦礫の降ってこない場所に避難して今に至る。

 

 「ミルシェ、無事か?」

 

 「う、うん・・・」

 

 お姫様抱っこで抱えられているせいか、顔を赤くしながら頷くミルシェ。

 

 コイツホント初心だよな・・・っていうか・・・

 

 「何でお前まで落ちてんだよ・・・紗夜」

 

 「銃が重くて逃げ遅れた」

 

 俺の背中から降りる紗夜。

 

 瓦礫から瓦礫へ飛び移り、俺の背中に飛び乗ってきた時はマジでビックリしたわ・・・

 

 「まぁいいけど・・・これからどうすっかな」

 

 ミルシェを降ろし、薄暗い中で目を凝らして辺りを見回す。

 

 一応地下通路が続いているようだが、アスタリスクは地下通路と排水路が複雑に絡み合う構造になっている。この地下通路を進んでいったとしても、地上に出られる保障は無い。

 

 「煌式武装なら、頭上に穴を開けられると思う。そこから地上に出たら良い」

 

 「いや、それは止めた方が良いな。下手に衝撃を与えると、何処が崩れてくるか分からない。生き埋めになる可能性がある」

 

 「シノン達に連絡とろうよ。助けを呼んでもらって、ここで助けを待つべきじゃない?」

 

 「さっきから試してるけど、通信は繋がらないみたいだ。それにここも、いつまでも安全とはかぎらないぞ。ちょっとした衝撃で崩落するかもしれないし」

 

 紗夜とミルシェの提案に、首を横に振る俺。

 

 となると、とるべき行動は一つ・・・

 

 「進むしかないか・・・」

 

 「そうするしかなさそう」

 

 「ホ、ホントに進むの・・・?」

 

 ミルシェが怯えている。あっ・・・

 

 「そういやお前、暗い所が苦手だったな・・・」

 

 「うぅ・・・怖い・・・」

 

 涙目のミルシェ。

 

 「仕方ないな・・・七海、頼むわ」

 

 【了解です、マスター】

 

 七海が人型になり、掌の上に光球を作り出す。光球の発する光で、俺達の周りが一気に明るくなった。

 

 「・・・純星煌式武装はこんなことも出来るのか?」

 

 「マスターのおかげですよ」

 

 驚いている紗夜に、七海が笑いながら説明する。

 

 「マスターと私の間には、目に見えないパスのようなものが通っているんです。私はそれを通じて、マスターから星辰力を分けていただいてるんですよ。それを基として人型に具現化したり、力を使ったりしているというわけなんです」

 

 「なるほど・・・そういう理屈だったのか」

 

 納得している紗夜。さてと・・・

 

 「ほら、ミルシェ」

 

 ミルシェに手を差し出す俺。

 

 「明るくなったし、これで大丈夫だろ。手も繋いでやるから、早く行こうぜ」

 

 「あ、うん・・・ありがと」

 

 おずおずと俺の手を握るミルシェ。七海が先頭に立ち、紗夜・俺・ミルシェの順に歩き出す。

 

 と、ミルシェが俺の側に近付いてきた。

 

 「・・・何かこうしてると、あの時のこと思い出すよ」

 

 「あの時?」

 

 「ほら、前に七瀬の実家に遊びに行った時だよ。台風の影響で夜中に停電して、アタシが凄く怯えちゃってさ。居間に布団敷いて皆で寝たじゃん?」

 

 「あぁ、あったあった。懐かしいなオイ」

 

 「あの時も七瀬、こうやってアタシの手を握ってくれたよね・・・アタシが寝られるまでずっと」

 

 「・・・そうだったな」

 

  あまりにもミルシェが怯えるもんだから、放っておけなかったんだよな・・・

 

 「ねぇ、七瀬・・・」

 

 暗い表情で俯くミルシェ。

 

 「アタシ・・・本当にルサールカのリーダーで良いのかな?」

 

 「・・・いきなりどうした?お前らしくないぞ」

 

 いつも自信満々に、『アタシがリーダーだ!』って言ってるのに・・・

 

 「・・・さっきの男が言ってたでしょ?マフレナが傷付いたのは、アタシの身勝手な行動のせいだって」

 

 唇を噛むミルシェ。

 

 「あの時、アタシが我慢してたら・・・立ち去ろうとしてたアイツらに、怒りに身を任せて反撃なんてしなかったら・・・マフレナは傷付かずに済んだんだよね」

 

 「ミルシェ・・・」

 

 「シノンは、身を挺してマフレナを守ろうとした。七瀬はマフレナの手当てを優先する為に、怒りを堪えてあの場を収めようとした。マフレナを妹みたいに可愛がってるアンタが、キレてないはずないのに」

 

 ミルシェの目に、涙が溜まっていく。

 

 「それに対してアタシは・・・自分のことしか考えてなかった。怒りを相手にぶつけることしか考えてなかった。その結果、大切な仲間が傷付くことになって・・・ホント、リーダー失格だよね・・・」

 

 「・・・それでも、ルサールカのリーダーはお前だろ」

 

 ミルシェの手を、力を込めて握る。

 

 「四糸乃姉や他の皆を誘って、ルサールカを結成したのはお前だろ。自分でリーダー失格とか言うな。お前についてきてくれたメンバー達に失礼だ」

 

 「七瀬・・・」

 

 「大体、もしお前が反撃を我慢したとして・・・アイツらが黙ってるわけないだろ。瓦礫の下敷きになりかけただけならまだしも、自分達のリーダーが攻撃されたんだぞ?それを大人しく見逃せるほど、アイツらは大人じゃねーよ」

 

 「いや、大人じゃないって・・・褒めてんの?ディスってんの?」

 

 「両方」

 

 「両方!?」

 

 ミルシェのツッコミ。やっと『らしく』なってきたな・・・

 

 「マフレナが傷付いたのは、あの阿婆擦れ女のせいだ。大体、身勝手な行動をしてるのはアイツらの方だろ。それをミルシェが悪いみたいに言いやがって・・・」

 

 あの傭兵生共・・・もし本戦で当たったらただじゃおかねぇ・・・

 

 「特にあの阿婆擦れ女は、四糸乃姉や九美のことも傷付けようとしたからな・・・駆逐してやる・・・この世から・・・DNAの一片たりとも残らず・・・!」

 

 「怖いんだけど!?若干エ●ンっぽくない!?」

 

 「本戦で当たって・・・とにかく傭兵生をぶっ殺したいです」

 

 「だから何で●レンっぽく言うの!?」

 

 「ほう・・・悪くない・・・」

 

 「リ●ァイ兵長!?」

 

 紗夜がノッてくる。流石だぜ紗夜。

 

 「私は強い・・・お前達より強い・・・凄く強い・・・ので私は、あの傭兵生共を蹴散らすことが出来る」

 

 「ミ●サ!?確かにアンタ無表情だし、髪型もちょっとミカ●に似てなくもないけども!」

 

 「まぁそういうわけだから、優勝するのは俺達ってことで」

 

 「どういうわけ!?優勝するのはアタシ達だからね!?」

 

 ウガーッと威嚇してくるミルシェ。やれやれ・・・

 

 「そんだけ元気があったら大丈夫だろ。弱音なんて吐いてんじゃねーよ」

 

 「うっ・・・」

 

 バツが悪そうな表情のミルシェ。自分でも『らしくない』と思っていたらしい。

 

 「お前は自信満々に、『リーダーはアタシだ!』って言ってりゃ良いんだよ。そんなお前の背中を見て、アイツらはついてきてるんだから」

 

 「アタシの背中・・・」

 

 「だからアイツらの前で、そんな弱音吐くなよ。リーダーがそんなんじゃ、アイツらを不安にさせるだけだぞ」

 

 ミルシェの頭を撫でる俺。

 

 「まぁそれでも、どうしても弱音を吐きたくなったら・・・その時は今みたいに、俺が聞いてやるよ。だからいつでも言え」

 

 「・・・うん。ありがと」

 

 ミルシェが小さく呟く。

 

 「ホント、七瀬には敵わないなぁ・・・」

 

 笑みを浮かべつつ、俺の手を強く握るミルシェなのだった。




どうも~、ムッティです。

夏なんて要らねえええええっ!

シャノン「急にどうしたの!?」

いや、最近暑いじゃん?

暑いのホント苦手なんだよね・・・

シャノン「あぁ、なるほど・・・これからもっと暑くなるからねぇ・・・」

そうなんだよ・・・

マジで夏なんて要らない・・・

最近は春でさえ要らないと思うわ。

シャノン「春夏秋冬の半分を否定・・・じゃあ秋冬だけで良いと?」

あぁ、それ理想的だわ。

秋と冬で半年ずつ分け合おう。

もしくは三ヶ月毎に交代でも可。

シャノン「春夏秋冬じゃなくて、秋冬秋冬だね」

よしシャノン、春と夏を消してきてくれ。

シャノン「無理だよ!?」

チッ、モブキャラが・・・

シャノン「何で今私は罵倒されたの!?」

それではまた次回!以上、ムッティでした!

シャノン「理不尽だあああああっ!」

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