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それでは今回もよろしくお願いします。
「「ラブライブ~!?」」
由比ヶ浜と一色が驚きの声を上げる。ちなみに、この二人が出場するわけではない。
そんな二人に向け、平塚先生は丸めた書類で肩をぽんぽん叩きながら説明する。
「ああ、そうだ。まあ、簡単な作業を近辺の高校生ボランティアにやってもらい、との事だ」
「会場抑えるのに金かかって人件費節約しなきゃいけないから、とりあえず高校生ボランティア集めようって事ですか?」
「うむ、そんなところだ」
「「「…………」」」
俺と平塚先生のやり取りを聞いて、雪ノ下はこめかみを軽く抑え、由比ヶ浜と一色は『うわぁ……』という顔になった。
「それで、生徒会でボランティアを募集しろという事でしょうか?もちろん私達は強制参加で」
「ああ、頼む。実は私も強制参加でな。いや~、クリスマスにデートの予定が入れられなくて困ったな~」
ここで『最初から予定なんて入らないくせに~』なんていうのは野暮だろう。……もう、誰かもらってやってくれよぉ……。
「え~、クリスマスは予定が~」
「一色さん」
「も、もちろんやらせていただきます」
どうやらこの二人の間では、謎の上下関係が出来上がっているらしい。何があったかは、怖いので聞かないでおこう。
「ヒッキー」
由比ヶ浜が肘でちょんちょんつついてくる。
「どした?」
「よかったね」
何の事を言っているのかはすぐにわかった。
「ああ」
「ハラショ~~~~!!!!」
「ど、どうしたのかな、絵里ちゃん!」
「愛しの彼にいいところ見せられるからよ。全く、はしゃぎすぎなんだから」
「でも絵里ちゃん。可愛い~♪」
「ハラショ~~~~!!!!」
「エリチ」
「八幡、見ててね!必ず優勝するから!」
「エリチ」
突然、頭をはたかれた。
「どうしたのよ、希?」
「嬉しいのはわかったから、こんな所で叫びながらクルクル回らんで」
「あらやだ」
理事長から幕張メッセでのラブライブ関東大会決勝の話を聞いてから、喜びが隠せてないわ。昨日、亜里沙からも『お姉ちゃん、リビングでスノハレ熱唱しないで!眠れないじゃん!』なんて言われたし。自重しなきゃいけないわね。ここ廊下だし。
少し離れた所から、1年生の女子がこちらを見ていた。
「生徒会長、たまにおかしなテンションになるよね」
「いや、あれはトレーニングの一環よ。生徒会長がおかしなテンションになるわけないじゃん」
私は慌てていつもの笑顔を取り繕い、周りの生徒達へ、なるべくクールに笑いかけた。
「が、頑張ってください!」
「応援してます!」
「ありがとう。頑張るわね」
μ'sのメンバーは『うわぁ……』って顔をしていたが、ここは仕方ない。今さら大胆なキャラ変するのは気が引ける(面倒くさそう)。きっときらりんレボリューションやT.M.Revolutionばりの革命になるわね。あと約3ヶ月だし、このまま行かせてもらうわ。
「さ、皆!練習始めるわよ!」
『…………』
私はいつもより大きな歩幅で、屋上までの道を急いだ。
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