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それでは今回もよろしくお願いします。
「あははっ!」
「ぼよーん……」
アイドルのPVのようにはしゃぐ絵里さんの胸を見て、雪ノ下が恨めしそうに呟く。
「それっ♪」
「ぼよよーん……」
皆に水をかける東條さんの胸を見て、雪ノ下が悔しそうに呟く。
「ていっ!」
「ぼよーん……」
やり返すように水をかける由比ヶ浜の胸を見て、雪ノ下が哀しそうに呟く。
「きゃっ♪」
「…………」
かかってくる水にはしゃぐ亜里沙の胸を見て、雪ノ下が警戒するような視線を送る。
「あはっ♪」
「うんうん」
嬉しそうに絵里さんの腕にしがみつく小町の胸を見て、雪ノ下が嬉しそうに頷く。
「もー、絢瀬さん」
「うんうん」
絵里さんから集中放水を浴びている戸塚の胸を見て、雪ノ下が満足げに頷く。
ヤバいよ!ゆきのん、胸に執着しすぎだよ!男子の戸塚と比べるあたりが末期的である。
「ふう……疲れたわね」
何がどう疲れたのかわからない雪ノ下を見ていると、背中に軽い衝撃がきた。
「あら~、ごめんなさい」
振り向くと、黒髪のショートカットのおっとりした雰囲気の美人が、俺の顔を心配そうに覗き込んでいた。
「あ、いえ……」
大学生くらいだろうか。ふんわりと柔らかな笑みに見とれそうになりながら、顔が赤くなる。決してコミュ障ではないつもりなのだが、モデルみたいな年上の美人、しかもスタイル抜群の水着姿とあっては、女子とあまり話さない俺には色々と難しい。
「顔が赤いですよ。大丈夫ですか?」
「っと!」
いきなり誰かが顔を覗き込んできたので、慌てて飛び退く。そこには、いつの間に距離を詰めてきたのか、銀髪の美人がいた。
腰まで届く長い銀髪と、心の内側まで読み取られてしまいそうな澄んだ瞳がミステリアスな雰囲気を漂わせる美人だ。こちらもスタイルが良く、モデルといっても差し支えなどない。
「だ、大丈夫でしゅ……」
噛んでしまった。
しかし何事もないので、その場からいち早く立ち去ろうとすると、今度はぷくっと頬を膨らました絵里さんがいた。関係ないけど、雪ノ下の胸もこんな風にあっさり膨らんだらいいのに。
「八幡君……ナンパ?」
「いえ、違います」
「なら、OK!」
一瞬で笑顔に戻った。これはこれで心配である。この人の将来が。
「あらあら比企谷君も好きやね」
「ヒッキー、ホントいやらしいんだから」
何故この二人は俺がいやらしいという前提で話すのか。いや、否定はしないんだけどさ。
「ええ、比企谷君は本当にいやらしいわね。さっきから大きな胸ばかり見ているものね」
「お前は俺じゃなく、大きな胸に物申したいんだろ。そうなんだろ?」
さっきからチラチラと見知らぬ美人二人の胸をチェックしてんじゃねえよ。俺はしたけど。
「あずささん、貴音さん。ここにいたんですか」
今度は黒髪ストレートの同年代の女子がきた。クールな雰囲気のある佇まいと、落ち着いた声と、どこか物憂げな瞳が印象的な美少女だ。
「律子さんが呼んでました……っ!」
その美少女の目は二人だけではなく、絵里さん、東條さん、由比ヶ浜を見た。そして、自分の胸元を見て、悔しそうに……
「「くっ!」」
何故か雪ノ下と共に口元を歪めた。
「「…………」」
おい、そこ。親しげに見つめ合って変な共感をするな。
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