捻くれた少年と強がりな少女   作:ローリング・ビートル

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 待ちに待った水着回です!

 それでは今回もよろしくお願いします。


Blue Jean ♯3

 

 夏休み。ぼっち生活を始めてから幾星霜、夏休みは殆ど家の中で過ごしてきた。しかし、今年は……

「八幡君、お待たせ!」

 背後から声をかけられ、振り向くと……

「どう、似合う?」

 特にポーズを決めている訳でもないのに、モデルのような立ち姿に見えてしまう絵里さんが、夏に映える爽やかな笑顔を向けてくる……白ビキニで。

 だがここは絵里さんの家ではない。ちゃんとした公共の施設、プールである。……普通ならこんな事、確認するまでもないんだがな。絵里さんなら仕方がない。

「ほら、どう?」

 俺の考えている事などその辺に置いておけ、と言わんばかりに絵里さんが腕を絡めてくる。……やばいよやばいよ!普段より直に胸が肘にくっついてきてやばいよ!

「ほらほら赤くなってないで。世界一可愛いって言ってごらんなさいよ♪」

「……世界一可愛い」

「ちょっ……そっぽ向いて棒読み!?」

 そう言いながら肘にぐいぐい柔らかいものを押しつけるのを止めてくれませんかね。思春期が極めて健全な方向に爆発しそうなんですが……。

「二人共、相変わらず仲良しやね~」

 声のした方を向くと、破壊神じみた紫のオーラを纏い、紫のビキニを着用した東條さんがいた。

 何……だと……。

 水着姿だとその胸は……「痛い痛い!」

 絵里さんから脇腹を抓られる。

「私の時と反応が違うチカ!チカ!」

「いや、ほら新鮮さといいますか……」

「むむむ!」

「はあ、これだからゴミいちゃんは……」

 小町が溜息を吐きながら俺の肩にぽんと手を置いた。この前、家で散々みせびらかしていた黄色い水着は、かなり似合っている。

「お姉ちゃんも落ち着いて。」

 最後に現れたのは亜里沙だ。緑色の水着より先に胸の辺りを注視した自分が恥ずかしいくらいに、透き通る白い肌が眩しい。うん、大丈夫!小町よりは大きくなるはず!姉の遺伝子もある事だし?

 俺達は今年開園したばかりの大型プールに遊びに来ていた。何と亜里沙が商店街の福引きで5人分の無料券を当てたのだ。さすが天使。小町共々、ネトゲにはまりドロップアウトしない事を祈る。人の為に祈るあたり、どうやら俺も天使のようだ。オレ、天使。

 ふと周りを見回すと、やはりこの5人は周囲の目を引いていた。

「うわ、すげえ。見ろよ」

「ねえねえ、あの金髪の子、モデルかな?」

「紫の水着の子……やばい」

「あの八重歯の子も可愛いぞ」

「あの緑の水着の子、お人形さんみたい!」

「男、うらやましすぎんだろ」

「ちくしょう、ぼっちのくせに……」

「天罰がくだりますように」

 何か久しぶりに登場した奴がいるじゃねえか。

「おい、あっちもすげえぞ!」

 その声が指し示す方向を見ると、そこには見覚えのある奴らがいた。

「あら、こんにちは」

「あ、ヒッキー!」

 夏真っ盛りだというのに涼しげな雪ノ下と、いつも通り笑顔を向けてくる由比ヶ浜と……

「こ、こんにちは」

 半袖のパーカーを着たショートカットの美少女がいた。

 





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