それでは今回もよろしくお願いします!
「あ~楽しかった♪」
亜里沙が気持ち良さそうに伸びをする。2ゲームやってあまりスコアは奮わなかったものの、その顔は非常に満足そうで、ボウリングという競技を心から楽しんだ事が窺える。
「う~ん、体を動かしたらお腹が空いてきたね~」
小町がお腹を軽くさすりながら言う。確かに1ゲーム追加したので、もう時刻は正午をかなり過ぎてしまっている。
「じゃあ、そこにあるファミレスにでも入りましょう」
「そっすね」
しかし、予想外の出来事が俺達を待ち受けていた。
「あら、エリチ」
「な、な……絵里、アンタ……」
俺達が入ろうとしたら、ちょうど東條さんと下級生っぽい女子が出てきた。黒髪と短いツインテールが何となくあざとい。
「亜里沙ちゃんもこんにちは」
「こんにちは!」
「それと比企谷君も。……そっちの子は?」
「俺の妹です」
「比企谷小町です。いや~綺麗な人ですね~♪こっちの……女の子も可愛い~♪」
「ちょっとアンタ。今、私の事を子供だと思わなかった?」
「え?そ、そんな事はないですよ?」
「にこっちが小さくてごめんね?この子、これでもウチとエリチの同級生なんよ」
「の、希!何言ってんのよ!頭を撫でるんじゃないわよ!」
「それじゃ、ウチらは行くから」
「ええ、二人共、また学校でね」
「…………」
俺も二人に軽く頭を下げる。
そして入れ替わるように店の中へ……
「って、ちが~~う!」
いきなりの怒声に皆がビクッとなる。
「何で私の紹介とか省いて、じゃなくて!絵里!何でアンタ、男といるのよ!スクールアイドルの一員でしょ!?」
「にこっち、どうどう」
「にこ、落ち着きなさい」
「…………」
ひとまず全員で店の中へと入っていった。
店内は外のジメジメした空気とは無縁で、空調で快適な湿度に保たれていた。お昼のピークを過ぎていて、客がまばらなのもいい。
俺は亜里沙と全員分のお冷やを運び、席に着く。
「亜里沙ちゃん、お兄ちゃん、ありがと」
「はい、どうぞ♪」
端っこの方に目を向けると、絢瀬さんとにこっちさんが向かい合って座っている。東條さんはにこっちさんの隣で二人を面白そうに眺めている。
当の二人は……にこっちさんは怒っているようだが、絢瀬さんは涼しい顔をして、その怒りを受け流している。随分余裕すぎやしませんかね……。
「ちょっとそこのあなた」
にこっちさんにジトッと視線を向けられる。
俺は絢瀬さんの隣に座り、話を聞く態勢に入る。
「絵里とはどういう関係なの?」
いきなり聞かれ「フィアンセよ!」言っちゃったよ。
「えぇぇぇぇ~~~~!!!?」
店内ににこっちさんの叫び声が大音量で響き渡った。
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