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それでは今回もよろしくお願いします!
「なあ、エリチ」
「何?」
昼休み。生徒会室でお弁当を食べていると、希が神妙な面持ちで話しかけてくる。
「何でエリチって比企谷君の事が好きなん?」
突然の質問に驚き、咳き込んでしまう。
「げほっ!げほっ!」
「ご、ごめんごめん。だから米粒こっちに飛ばさんで」
「いきなり希が変な質問するからでしょ…………あー、死ぬかと思ったわ」
こんなみっともない所を比企谷君に見られたらどうするのよ。
「ええやん、このくらい。休日返上の準備の合間の息抜きやろ」
今日は土曜日で授業はないのだが、午前中は新入生歓迎会の準備。そして、これからスクールアイドルとしての活動が始まる。
「いや、エリチの行動のインパクトが凄すぎて聞くの忘れとったんやけど」
「……て、照れるじゃない。もう……」
「いや、褒めとらんよ」
「そ、そう……」
そんな白けた目を向けなくてもいいじゃない。まったく……。
「それで、何で好きになったん?」
「目!」
「そ、即答やな……しかも目って……」
「好きな事に理由なんて必要かしら?」
私はポニーテールを指で弄りながら堂々と答える。
「うわあ、何やろ。ウチがなんか悪い事聞いとるみたいやな」
希が少し疲れた表情を見せる。どうかしたのかしら?
私は一つの答えに行き当たる。
「でも何で急に……ま、ま、まさか、あなたも比企谷君の事が……」
こ、これは由々しき事態だわ。あ、あの胸で比企谷君を誘惑されたら…………
『あ、あかんよ、比企谷君。君にはエリチが……』
『あんたが悪いんだよ。そんないやらしい胸で誘惑するから……』
『もう、少しだけやで』
『希さん……!』
「ああ、それはないよ。ほら、変な妄想してないで。鼻血拭いて」
希がティッシュで私の鼻をぐしぐしと拭く。な、何変な妄想で鼻血出してるのよ、私は!
「エリチ、こっち向いて」
「はい?」
カシャッと音がする。
「何を撮っているのかしら?」
「妄想して興奮して鼻血をだすスケベ生徒会長・絢瀬絵里」
「消しなさい」
「いや♪」
「消しなさい!」
「今から亜里沙ちゃんに送るから待って」
「やめて!お願いします!」
最近、亜里沙の私を見る目が冷たいの!
『お姉ちゃんは本当にしょうがないなあ』って言われる事が多くなった気がするの!
これ以上はお姉ちゃん耐えられない!
「じゃあ、教えて?今、比企谷君をどう思うか」
希は薄く微笑みながらこちらを見た。
駄目だ…………逃げられない。
私は数秒間瞑目し、今思ってる事を素直に言う事にした。
「…………可愛いの」
「うんうん…………可愛い?」
「彼、本当に可愛いのよ!私がキスした後の照れた顔とか!こっそり胸を盗み見る時の目とか!」
「は、はあ……それ、可愛いの?」
「っかぁ~~わかってないわね~~もう、本当に可愛いのよ、比企谷君!きゃ~~~!!!!」
「あ、あかん。エリチが…………壊れてもうた」
「っくしゅっ!…………な、何だ?寒気が…………」
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