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それでは今回もよろしくお願いします!
「それで、昨日の件だが……」
「な、何の事でしゅか……」
すらりと長い脚を組む平塚先生に気圧されながら、何とか言い訳を試みる。だが出だしから躓いてしまった。
「ふぅ……あくまで白を切るつもりか。君は自分の彼女にアニメキャラのコスプレをさせ、校門前まで呼び出し、キ、キ、キスをしてだな…………」
キスって言うくらいで顔を赤くして照れないでもらえませんかねぇ。ちょっと可愛いとか思ったじゃないですか。早く誰かもらってやればいいのに…………。
「それにその後やって来た浮気相手と修羅場を演じたそうじゃないか」
「いや、あれは…………」
くっ!噂話に尾鰭が付いてる感じはあるが、あの場面は端から見ればそう見えてしまうのかもしれない。
「ちなみに浮気相手の方は去り際に『ようやく希編始まったから、よろしくな~♪』なんて意味不明な言葉を残していったそうだよ」
「それは本当に意味不明ですね」
だからメタ発言は止めろとあれほど…………。
「まあ、とにかくだ。放課後、もう一度私の所に来たまえ」
「…………え?」
「仕方ないだろう。ここは仮にも学校だぞ。あのような騒ぎを起こした以上、お咎めなしというわけにはいくまい」
「…………」
まじか。
俺は朝から肩に重い疲れを感じながら、職員室を後にした。
生徒会室で朝から雑務を片づけていると、希がニヤニヤしながら入ってきた。
「エーリチ♪」
「の、希!……ふん」
私は昨日の事を思い出し、つい冷たい態度を取ってしまう。たまには反省させないとね!
「昨日はどうやった~?」
「お、教えてあげないわよ!……えへへ」
「よかったみたいやね。うんうん」
くっ!バレてしまったわ!仕方ないじゃない!
私は…………ガールフレンド(仮)になったんだから。
「ほら、無駄話してないで手伝ってよ」
「はいはい」
希も鞄を置き、副会長としての仕事を始める。
「そういや、エリチ。廃校阻止の件なんやけど」
「あ、それなんだけど、私もいくつか案が……」
「二年生達がなんか面白い事始めとったよ」
「二年生?…………この前の?」
確かこの前辛く当たってしまった子達だわ。…………本当にこの性格なんとかならないかしら。
「スクールアイドルやって、学校の知名度を上げるんやって」
「それ、大丈夫なの?」
今からいきなり始めても遅いような気が…………。まあ、気持ちは嬉しいし、行動に移すのは素晴らしいけど。
「エリチもやったら?」
「わ、私?やるわけないじゃない!」
昔から、というかバレエで挫折してから、何かを継続的に頑張るのは苦手だ。失敗してなくすのが怖いのだろうか。中途半端に器用で、大抵の事はそつなくこなせるのも理由の一つかもしれない。
「比企谷君も喜ぶと思うんやけどな~」
「…………え?」
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