捻くれた少年と強がりな少女   作:ローリング・ビートル

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 明けましておめでとうございます!
 今年もよろしくお願いします!


AFTER STORY ♯2

 

「これは……」

 私は手にした物を見て、震えが止まらなかった。

「こ、これは……男の子のベッドの下にあるという生活必需品ね……」

 ついに見つけてしまったわ……ちなみに今は八幡の部屋の掃除中。つい手を伸ばしてしまったのよ……好奇心って恐いわね。

「それにしても八幡ったら、私というものがありながら……どんな女の裸を……」

 私は表紙を確認してみる。

「なになに……『旅館の3人娘末っ子の淫らなご奉仕』、『ピアニスト美少女の甘い旋律』、『競泳水着が似合うあの子と裏の特訓』、『ロリっ子との7日間』、『方言娘~人気のないお寺で~』、『中二病美少女に夢中!』、『サーフショップの店員の特別サービス』、『金髪巨乳ハーフ美少女とのテンションMAXな夜』、『黒髪ロングの真面目な生徒会長の乱れ狂う一日』……」

 やけに数が多い……それに、全然違う属性……こ、これはまさか!?

 私は頭の中は、あっという間にある答えに辿り着く。

「私へのリクエストね!?」

 まったくもう!こんな遠回しにお願いするなんて、本当に八幡ったらシャイボーイなんだから♪

 私は参考までに、その本の中身を確認し始めた。

 

「お姉ちゃんが……エッチな本読んでる……!」

 

 *******

 

 あれ?

 材木座の奴から無理矢理預けられた本がない。

 今度渡さなければいけないのだが……まあ、いいか。

「八幡、帰ってたずらか?」

「ああ……ん?」

「どうかしたずらか?」

 ま~た何か変なものに影響受けやがったな、このポンコツさんは。

「絵里……今度は何があった?」

「くくく、我が闇の力にかかれば、キャラ変更など造作もなき事……って今度はって何よ?今度はって!」

 絵里は頬を膨らまし、ウェットスーツを見せびらかす。何かもうわけわかんねえぞ。

「八幡、ごめんなさい……」

「な、何がでしょうか?」

「あなたの要求、全部飲むのは無理だったわ」

「…………」

 

 *******

 

「なるほど、材木座君のだったのね」

「ああ」

 絵里はほっと胸をなで下ろしている。いや、ヒヤヒヤしたのは俺だからね?ついに彼女のポンコツが天元突破したかと思ったからね?最近、落ち着くどころかレベルアップしている気がする。

「やっぱり八幡はキュアーチカの方がいいわよね」

「まあ……そうかもしれん」

「じゃあ、今から好きなのを選んでいいわよ」

・絵里を抱きしめてスマイルチャージする♡

・絵里にキスをしてラブリンクする♡

・絵里にサイン付きの婚姻届を渡してプリンセスエンゲージする♡

「これは……てか、最後のはまだ色々と……」

「嫌なの?」

「♡を付けて誤魔化してる感が……」

「♡をつければかわいかろう?」

「…………」

 すっげえドヤ顔してやがる。よくもまあ、ここまでごちゃ混ぜにできるもんだ。

「絢瀬絵里はかわいかろう?」

「…………」

 絵里のドヤ顔が次第に距離を詰めてくるのを見ながら、こりゃ勝てないと、俺は苦笑し、さらさらの金髪を撫でた。

 





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