ハリー・ポッターと十六進数の女   作:‌でっていう

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第06話 おじいさんのデッキブラシ

「マクゴナガル先生! この間のこと……」

「なんですか。二度とあんな危険な真似はしないでくださいよ。だいたいあなたたちが助かったのは……」

「その、助かったわけについて、なんですが……」

 

アルーペと桔梗が私の部屋を訪ねてきた。アルーペは杖と間違えて万年筆を振り上げ、それ以降の記憶はないということを、桔梗はその続き、万年筆がトロールの棍棒を止めたことを話してくれた。なるほど、そんなことがあったのか……。しかし、ミーティスの魔法は私たちの専門外。

 

「とても興味深い話です。が、あなたの魔法は、私にはどうしようも……」

「あ、いえ、えっと、この万年筆、代々受け継がれてきたものって聞いたんですけど、これを自分でも調べてみたんです。でも、何か魔法がかかっている、としか分からなくて。自分の知っている範囲の魔法じゃないんです」

「……ミーティス家の魔法ではない、と?」

 

つまり、『こちら』の魔法かもしれないから調べてくれ、と言いたいのだろうか。こちらの魔法界とミーティス家との接触は記録されていないのでありえない……はずだが、ゼロとは言えないのかもしれない。一応受けてみて損はないだろう。アルーペの手から万年筆を受け取った。見た目は普通の万年筆そのものだが……。

 

「では、こちらで調べておきます。いつも授業でもこの万年筆を使っているのですか?」

「はい。でも、しばらくは羽ペンを使わなきゃ」

 

そう、これは魔法具である以前に筆記具である。まあ、試験の時は専用のカンニング防止羽ペンを使ってもらうことになるのだから、今のうちに慣れてもらった方が良いだろう。

 

「それでは、お願いします。ハリーとロンの勉強を見てるハーマイオニーがそろそろ限界だと思うので」

 

あの日以来、五人組はどうやら仲が良いらしい。しかも協力して勉強とは、学校の寮監としても誇らしいものだ。さて、そんなに頑張っているのなら、 より解き甲斐のある試験問題を作らねば……。

 


 

ハリーとキキちゃんの初試合の前日。キキちゃんとハーちゃんと三人で、凍りつくような寒さの中庭で『クィディッチ今昔』を読み漁っている。

 

「七百の反則……。こんなの、審判は覚えてるのかな」

「ウッドはそう言ってたわ。多分、魔法で判断するんじゃないかしら?

えーっと、全てが公開されているわけではない、そりゃそうね。穴を突かれたら困るもの」

 

ハーちゃんが瓶に入れて持ち歩ける青白い炎を出してくれたので、それで暖まっていた。それでもまだ少し寒いので、わたしもこっそり寒さを軽減する魔法をかけている。

ミーティスの魔法のことはハーちゃんにも隠しておくべきなのかどうか……。そんなことを考えていると、向こうからスネイプ先生が歩いてくるのが見えた。火は禁止されていると思ったのか、ハーちゃんは慌てて後ろに瓶を隠したが、その怪しい動きがむしろ目についたらしく、スネイプが寄ってきた。

 

「今隠したものを出せ」

 

とっさに何か問題がありますか、という顔を取り繕って『クィディッチ今昔』を取り出した。が、スネイプ先生の答えは予想の斜め上を行った。

 

「図書館の本は持ち出してはなら——」

「ハーちゃんのですよ」

「人の話は最後まで聞け。グリフィンドールから十点減点」

 

うーん、呼吸をするように減点していくのは流石といったところだが、いつもより不機嫌なように見えた。しかも、足を怪我しているかのように引きずって歩いている。キキちゃんも気づいたらしく、怪訝な顔をして言った。

 

「あの足、どうしたのかしら」

「怪我でもしたんじゃないの。すっごく痛いといいわね」

 

あれ、えーっと、ハーマイオニーさん、ですよね? この子の恨みを買うのは結構リスクがありそうだ。

……それにしても、あの不機嫌さ、足の怪我、普段の態度からしてもちろん怪しい人ではあるが、それ以上に頭のどこかに引っかかるものがある。何かを隠しているような……。『前世』の記憶のこともあるかもしれないが、少し探ってみる必要がありそうだ。

 

「なんか怪しい……。ちょっと、後を追ってみる。二人は先に戻ってていいよ」

 

二人はこの怪しさに気づいていないのか、困ったような顔をさせてしまった。まあ、隠密行動は一人の方がいい。

 


 

「キキちゃん! ハーちゃん! たいへん!」

 

談話室に飛び込んで二人を呼んだ。これは一刻も早く伝える必要がある。

 

「どうしたのかしら? スネイプが何かしでかしたのかしら?」

「しでかしたっていうか、なんていうか……」

「ちょっと詳しく教えて」

 

スネイプ先生を追ってたどり着いた職員室の前で聞き耳を立てていると、スネイプ先生がフィルチ先生と『三つの頭』がどうこう、という会話をしていたのである。そして、足には痛々しい傷が。これはただ事ではない。そういう確信があった。そして、なぜか『既視感』もあった。

 

「それって『四階の廊下』の……」

「そういえばあの時、スネイプがどこか行こうとしてたよな」

 

何かを知っているらしいハーちゃんが言いかけると、ロンが突然口を挟んできた。地下トイレにハーマイオニーを助けに行った際、スネイプが『廊下』の方へ向かうのを見たという。思い返してみれば、あの後地下トイレにわたしたちを探しに来たのは……。

 

「クィレル先生とスネイプ先生、一緒にトイレに来たよね」

「そういえば、あの怪しい先生もいたわね。来た意味ほとんどなかったけれど」

 

よからぬことを企んでいるのはむしろクィレル先生である可能性もある。では、何故スネイプ先生が『廊下』に行く必要があるのか? 何か見落としていることはないかと記憶を探っていると、ハリーが一つの考えを示した。

 

「スネイプが三頭犬を突破しようとするのをクィレルが止めたとかじゃないかな」

「あんな臆病者にそんなことできるのか?」

「だから臆病なのは演技かも、ってことよ。逆も考えられるわ——」

 

ロンの疑問にキキちゃんが答える。逆とは、つまりクィレルが三頭犬から何かを盗み出そうとするのを、スネイプが阻止している、ということだ。まとめると——

 

「つまり、どっちかがあのトロール、だっけ? あれに注意を引かせてその間に三頭犬に挑んだけど、もう片方に阻止されたってこと?」

「そんなの絶対スネイプに決まってるさ」

「確かに好意的じゃないけど、そんなことをする人じゃないわ」

 

スネイプ犯人派のハリー、ロンと反対派のハーちゃんが口論をはじめた。いや、現段階では、どちらが犯人であると断定することはできない。可能性は半々だ。キキちゃんも同じことを考えたのか、三人の間に入った。

 

「どっちが悪いかなんて、このまま話しても分からないわ。『廊下』に隠されてるのが何か、とかも気になるし……」

「それに、キキちゃんとハリーは明日試合でしょ。話はその後にしたほうがいいよ」

 

とりあえずキキちゃんの援護をした。三人は納得したのか、ただ面倒になったのか、この話は一旦区切ることにしたらしく、わたしとキキちゃんを残して去っていった。ちょうど二人きりになったので、『既視感』についての話を持ちかけた。

 

「『廊下』に隠されてるもの……。わたし、知ってる気がする。けど、思いだせない」

「それはつまり……」

「ここに来てからずっとそんな感じはしてたんだけど、今回のは特に強く感じる」

「前世はホグワーツ生だったのかもね。でも、『廊下』のことは不思議ね……。似たような事が過去にもあったのかしら」

 

どうせならこんな曖昧な感覚ではなく、答えをズバッと示してくれると嬉しいのだが……。

 


 

「キキちゃん! 起きて!」

 

翌朝。叩き起こしたのはアルだ。珍しいな……。あっそうか、今日、試合だった。緊張するものだと思っていたが、案外そうでもないらしい。

朝食を食べに大広間へ降りると、クィディッチの話題で盛り上がっているようだった。

 

「アルーペ! キキ!」

 

ハーマイオニーが呼んでいるので隣に座ると、真っ青な顔のハリーがいた。こっちはかなり緊張しているらしい。

 

「ハリーったら、ぜんぜん朝食を食べないのよ」

「……ポッター、あなたのせいで負けたら許さないわよ。朝食も食べずに優勝なんてできるわけないじゃない」

 

頼りないシーカーを説得し、なんとか食パン一枚を食べさせることができた。本当にちゃんとやってくれるのだろうか。一応チームメイトなんだから頑張ってほしいものだ。正直不安である。

 

あっという間に試合直前。控室ではウッドが激励をしていた。一年生の参加という異例の事態ではあるが、毎年こんな調子らしい。

 

「失礼ね、女もいるわよ」チェイサーのアンジェリーナ・ジョンソンが指摘した。

「でも、去年と違うのは事実ね」

「ああ。今年は……、一年生が参戦している。それも我々よりも厳しい試験を乗り越えてきた奴らだ。活躍を期待する!!」

 

いよいよスリザリンチームとの対面である。歓声に迎えられて競技場に出ると、いよいよ気持ちが高ぶってきた——。

 


 

所変わって、グリフィンドールの観客席のてっぺん。カメラの準備をしていると、ハーちゃんが声をかけてきた。

 

「アルーペ、そのカメラ……」

「これ? 普通のマグルのカメラだよ。何故かホグワーツでもちゃんと動いたの。

どうせ魔法でやるなら目の網膜で見たのをそのまま写真にできちゃえば楽なんだけど、人間に手を出すのは難しいんだ。まだわたしには作れないみたい」

 

白い望遠レンズを装着しながら説明すると、ホグワーツで電子機器が動いている、という『ホグワーツの歴史』に反した光景にハーちゃんは少し驚いたようだ。出入口のほうの人影にレンズをむけてシャッターを半押し。よし、オートフォーカスも万全だ。して、これはマダム・フーチか。審判をやるらしい。

 

「箒に乗って、準備してください」

 

それぞれ一斉に持ち場についた。試合開始のホイッスルと共に、選手は空中を飛び回りだす。うむ、これは『鳥』と表現するほかないだろう。

 

「試合が始まりました! 実況は私、リー・ジョーダンです!

さて、クァッフルはまず、グリフィンドールのジョンソン選手が取った! 素晴らしいチェイサーです。容姿も——」

「ジョーダン!」

「失礼しました、先生」

 

なんだこの実況は。少し気合いの入れる方向が——。マクゴナガルが先生にも怒られてるが、先生もちょっと楽しんでません? どうやらこれもいつものことらしい。選手のほうは、想像以上に動きが速く、双眼鏡や望遠レンズで追いかけるのは至難の技だ。

 

「クァッフルは——スピネット選手に渡りました。美しいパスです。ウッドはいい選手を見つけましたね。

ジョンソン選手にクァッフルが返りました。そして——、おっと、フリント選手がクァッフルを奪った! スリザリンのキャプテンです。そのままゴールを決めるか——。

ウッドが止めた! こちらはグリフィンドールのキャプテン。両チームキャプテンが向かい合う形となりました。クァッフルは再びグリフィンドールに——。

おっと、あれは渡邉選手! グリフィンドールのチェイサー、それも一年生です! フリント選手をマークして急降下。素晴らしい箒さばきです」

 

キキちゃん乗っているのは箒というよりデッキブラシだが、他の箒も十分変な形のものが多いので、案外それほど目立ってはいない。あまり機会のない動体撮影に夢中になっていると、二十四コマフィルムを撮り切ってしまった。巻き上げる時間が惜しいのでボディごと交換する。予めサブ機にも装填しておいてよかった。

 

「えっと、巻き上げ、やっておくわよ?」

「ありがとハーちゃん! ボタン押してレバー引い……おぉキキちゃんその動きは追えない!」

「背後から迫るブラッジャーを華麗に避ける! 後ろに目でもついてるのか? そのまま加速——ちょっと加速が良すぎないか!? 誰も追いつけない!

スリザリンのピュシー選手が正面からクァッフルを奪おうとする——、が、別のブラッジャーに阻まれた! ちゃんと当たれよブラッジ——なんでもないです!

ブラッジャーを打ったのはウィーズリーの……、どっちだ? どっちでもいい! もはや渡邉選手を阻む物は無い! そのまま慣性に乗せてクァッフルを投げた! グリフィンドール、先取点!!」

 

スリザリンの観客席からはため息が、グリフィンドールからは歓声が上がった。シュートを決めたキキちゃんも嬉しそうではあったが、その視線はすぐに青空の中にぽつんと浮かんでいるハリーに向いた。はやくスニッチを獲れと言いたそうな表情だ。

今度はスリザリンが得点を入れた。卑怯な手(リー・ジョーダンは『おおっぴらで不快な反則』と表現した)をお構いなしに使ってきているようだ。キキちゃんは超人的な動きで毎回かわしているいるが、他のメンバーは数人脱落させられている。

 

「ちょいと詰めてくれ」

「ハグリッド!」

「ど、どなた?」

 

突然、隣に毛むくじゃらの大男がやってきた。ホグワーツ特急が着いたホームにいた人のようだ。どうやらハーマイオニーたちと知り合いらしい。

 

「俺はハグリッド。『禁じられた森』の番人だ」

「わたしはアルーペ・ミーティス。キキちゃ……」

 

ふと、ハグリッドの方を向いた視界の隅に気になるものが映った。双眼鏡がわりにカメラをハリーのほうに向ける。何事かとハーちゃんとハグリッドも同じ方を向く。なんと、ハリーが箒から落ちそうになっていた。

 

「ハリーは一体なにをしとるんだ?」

「わからないけど、箒の制御が効かなくなったように見えるよ……」

「ハリーに限ってそんなこたぁ——」

 

まもなく他の観客や選手も気づいたらしく、ハリーに視線を向け、そして息を呑んだ。

急に箒が揺れ、足が滑り落ちた。もうおしまいだと思った人も少なくはなかったが、なんとか片手で箒を掴んで持ちこたえた。

 

「わわっ、危ないよ! なんとかしないと……」

「強力な『闇の魔法』でない限り、ニンバス二〇〇〇なんて高級な箒にちょっかいをかけられるわけが無い」

「闇の魔法……!」

 

それはなんだか心当たりがありすぎる。再びカメラのファインダーを覗きこんだ。ハーちゃんも同じことを考えたらしく、双眼鏡を振り回し始める。

しばらくして、ハーちゃんとほぼ同じ方向を向いて同時に言った。

 

「スネイプ先生よ!」

「クィレル先生だ!」

「まばたきもしないでずっと何かぶつぶつ言ってるわ。呪いをかけているんじゃないかしら」

「こっちもだよ」

 

クィレル先生とスネイプ先生はスリザリンの観客席に一人分くらい離れて座っていたが、両方とも呪いをかけるような動きをしている。しかし、二人がかりで呪いをかけられて箒が揺さぶられる程度で済むのだろうか。どちらかがもう一方の呪いを相殺していると考えるのが妥当だろう。

 

「わたしはここから箒をどうにかしてみるから、ハーちゃんはあっちをどうにかして」

「言われなくとも」

 

ハーちゃんが姿を消した、一応証拠に一枚写真を撮り、杖を取り出し、落下するネビルにかけたのと同じ減速の魔法をニンバス二〇〇〇にかけた。まだ揺れてはいるが、ゆっくりになっただけまだマシだろう。すぐにカメラを片手で掴んでクィレル先生とスネイプ先生の様子を確認した。おっと、表情を崩したのはクィレルのほうか。証拠をもう一枚。

ハリーに視線を戻すと、なんとか自力で箒の上に這い上がれたようだ。が、まだ箒は勝手に動き続ける。

しばらく様子を見ていると、スネイプ先生の服が炎上しはじめた。ハーちゃんが火をつけたのだろう。慌てたスネイプ先生はクィレル先生を突き飛ばす。これでどちらの呪いも中断された。減速魔法のほうも解除すれば、ハリーは再び自由を手にした。

 

「結局、どっちがハリーを落とそうとしてたのかな」

「どっちって?」

「二人で呪いをかけたらあの程度じゃすまないと思うんだ。だから、どっちかは反対呪文? で相殺してたんじゃないかなって」

 

会話はそこで終わらせざるを得なかった。ハリーが先ほどまで留まっていた位置から落ちるように急降下をはじめたのである。また何かされたのかと慌てたが、どうやらその心配はいらなかったようだ。地面すれすれで止まると、口から金色の球を吐き出し、手で受けた。

 

「スニッチを獲ったぞ!」

 

あっ、シャッター切りそこねた。

 


 

「ばかな。先生がそんなことをする理由がない」

 

ハリー、桔梗と合流してすぐ、スネイプ先生とクィレル先生がニンバス二〇〇〇に呪いをかけていたことをハグリッドに伝えた(何故か隣にいたのに聞いていなかったらしい)。流石に信じてもらえないようだったので、現像しておいた証拠の写真を何枚か見せた。

 

「それに、トロールが地下室に入り込んだとき、スネイプ先生が『廊下』の三頭犬にちょっかいを出したみたいだわ。単純に入り込むつもりだったのか、他の誰かが入り込むのを妨害するためだったのかはわからないけどね」

 

キキちゃんが先日の話し合いの結果を報告すると、ハグリッドは引きつった顔になり、手に持っていたティーポットを落とした。何か知っているのか。隠したいつもりのようだが、この流れなら情報を引き出せそうだ。そう他の四人に目配せをした。察してくれそうなのは女子二人だけだが、なんとかなってくれと祈るほかない。

 

「なんで、フラッフィーを知ってるんだ?」

「フラッフィー? あの強そうな犬のこと?」

「そう、あいつだ。去年パブで会ったギリシャ人から買って——俺がダンブルドアに貸したんだ。その——守るために」

「何を?」

 

失敗だ。ハグリッドが自然にしゃべってくれるのを期待したのだが、会話はハリーによって遮られてしまった。すぐに次の策を考える。ハリーもさすがに察してくれたらしく、もう喋らない、といった様子で椅子に座りなおした。

 

「でも、スネイプ先生が、盗もうとしてるか、誰かから盗まれるのを阻止する必要が——」

「スネイプ先生はホグワーツの教師だ。盗む必要はない」

「じゃあ、何で誰かから守らないといけないの?」

 

ハグリッドは黙り込んだ。少なくとも、誰かから狙われているということは明確になったのだ。そして、証拠写真も踏まえれば、至る結論は一つ。

 

「まさかおまえさんたち、クィレル先生を疑おうって訳じゃねえだろうな!?」

「残念ながら、そう考えないといけないことになるわ」

 

キキちゃんも断言した。ハグリッドは何か反論できる方法を探しているようだが、見つからないようだった。

さすがにこれ以上話は続かないだろうと思ったが、ハグリッドは自ら口をすべらせてくれた。

 

「よく聞け、お前さんたちには関係のないことだ。首を突っ込むのは危険だ。全部忘れてくれ。これはダンブルドアとニコラス・フラメルの——」

「ニコラス・フラメル?」

 

間違いなくこれは重要なキーワードだ。なぜなら、既知感が尋常でないからだ世界の重要なことは、何故か既知感が他のそれより強いらしい。たまには『転生』疑惑も役に立ってくれるではないか。

 


 

マクゴナガル先生の『変身術』の授業が終わった。今日の授業はこれで終わりであるが、教室を出ようとすると、先生に呼び止められた。たぶん、あの件だろう。

 

「ミーティス、渡邉、ちょっとこっちへ」

「ハーちゃんたちは先に行ってて。

——なんですか?」

「万年筆の件、調べてみました。……驚きですよ」

「それはどういう……」

「その前に、この万年筆について何か聞いたことなどあればお聞きしたいのですが……」

 

何か聞いたこと、少なくともこれを受け取った時に何か聞いているはずだ。昔から受け継がれているというのは間違いない。その昔というのがいつだったか……。

だいたい一千年ぐらい前だった気がするが、正確な数字を聞いていたはずだ。たしか——

 

「作られたのは西暦九九三年だとか言ってました」

「やはりそうでしたか。ここまでぴったりくるとは……」

「九九三年に、何かあったんですか?」

「いいですか、九九三年は——」




タイトルはまた魔女宅のサントラから。

ハーマイオニー+アルーペ+キキ
 最強コンビ。「アルーペのアトリエ〜ホグワーツの錬金術士〜」とかあったらこのパーティー確定。最近のアトリエは三人PTじゃないらしいけど……。

白い望遠レンズ
 MINOLTA AF APO TELE 300mm F2.8 Gでいいや(テキトー)。ちなみにα-7000のMF時の連写速度は2コマ/秒ぐらい。

渡邉選手
 なんで僕は日本人にしたんだろう()
 ケイティ・ベル? 誰だそれ

勝手に動く箒
 「生きてるホウキ」かな?

前話が書き終わってやっと0話を投下することができました。クオリティ向上(話の前後関係など)、モチベーション維持(40000文字を無に帰す勇気はない)のため、常に5話、クラウドにストックしています。Googleのデータセンタが吹き飛んでデータが消失した時は勘弁してください。
寒くなってきましたね、とか考えてたら11月なのに雪が降ってきました。指がかじかんで誤字しまくりです……。

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