殺人犯は救世主   作:薬売り

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第九話 『殺人犯は吸血鬼?』

「お前の手って義手だったのか!?」

「まぁ、色々あってな。」

「面白かったよ。時が止まってて、何がどうなったか分かんないけど、右手にナイフが刺さった状態であのメイドにラッシュを与えた後に、義手直すの大変なんだぞ!!みたいな事言って。」

「ハッハッハッ!!なんじゃそりゃ!!」

 

 腹を抱えて笑う魔理沙。そんなことを言うが、本当に大変なんだよ。ついこの間直したばかりなのに壊しやがって……

 義手は、隠すために革手袋を着けている。

 

「にしても、広いよなァ~この館。見た目はそこまでだけどなぁ。」

「それは、俺も感じてた。空間操作系の能力者でも居るんじゃあねえか?」

「どうかしらねぇ。でも、もうほとんどの部屋を調べたわ。」

「最後は……」

 

 この目の前の部屋。

 

「部屋……じゃないか。」

「どういう事?」

「窓の位置的に、外に通じてるはずだ。きっと中庭とかだろう。」

「外で戦うわけか……やってやろうぜ!!」

「じゃあ、行こう。ついでに言っとくと、俺って戦闘ヘタクソだから。」

「「え?」」

 

 ドアを開ける。

 外はもう夜。月は満月で、紅い。近く感じるし、遠くも感じる…そんな月の下に、一人の少女が紅茶らしきモノを飲んでいる。

 高貴な存在。カリスマ性を感じさせるその少女は、こちらを見るとそのまま立ち、スカートの端と端を指先で持ち、ヨーロッパでよくありそうな挨拶をする。

 

「待っていたわ。退屈だったわよ?私の名は『レミリア・スカーレット』。」

「鬼島玄龍だ。」

「博麗霊夢よ」

「ジョン・スミス」

 

 魔理沙がふざけ始めたな。俺もふざければよかった。

 

「ジョ、ジョン・スミス?貴方日本人よね?その前に女性よね?名前が男っぽいけど。」

「あぁ、そうさ。どっちも肯定しよう。」

 

 ここでボケをかます魔理沙、嫌いじゃあない。便乗でもしようか。

 

「俺のミドルネームはジョーン。つまり、鬼島・ジョーン・玄龍って訳さ。」

「え、ちょ、ちょっと待ちなさい。混乱しているのに、更に混乱させないで。」

「博麗霊夢はアダ名よ。本名は博師楼麗願霊昌雷同夢想よ。」

「待って…本当に待って!!」

 

 こいつもボケてきた。ツッコミ役はレミリアだけ。

 

「いや、もういいわ。貴方達、何のようかしら?」

「宅配でーす。」

「そう、私を倒しに来たのね。」

「無視かよ…」

 

 中々のスルースキル。もう、諦めたのだろう。

 

「そういやさ、アレって飲むのか?」

「当たり前じゃない。私は小食でいつも残すけどね。」

「今まで何人の血を吸ってきた?」

「あなたは今まで食べてきたパンの枚数を覚えているの?」

 

 どこの吸血鬼だよ。

 

「13枚。私は和食ですわ。」

「私もそんなところね。」

「奇遇だな。俺も13枚。」

「いつも何を食ってたのよ。」

 

 俺は至って普通の食生活だがな。

 

「麦飯食ってたよ。あとは、漬け物とか味噌汁とかあ、納豆も出されてきたなぁ。」

「出されてきた?犯罪者だったの?」

「そうだな、人の血液を吸うという性癖を持っていたから、殺しちゃった。」

 

 レミリアが、少し驚いたような顔をしたが、直ぐに元の顔に戻る。

 

 

「で、どうするの?もう、私お腹いっぱいだけど……」

「そうだな、私はお腹がすいたぜ。」

「…食べてもいいのよ。」

「ああ、そうかい。今の、植物の名前だぜ。『亜阿相界』。」

「フフ、面白いわ。人間。」

「照れるぜ。」

 

 空気が変わるのを感じる。そろそろ、戦うのだろう。

 

「今夜はこんなに月も紅い。」

「まるで、血に塗られたように。」

「分かっているじゃない。鬼島・ジョーン・玄龍。」

「貴様もな。レミリア・スカーレット。」

 

 二人は見つめ合う。

 紅い瞳をする彼女は何を見ている?人間の皮を被った化物?化物の皮を被った人間?どちらとでも言えるだろう。

 黒い瞳をする彼は何を見ている?自分に似た吸血鬼?自分に似ない吸血鬼?どちらとも言えないだろう。

 

「「紅く染まる夜になりそうね(だな)」」




玄龍「ボケて何が悪い」

薬売り「レミリアがかわいそうに見えたぜ」

レミリア「諦めたわよ、とっくにね」

薬売り「ッと言うわけで始まりました後書き」

玄龍「今回のゲストはレミリアさんでーす」

レミリア「カリスマ吸血鬼、レミリア・スカーレットよ」

薬売り「自分で言う時点で違う」

玄龍「さて、レミリアたん」

レミリア「おい」

玄龍「二次創作では、うー☆うー☆言って好感度を上げてますが、その事についてどう……」

うー☆「ああああ黙れいッ!!何も言うなぁぁぁぁぁッ!!」

薬売り「かりちゅま(笑)」

かりちゅま「ぶっ殺すッ!!」

薬売り「ハイハイぶっ殺ぶっ殺」

玄龍「なかよし」

レミリア「違うわ!!」

玄龍「え?俺本の名前言っただけなんだけど」

レミリア「紛らわしいし何故今なんだよッ!?Why!?」

玄龍「Japanese people?」

レミリア「違うわ!!」

薬売り「デジャヴ」

玄龍「はい、レミリアを弄りまくって一本満足したんで、終わります」

レミリア「待てェェェェッ!!」

玄龍「それでは、また来週」

薬売り「じゃあの」

レミリア「チクショウメェェェェ!!!」

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