島村家の元フェザー級日本チャンピオン~challenge again~   作:伊吹恋

20 / 46
友人「ラ○ライブの小説投稿するのはいいがこっちはいつになったら投稿するんだ?」

fal○out4プレイ中
自分「忘れてた・・・」

友人「ギルティ」


Round.5

スパーを終えた俺は厨房で京介のプロボクサー合格祝いをするために料理を作っていた。料理は全て一流コック・・・とまではいかんが、それなりに豪勢な物を作ったはずだ。

 

「さあ、遠慮なく食ってくれ。飯代はいらねえ。飲み物飲み放題。無礼講だ」

 

「「「「「「「「「「「「「「いただきまーす!!」」」」」」」」」」」」」」

 

とは言ったものの、俺の笑顔は知らぬうちに引きつっていただろう。

 

「お、おう・・・たくさん食べてくれ。お代わりも幾らでも・・・」

 

一つだけ言わせてくれ。

 

「なぜこうなった・・・」

 

ここに居るのはニュージェネの三人と京介だけじゃない。ここには卯月がいる346プロダクションのシンデレラガールズのメンバーもいた。

卯月が「お祝いするなら大勢の方がいいです!」と言ったのが発端だ。

 

 

改めてもう一度だけ・・・

 

 

 

「なぜこうなった・・・」

 

「別にいいじゃん。お祝いは大勢でした方が楽しいし!」

 

未央は卯月と同じ事を言いながらサンドイッチをひとくち口に含む。

 

・・・まあいいか。別に大勢が嫌いなわけじゃない。むしろこうやって騒ぐのは好きな方だし・・・。

 

「すみません。島村さん」

 

と俺の横から声を掛けてくる長身の男性。この人は卯月の・・・シンデレラプロジェクトのプロデューサーである。この人も先ほど仕事が終わりこうして俺の店に顔を出してきたのだ。顔は強面だが性格は控え目で誠実な人だ。俺も何度か会っている。

・・・卯月が凄くこの人の事を話すから一度彼氏だと思い込んで殴り込もうと思ったこともあったのは良い思い出だ。俺だけだと思うが・・・。

 

「武内さん。アンタのせいじゃないし、俺はこういうのも好きなんだ。だから謝る必要はない・・・」

 

「そう言って頂けると助かります。今度シンデレラプロジェクトの皆さんは大きなライブがありますから、その前の息抜きと思ってまして・・・」

 

前に卯月から聞いた。確か夏のアイドルフェスティバル。略して夏フェスだったか・・・古今東西日本全国のアイドルが集まる盛大なお祭り・・・その祭の最初を飾るのがこいつらシンデレラ達・・・そのプレッシャーは凄まじいだろうな・・・。確かに、息抜きになるならそれでいい。

 

「夏フェスが終わったらまた祝いを開こう。その時は今日以上のご馳走を振る舞わせてもらうよ」

 

「重ね重ねありがとうございます」

 

気になると言えばアイドルが大勢集まって週刊誌に載ったりしないかという心配だけだ・・・貸し切りにして看板も立ててるし大丈夫だろう・・・と思う。

 

「一樹さん。今日はありがとうございます」

 

「気にするな。俺がやりたいからやってることだ」

 

まあ人数は予想外だったが・・・

 

「しかし、凄いですね。シンデレラプロジェクトのアイドル勢揃いですか・・・」

 

何か京介の目が輝いているように見えるが・・・。

 

「・・・お前アイドル好きだったか?」

 

「まあまあって所ですかね。クラスもよくその話をしてますし」

 

「この際だ。誰が誰なのか教えてくれ。俺はこういうの詳しくねえし、卯月の友達だ、失礼のないようにしたい」

 

「分かりました。まずは一樹さんの知ってる所から、『ニュージェネレーション』島村と渋谷凛さんと本田未央さんのユニットですね。リーダーは未央さんがしてます。曲は「できたてEvo!Revo!Generation!」が有名ですね」

 

・・・詳しいなオイ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――が以上のメンバーですね」

 

20分ぐらいたったか?京介の説明を黙って聞いていたがとても知ってる程度の人間の知識量じゃねえな。というかなぜにメンバーの趣味まで知ってる?

 

「詳しすぎねえか?」

 

「そうですか?人並みに知ってるだけですが・・・」

 

「・・・お前のお気に入りのユニットは?」

 

「ラブライカです」

 

即答かよ・・・。俺は京介の手にある空のグラスにジュースをつぎ、ツッコみたい衝動を抑えている。

 

「あっ!このお店カラオケもあるの!?」

 

と未央が大声で言う。居酒屋をしているからな。一度客のリクエストでカラオケを導入したらこれが好評だったためそのまま置いていた。まあ歌うのは酔っ払った親父とかだがな・・・。

 

「歌いたければ歌ってもいいぞ。盛り上がりにBGMは必要だろ」

 

「って、アイドルの歌声をBGM呼ばわり!?」

 

「せっかくだからお兄さん歌ってみてよ」

 

おい渋谷貴様・・・。

 

「賛成です!私、お兄ちゃんの歌ったところ見たこと無いから楽しみです!」

 

オイ我が義妹よ、何を言い出すのか・・・。だがもうカラオケを起動して未央は俺にマイクを突き出す。なんでみんな期待の眼差しでこちらを見ている・・・どう考えても違うだろ。俺じゃ無くお前らが歌うべきだろ?

だがマイクも突き出されて断れば場の空気がしらけるのは目に見えてる。

 

全く・・・。後悔すんなよ?

 

「仕方ねえ!」

 

マイクを手に持ちいざ曲を入れる。絶対みんなしらねえと思うが・・・ボクシング人生を送った人間なら誰もが知ってる曲だ。

 

 

 

 

 

アリス-『チャンピオン』

 

「へぇ~チャンピオンがチャンピオンを歌うんだ」

 

「未央、元だよ元」

 

大きく息を吸い、腕を大きく振り腹から声を出す。

 

「つぅかみかーけたぁ!あっついウーデをー!♪」

 

「「「「「「「「だあー!!」」」」」」」」

 

その場にいた全員がズッコケていた。

 

 

 

 

 

 

一樹が歌っている間に未央は少し後悔していた。まさかここまで歌が下手だとは思っていなかったからだ。

だが勢いで歌っている一樹の表情はとても楽しそうだ。これは誰にも止められない。

 

「た、楽しそうだね・・・」

 

「そうだね・・・」

 

みんなは暖かい目で見ているが本心から言えば早く終わらないだろうかという感じだった。ついに一樹は腕と足を振り上げて歌い出した。

 

『ライラライラライラライ!!♪』

 

だがそんな中で京介はある物を見ていた。カラオケ映像に出ている人物のチャンピオンベルトだ。一樹も一度巻いたそのベルトを京介はたどり着けるのかどうか、不安が募っていた。これからはプロの選手。もちろんチャンピオンまでの道は険しく厳しすぎる。ある意味これは一樹からのバトンを京介が握ったような物だ。そのプレッシャーは凄まじく、重いものだった。

 

「俺も歌います!!」

 

京介はもう一つのマイクを手に取り同じように歌う。

 

『『ライラライラライラライ!!♪』』

 

それはその場の人間全てが察した。京介のプレッシャーに対して。すると続々と

 

「みくも歌うにゃー!」

 

「み、みくちゃん!わ、私もロックに歌うよ!」

 

「よ~し、未央ちゃんも歌うぞ~!」

 

と前に出て一緒に歌い出す。

 

『『『『『ライラライラライラライ!!♪』』』』』

 

 

 

 

 

 

40分後

 

『『『『『ライラライラライラライ!!♪』』』』』

 

「・・・十回目ですね」

 

「・・・そうね」

 

「飽きないのかな?」

 

「皆さん楽しそうで何よりですね!」

 

「卯月ちゃん・・・ちょっと違う気が・・・」

 

「ふっふっふ・・・悪魔達のささやきが聞こえるわ!(皆さん楽しそうですね!)」

 

 

 

 

 

 

更に40分後

 

『『『『『『『『ライラライラライラライ!!』』』』』』』』

 

いつの間にか人数が増えていた。

 

「に、二十回目ですね・・・」

 

「そろそろ止めた方が良いんじゃないかな・・・?」

 

この夜、この曲の音楽が絶えることは無かったとかなんとか・・・。

 

 

 

 

 

 

 

夜の11:00を過ぎた頃には俺は寝ている卯月に掛け布団を掛ける。

 

一時間前には武内さんが赤城みりあちゃんと城ヶ崎莉嘉ちゃんを車で家に送って行ってくれた。高校生大学生たちは明日も休みだと言うことでここで一晩泊まることになった。全員一階で寝静まってしまい一人一人俺の部屋に布団を惹き寝かせていたのだ。卯月を運びこれで最後だ。

みりあちゃんと莉嘉ちゃんも泊まりたいとは言っていたがいくら大勢で泊まると言っても流石に親御さんが心配するし、莉嘉ちゃんはお姉さんのが居るからな。流石にそれは不味いと思いご帰宅頂いた。他はほとんどが寮だったりするから良いとのことだったが、これが親御さん達の耳に入れば俺は彼らのサンドバックにされるだろうな・・・。

 

俺と京介は一階のソファーで寝るためなんとか全員俺の寝室に運ぶことが出来た。

 

「フゥー・・・」

 

洗い物も終え、俺は頬に手を当てる。

 

「痛っ・・・」

 

京介とのスパーの時に最後に振るったカウンター。流石に意識が朦朧として標的がずれたらしく、パンチはずれて俺の頬をかすった。その痛みは時間が経つと痛みを増していった。祝いを開く頃にはあまり痛くは無かったが、まだヒリヒリする。

本来カウンターは相手のパワーを利用した技だ。相手が向かってきたパワーがそのまま二倍のダメージとなり襲いかかってくる。当たらなかっただけ運が良かった。あれが当たれば倒れていたのは俺かもしれなかった。今考えると恐ろしい。自分で言うのもなんだが、俺のボクシングは力でねじ伏せるパワーボクシングだ。そのパワーがそのまま自分に降りかかると考えただけで俺は恐怖した。良ければ倒れるだけだが悪ければ気絶していただろうな。

 

「まだ起きてたのですか?」

 

後ろから京介が声を掛けてくる。

 

「あ、あぁ・・・もう寝ようと思ってた・・・」

 

コップについでいる水を口にする。

 

「やっぱり、もう表舞台に戻る気はありませんか?」

 

「・・・・・・」

 

「一樹さんは今でも現役に戻れますよ!パワーも身体能力も衰えていません!今ならまたリングに上がることだって・・・」

 

「京介・・・その事は前にも話したハズだぞ・・・」

 

「・・・すいません」

 

「もう俺も寝る。お前も寝ろ」

 

「ハイ・・・」

 

ソファーに身を横にして布団をかぶる。

俺はリングを降りた身だ。老兵は去るのみ・・・だがお前は違う。お前はまだ可能性がある。だからこそ、俺がリングに戻る必要はないんだ。

 

 

お前は里中ジムの期待の星なのだから・・・。

 

 

 




申し訳ありませんでしたァァァ!!

こちらの投稿をおろそかにしてしまい本当に申し訳ありませんでしたァァァ!!!
ちなみに今回のカラオケは鷹村がカラオケで歌っていたアレです。

増えた人が誰が歌っているかはご想像にお任せします。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。