島村家の元フェザー級日本チャンピオン~challenge again~   作:伊吹恋

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自分「何か面白い小説載せたいなー」
棚にあるはじめの一歩とアイドルマスターシンデレラガールズの本が並んでるのを見て思った。
自分「あ、この組み合わせ面白いんじゃね?」

という考えで作りました。


本編
プロローグ


ボクサーは一口に色々ある。ある者は金のため、ある者は栄光のため、いろいろだ。

俺は後者。どんなに劣勢だろうが、どんな奴でも俺はこの拳で倒してきた。フェザー級日本チャンピオンという肩書きは俺のプロボクサーとしての栄光だった。だが、たった一発のパンチで、俺のプロボクサー選手生命は終わった。

 

ラッキーパンチ。

 

その拳は俺の頭に命中し、俺は重傷を負った。後遺症は無いものの俺は引退を決意した。そんな俺の栄光は消え失せる。そしていつの間にか俺の周りには人が居なくなっていた。名も薄れ、俺は時の流れに取り残された。

 

 

 

 

朝を起きると俺がまずやる事は料理の仕込みからだ。それをしながら自分が食べる朝食の準備もする。

朝食を済ませると店の開店だ。朝から夕方にかけてうちはなんてこともないただの喫茶店だ。夜は居酒屋として酒を提供する。何処にでもある一般向きの店だ。しかし、ここはちょっと違うところがある。それは、ここの常連にアイドルがいる事だ。

 

開店をして数分後、ドアを開けられ、ベルがチリーンと音を出す。

 

「いらっしゃいお席はご自由にどうぞ」

 

客に挨拶をしてすぐに客が座った席にメニュー表を出す。

 

「私キノコとホワイトソースのスパゲティで」

 

「じゃあ私は日替わりランチでお願いします」

 

「かしこまりました。日替わりランチはライスとパンでメニューが変わりますがどうなさいますか?ライスには大根の下ろし和風ハンバーグと具沢山味噌汁と漬物、一方パンはスープとサラダと特製ミニグラタンですが」

 

「じゃあライスで」

 

「かしこまりました」

 

これが俺の仕事。時代に取り残された俺にお似合いの仕事だ。1日こうして料理を作り続ける。昔の俺と比べたら全然違う。

 

チリーンとまたドアが開かれる。

 

「いらっしゃい…って、お前か」

 

「えへへ。こんにちは、お兄ちゃん」

 

ドアを開けてそこにはいたのは、今人気急上昇中の我が義妹『島村卯月』だ。

 

「おう、今日はどうした、レッスンがあるんじゃないのか?」

 

「今日はレッスン早めに終わりました」

 

「で、昼をここで食う気でいると。まあ、食材は残っていることだし。何が食いたい?」

 

「ハンバーグでお願いします!」

 

「かしこまりましたっと」

 

そう言って俺は厨房に入りご指名のハンバーグを作り、卯月の前に出す。こいつはよくここで食事をして帰る。夜も時々ここで食って帰る。

家で母さんが作ってるんじゃないのかな。

 

「で、どうなんだ。アイドルは。やりがいあるか?」

 

「はい!事務所の皆さんいい人たちですし、何より長年の夢でしたので」

 

笑顔でそう言うが、アイドルという仕事はそんな簡単なものではないはずだ。努力無しで成し遂げるものはよっぽど運が良く、才能があるものだからだ。

現に俺も昔はフェザー級日本チャンピオンという座に着いたが、それでも血のにじむ努力をしてきた。何万回と左だけの拳を突き出し、まるで馬鹿の一つ覚えのように同じことをがむしゃらにやって来た。まあ、ボクシングとアイドル自体全然違うが努力という面では同じハズ。

だが、卯月はシンデレラプロジェクトに選ばれるまであきらめずレッスンを続け、ようやく報われた。こいつこそ真の努力家だろう。そんな努力家に俺はねぎらう言葉もない。ただただこう言う。

 

「そうか。頑張れよ」

 

笑顔でそう言ってやることがこいつの励みになるだろう。

 

「はいッ♪」

 

 

 

 

営業終了して俺は店の片付けをしていた。俺は皿を洗いながら昼卯月の言っていたことを思い出した。

 

「夢...か」

 

俺の夢、それは世界、世界への挑戦だ。

WBC世界タイトル。ベルトをお世話になった里中会長に差し出し、島村一家に恩返しすること。それが俺の夢だった。試合に負け、重傷を負って俺が引退することになった時、一番身体の心配をしてくれたのは卯月だ。「無事で良かった」何度も言われた言葉だが涙を流しながら言われたその一言がどれだけ嬉しかったか...。そして同時に胸が苦しくなった。

 

だからこそ俺はプロボクサーを辞めた。これ以上俺は家族の悲しむ顔を見たくなかったからだ。

 

拳を握りしめ、ジャブを放つ。

 

シュッ!

 

放った拳は風を切るような音を出し一直線に伸びる。

 

シュッシュッ!

 

ワンツーから直ぐに頭を動かす。相手に予測されないようにフットワークをし、頭を左右に揺らす。

 

シュッ!

 

パリィン!!

 

「あ」

 

勢い余って拳を山にしていた皿に当ててしまい、皿は派手に飛んでいき地面に落ちて破れた。

 




はいという訳でプロローグになってます。
正直ここからどうするかあまり考えていません。仕事が忙しいということもあり自分のペースで書いていくつもりですのでどうぞよろしくお願い申し上げます。

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