島村家の元フェザー級日本チャンピオン~challenge again~ 作:伊吹恋
今回は三周年記念回ということでネタ話になっています!
それではどうぞ!!
俺の名は島村一樹。訳あってプロボクサーと俳優をしているんだが、マジで俳優はなるつもりは全然なかったわけで…俳優を目指してる人とかに申し訳ないんだが、俺はそこまで乗り気じゃなかったんだ。だが何故か演技を周りが賞賛し、俺を祭り上げるようにトントン拍子に事が進みプロボクサーと俳優の道へと進んでいってたんだ。
そんな俺の朝は早い。目覚ましの音で俺はゆっくりと身体を起こす…
ん?
身体がなんか軽いな…というかなんか髪の毛もふわふわして…いい匂いだぁ…昨日シャンプー変えた影響か?とは言え俺はまずベットから降りて…と思ったんだが…なんかおかしい…なんか胸の所が少し重い気がする…昨日軽めの運動をして休んだからか?
いやいやそれでもおかしい…というか…ピンク色の服…?こんな服俺持ってたっけ…?
「…これ…どう…いう…っ!」
なんか声色が違う!?高い!?声色が高い!?昨日少し酒飲んだから…ってんなわけあるかぁ!!酒やけでもこんな声にならねえわ!!
俺は嫌な予感がしてすぐに近くにあった鏡で姿を見た。
「な…な…な…!!」
そこにいたのは我が愛しき義妹…島村卯月の姿がそこにあった。
なぜ卯月の姿がある…俺は卯月に手を振ると鏡の中の卯月も手を振る。両手を振ってみると鏡の中の卯月も手を振る!!
「な、な、な…!」
私は島村卯月と言います!高校2年生で、アイドルをやっています!今日は学校はお休み、アイドルのお仕事もお休みです!今日オフの日は凛ちゃんと末央ちゃんとショッピングをする予定です。
そんな私の今日の朝は少し早めに起きるように目覚ましをセットしました。目覚ましの音と共に私は目を覚まし、体を起こしました。
…あれ?なんだか身体が重いような…なんだか胸も軽いような感じがします…。というか…この匂い…優しくて…安心する匂い…お兄ちゃん?私、いつの間にお兄ちゃんの家で寝てしまったのでしょう?目を腕で擦り眠気の中私はお兄ちゃんを呼ぶことにしました。
「お兄…ちゃん…?」
あれ?声が…おかしい…低くなったような…私はお兄ちゃんの部屋にある鏡を見てみます。
そこには、お兄ちゃんがいました。私を見ている鏡の中のお兄ちゃん…
私が手を振ると鏡の中のお兄ちゃんも手を振りました…。
「な、な、な…!」
「「なんじゃこりゃああああああああああああ!!!!!!!」」
朝早くに二人の兄妹の声が交差するように鳴り響いた。
「ふぅん…つまり、二人は中身が入れ替わったと…」
「「はい…」」
現在朝の11:00時昼食を一樹の喫茶店で済ますことになっていた卯月たちは凛と末央と合流して今現在の状況を説明していた。
「お兄さんの身体にはしまむー…しまむーの身体にはお兄さん…。にはかには信じがたいなぁ~お兄さん、シャドウしてみてよ」
「こ、この身体でか…ちょっと抵抗があるんだが…」
「なんで?」
「……いや、妹の前でこれ言いたくないんだが…」
「でも言わないと信じてもらえないよ?」
「…んだよ…」
小さな声を発する一樹の発した言葉が全員に聞こえなかったらしく「「「えっ?」」」と聞き返す。
「あ~もう!痛いんだよ!胸があるから!!」
「「「あ~…」」」
卯月の身体は言ってしまえば出るところはちゃんと出ている女性らしい身体つきだ。そんな彼女の身体でシャドウをすれば当然胸が激しく動く。だが一樹にとって今のシャドウは痛みと引き換えにしているもの。だがここで信じてもらうために一樹は意を決する。
「見てろよ!一度しかしねえかんな!!」
やけくそ交じりに一樹はいつものピーカブースタイルの構えをとり拳を構えた。
「シッ!シシッ!!」
一樹の身体ではないからか少し体の切れがないが、それでも今の凛と末央にはわかる構え方とシャドウの仕方で分かりやすかった。そして卯月の身体でやっている一樹はというと、
「ッ…!シッ…!」
揺れる胸の痛みに耐えながらやっていた。男として生きてきた一樹にとっては感じたことのない痛み。当然耐えれるわけない。既にもう涙ぐんでおり、ついに耐えれなくなりうずくまってしまった。
「もう…いいか…?」
「うん…もういいよ…ありがとう、お兄さん…」
「あと、ご馳走様です…」
「オイ本田今なんつった?」
両手を合わせてお辞儀をする末央に向かって突っ込む一樹だったが、痛みに耐えてやった甲斐はあった。卯月の身体でのシャドウ。体が違うことによりキレは全然違うものの、紛れもなく一樹のスタイルのボクシングだった。一樹の行動は同時に卯月の証明にもなった。
「それで、どうすんの?今日お兄さんドラマ撮影じゃなかったっけ…?」
「…あ」
この騒動ということから一樹はすっかり仕事のことを忘れてしまっていた。
勿論休むわけにもいかず、頭を抱える。
「そうだ…今日は撮影日…しかも俺が総督の所から抜け出すシーンだ…ほぼ俺メインじゃねえか!」
「あれ?メ〇ルは…」
「末央、それ以上はいけない」
「しかもあと二時間しか猶予がねえ!どうしよう…!」
「落ち着いてくださいお兄ちゃん!」
「自分の声を間近に聞いて落ち着けれるかぁ!」
「「(確かに)」」
どうしようどうしようと慌てるプロボクサー(今はアイドルの身体)を見てて少し面白いと感じている凛と末央だがそろそろかわいそうにも思えてきてある提案をする。
「じゃあさ、志希に頼んでみたら?」
「そうだね、しきにゃんなら何か作ってくれるかも」
「志希に?あのマッドサイエンティストに何を頼むんだよ…」
実は一樹と志希はドラマの撮影の際に出会っている。志希の役は今一樹たちが撮影しているシーズンに出てくる敵サイドのコミュニティに所属する科学者役として出ていた。
だが、彼女が失踪してしまうことが多々あるためドラマ撮影が進まないということもある。天才美少女科学者である高校生に何ができるのか不安でしかない一樹。だがよくよく考えてみるとこんな摩訶不思議なこと彼女が食いつかないわけがない。
「しきにゃんだったら面白がって協力すると思うんだけどな~」
「確かに志希ちゃんならこの状況を打開してくれるかも…?」
「その前に失踪してんだからどこにいるか探すところからスタートだろう…そんな時間どこに……いや、待てよ…」
卯月の身体の一樹はドタドタと走り自分の部屋から携帯を取り出した。
「え~っと確か…あった!」
一樹が開いている携帯電話帳にマッドサイエンティストと書かれたアイコンがあった。それをタッチして携帯を耳に当てる。
1コール…2コール…3コール…4コール…5コール
ガチャ
「はろはろ~…」
いかにも今寝てましたというような声を発している彼女。
「おせえよ」
「あれ…卯月ちゃんのお兄さんの携帯だよね?声変わった?」
「昨日も出演一緒だっただろう人間がそう簡単に声帯が変わるか」
「…でもこの声卯月ちゃんだよねぇ~…あっわかったドッキリだ~☆」
「よぉ~し今からお前がいる場所を教えろそのハッピーな頭に一発喰らわせてやるよ!」
「もぅノリ悪いなぁ~…あっもしかして昨日の薬の影響かな?」
「ん?オイ今なんつった」
「いや~昨日作った身体が入れ替わる薬を興味本位でお兄さんの飲んでた水に混ぜたんだよねぇ。試作品だったから効果がどれくらいのものか確かめたくて☆」
「……」
「だからお兄さんの身体と卯月ちゃんの身体が入れ替わったのかなぁ~と…あれ違ってた?」
「オマエノシワザダタノカ」
後半へ続く。
ヤバイ…しきにゃんの口調覚えてない…