旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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感想欄で、「何やこいつら、クトゥルフの探索者かな?」みたいなコメントを頂いたので、初月ちゃん達に黒井鎮守府の探索をさせてみます。SAN値ゼロでヤンデレに。さて、どこに行かせりゃ良いんだろうか?

鹿島がガリアンなのも、秋月型がエルドランなのも、陽炎型がライダーなのも、俺の趣味です。いけませんか?(逆ギレ)


95話 いあ!いあ!黒井鎮守府!!

「白米とは、美味いものだな……」

 

まるで、士官のような生活だ。

 

食事は美味い。給金も高い。娯楽も十分過ぎるくらいだ。菓子や酒のような嗜好品もあって、定期的な休みも貰える。

 

自室は、秋月型と言う枠組みで一部屋。だが、三、四人で丁度くらいの落ち着く部屋だ。あまり広いと掃除が大変だからな。家具は上等なものだったし、テレビや冷蔵庫に空調まである。

 

鎮守府の中は、基本どこでも出入り可能だ。他の艦娘の自室でもない限り。食堂は、いつ行っても大体は何か食べるものが置いてあるし、休憩室は、本当に、何でも置いてある。鳳翔がやってる居酒屋(何で鎮守府の中に居酒屋があるのか、全くの謎だが)には、酒もつまみも完備。間宮のところにも、美味いものばかり。おまけに、会議室や資料室は分かるが、体育館だの、プールだの……。温泉から農場まである。

 

一体、ここは何なんだ?

 

……こんなに、いい生活をしていて良いのか?

 

あ、いや、訓練は相応に厳しいが。……神通は、本当に厳しい人だ。だが、辛い訓練の一つ一つが、自分の力になっているのが分かる。

 

……最初、このロック装置とやらを見せられた時は、一体何の冗談かと疑ったものだが、中々どうして……。

 

「ご飯、相変わらず、美味しいです……!」

 

……まあ、秋月姉さんは嬉しそうだしな。良い、のかな?

 

「……でも、やっぱり、未だに信用ができないわね……。流石に、待遇が良過ぎるんじゃない?だって、もうここに来て二週間経つけど、出撃なんて一度もないのよ?それなのにこの待遇って……」

 

確かに。

 

照月姉さんの言う通りだ。

 

僕達は、未だに何も……。

 

「……照月、初月?失礼ですよ、こんなにも美味しいご飯を食べさせて貰っている相手に、不信感を抱くなんて」

 

秋月、姉さん……。

 

「でも……」

 

「それに!疑って安全を保つよりも、信じて裏切られる方が良い、でしょう?他人を疑いながら生きるなんて、良くないです」

 

……ふふ、やっぱり、秋月姉さんは、僕の自慢の姉だよ。

 

 

 

 

 

さて、訓練だ。内容は応用的なもの。鹿島の基礎訓練とは全く違う。

 

「やあっ!!!」

 

そもそも、鹿島もあそこで、僕達と一緒に訓練をしている。

 

「鹿島さん、確かに、速さで敵わないから間合いに入れないように努力する、と言うのは正常な判断です。しかし」

 

「えっ?!嘘、消えっ……、ああっ!!」

 

「……この程度の速度には、ついて来い、と言うことです。違えないで下さい」

 

……相変わらず、神通には容赦の二文字がまるでない。訓練で辛い思いをすればするほど、実戦で困らない、と言うのは分かるが……。

 

「予め言っておきますが……、黒井鎮守府の戦場で、尋常な判断など捨て去って下さいね。全ては、提督の為に……」

 

殆ど、視認することすらできない速度について来い、とは、何の冗談だ?

 

「……そして、そこ。余所見をするな、とは言いませんけれど……」

 

「あ、ああ、すまな……、?!」

 

殺気?!

 

「気を抜いちゃ駄目だよー?常在戦場!提督の敵は海の上にいるのだけじゃないんだからねっ!」

 

後ろから、苦無を振るってきたのは、川内だ。どうにか、転がって回避したが。

 

……常在戦場、それは、分かるが……。敵が海の上以外にもいる、とは?どう言うことなんだ?

 

「さて、鹿島さん?まだ訓練は終わっていませんよ。さあ、立って?……提督から譲り受けたその剣、飾りではないのでしょう?」

 

「くっ……!い、行きます!!」

 

……鹿島は、元から、剣の心得があった。それだけじゃなく、鞭を使うことも多々あった。……そこで、提督が言ったのは、じゃあ、一つにまとめろ、とのことだった。

 

そうして、出来上がったのは、蛇腹剣。……見るからに、技量を要求される剣だ。

 

鹿島は、その奇形の剣を巧みに操り、戦闘する。並みの深海棲艦ならば、瞬きする間にバラバラにされるだろう。

 

……これで、練度不足と言うのだから、黒井鎮守府の底が知れない。

 

思えば、最初に会った春雨も、その後に会った時雨と夕立も、複数の戦艦や空母の深海棲艦の死体を運んでいたな……。

 

つまり、黒井鎮守府の最低ラインは、単騎で複数の戦艦や空母を惨殺できるくらい、と言うとこか。……いや、冗談だろう?

 

「それじゃ、取り敢えずは、刃物で殺すことに慣れようか?はい、そこら辺から捕まえてきたタ級だよ。首を刎ねて、臓物を引き摺り出してごらん?」

 

「ヒッ……、時雨姉、こんなの、おかしいよ……」

 

「耳を澄ませてみて……?提督の命令が聞こえるっぽい。殺せって。沢山、沢山、敵を殺せって……」

 

「夕立姉さん!それは幻聴よ!お願い、正気に戻って!!」

 

「江風ちゃんも、ほら!早く殺してみて?大丈夫!提督は、殺せば殺す程褒めてくれるんだから❤︎ほら、頑張ってぶっ殺して、提督になでなでして貰おうね❤︎」

 

「わ、分かった、春雨の姉貴……。う、うおおおお!!!……や、やったぞ……。は、はは、ははははは、大したこと、ねえな……。こ、これで、提督が喜んでくれるンなら、私は……」

 

……白露型は、何だか大変そうだな。

 

何でも、白露型独自の訓練があるらしいけど……。聞いた限りでは、まるで、死んで覚えろ、みたいな感じらしい。……よく分からないけど、大変なのは分かったぞ。

 

「うぉりゃあああああ!!!!」

 

……対して、陽炎型は、蹴りを中心に様々な武術を習得しているみたいだ。

 

何故か、助走をつける嵐の足跡が燃えているが……?改造、改修と言うやつだろうか?

 

謎だ。

 

さて、僕もごちゃごちゃ考えている暇は無いな。明石から渡されたこの西洋剣?と盾?に一刻も早く慣れて……。

 

な、慣れて…………。

 

「……このデザイン、何とかならなかったんだろうか……?」

 

嫌にテンションの高い明石が、嬉しそうに持ってきたものだから、断りきれなくって……。

 

……何で、獅子を象っているのだろうか?何で、獅子の口から剣の柄が出てきて、刃が生えるのだろうか。そもそも、素材は何なのか……。謎だらけだ。

 

明石に聞いても、うちは悪の組織だから、と。悪の組織が技術力に優れるのは当然だ、などと、全く話が通じない。

 

曰く、使いこなせば絶対無敵だと言ってはいたが……。どうなんだろうな。

 

だがまあ……、

 

「ほらほら!その大層な剣はオモチャじゃないでしょ?当ててみなよ!さあ!!」

 

「くっ、川内、無茶を言う……!」

 

今は目の前のこと、だな。

 

「初月、冷静に考えるんだよ!見えなくても、軌跡くらいは読めるようになったんだから!!大丈夫、自信を持って!!」

 

「秋月姉さん……!!」

 

姉さんの言う通りだ。人間が、飛来する銃弾が見えないように、僕にも川内の動きは見えない。だが、

 

「………………こっちだ!!」

 

どっちから来るか……、それくらいは分かる!!

 

「…………うん、取り敢えずは合格、かな?二週間でこれなら、上出来かな」

 

……は、はは、突き出した剣の上に乗る、か。いよいよもって化け物だな。

 

 

 

×××××××××××××××

 

「……さて、揃ったか?」

 

「秋月姉さんは呼んでないわ。姉さんは、こう言うこと、あまり得意じゃないから……」

 

「ええ、全員」

 

「う、うん、いるよ……」

 

「よし、では早速、この鎮守府の異常についてだが……」

 

初月、照月、海風、山風……。なーに、この俺を差し置いて、作戦会議なんてしてるんだ!!

 

「ちょーっと待った!!」

 

「ま、待ってってば、嵐!」

 

「………………嵐、お前は呼んでないぞ」

 

んなっ?!ひ、酷いな、初月は……。

 

「お、俺をこんな面白そうなことに呼ばないなんて、酷いぞ!」

 

「ご、ごめんね、嵐が……」

 

萩も付いてきてくれた。助かるぜ!

 

黒井鎮守府の調査だなんて、絶対面白いやつだ……!そもそも、悪の組織とか看板に書いてあったんだ、怪人の一人や二人が出てもおかしくない……。

 

「さあ!俺と一緒に、この黒井鎮守府に巣食う悪を退治しようじゃないか!!先ずは探検だっ!俺に続け!!」

 

この鎮守府、めちゃくちゃ広いからな。まだ行ってないところとか、沢山あるんだ。皆んなで探検しようぜ!

 

「お前、この集まりの趣旨が分かってないだろ?!……良いか?この鎮守府はな、どこかがおかしいんだよ!だから、それを突き止めて、原因をどうにかする!それが目的なんだ!遊びでやってるんじゃないんだよ!!」

 

お、おお?怒られちまった。初月はいっつも怒ってるなー。

 

「……ん?でも、調査って言っても、何をするんだ?」

 

「………………それは」

 

「なんだ、決まってねえのか?じゃ、足で稼ぐしかねえだろ?」

 

全く、短気は損気だぜ?

 

「……はぁ、ま、良いさ。ただし、邪魔だけはしてくれるなよ?」

 

「おう!!」

 

あったり前だろ?

 

「……そう、だな。取り敢えず、工廠に行ってみないか?」

 

工廠……。俺の艤装を改良してくれたスゲー人、明石さんと夕張さんがいるところだな。そういや、行ったことねえや。

 

「そう、だね……。この鎮守府の技術力、おかしいもん。あたし達が、前の鎮守府から逃げ出して、鹿島さんに拾ってもらえるまで、それなりに今の日本を見て回ったけどさ、この黒井鎮守府程の技術力は無かったもん……」

 

確かに、山風の言う通りだ。この鎮守府は兎に角スゲーんだ。ワープ装置とか、ロボットとか……。えすえふ、ってやつだな!

 

「じゃあ、行ってみるか?」

 

「そうだな、お邪魔してみよう」

 

良し!いざ、工廠へ!!

 

 




初月
警戒心マシマシ。だが、旅人自体には好意的。今はまだまだだが、やがて絶対無敵になりそう。

照月
現状に満足してはいるが、艦娘の皆んなの態度がちょっとおかしいと思っている。そのうち熱血最強に至る。


黒井鎮守府が誇るニューヒーローニューレジェンド。あんまりものを考えてないが、サムズアップには謎の説得力がある。

鹿島
機甲界鹿島ン。まあ、群れからはぐれたミッシングチャイルドを保護してた訳やし。

旅人
鹿島と浜風はベタ惚れ、野分も距離が近い。本編に登場せずとも艦娘の好感度を上げる屑。

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