相変わらず忙しいので、出来が悪い。
「……さて、俺の機嫌は今、大変よろしくない……、分かるかい?」
「その、何か気に障ることでも……?」
鳳翔、悪いが、男には譲れないものがある!!
「ああ、そうだ!今回は、こればっかりは許せない……!!」
「そ、それは……?」
「水着だっ…………!!!!」
そう、水着。
良いか?海や砂浜なんてな、ここ最近毎日見てるんだよ。
俺が見たいのは水着!!水着なの!!!
いつも混浴してる癖に?違う、違うんだ、そうじゃない!!
水着には水着の良さがあるんだ!!!
秘所に食い込むあの感じ、溌剌とした雰囲気、下着と布面積は変わらないのに、どうしてこうも違うのか。
ロマン……。
そう、ロマンである。
水着には、ロマンがあるのだ!!
なのに……、
「どうしてそんななんだよ!!!」
「…………え?」
鳳翔!君はな、相当元が良いじゃないか!
何故、そんな、おばあちゃんみたいな水着のチョイスを……!!昭和感全開。
確かに、鳳翔は何を着ても美人だ。だが、何を着ても美人だから、何を着ても良いって訳じゃないじゃん?
何も、この前プロマイド撮った時の超セクシー水着を着ろって言ってる訳じゃないじゃん。
「鳳翔、頼む。着替えてくれ」
「は、はい?」
「頼む」
更衣室は用意した、頼む。
「わ、分かり、ました?」
「っし!おらおら!一航戦も!ダブルドラゴンも!!隼鷹もだ!!!」
龍驤と瑞鳳は旧スクな。
「「「「は、はあ……」」」」
「他もだァ!!!水着以外許さんぞおおおおおおああああ!!!!」
長門、はいいか。競泳水着が似合ってるし。バッキバキの腹筋がカッコいい。クッソ際どいマイクロビキニの陸奥には後で結婚を申し込もう。
さて、色々とヤバい子(主に空母)が着替えている間、そこらの艦娘を鑑賞しましょうかね。
まず目を引いたのは龍田。黒一色。ホルターネックにアクセントの赤いリボンタイ、大きな黒薔薇を腰にあしらったパレオ。百点満点オーバー。
掛け値無しに綺麗だ。黒色故に、全体が引き締まって見えるが、お堅い印象よりもまず先に、華があることがよく分かる。
いつものセクシーでクールな龍田とは一味違い、今までの龍田の魅力プラス華やかさだ。
まさに、闇と光が両方そなわり最強に見える。
……だがな、龍田。その、ハイビスカスはな、頭の左側に付けていると、既婚者を意味するんだよ?君、未婚だよね?ね?
「あらあら〜?私に見惚れちゃいましたか〜?」
あのね、さりげなく俺の頭の左側にもハイビスカスを刺すのは止めよう?
してないよ?結婚してないよ俺?そりゃあ、思わず告白してしまうことは多々あるけど、本気で結婚をするつもりは当分ないよ?
その隣の天龍も最高だ。シンプルな白のビキニは、いつもの溌剌とした天龍の雰囲気そのものだが、胸元のワンポイント刺繍と腰に結んだ黒色チェック柄のリボンで可愛らしさは更に加速した。
厨二病気味とは言え、ああ見えてしっかりしていて、駆逐艦達の面倒も見てくれる天龍らしさが良く伝わってくる。あとやっぱり、脱ぐと凄いな、着痩せするタイプだ、天龍は。後で揉もう。
綾波型……。
朧、曙、漣はチューブトップ、潮ちゃんはタンキニ。皆んな、思い思いのお洒落をしていて、個人個人の可愛らしさを強調できているな。そしてお揃いの柄なしシュシュ……。若いからこそできるファッションだ。パステルカラーのシュシュは、大人の女が使うとどことなく安っぽく見えてしまうが、駆逐艦程の見た目ならばかえって子供らしい可愛さを演出できる。
綾波型は基本的に処女力が高く、セクハラがし辛いのが残念だ。
潮ちゃんなんて、揉んだら泣かれることは確定的に明らか。畜生。
あとは……、おお!榛名!!
真っ白なビキニ!しかし、リボンやフリルが嫌味にならない程度付いている……!!その上から、これまた白のラッシュガード!!長めの裾がすらりと長い足にかかり、動く度にチラチラと太ももが見える!!
なんてことだ、童貞ならとっくに死んでいたぞ!!あれで、特に意識をしていないと言うのだから、生粋の童貞殺しなんだろう。童貞じゃなくて助かった。
いや、もう、あの可愛さは童貞以上も殺すな、素人童貞くらいまでならキルレンジじゃね?
んー、あとは特に、目に付く子は……、足柄、は良いか。あいつはセクシーでアダルトな服が似合うし。態々あのTバックに苦言を呈するような真似はしない。マックスの襟付き水着も謎だが、可愛いから許す。
雪風はパンイチだったが故にお着替えコーナーへ、武蔵も私服だし(そもそも、私服がサラシにジーパンて何なの?)、最上もTシャツのまんまだ、許さん、お着替えコーナー送り。
それくらいか。
いやあ、良いねぇ、皆んな。
ここが天国か。
さて、そろそろ問題の空母がやってくるな。鬼が出るか蛇が出るか……。
「あの……、これで、宜しいんでしょうか?最近の流行りなんでしょうか……、すみません、詳しくないもので……」
ふつくしい……。
ビキニ。黒のビキニである。シンプルイズベストを地で行く鳳翔だ、最高に似合ってる。ついでに麦わら帽子もプレゼント。……俺自身にセンスは無いが故に、知り合いの未亡人みたいなアイドルと同じ様な格好にしてしまったが、まあ、許してくれ。
兎に角、
「結婚してください……!」
残りの人生を俺に下さい。
浮気は百パーセントするし、酒もガブガブ飲むけど。あ、いや、金はあるな、貧乏はさせないわ、うん。
「うふふ、もう結婚してるじゃないですか❤︎」
はっはっはっ、そっかー。
ま、まあ、まだ、私より一日でも長く生きて、とか、もう一人じゃ生きていけないとかは言われてないし?セーフだろう。きっとそうだ。
「その、提督?私達はどうでしょうか?」
「少し、胸元がきついような……?」
「へー、水着ってこんな感じなんだ、結構可愛いかも?」
「提督ー!どう?私可愛いかな?」
「水着かぁ、良くわかんないけども、提督が着ろって言うなら……」
はぁーーー!!!!
や り ま し た 。
それぞれのパーソナルカラーと同じ色のシンプルなビキニを作ったが、ここまでとは!!!
素材が良過ぎる!!!
え?水着がキツそう?
……おかしいな、サイズは前と同じにした筈……、まさか、更に太っ、いや、よそう。俺の勝手な推測で皆んなを混乱させたくない。
いやー。
いやいやいや。
それにしても。
「蒼龍?おいで?」
「はーい!なんですか?提督?」
「オッラァーーー!!!」
「あぁん❤︎」
揉んだ。
我慢、できませんでした。
だか仕方がないだろう。
谷間の魔力に抗える男などいないのだ。
だって、あんまりにもデカ過ぎて谷間がYじゃなくてIだからな?
こんなん犯罪ですわ。
あ、犯罪と言えば。
「良いかい?ここは一般の人も来る、普通の海岸なんだ。決して、他人に迷惑をかけないようにな!!」
いやー、ちゃんと言っとかないとな。
「警察だ!!(インパルス板倉)おい、お前!何やってるんだ!!」
「えっ」
「公衆の往来で婦女子の胸を揉みしだくとは!!逮捕だぁ!!!」
「あっ」
あっ。
未亡人みたいなアイドル
昔旅人が担当していた、やたらと重いクールアイドル。26歳。
旅人
二年ぶり百回めの逮捕。