旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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おなかいたい、たすけて。


577話 月刊!終末到来!

え?先週のアレは最終話じゃなかったのかって?

 

ご安心ください!

 

終わりませんよ!

 

「提督ーっ!東京にニャルラトホテプが降臨したそうですー!」

 

「その前に世界の方が最終話を迎えそうだけどねっ!」

 

 

 

さて、邪神ニャルラトホテプの降臨、と。

 

いつもより規模がデカいな、どうしようかこれは。

 

それにしても、タイプがあるだろうに。

 

人々の深層意識が生み出したペルソナ系ニャルなのか、神話生物的な物理系ニャルなのか、はたまたニャルラトホテプ星人なのか。

 

ニャルラトホテプなんて月一で出るんだし、その辺はっきりさせてほしい。

 

「今回は、霊的要素魔法的要素物理的要素、全部乗せだそうです」

 

「エェー?そんなのヤバいじゃん。今年始まって七回目のKクラスシナリオかぁ……、(世界が)壊れるなぁ……」

 

うーん、っとなると。

 

「場所は?」

 

「東京都上空です」

 

「軍は何をやっているのかな?」

 

「出撃した陸軍の量産型グルンガストは既に五十六機が撃墜、バックアップの量産型ヒュッケバインも百二十二機が破壊されました」

 

「うちの部隊は?」

 

「現在、マジンカイザーと真ゲッター、ダイゼンガー、アルトアイゼン、ライディーン、トライダー、ダイターン、ザンボット3、ボルテスVが応戦中ですが、押されています」

 

「うーん……、どうしようかなあ。欧州に派遣していた他の部隊を呼び戻そうか?」

 

「ガンエデンとグレンダイザー、そしてダンクーガ、ガオガイガーですか?」

 

「うん、前の、欧州になんかいきなり次元獣とかいうのが攻めてきた時、部隊を回していたでしょ?」

 

「そうですね」

 

「それ、日本に持ってこれない?」

 

「可能だとは思いますが……、そこまで必要でしょうか?」

 

「うん、必要だね。俺の勘が『今回は長引く』と言っているんだ」

 

「ッ?!……分かりました!」

 

その瞬間大淀は、艤装の一部と化しているヘッドセットを実体化。

 

そして、黒井鎮守府の全組織に直通するフォールド通信で、こう叫んだ。

 

『黒井鎮守府秘書艦、大淀です。コード・レッド発令、第一戦闘配備!今回は長引くと提督の《勘》だそうです!』

 

その瞬間、艦娘どころか、黒井鎮守府という組織そのものが一瞬にして戦時体制に入った。

 

訓練されているなあ。

 

「でも、俺の勘にそんな信頼を置かれてもなあ……」

 

「いえ、提督の、特に危機に関する勘が外れた試しはありませんので……」

 

そうかな?そうかも……。

 

 

 

「提督、流石です!悪い予感が当たったようですよ!」

 

「わーい、聞きたくないなあ!」

 

しばらく鎮守府内で指揮をとっていたら、最悪の事実が発覚ぅ。

 

「どうやら、天に座す大型ニャルラトホテプから、小型の人型実体が発生しているようです」

 

「どれくらいかな?」

 

「恐らくは、一千万は下らないかと」

 

うーん!

 

「出るぞッ!大淀ッ!」

 

「お供します!」

 

外に出ると、クソデカニャルが偉そうに腕を組んで……。

 

……ってアレは!

 

「天魔大帝?!!!」

 

昔立ち寄ったとある世界のラスボス、天魔大帝じゃねーか!!!

 

「ご存知なのですか?計器での観測結果によると、ニャルラトホテプの化身の一つと出ているようなのですが……」

 

首を傾げる大淀。

 

確かに、感じる気配はニャルラトホテプだ。

 

「恐らくは混ざった存在だろうな。天魔大帝の残滓をニャルが取り込んで強化、しかしながらまだ安定していないので、力溢れるこの星を喰ってどうにかしよう……ってところか」

 

本来の天魔大帝のサイズは、もっと大きいしな。

 

今出ている天魔大帝ニャルミックスは、精々月の数倍ほどと小型サイズだもん。

 

とにかく、小型のニャルラトホテプがその辺で大暴れしているから、それを先に止めなきゃなるまい。

 

天魔大帝ニャル本体は、うちのスーパーロボット部隊に任せよう。

 

「『アナライズ』……!火炎、破魔弱点!氷結、呪殺耐性!」

 

「了解しました!『マハラギオン』!」

 

大淀と共に、小型の雑魚ニャルを蹴散らしながら黒井鎮守府の建物内を脱出。

 

すると……。

 

「むぅん!!!」

 

『『『『ピ』』』』

 

ただ、腕を薙ぎ払っただけで、凄まじい衝撃波がばら撒かれ、数百体の雑魚ニャルが弾ける。

 

「おお、提督!無事か?!」

 

その剛腕の主は、やっぱり長門だ。

 

「無事だよ」

 

「そうか!訓練中に突然、訳の分からん奴らが空から降ってきたからな。適当に叩き潰したんだが、これで良かっただろうか?」

 

「うん、大丈夫だよ、良い子だね」

 

長門を撫でる。

 

「えへへ……♡」

 

うーん、仄かに香る汗の匂い……。

 

良いな!

 

「提督、申し訳ありませんが、いちゃついている場合ではありませんよ」

 

大淀に嗜められ、俺は我に帰る。

 

いつも錯乱しているんじゃないか?正気だった試しがない?

 

ハハッ、ワロス。

 

「川内」

 

「はーい!」

 

川内は、俺の影からぬうっと出てくる。

 

もういつものことなので気にしない。

 

「川内、君は俺の護衛をよろしく頼む」

 

「まーかせて!」

 

そして、俺は、懐から取り出した「古人呼びの鐘」を軽く鳴らす。

 

足元に並ぶ白いサインは、白露型の面々だ。

 

「お呼びかい?」

 

時雨がぬるりとサインから出てくる。

 

「白露型さんチームは敵を蹴散らして下さい!」

 

「「「「はい」」」」

 

とりあえず、すぐに呼べる艦娘は動いてもらった。

 

あとは……!

 

「邪魔だあ!!!」

 

女子寮の壁がぶっ飛ぶ!

 

「邪魔であります」

 

居酒屋鳳翔の壁がぶっ飛ぶ!

 

「あきつ丸さーん、後で壁、塞いでくださいねー」

 

……ついでに、吹っ飛んだ居酒屋鳳翔の壁からひょこっと首を出した鳳翔のお叱りも飛んでくる。

 

「アッハイ、申し訳ないであります……」

 

「いえいえ、緊急事態ですから」

 

現れたのは武蔵とあきつ丸!今日は休暇だったな!

 

「大淀、うちの社員に避難誘導をさせてくれるかな?避難予定地はいつも通り鎮守府中庭で」

 

「先程、指示しておきました」

 

「助かるよ」

 

で、避難地の設営はロボットがやってくれるとして……、鎮守府の防衛システムの責任者である、明石と夕張は?

 

「明石、夕張、今何してる?」

 

『提督!こちらは、管制室でシステムを起動しています!』

 

『明石ぃー!やっぱり、カッコつけてシステム起動キーを複雑にしたのは失敗だったじゃーん!!!』

 

『はぁー?!!夕張だって、GGGに見学しに行った時、ファイナルフュージョンのプロセスがかっこいいって言ってたでしょ?!!』

 

『明石だって、ラクーンシティみたいな複雑謎解きシステムを導入したじゃん!!!』

 

『『ぎゃー!ぎゃー!』』

 

「………………うむ!」

 

ヨシ!

 

「とりあえず、明石さんと夕張ちゃんは減俸しておきますね」

 

笑ってない笑顔でそう言った大淀。

 

怖いなあ。

 

『『ヒェッ……、すいません真面目にやります……』』

 

っと、防衛システムが本格起動したな。

 

防衛システムから、攻撃システムへ。

 

防御から専守防衛へ切り替えだ。

 

さあ、行くぞ……。

 

「攻撃開始!」

 




旅人
絶対世界守るマン。

川内
普段は旅人の影に潜んでいる。ヒデン・ニンポ!

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