「春うららのうららって何です?アパッチの雄叫び?」
「プリキュアじゃね?」
「ウマでは?」
「馬の話はやめなってマジで」
などと、明石と夕張と頭の悪い話をしながらおこたでぬくぬく。
あっ、あらかじめ言っておくけどぬくぬくは温かくしているって意味で、抜く抜く的なことではない。
いや、おこたで抜く抜くとか大変にエロくて素晴らしいな。
今からでもやってもらおうか?
俺は『瞳』を使って、おこたに入っている明石と夕張の脚を見る。
艶かしい。
良き。
このまま足で抜く抜く……、ん?
大淀だ、え?何?
「黒井鎮守府、新春隠し芸大会……?!」
「はい」
それは、なんとも、まあ……。
キケンな香りがするやつですね……。
え?
そもそも君達に隠し芸とかあるの?
駄目だよ本当に。
人の小腸引っ張り出してあやとりー!とか言いそうだ。
そんな装甲悪鬼なやつは見たくないです……。
アクア様みたいな水芸とかにしてよ?
少なくとも俺が痛くないやつにしてね?
……本当に大丈夫?
妲己みたいなことしない?
人肉ハンバーグとか作らない?
あ、なお、俺は参加しない。
何故なら俺は存在そのものが隠し芸みたいなもんだからだ。
ユーチューブにアップするから平穏に終わらせてね?
頼むよ?
「一番、足柄さん」
「はい!ナイフ投げやります!」
俺が壇上の板の前に立たされる。
「提督?」
「はい」
「動かないでね?」
「はい」
そして、足柄は目隠しして……。
次の瞬間、足柄の腕がブレる。
一度に五本のナイフを両手で十本投げ、俺に刺さらないように後ろの板を……。
「おお……、やるね」
板にナイフが刺さった。
しかもこの板、鉄板だ。厚さ1センチくらいの。
隠し芸ってか殺しの技だけど……、まあスルーしておこうか。
「二番、ウォースパイトさん」
大淀のアナウンスと共にウォースパイトが前に出る。
「そのまま、そこに立っていてくださいね」
「おう」
俺の背後には鉄板がある。
「はあっ!!!」
ウォースパイトが俺の土手っ腹に掌底をかましてきた。
だが、俺にダメージはなく……。
メメタァ!という擬音と共に、背後の鉄板に風穴が空いた。
「ふむ……、波紋か」
「ふふ、ご名答です」
そういや、ウォースパイトは波紋の使い手だったな。
ウォースパイト程の使い手からすれば、波紋を流して特定のものだけを破壊するくらいお手の物だ。
波紋の腕前は既に俺以上かもしれない。
「三番、長門さん」
「うむ!提督!聞いてくれ!」
聞いてよ提督チャン!
「何だい?」
「ジャグリングを覚えたのだ!是非見てくれ!」
おー!
凄いね。
偉いぞー。
「どれ、見せてごらん」
「おう!外に出てくれ!」
んー?
外には、ヤークトティーガー(七十五トン)が3台駐車されていた。
んんんー?
んー?
「行くぞー!」
んんんんんー?
ヤークトティーガーが片手で持ち上げられる。
「ほっ、やっ、とうっ!」
ヤークトティーガーが空中で踊る。
俺は一体何を見せられているんだ?
ゴジラの一発芸か何かか?
えっ、怖い。
力こそパワーなんだなあ。
「四番、ポーラさん」
ふむ?
「ここにワインがありますね〜?」
うんうん、ありますねえ。
「そしてここに、私ごと布をかけて……、ウーノ、ドゥーエ、トレ!ジュルッ」
ジュルッ?
ジュルッって何の音?
ねえ、何の音?!
「このように〜、ワインは空っぽになってしまいました〜!不思議〜!」
わあ!
不思議〜!
……あ、ザラに捕まった。
え?何々?
……「ポーラっ!今年いっぱいは禁酒する約束だったでしょっ!!!」
……「ち、違いますよ〜?ザラ姉様、これはマジックですよ〜!お酒が消えるマジックで〜!」
……「そんな言い訳が通用するとでも思ってるの?!今日という今日は許さないからっ!」
……「ひ、ひえ〜!」
……「あ!待ちなさーい!」
あ、逃げた……。
「気を取り直して五番、時雨ちゃん」
お、時雨だ。
何やるのかな?
「████████の████を████するよ」
「ちょっとカメラ止めて」
「まず、██を████して、█████するんだ」
『ギョェエアアアアアアアア!!!!!!』
「そして、███に███と█████を加える」
『████████!!!!』
ああっ!█████を█████しやがった?!!!
ヤバい!このままだと、█████が████████になるぞ!!!
うわあ!█████が練り歩いてるぅ?!!
あああああ!あああああ!あー!!!!
《記録終了》
旅人
存在そのものが隠し芸なので、隠し芸大会からは大抵出禁を言い渡されている悲しい男。