旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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ファイズ話じゃん。


555話 催眠アプリ その3

「あー催眠催眠」

 

今、催眠アプリを持ち歩いて、美女を求めて全力疾走している俺は、提督をしているごく一般的な旅人。

 

強いて違うところをあげるとすれば、酒と女とギャンブルに興味があるってとこかナー。

 

「提督ー!」

 

「あひん」

 

 

 

明石に捕まった!

 

残念!ここであなたの冒険は終わってしまった!

 

「こちら、催眠アプリで遊んでいた提督さん、筋肉トッピングです!」

 

んんー?

 

「うっひょ〜〜〜!!!強制脱衣時、身体に他の艦娘の匂いがついていたのに気付いて大きな声を出したら、提督さんからの誠意で、濃厚孕ませ汁を……」

 

「ちょっと待ってちょっと待って!どういう状況?!!」

 

俺は今、縄でぐるぐる巻きにされて、カメラの前に座らされている。

 

そこで、明石が意味不明なことを言っている。

 

明石はいつも意味不明なことを言っているが、今回は殊更に意味不明だった。どれくらい意味不明かと言うと、往年のプレステゲームソフトのせがれいじりくらい意味不明だ。

 

「私の性欲次第でこの鎮守府潰すことだってできるんだぞって事で、いただきまーす!まずは汗から……」

 

うわ、明石がめっちゃ首筋舐めてきた。

 

「コラ〜〜〜!これでもかってくらいに濃厚なエロエロフェロモンの中には、他の艦娘の香水が入っており、怒りのあまり、今のプロジェクトを全部破棄してしまいました〜!」

 

「ヤメテ!そんなことされたら大変なことになる!」

 

「すっかり提督も立場を弁え、誠意のディープキスを貰ったところで、お次に圧倒的存在感のエロエロ唾液を、啜る〜〜〜!」

 

「んお、んんっ」

 

めっちゃ吸われてる……。

 

「犯すぞ〜〜〜!サラサラとした喉越しの唾液の中には、他の艦娘のフェロモンが入っており、流石のAKASHIも執務室に入って行ってしまいました〜!」

 

「そ、そうですか……」

 

「因みに、鹿島さんが土下座している様子は、是非Xvi◯eosをご覧ください!」

 

あ、これはマジ。

 

鹿島が土下座しながら俺の靴を舐めるエロ動画は、Xvi◯eosとporn◯ubのトップ再生数ぶっちぎりで存在している。

 

「ど、どうしたんだい明石くん。急に大声を出して?」

 

「最近仕事ばっかりで構ってもらってないから、思いっきり犯されたいナリぃ……」

 

「ダメです」

 

「ああああああああああ!!!!!」

 

なるほど、何故こんな凶行に走ったのか、理由は理解した。

 

俺はとりあえず、関節を外して縄抜けし、関節をはめ直す。

 

「明石ぃ、寂しかったのかー?」

 

「寂しかったですよぉ!ウサギが寂しいと死んじゃうように、明石は寂しいと提督を逆レしちゃうんです!」

 

ははっ、意味わかんねえ。

 

「まあ、気持ちは分かったよ。頑張って偉いなー、良い子だなー」

 

「うへへへへ……」

 

よし、ではここらで……。

 

「おらっ!催眠!」

 

ポワワ……。

 

「あ、それノーマルモードですね。もっとエグいモード使ってくださいよ。とりあえずこの感度三千倍モードを……」

 

「やめなされ……、やめなされ……」

 

「はい!これで設定完了です!あは♡提督にイキ殺しにされたいなぁ♡」

 

「いやこれはちょっと」

 

「えい!」

 

あ!

 

明石は俺に無理やりスイッチを押させた!

 

そして、スマホから出た謎のピンク光線が明石を貫く!

 

「んほおおおおおおおっ♡♡♡♡♡」

 

「うわあ、なんだか凄いことになっちゃったぞ」

 

俺は、全身から汁を吹き出す明石を支えると……。

 

「イッグゥウウウウウウ♡♡♡♡♡♡♡」

 

肌が触れ合った瞬間、明石は大きくのけ反って噴水みたいな感じのアレになった。

 

良いんですかこれ、18禁になっちゃわない?

 

これもギャグの範疇でセーフ?

 

気絶した明石を、本人の部屋に運んだ……。

 

 

 

明石はヤバい。

 

やっぱり、逝っちゃってないと面白発明はできないってことか。

 

「あ」

 

おや、山風。

 

「提督♡」

 

「おやおやおや、おやおやおや」

 

山風はかわいいですね。

 

いかん、ボ卿になってしまう。

 

「えへへ……」

 

あーーー。

 

かわいいですね。

 

どうかわいいのか?事細かに説明させてもらうとしよう。

 

まず、俺は、明石の噴水(暗喩)により身体中が凄いことになってしまっていたので、シャワーを浴びた。

 

そして、いつものように、脱いだパンツは紛失し、代わりのパンツが安置されていたのでそれを穿き、気分良く廊下を歩っていった訳だよ。

 

その道中で、自分の髪を弄りながら俺を待ち構えていた山風。

 

……何故待ち構えられていたか?艦娘は俺の行動を把握してるからね、ちかたないね。

 

そしてね、俺を見つけると、一気に笑顔になって、パタパタ歩いて俺に抱きついてきたんだよ。

 

んまー、かわいいわあ。

 

天使じゃない?

 

デビルアナライザ起動!!!!

 

『邪神:山風Lv488』

 

oops!見なかったことにしておこう。

 

ま、まあほら!俺の中では天使だから!

 

天使のようにかわいいからね!

 

スウィートなマイエンジェルよォ……。

 

「提督、頑張ってるね……」

 

んむ?

 

「そりゃあもう、毎日頑張ってるよ!」

 

「さっきも、明石さんに絡まれて、大変そうだった」

 

あー?

 

「見てたの?」

 

「うん……」

 

ほむ。

 

「別に、大変ってほどじゃないよ。それに、明石は変態だけど、可愛いし良い子だから」

 

「嫌じゃない……?提督、嫌なら嫌って言っていいよ……?」

 

心配してくれるのか。

 

優しいなあ。

 

「嫌じゃないよー、平気だよー」

 

「あと、あとね、あたし、もう一つ言いたいことが、あるの……」

 

ふむ?

 

「何でも言ってごらんよ!」

 

「最近流行ってるウマのゲームに、あたしとキャラ被りしてる子がいるって夕張さんが」

 

「オーーーッケイ、分かった。ウマの話は一旦やめよう!はい!やめやめ!」

 

ウマは……、まずい!

 

コジマよりまずい!!!

 

「……参考までに、俺のことをお兄様って呼んでくれない?」

 

「え?えっと……、お兄様♡」

 

おほー!

 

ええやん……!

 

素晴らしい!

 

突如、俺の脳内に溢れ出した、『存在しない記憶』……。

 

———「お兄様ー♡」

 

———「お兄様、大好き♡」

 

———「あたしはお兄様のお嫁さんだよっ♡」

 

「どけ!俺はお兄様だぞ!!!」

 

「えっ……?」

 

「あぁ、すまない……、頭がパーン!してた」

 

「えっと……、あたしのお兄様になりたいの?」

 

「なりてぇ……!」

 

「い、いいよ。お兄様にしてあげる!」

 

「ありがてぇ……!」

 

「じゃあね、妹からの、お願いだよ……!」

 

何だろうか?

 

「飲んで」

 

山風は、自分の人差し指を齧り、血を流す。

 

それを差し出し、血を飲めと命じてくる。

 

あはーん?

 

なるほどね?

 

俺は、躊躇いなく山風の指を口に含む。

 

「あ、は……♡」

 

快楽を感じたらしく、内股になって身を捩る山風。

 

その血の味は、素晴らしい智慧に満ちていた。

 

絡みつくような、重金属を思わせる圧力。

 

爛々たる新星。

 

見えてはいけない悍しいものが見え、感じてはいけない素晴らしい怖気を感じる。

 

重苦しい蒼。激痛をもたらす鉛。腹の底に溜まる澱のような白金。鈍い輝きを放つ金属の星。

 

……おっと!

 

いかんいかん。

 

ヤバいものを見せられてしまった。

 

「ンモー、常人にはやっちゃダメだゾ?山風レベルの血液は、一滴でも人間を何百人と壊せるんだからねっ!」

 

「えへへ……、でも、提督は壊れないよね?」

 

「壊れかけのレディオです」

 

「えっと……?」

 

「壊れないよー!無敵だよー!」

 

「ふふ、良かった……。ね、提督?」

 

「何かな?」

 

「ずっと一緒だよ……♡」

 




AKASHI
ひっでえなあ……。

山風
お米ではない。

旅人
この後、お疲れの明石に誠意のチャーシュー丼を出す。

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