旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

538 / 593
A:旅人「どうして……?どうしてでしょうね……?」


538話 Q:どうしてスーパーロボットがいるんですか?

オッスオラ旅人!

 

スーパー放蕩人ゴッドだ!

 

無職神拳伝承者!

 

まあ、冗談はさておき……。

 

スーパーロボットがいるのか?!みたいなツッコミを頂いたんで、その辺の話をするか。

 

まず、我々、黒井鎮守府と敵対状態にある組織は多岐に渡ると言うことは誰もが知っているだろう。

 

ロボット関係じゃない敵対組織だけでも百を超える……。

 

例えば、ヒドラ、財団X、ショッカー、シャドルー、テンプル騎士団、メシア教会、ドツクゾーン、黒十字軍……。

 

そんな奴らが、奇襲、あるいは徒党を組んで襲いかかってくるのだ。

 

また、巨大兵器を使って襲いかかってくる集団もいる。

 

邪魔大王国、Dr.ヘル、ボアザン帝国、ガイゾック、恐竜帝国、百鬼帝国、妖魔帝国、ベガ星連合、暗黒ホラー軍団、バーム星人、メガノイド、ムゲ・ゾルバトス、ギシン星人、ガバール星ロボット帝国、ゾンダー……。

 

ヘテロダインやKAIJUのような化け物もいれば、ブランチ一味やらヴォルフガング博士、シャフト・エンタープライズなどの犯罪組織やテロリストにPMCなんかもいる。

 

艦娘は強いとも。

 

当然、これらの連中に襲われても、大抵はなんとかなる。

 

とは言え、艦娘は無敵じゃない。

 

飲食もすれば、好きな人とイチャつきたいし、趣味も楽しみたいし、睡眠も必要だ。

 

この敵対組織らに延々と襲われ続ければ、二百人足らずしかいない艦娘は参ってしまう……。

 

そこで、下部組織が必要になった訳だな。

 

元々、下部組織は、深海棲艦騒ぎで職を失った海運業者を雇い入れる救済行為を兼ねつつも、ノウハウのある人間をヘッドハンティングすると言う俺の策略から始まったんだよね。

 

で、その下部組織の指揮権を、艦娘に渡した……。

 

そこから、段々とおかしくなってきたんですね。

 

いや、うん、俺の思惑としては、社会性を身につけさせるための訓練、くらいの気分だったのよ。

 

実際、最初の頃の艦娘は本当に、人間不信っていうか……、俺と艦娘以外の全てを信じられなくなってたんだよね。

 

大淀なんて、今は完全無欠の変態だけど、昔は男性恐怖症の小動物みたいな女の子だったんだ。

 

だったんだ、けどなあ……。

 

どうしてこうなった……?

 

まあ、それはいいとして。

 

つまり俺は、艦娘に社会勉強をさせるために下部組織を任せてたんだよ。

 

でも……、気がつけば、下部組織は馬鹿みたいな規模に膨れ上がり、それどころか『戦闘部門』やら『機動兵器部門』やら『開発部門』やら、謎の部署が新設されまくった。

 

分かる?いきなり、俺の名前で知らない武装勢力ができていて、知らない武装勢力の人達に挨拶されるの。

 

アレ、普通に怖いよ?

 

知らない厳ついおじさん達に「お初にお目にかかります、社長。私は第◯部隊の〜」とか言われるの。敬礼されながら。

 

フフフ……、怖い。

 

確かに、俺が一声かければ解散させることもできるのだが、既に馬鹿みたいに膨れ上がったこの組織。一部門だけを解散させたとしても、数万人単位の失業者を不当に作ることとなる。

 

流石に、そんな真似はできないよね。

 

と言う訳で、なし崩し的に特大の組織の長となってしまった俺なのでした。

 

 

 

とは言え、人材のスカウトをしてきたのは俺と艦娘だよ。

 

できちゃったもんは仕方ないからね。

 

まず、組織の下の方の人達は、雇用規定に則って雇っている。

 

年収は部門にもよるけど、大体一千万円くらいかな?

 

フランスの外人部隊の年収は、日本円で八百万円くらいな訳だから、うちは大分高いね。

 

それもそのはず、うちは、艦娘と俺が厳選して選んだエリート部隊だからな!

 

……まあ、人格面は考慮されてないから、割とやべーやつが多いんだけどね。

 

で、任務達成による特別ボーナスあり、年間休日は百三十五日。

 

いやほら、うちって外国人の人とか多いから、帰郷だなんだってすると時間がかかるでしょ?だから休日多めなのよ。

 

雇っているメンバーは、どこぞかの研究所に囚われていた強化人間の人とか、各国の軍で有能ながらも生意気なので冷や飯食いだった人とか、安定した雇用に釣られてやってきたデビルサマナーの類とか。

 

他にも、空気が合わなくて退職した対魔忍、学会から追放されたマッドサイエンティスト、その他知り合いの組織から諸事情で移籍してきた人……。

 

まあ、色々かな。

 

で、組織の上の方は、俺がスカウトしてきた。

 

いろんな人がいるよ。

 

例えば……。

 

この人は、異星人の侵攻に警鐘を鳴らしていたんだけど、世界各国の政府は国同士で争ったり、異星人に降伏して政府の要人たる自分だけ助けてもらおう、とか考えてたんだよね。

 

それを見てブチ切れていたこの人を、俺は見かねてスカウトしたんだよ。

 

え?名前?

 

ビアン・ゾルダークさんだよ。

 

あとは……、ヴォルクルス教団?とかいう訳のわからん連中と戦ってた人を説得してスカウトしたな。

 

名前?

 

シュウ・シラカワさんだよ。

 

あとはまあ、街中でティンときた人をスカウトしたり?

 

その人はSRX計画の優秀なパイロットになってくれたよ。

 

リュウセイ・ダテって言う人。

 

あとは、米軍で冷や飯食いだった部隊を丸ごとスカウトしたり。

 

その人達は今、うちのATX計画で開発された機体を使ってくれてるよ。

 

リーダーはキョウスケ・ナンブって人。

 

元はゼンガー・ゾンボルトって人がリーダーだったけど、あの人は別部署に行ってもらった。

 

あとは、地球の守護神とかいう女の子と戦って倒して俺が説得したら、仲間になってくれたりもしたなあ。

 

その子はイルイ・ガンエデンちゃんって言うんだよね。

 

俺ももう、正直色々と勘弁して欲しいんだけどね。

 

厄介事が超特急で突っ込んでくるからもうね。

 

どうしようもないんだよね……。

 

 

 

それに、悪の組織って、方針によっては徒党を組んだりもするんだよ。

 

まあ、地球を滅ぼす!って連中は、地球征服!って連中と相容れないんだが……。

 

地球を滅ぼす!って連中が手を組み合ったり、地球征服!って連中が、「とりあえず邪魔な黒井鎮守府を潰してから考えよう!」と手を組み合ったりするんですね。

 

となると、うちも、更に戦力を集めなきゃならない訳で……。

 

日本には、強力なスーパーロボットが沢山いるのはご存知か?

 

でもさ、彼らは個人なんだよね。

 

たかが一研究所の資金力と人手で、徒党を組んで襲いかかってくる悪の組織にどう対抗するか?そりゃ無理な話だ。

 

となると、こちらも徒党を組むしかない。

 

そう言う訳で、スーパーロボット陣営を集めて、うちの指揮下に入ってもらうこととしたんだ。

 

その代わりに、黒井鎮守府の資金援助と、パイロットやロボット製作者の護衛の派遣、技術提供なんかをしてるんだよね。

 

そして、集まった黒井鎮守府麾下のスーパーロボット部隊は、今日も戦う……。

 

 

 

「「兜甲児!今日こそは、貴様の首をDr.ヘルに捧げてみせる!!!」」

 

『へっ!やってみろってんだ!』

 

おーおー、やってるやってる。

 

こうやって、街中でいきなりスーパーロボット大戦が始まる時も、うちの出番だ。

 

「黒井鎮守府、救助部隊!出撃ー!」

 

「「「「了解!!!」」」」

 

うちの従業員が、逃げ遅れた人を捕まえて、スーパーロボットの戦闘領域から離脱する……。

 

こんな風に、スーパーロボット個人だけではできない事を、うちが組織力と資金力で解決するのが、黒井鎮守府の仕事だ。

 

 

 

「旅人さん!今回も助かりました!」

 

「いやいや、甲児君は伸び伸び戦ってくれれば良いさ。後方支援はうちに任せてくれ」

 

「でも、本当に良いんですか?俺達を護衛してくれているだけじゃなく、光子力研究所の方に資金援助までしてくれて、その上、俺達パイロットにも給料を払ってくれるなんて……」

 

「まあまあ、気にしない気にしない。その代わりに、有事の際はうちの指揮下で戦ってもらうんだからね」

 

「いや……、でも、指揮下って言いますけど、命令への拒否権がこっちにあるんですよね?」

 

「そうだよ?」

 

「つまり、黒井鎮守府さんは事実上、何も得してないですよね?」

 

「そんなことないよ?ま、ぶっちゃけた話だけどさ、君のマジンガーZEROは最強クラスのマシンで、君はZEROに選ばれた唯一のパイロットだ。それを失うのは地球にとって大きな損失になる」

 

「それは……、そうでしょうけど」

 

「良いか、甲児君。君達のような正義の味方の弱点は、『徒党を組まない』ってところだ。組織力がない訳だな」

 

「そうですね……」

 

「個人でできることには限界がある。君達、スーパーロボットがいくら強力な個人でも、徒党を組んだ悪の組織に各個撃破されたらジリープアーなんだよね」

 

「まあ、それは自覚しています」

 

「そこで!黒井鎮守府が最大の指揮権を持って、スーパーロボット集団を指揮すれば、スーパーロボット集団に統一された指揮系統ができる!指揮系統ができれば、悪の組織集団の襲撃に対して、適切な戦力を割り振れる!」

 

「確かに、前は、一箇所に沢山のスーパーロボットが集まって戦力過多になっていたり、逆に、スーパーロボットがいないところを狙われてピンチになったりしてましたもんね……」

 

「そう言うことだね。そんな訳だから、これからも力を貸してくれると嬉しい」

 

「はい!」

 




魔神に選ばれし青年
マジキチのおじいちゃんのせいで、神にも悪魔にもなれるロボットに乗せられてるかわいそうな青年。

旅人
お助けキャラ。ぶっちゃけ、エルガン・ローディックみたいなもん。まあ黒幕やし間違ってはいない……?

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。