旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

537 / 593
旅人、本人は仕事やったねーわー、みたいなこと言いますけど、こいつって社長なんすよね。

社長の仕事って、書類整理じゃなくって、他の会社との会合や接待、部下を労い、指示を出すことじゃないですか。

旅人、その辺ちゃんとやってるんですよね。


537話 仕事する旅人

はい!続きを見ていきましょう!

 

ホームレスを助けた後、提督は、喫茶店に入りましたね。

 

『やあ、チノちゃん。やってるかい?』

 

『あ、旅人さん。ちょうど今オープンですよ。ご注文はいつものでよろしいですか?』

 

『うん、ありがとう』

 

そうして、コーヒーを飲みながら、三十分くらい店員の女の子とお喋りをした後に……。

 

店から出ると……。

 

『きゃあ〜!』

 

早速、何か起きましたね。

 

あれは……、引ったくりですか。

 

『任せろ』

 

その一言と共に、提督は『加速』の魔法を唱えて急加速。

 

引ったくりをしたスクーターのリアタイヤを蹴り上げました。

 

『『うわああああっ?!!!』』

 

吹っ飛んでいく二人組の引ったくり犯をバックに、提督が手を横に伸ばすと……。

 

狙いすましたかのように、女性が引ったくられた鞄が落ちてきました。

 

それを掴み、提督は……。

 

『はい、お姉さん。次からは気をつけてね……、って、君は……』

 

『ありがとうございます〜……、あら?』

 

『あずささんじゃないか』

 

『あらあら〜、旅人さん、お久しぶりです〜』

 

……どうやら、知り合いだったみたいですね。

 

 

 

青髪の女性と軽く話した後に、提督は、昼食を摂りに飲食店に入りました。

 

《デカ盛り始めました!三十分で食べれば無料!》

 

というポスターがデカデカと貼られているお店です。

 

『『『すみません、このデカ盛りラーメンください』』』

 

提督がそう注文すると、両隣に座った二人の女性も同じ注文をしましたね。

 

『『『……あ!』』』

 

……どうやら、また、お知り合いのようです。

 

『弥子ちゃんと貴音ちゃんか』

 

『旅人さん!お久しぶりです!』

 

『お久しぶりです』

 

資料を参照したところ、『日本を救った元女子高生探偵』と『トップアイドル』の二人ですね。

 

何故、そんな二人と接点があるのかは全くの謎ですが……。

 

その後も、二人の女性と談笑しつつ……。

 

『『『すいません、おかわりください。五杯……、いや、十杯』』』

 

と、一杯で五キログラムを超えるデカ盛りラーメンをスープの最後の一滴まで平らげた三人は、おかわりを要求して……。

 

『もう勘弁してくださいいい!!!』

 

店長が土下座して。

 

『『『まあ、腹三分めくらいにはなったかな……』』』

 

とか、頭のおかしい台詞を吐いてから、解散しました。

 

そして、提督は次の飲食店に入りました……。

 

次はカレー屋ですね。

 

そこにも……。

 

《トッピング全部乗せデカ盛りカレー!》

 

というポスターが貼られていました。

 

『『『すいません、この、トッピング全部乗せデカ盛りカレー一つください』』』

 

また、両隣の女性も、同じ注文をしましたね。

 

これも恐らく……。

 

『『『あ!』』』

 

知り合いみたいですね。

 

『インデックスちゃんとアルトリアさんか。久しぶり』

 

『お久しぶりなんだよ!』

 

『貴方ですか、お久しぶりです』

 

銀髪の少女と、金髪碧眼の女性。

 

どちらも美形ですね。

 

『お二人とも、今日は連れはどうしたの?』

 

『とーまは、必要悪の教会から私宛にってお金をもらえたから、それで美味しいものでも食べてきなさいって』

 

『シロウは、凛に会いに行くとかで……』

 

ふむ……、この二人は、『世界中の魔導書を記憶した生きる禁書目録』と『アーサー王の英霊』のようですね。

 

こんな厄の塊と、どこで知り合ったんですかねえ。

 

提督は常に、自分のことを一般通過旅人と仰りますが、どの辺が一般なのやら。

 

そうして、談笑をして……。

 

『『『すいません、これ、おかわりください。五杯、いや十杯ほど』』』

 

するとまた、店長が出てきて土下座され、追い出されました。

 

 

 

腹を満たした提督は、そのまま、黒井鎮守府の所有する基地に視察に行きました。

 

え?

 

ええ。

 

基地です。

 

毎度毎度、黒井鎮守府は世界屈指の大組織だと言っていだと思いますが?

 

もちろん、頂点は提督であり、その下に艦娘がいるのですが、更にその下がないとは言っていませんよね。

 

私達、黒井鎮守府には、下部組織が山ほどあるのです。

 

例えば、黒井鎮守府で開発した機動兵器などを販売する部門や、技術部もありますし、黒井鎮守府所属のデビルサマナーや機動兵器パイロットなどもいます。

 

軍事産業だけでなく、遊園地の経営や、ゲームセンター、ソーシャルゲームの運営、ケーブルテレビのチャンネルもいくつか持っていますし、飲食店や家電用品店、アンドロイドの販売に、ショッピングモールの経営……。

 

まあ、最も利益が出ているのは、軍事産業と海上輸送業ですかね?

 

海上輸送業については、深海棲艦騒ぎで壊滅した各国の海運会社をM&Aし、それを運営していますから。

 

実際、この地球上の海運会社の約九割は黒井鎮守府の隷下にあります。

 

軍事産業については……。

 

この世界は、どうしてなのかは知らないんですが、常に侵略されたり内ゲバしたりで大荒れなので……。

 

黒井鎮守府製の機動兵器は、安価で操縦が簡単で、そこそこの性能があるので、多くの国の正規軍に採用されていますよ。

 

主力商品は、『ゲシュペンスト』や『ヒュッケバイン』とかですかねえ?

 

おっと、それで、提督は……、と。

 

『こんにちわー』

 

『社長、お久しぶりです』

 

『キョウスケ君か。調子はどうだい?』

 

『良好です』

 

あれは……、ふむ。

 

黒井鎮守府隷下の機動兵器部隊のエースですね。

 

『アルトアイゼン』という機体に搭乗するエースパイロットだとか?

 

『で?どうなの?』

 

『はっ、エアロゲイターとの戦いは順調ですが……』

 

流石は提督……!

 

こうして、末端の兵士にまで話を聞き、生の意見を取り入れるのですね!

 

……そもそも、黒井鎮守府の仕事は深海棲艦との戦いのはずなのに、なんでまたエアロゲイターとかと戦ってるんですかね?

 

まあ、それを言えば、機動兵器部門の交戦記録を見れば……、出るわ出るわ。

 

邪魔大王国、Dr.ヘル、ボアザン帝国、ガイゾック、恐竜帝国、百鬼帝国、妖魔帝国、ベガ星連合、暗黒ホラー軍団、バーム星人、メガノイド、ムゲ・ゾルバトス、ギシン星人、ガバール星ロボット帝国、ゾンダー……。

 

ヘテロダインやKAIJUのような化け物もいれば、ブランチ一味やらヴォルフガング博士などの犯罪組織やテロリストもいますね。

 

うーん!

 

……何でこの星、滅ばないんですか????

 

『おー、ゼンガーさん。どうです?』

 

『良好だ』

 

『リュウセイ君、怪我とかしてないかい?』

 

『ああ、大丈夫だ』

 

『イルイちゃん結婚しよう!』

 

『え、えっと……、その……』

 

そんな風に、機動兵器部隊の兵士達に挨拶をして……。

 

一通り現場の声を聞いた後、帰宅しました。

 

その後は、現場の声を参考にして……。

 

「聞いてたよね、大淀。機動兵器部隊の話なんだけど……」

 

「はい、分かりました!」

 

こうして、私に話を持ってきます。

 

 

 

誤解のないように言っておきますが、提督は私達には特に優しいですが、他の人にも充分にお優しいお方ですよ。

 

今回も、機動兵器部隊の話を聞いて労い、特別ボーナスを出したいと仰られましたからね。

 




大淀
気狂いではあるが、仕事はめちゃくちゃできる。

黒井鎮守府機動兵器部隊の人達
分の悪い賭けが嫌いじゃない人とか色々揃っている。

旅人
長年、様々な組織の理想の上司を色々見てきたんで、良い上司っぽいムーブができる。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。