旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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えぉなの中華版始めました。

なんかこれ……、凄く……、無味無臭のソシャゲって感じ。


524話 妙高過去語り 中編

ええと、どこまで話しましたっけ……?

 

ああ、そう。

 

テンプル騎士団の船が爆発したところでしたね。

 

当時の私達からすれば、それはもう困惑ものでした。

 

人間が艦娘に届きうる牙を持つこともそうですが、そもそも、世界の海を守るために召喚された私達が、守るべき人間に牙を剥かれたこと。

 

その事実は、本当に私達を驚かせました。

 

そうして私達は、ズタボロになりながら、大破した足柄を抱えて帰還しましたね。

 

 

 

「提督……、すみません!近海警備ですが……」

 

私達は、たとえどんな理由があろうと、任務に失敗し、大きなダメージを受けて帰還しました。

 

それは、言い訳のしようのないミスです。

 

なので、青い顔をしながら頭を下げました。

 

あれほどまで私達……、『艦娘』と言う得体の知れない化け物に、優しくしてくださる提督は、私達からすれば神様のようなもの。

 

そんな人に、簡単な初任務の失敗を報告するのは辛かったですね……。

 

敬愛する提督に怒られる怖さも当然ありましたが、そんなものよりも遥かに、失望させてしまったことに対する大きな大きな申し訳なさ、ですかね。

 

この時の私は、責任を取って腹を切れと言われたら喜んで切っていました。それくらいに申し訳なく、まさに合わせる顔もないと言ったような、そんな感情を持っていました。

 

ですが……、提督は。

 

「おいおい……!」

 

「ひっ……!申し訳ございません!申し訳ございません!」

 

地に頭を擦り付けて謝る私を立たせて、強く抱きしめてくださいましたね。

 

「ごめんな、痛かっただろうにな……!早くドックへ!」

 

「し、しかし、私達は任務に失敗を」

 

「そんなことはどうでも良い!任務なんかより、君達のことの方が大事だ!」

 

いつも笑っている提督は、この時は、真剣な顔をしてこう言ってくださいましたね。

 

……え?覚えていらっしゃらないですか?

 

ふふ、それでも、私達は覚えていますよ。

 

「足柄、立てないか?俺が抱えていくからな。ああ、こんなに怪我をして……、かわいそうに」

 

「あ……、てい、とく……」

 

「良いんだ、喋るのも辛いだろう?何も心配いらない。今は、傷を治すことだけ考えてね。とりあえず、応急処置だけどポーションかけとくね」

 

そう言って、提督は足柄を抱えて、私達を入渠させてくださいましたね。

 

確かに、腕が千切れ飛んだ足柄は入渠が必要かもしれませんが、比較的軽傷の私達まで、大量の資材を使って入渠させてくださいましたね。

 

この頃の鎮守府はまだ、資材も多くはなかったのに。

 

艦娘は、器は肉である以上、骨折や切り傷くらいなら、人間と同じように……、いえ、人間以上の速度で治るんですよ?

 

それなのに、少ない資材を使って入渠させてくださいましたね。

 

それだけじゃなく、ドックに行くまで連れ添い、足柄を抱えて、励ましの言葉をくださいましたよね。

 

「大丈夫だ、失敗なんかじゃないからな。不測の事態だから、指示した俺が悪いんだ」

 

「そ、そんな!提督は何も悪くありません!」

 

「いや、テンプル騎士団が相手なら、俺の問題だ。艦娘にまで手出ししてくると読めなかった、指揮官である俺が悪かった。ごめんな、女の肌に傷を作るだなんて……」

 

「いえ、本当に提督は悪くないんです!私達が無能で!どんな罰でも受けますから!」

 

「良いんだ、君達は本当に良く頑張ってくれた。罰したりしない。むしろ、良く生きて帰ってきてくれたと称賛するよ。ありがとう……」

 

提督は、みんなにこのような態度をとりますよね?

 

いつも、自分は当然のことをしたまでだ、だとかおっしゃいますが、こんなことをされたら、艦娘は……、兵士は、女は。

 

あらゆる意味で指揮官を敬愛するようになるんですよ。

 

失敗を許してくださる寛大さに敬意を持ちましたし、傷を労ってくれる優しさに愛情を持ちました。

 

こんなことをされると、兵士としても、女としても惚れてしまうんですよ。

 

そうして、私達が傷を癒したあと、三日間の休日までくださいましたよね。

 

当時はまだ、鎮守府はシフト制で、休みを取るのは難しかったのに、スケジュールを調整して休みをくださいましたよね。

 

忙しい中に見舞いだと言って、手作りの菓子類を持参して部屋に来てくださいましたよね。

 

この見舞いの時も、私達に労いの言葉をかけてくださいましたね。

 

私達は覚えていますよ。

 

 

 

その後に……、私達は、会議室で改めて報告をしました。

 

テンプル騎士団を名乗る謎の集団に騙し討ちされたことについて。

 

その時、提督の隣には、一人のヤクザがいましたね。

 

そう、『タカクラキヨシ』……、『アサシン教団』の日本支部に所属するアサシンです。

 

そこで私達は、『アサシン教団』と『テンプル騎士団』についての話を聞きました……。

 

紀元前くらいの大昔から存在している暗殺組織で、超古代文明の遺した危険な遺物の悪用を防ぎ、人間の自由意志を尊重して、圧政者などを暗殺する集団……、それがアサシン教団。

 

一方で、超古代文明の遺物を悪用して、社会の全てを管理しようとする集団、それをテンプル騎士団と言う。

 

正直な話、この時は、何がなんだか良くわかりませんでした。

 

でも、ただ一つ分かったこと。

 

それは……。

 

「テンプル騎士団、は……、提督を殺そうとしている?」

 

「ああ、そうだ」

 

それは、テンプル騎士団は、敬愛する提督の敵だと言うこと。

 

例え、艦娘の使命が、深海棲艦と戦い人々を守ることだったとしても……、それでも、私達は。

 

人間が敵であっても、提督を傷つけるものは許してはおけない……!

 

私達は、強くそう思いました。

 




妙高型
この件を機に好感度が爆上がり。

旅人
敵が多過ぎる。

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