なので代わりにギアヘッド始めてみたんですけど全く一ミリもわかんなかったです。
「んーばばんばんば」
「どうしましたか、しれぇ?」
「いやー、やっぱり、南の島ではこれでしょ。このあと、真っ赤な真っ赤な太陽追いかけてプリンセスが走ってくる(確信)」
「……?しれぇが何言ってるのか分かんないです?」
「あー、えっと、まずは神州丸の初陣だから、俺達はとりあえず踊って待ってようね、ってことだよ」
「はーい!」
「「んーばばんばんばめらっさめらっさ♪」」
やっぱり、人生は息抜きの合間にやる程度で充分!
×××××××××××××××
「何をやっているのでありますかな……?」
自分は、賑やかな提督閣下の方向を見た。
提督閣下は、雪風と共に、日の丸が書かれて扇子を持って踊り狂っていらっしゃる。
「ああ、まあ、遊んでいるのでありましょうな」
隣のあきつ丸がそう言った。
「戦場で何故そんなことを?」
「提督殿は、戦などやらぬお方であります。あのお方は、滅多に戦おうとは考えず、自ら田畑を耕し、家畜を世話して釣りをして、そうやって過ごすお方でありますよ」
「だが、それでは……」
とてもじゃないが、提督などという仕事をやるべきお方ではない。
自分はそう感じた。
提督閣下は、時には、必要とあらば仲間をも切り捨てるという冷酷な判断をしなければならないという、司令官などといった仕事には向いていらっしゃらない。
むしろ、守るべき民草の模範のようなお方だ。
では、何故、提督などという仕事を?
「本人は成り行きだと仰られていたでありますが、本心としては、我々艦娘を見捨てられないのでありましょうな」
「そう、か……」
提督閣下のような、豊かな心を持つ良人を、糞のような戦場に連れてこなければいけないとは……。
ああ、自分は、無力だ。
自分にもっと力が有れば、あらゆる艱難辛苦から提督閣下をお守りし、養って差し上げると言うのに……。
提督閣下がお望みとあらば、金なんぞいくらでも稼ぐし、気に食わない奴は斬り刻み、女を望むのであれば自分が目一杯御奉仕する覚悟である。
ああ……、提督閣下。
至高の御方……、自分を救ってくれるのは、自分を愛してくれるのは閣下だけなのだ。
閣下の与えてくださる愛情に報いるためには、自分の全てを捧げなければならない。
デビルサマナーとしての技も……!
「メタトロン!コウリュウ!」
管から、二体の仲魔を呼び出す。
「さあ、行くでありますよ。敵は数多、食い放題であります」
私は、刀を抜いた。
「突撃ィイーーーッ!!!!」
『シナイの神火!!!』
『メギドラオン!!!』
深海棲艦共が焼け落ち、爆ぜる。
偉大なる閣下に逆らうクズ共め。
にしても……。
「ふむ……、手応えがないでありますな」
深海棲艦、こんなものか?
自分は、デビルサマナーとして、陸での暗殺などを中心にやっていた為、深海棲艦と戦うのはこれが初めてなのだが……。
思いの外、大したことはない。
この程度であれば、クズノハや対魔忍でも対応可能だろう。
「ラップバトルでケリつけようぜ!ヒプノシスマイク見てないんか?!!」
『ガアアアアアアアッ!!!!』
「ほげぇー!」
は?
「き、さ、ま……!!!!!」
縮地、斬撃!
『?!!!』
「汚い手で……、提督閣下に触れるなあああっ!!!!!!!」
ゴミ屑風情が、偉大なる閣下に触れるなど!
許されることではない!
「肥溜に湧くウジ虫風情があああっ!!!閣下に触れて良いと思っているのかあああっ?!!!!」
刻む、刻む、斬り刻む。
虫けらが。ゴミ屑が。病気持ちの溝鼠のような、この世で最も低級なカスが!!!
自分の敬愛する閣下に触れていいと思っているのか?!!!
「閣下の御寵愛を賜るのは自分だ!!!!」
「ヒェッ……、瞳孔ガン開きじゃん……」
「閣下!お怪我は?!」
「アッハイ、大丈夫です」
「ああ、良かった……。この神州丸、閣下のためならば、骨が折れ、肉がこそげ落ちようとも戦い、任務を遂行するでありましょう!」
「はい……、ありがとうございます……?」
「嗚呼、嗚呼、閣下!なんでも、なんでもおっしゃってくださいであります!閣下のためならば、この自分はどんなことでもするでありますよ!!!」
「う、うん、はい……、わ、わー!嬉しいなぁ!帰ったらご馳走を作ってあげるから、頑張って戦ってね!愛してるよ神州丸!」
あ……♡
「く、はは、くひふははは!愛!愛!!!愛していると!!!!!閣下がこの神州丸を愛してくださると!!!それならば、自分はっ!!!この神州丸はっ!!!例え首だけになろうとも戦えるでありますよ!!!!ははははははははははははは!!!!!」
「ヒェッ……」
旅人
「神州丸ちゃんをおかしくした奴は誰だ?!!!」
あきつ丸
「提督殿でありましょうに」