でっかい肉とトマトに、タマネギ!これが決め手ですね!次はベーコンエッグバーガーいってみよう!
俺は世界を股にかける旅人なので、船を一台持っている。
旅人号だ。
この旅人号は、VOBが付いたり、異常な防御力があったり、食料庫とキッチン、客室が異様に充実したりしている。
だが、陸のビークルや空のビークルは普通のものなので、折角だから工廠になんかすごいの(曖昧)を作ってもらうことにした。
「明石」
「はーい!」
キラキラの笑顔で工廠の奥から現れた明石。かわいいね。
「っと、顔にオイルがついてるよー。女の子なんだから綺麗にしなきゃね」
「わぷっ」
俺は、ハンカチで顔を拭いてやる。
男の世話は妬かない主義だが、女の子ならいくらでも甘えてきてくれてOKなのだ。
出来の悪い子ほどかわいいって言うじゃあないけど、化粧っ気のない明石みたいな子はかわいいよね。かわいい服着せたくなる。
「なんの御用ですか、提督っ!」
「依頼だよ。旅人号の強化と、自家用のジェット機の新しいやつと、新しいバスとか作ってもらいたくてね」
「乗り物ですか!提督のためなら、腕によりをかけて作っちゃいますよ〜!」
そして、工廠の奥に案内される。
夕張にも挨拶をして、早速設計に入る。
俺が口出しできることはほぼない。
まあ、俺も、道具さえあれば鋼材から船を作るくらいならできるが、明石は俺の何十倍も凄い設計をするから、手出しのしようがない。
「『艤装直結』」
明石と夕張は、コンピュータを艤装として装備している。
そして、艤装であるコンピュータは、自由自在に動かせる。
例えばそう……、艦娘って、艤装として大砲とかを装備してるよね?
あれをどうやって動かしているのかって言うと、艤装と神経を間接的に接続して、擬似的に肉体の一部にしてるのね。
そして艦娘は、大戦の戦艦としての信仰や、科学や神秘への信仰によって成り立つ神霊として、膨大な神秘を内包しているんだよね。
その神秘をエネルギー源として、艤装を動かしているんだよ。
明石も、脳に接続された艤装の量子コンピュータを、神秘によって稼働させてるのね。
実はこれって神業で、科学的なものって神秘が浸透しづらいのね?でも、明石と夕張や、睦月型辺りは、無理矢理に近代兵器に神秘を流し込んで動かしてるから本当に凄いよ。
そんな明石が、量子コンピュータで超高速の演算を行ってくれて、俺の目の前に新しい旅人号の立体映像を出して見せてくれた。
空、陸、海で運用されるビークルが三機。
『旅人号一号』
『旅人号二号』
『旅人号三号』
の三機体だ。
「何で既存の船の旅人号が三号になってるの?」
「一号は空!二号は陸!三号は海!って決まってるんですよ!ついでに、一号は赤!二号は白!三号は黄色!」
「早乙女博士に訴えられたら負けるんだよなあ……」
「では、サンゴッド1は大空を、サンゴッド2は大地を、サンゴッド3は干潮時に波打ち際を?」
「必然的に一台余るんだよなあ……」
「原材料はトランスフォーミウムを使用してます」
「何それ?」
「ちょくちょくうちに来るデストロンの方々から、ボディーに使われているパーツをほんの少し分けてもらって、それを解析した結果、量産に成功した特殊金属です」
「どんなの?」
「うーん、提督に分かりやすく言えば、ゲッター合金に近い……、ですかね?」
えっ。
「いかんでしょ」
「いえ、ゲッター線によって変化するって訳ではありませんよ?ですがその、まあ、戦闘ロボットの装甲として使えるほどに堅牢で、自由自在に形状や質量を変化させることができるんです」
なるほど……、え?
「……ひょっとしてこれ、変形するの?」
「^ ^」
あっ、これ変形するな……。
とりあえず、完成した旅人号に乗り込む。
まずは一号からだ。
旅人号一号は、全翼型の超巨大超音速旅客機だそうだ。
全翼型ってのはほら、あれだよ、B-2スピリットみたいなのだよ。
「これ、何人くらい乗せられるの?」
「まあ、五百人くらいは」
「かなりデカいね。最高速度は?」
「マッハ15で滞空と垂直離着陸が可能です!」
「?!!」
「動力炉は核融合で、水さえあれば理論上は永遠に稼働します!」
「?!!!」
「武装は、対空機関砲六門と追尾型ミサイル八門、陽電子砲一門です!」
「?!!!!」
「こちら、変形しますとこんな感じになります」
ギゴガギゴ。
『マスター、よろしく頼む』
「キェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!」
しかもCV大塚◯夫だああああ?!!!
旅人号二号。
マローダーとバスが悪魔合体したみたいな気狂いマシン。
「なにこれぇ(AIBO)」
「最高速度は時速二千キロ、核ミサイルの直撃ですら耐える装甲、八十人が乗れる座席があり、車体の上部には四門のガトリングキャノンと十六連ミサイルポッドが四門、プラズマキャノンが二門です!」
「何でそんなことしたの????」
「つい」
んー。
「そして、変形するとこうなります!」
『マスター、よろしくな』
CVは藤原◯治だった。
旅人号三号。
武装豪華客船。
「時速は七百キロくらいと遅めですが、定員は三千人、装甲も丈夫で、対空レーザー砲四十門、プラズマミサイル二十門、反物質弾頭魚雷四門、重力子崩壊砲六門と武装も充実!」
「そんなことしなくていいから……」
「あ、因みに、提督が命令を下せば、人工知能が勝手に火器管制をしてくれるので、提督が撃つ必要はありませんよ。そもそも、提督は銃器とか上手くないですしね」
「そういう風に気を回せるならもっと他のところに気を使って欲しかったかなー?」
「そして変形するとこうです!」
『よう、あんたが俺のマスターかい?』
CVは野沢◯智だった。
ふむふむ……。
「えっと、これ、クーリングオフとかできます?」
「えっ……?私が一生懸命に作ったものを、捨てちゃうんですか?使って、くれないんですか……?」
「な、なーんちゃってウソウソー!一生使うよ!大事にする!ありがとう!明石大好きー!!!!」
「私も大好きですっ!」
こうして俺は、三体の機械生命体型ビークルを所有することになった。
どういうことだよ……?
明石
「良かれと思って!」
旅人
「よからぬことを始めちゃったかー」