雰囲気はめっちゃ良かったです。
さあ、いよいよ大詰め。
何だかんだで高額商品を回避しつつもここまで来たが、どうだろうか?
六品中四品が高額商品。
利根の番だ。
「う、うあー、怖いのじゃ〜!」
などと言いながら、時計を手に取る利根。
「むー、これは……、かっこいいのう」
時計を弄る……。
「時計……、そんなに高くもなかろうかのう……?」
チラチラと俺の方を見る利根。
「た、高くないよな?な?」
「ピプー」
俺は吹き戻し……、お祭りとかで売ってる紙のくるくるした、吹くとくるくるが伸びて戻るやつを吹いている。
「うわ……、吾輩、提督のことは心から愛しておるが、そのようなイラッとする態度をとられると流石に怒るぞ……?」
「いやー、俺のアドバイスとか聞いちゃダメだよ、反則反則」
「むむむ……、おっぱいを揉ませてやると言ってもか?」
「えっマジ?」
っと、いかんいかん。
色気に異常に弱いのは良くないな。
俺は長男だから我慢できるのだ。
「……まあ、ふぇあ、な勝負をしなくてはならんしのう」
「ってか、君ら金持ってるでしょ?」
「いやいや……、確かに蓄えは過分なほどにあるが、金銭感覚は人並みなんじゃぞ?提督のように億単位の借金を方々に作ったりはできぬわ」
「なるほど」
「ふう……、まあ良い。この時計を買うぞ!」
そうかい。
さて……。
「こちらの商品は!」
デン!
「100円ではございません!」
「うあー……、やっぱりかのう?では、いくらじゃ?」
「こちらの商品は!」
デン!
「三十七万四千」
「う、高いが……、そんなものじゃろうな」
「ポンドです」
「……んん?」
「三十七万四千ポンド」
「ポンドとは?」
「一ポンドは、百三十八円くらい」
「んんー?んんんんんー?」
「日本円では、五千三百六十万円だね!」
L.U.C オールインワンという時計です。
「か、か、か、加減しろ莫迦!!!!」
利根は、アシスタントの大淀から借金をして、約五千万円支払った。
次は翔鶴の番だ。
五品中三品が高額商品。
「これにします」
「早いね」
翔鶴が持ってきたのは……。
途方もない価値の金塊だ。
「どうしてこれを?」
「理由ですか?そうですね……、もしこれが本物の金塊なら、すぐに売ってしまえばお金は戻ってきますよね?」
んー?
あ、そうだな。
金の値段は時によって変わるけど、すぐに手放すなら、買った時の値段と売る時の値段が違うってことはないだろう。
金の価値は、中古とか関係ないからな。
「そして、もしも偽物なら、高価ではない……、のかな、と」
ふむ。
「それに何より、持ってみると分かるんですけど、これ……、凄く軽いんです。多分偽物かな、と思います」
「なるほど、では、こちらの商品は!」
ピッ!
「100円ではございません!」
「そうですか……、では、おいくらでしょうか?」
「こちらの商品は!」
ピッ!
「ゼロ円です」
「はふぅ……、良かった……」
「これは、『途方も価値のない錆びた偽物の金塊』です」
「どこから拾ってきたんですか?」
「ノースティリスに出張してた摩耶が、ダンジョンの壁から拾ってきた。値段はノースティリスでもゼロ円だ」
四品中三品が高額商品。
金剛の番だ。
「うーん、どうしまショウ……?」
金剛は、車のキーを手に取った。
「これは……、車のキーデスネ?」
「そうだよ」
「うーん、まあ、そうデスネ……、多分、車なら高額商品でも、使えるだけマシデスネー!百万円くらいなら払っても良いデース!」
そう言って、車のキーを俺に渡してきた。
「こちらの商品は!」
ピッ。
「百円ではございません!」
「まあ、そうでショウ。でも、車なんて大体、百万円くらいで」
「こちらの商品は!」
ピッ。
「四億円です」
「ほげええええ?!!!!」
どうした金剛?キャラが崩れてるぞ?
「よ、よっ、四億円?!?!!?!」
「ランボルギーニ・ヴェネーノだ」
「えっ、え……、四億円?!?!!」
「四億円だよ」
金剛がアタッシュケース数個分の金をスタッフの大淀から泣きながら借りた。
三品中二品が高額商品。
吹雪の番だ。
「四億円……、四億円かあ。怖いな……、四億円って言えば、私の稼ぎの2、3ヶ月分だよ……」
そんなことを言いつつ、物色する吹雪。
「あっ、これは……、金ピカのWiiだ」
お、どうだ?
「うーん、Wiiって古いゲーム機だし、まさか本物の金ってことはないだろうし……、これにします!」
「こちらの商品は!」
ピッ。
「百円ではございません!」
「……えっ?ま、まさか」
「こちらの商品は!」
ピッ。
「五千万円です」
おーっとお?吹雪氏、膝から崩れ落ちるゥ。
スタッフ大淀から借金する吹雪。
次は天龍の番だ。
「お、これは……」
天龍は、銀ピカのガンダムフィギュアを手に取った。
「あー、えっと、確か、ガンダムの合金製フィギュアが二十万くらいで売ってるとか、ツイッターで見たかもしれねーな……。二十万くらいなら痛くねえや!」
と、ガンダムを渡してくる天龍。
「こちらの商品は!」
ピッ!
「百円ではございません!」
「ハハッ、まあ良いぜ、二十万くらいなら」
「こちらの商品は!」
ピッ!
「二千五百万円です」
「は?え?はあ?はああああっ?!!!」
「これ、純プラチナ製で、目の部分にはダイヤが埋め込まれてるんすよ」
「えっ、ちょっ、いや、は?はぁあああ?!!!」
因みに、残った百円の商品は、俺がタイで買った仏像型の文鎮であった。
結果は、高額商品を引かなかったのは、翔鶴だけ。
まあほら、うちの艦娘って、何十億円も貯金してるから、どんどんお金使った方がいいと思うよ。
なお、海外艦はガンガン金を使う。
ファーストクラスで旅行、高級車、お高いドレスと豪遊してる。
経済回すために、金は使わなきゃな。
翔鶴
人生の勝利者。
金剛
貯金の三割がこれで消し飛んだ。
旅人
借金が数千億円あるので何も怖くない。