作者は対馬で蒙古と戦ってるので忙しいです。
黒井鎮守府にユーチューブのチャンネルがあることは、もちろん、みんな知っていることだと思う。
いつもは、広報担当の青葉と衣笠がなんかやっておいてくれているみたいだが、今回はなんか企画をやるぞ。
「値札がない商品は全品百円なんだけど、商品の中には百円じゃない商品も混ざってるので、百円の商品を買い取れるように目利きを利かせるやつ〜ッ!!!!」
「「「「値札がない商品は全品百円なんだけど、商品の中には百円じゃない商品も混ざってるので、百円の商品を買い取れるように目利きを利かせるやつですってぇ〜?!!!!」」」」
「えっ、はねるのと……」
守子ちゃんが何かを言いかけるが、俺が笑顔で守子ちゃんの方を向くと、守子ちゃんは口を噤んだ。
「^ ^」
「えっ、その」
「^ ^」
「パ、パクリ……」
「^ ^」
「は、はい、分かりました……」
「じゃあ早速やっていきますッか〜……」
俺がコンビニのエプロンをつけて、店員に扮してレジで待機。
そして、その前に、値札のない商品がいくつか転がる台がある。
ルールは魔法の使用を禁じることと、特殊能力の使用禁止だ。ネットも使用禁止。
さあ、やっていこう!
メンバーは、金剛、吹雪、天龍、利根、翔鶴の五人だ。
「ここに十八個の品物があります!しかし、このうち五つは百円ではございません!皆さんはこの中から、一人二つの商品を買い取り、高額商品を避けてもらいます!」
そして、艦娘がジャンケンをして、順番を決める。
「私からデース!」
金剛からだそうだ。
「むむむ……、ベリーハードデース!」
色々と商品を触る。
そして、未鑑定名『途方もない価値の金塊』に触る……。
「oh……、これは明らかに百円じゃ済まないはずデース!」
金塊をスルーして、別のものを見る。
赤い表紙の本を見る金剛。中身を読んだら買い取りなので、開かないように裏表紙などを見る。
「ンー、これは……、魔導書ってやつデスかね……?」
「いや、提督がでっち上げたニセモノ説もあると思うぜ」
と天龍。
「オー、成る程。それもあり得マース!でも怖いから買いませーん!」
ポーションの瓶を見る金剛。
「薬品……、もエクスペンシブデース……」
「でも、ただの水って可能性も……」
「いやー、怖いデース」
と翔鶴。
「あ!」
金剛が声を上げた。
「グレープデース!」
「えっ、果物ってかなり高いんじゃ……?」
「まあ、ちょっと高価でも美味しいものを貰った方が良いデスからね……。正直、古文書とか貰っても困りマース」
真理である。
「これ、お願いしマース!」
「はい!こちらの商品は!」
ピッ。
「百円ではございません!」
「オゥノー!……でも、フルーツならそんなに高価じゃ」
「一房百万円です」
「………………ハイ?」
「石川県産ブドウの『ルビーロマン』……、最高級ブドウです」
「うわぁ……」
折角なので、テーブルを用意して、そこで食べてもらう。
「アッこれメッチャ美味しい?!美味しいデース!!!」
金剛は待機していたスタッフ(大淀)から百万円借りて購入し、ブドウはみんなで分けて食べた。
メッチャ美味しくて語彙力が消失してた。
十七品中四品が高額商品。
次は吹雪だ。
「うわー、もう、すっごく怖いんですけど……!少なくとも百万円くらいのものが紛れ込んでいるんですよねこれ……!」
不安そうな吹雪。
「あれ?これは……!」
何かに気づいた吹雪。
「これにします!」
と、プレステ4のゲームソフトを手に取る。
「えっ……?ゲームソフトとは、七千円くらいするんじゃないかのう……?」
と、利根が言ったが、それは……。
「これは絶対に大丈夫です!」
と俺にプレステ4のゲームソフトを渡してくる吹雪。
「こちらの商品は……」
「なんたって、このゲームソフトは……」
「百円です!」
「最悪のクソゲーですから!!!」
そう、吹雪が勝ったのは、俺が中古ショップで買ってきた、『NEWガンダムブレイカー』であった!
「あーっ!クソ!狙ってたのに!」
ゲームもそこそこやっている天龍がそう言った。
「うー、ガンブレなら確実に百円だと思ったのによお……」
次は天龍の番だ。
「金塊は……、本物だったら何千万円とかだよな、流石にヤバ過ぎる」
『途方もない価値の金塊』をスルーする天龍。
「うーん……、これとかは……?」
そう言って、『透明なポーション』を手に取る天龍。
「うーん、うーん……、よし、これにする」
「こちらの商品は」
「どうだ?」
「百円です!」
中身はただの水だ。
「よっしゃあ!」
十六品中四品が高額商品。
利根の番だ。
「うぬぬ……、吾輩はこの手の目利きはとんと駄目なのじゃが……、ん?」
『艶やかなる合成篭手』を手にした利根。
「んんー?これは……、布ではないか?」
お、自然鑑定した。
「よし、これを買うぞ!」
「こちらの商品は!」
「どきどきじゃな」
「百円です!」
「わあい」
十五品中四品が高額商品。
翔鶴の番だ。
「うーん、うーん……」
翔鶴は、七色に光る石を手に取った。
「宝石は明らかにヤバいデース!そのサイズの宝石だと、数千万円持って行かれてもおかしくないデスヨ!」
金剛が言った。
「でも……、これ、宝石じゃないですよ?七色に光るだけで、質感はただの石です。これで行きます!」
「オゥ……、チャレンジャー……」
さて、どうだ?
「こちらの商品は!」
「どきどき」
「百円ではございません!!!」
「ええっ?!」
ふふふ……。
「で、では、おいくらですか?」
「こちらの商品は!」
ピッ!
「10ソウルです」
「何だか知らない単位出てきた?!!!」
「こちら、王家の森庭で購入した七色に光るだけの石、『七色石』になります」
「いえその、10ソウルとは……?」
「ソウルはソウルだよ、それ以上でも以下でもない」
「……?」
「10ソウルなのでプライスレス、日本円には変えられないので、つまりは0円です!」
「え、えっと、や、やったー……?」
そんな感じで激戦は続く……!!!
金剛
ブチ切れ金剛ではない。
旅人
目利きができる。