旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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elonaやりながらサイボーグ009見る仕事があるので、手を抜きます。パソコン直しました。

今回の話は、何で艦娘同士で争わないの?って言う問いに対する答え。



あ、あと、高評価ありがとうございます。単純に嬉しいです。何を評価されたのか不明ですけど。


50話 二つの思惑

ここは大本営……。

 

政府の裏側、邪悪な者共が集う魔窟。

 

艦娘という祖国の神霊を自分の都合で使い潰し、この国に横領や汚職を蔓延させ、多くの人間を苦しめる悪魔達……。

 

そして今、悪魔達は、この大本営に、一人の心優しいハンサムを不躾にも呼びつけ、なんかよく分からん話をするのであった!!」

 

「「「「誰が悪魔だ!!!」」」」

 

「貴様、どういうつもりだ?出頭命令を出してもう二週間だぞ?」

 

「大本営を舐めているのか?」

 

いやあ、めんどいから、良いかなーって。

 

「……で?今更来たのはどういう風の吹きまわしだ?やっと喋る気になったのか?」

 

「お茶くれない?あ、爽健美茶買って来たらぶん殴るから」

 

「……貴様!」

 

どういうつもりっつってもね?

 

「まあ聞いて?……俺、めっちゃモテる」

 

「は?」

 

「いや、あの場ではベストな判断だと思ったんだけどねぇ。あの後、皆んな部活のキャプテンに恋する乙女みたいに、俺の後をくっ付いてまわるようになっちゃってさ?クールダウンの為、ちょっと鎮守府を離れたのよ」

 

「何を言っている?」

 

「あのクールビューティの加賀も、俺を見て顔を赤くするもんだからさぁ?ちょっとマジで仕事にならない。あの子達の集中力がね?何やってても俺のことが気になっちゃうみたいで」

 

「なんの話だ?」

 

「まあ、一時的なものだと思うし、大本営に無理矢理呼びつけられたってことにしてここに。いや、本当は来るつもり無かったんだけどさ、皆んなにバレたら怖いし」

 

「…………よく分からんが、舐められていることは分かったぞ!ふざけおって!!」

 

お、お茶来た。

 

「大体貴様は、自分の立場を分かっていないのか?まさか、人質を見捨てているのか?それも無駄だ、我等大本営は、この国の中枢にある。人質を消さずとも、司法に訴えかけて貴様を犯罪者にすることも熱っつ!!!!熱ぁ!!!!」

 

「閣下!!!!」

 

うぇ、このお茶まっずい!!思わず吹いた!!!

 

「き、貴様」

 

「馬鹿かテメェ等!!急須振ったろ!!!お茶の淹れ方も分かんねぇのか?!!!舐めてんのか!!!!」

 

「こっちの台詞だ!!!!」

 

 

 

「……で、貴様を呼びつけた理由だが……、…………で、……ひいては…………」

 

「今北産業」

 

「は?」

 

「三行で頼むわ」

 

「〜〜〜〜〜ッ!!!貴様は!!!」

 

「閣下、抑えて下さい!!」

 

「一行じゃん(笑)」

 

「貴様は黙っとれ!!!」

 

 

 

……なんかクソ長い話をされたけど、要約すると、「お前んとこの艦娘強ない?ヤバない?何なん?」とのこと。じゃあそう端的に言えよ。えー、男の長話ー?!ヤバーい!長話が許されるのは美少女までだよねー!!

 

「貴様に構っている程、我々も暇ではない!あの力は何か、端的に話せ!」

 

「いやいや、こんなところに雁首揃えてクダ巻いてるんだから暇でしょ?」

 

「うるさい!!!」

 

もー、めんどくさっ。やっぱ来なけりゃ良かったわ。

 

「おらよ」

 

「……これは?」

 

「ロック装置。じゃ、帰るわ。……あのさ、この辺でオススメの風俗とかない?たまには良いかなーって」

 

「待て!これはなんだ?!」

 

「ググれカス」

 

ま、こいつ等にロック装置は使えないだろうよ。艦娘の首輪を外す度胸なんてありゃしない。それに、解析したところで、どうせ何も分かりゃしないしな。ロック装置を解析するには、頭に超が三つくらい付くような天才じゃなきゃ無理無理。じゃ、俺、風俗寄って帰るから。

 

 

 

 

 

「……行ったか」

 

「全く、訳の分からん」

 

「だが、これが艦娘共の強化に繋がるのは事実」

 

「早速解析しろ!」

 

「さあ、頼むぞ?元ブラックゴーストの研究者諸君……」

 

 

 

 

 

×××××××××××××××

 

ここは黒井鎮守府の会議室……。

 

提督に秘密で、私達艦娘だけで行う会議。

 

艦娘と言う超常の存在を分け隔てなく愛し、この鎮守府に安寧と希望をもたらし、私達の生き甲斐となった提督……。

 

そして今、私達は、提督をどうにかして籠絡するための策を講じ、会議を開くのであった!!」

 

「……急にどうしたの、長門?」

 

「……いや、何でもない」

 

何となく、口に出してみたくなっただけだ、気にするな。

 

……さて、この会議も8回目だ。段々と、提督を籠絡する策や、提督の弱点も分かりつつある、と思いたい。

 

初期の頃は、提督を独占したい者、手出しするのは不敬だとする者、提督を共有しようとする者……、そう言った艦娘が入り乱れて、会議は難航していた。

 

しかし、最終的には、艦娘同士で無駄に争い疲弊するのは好ましくないとして、全員で結託。提督を(性的な意味で)襲わない限りは、各々でアプローチし、提督の理性を削るという方針で決定。この協定を守るならば、後は自由だ。

 

……もちろん、まだ納得していない艦娘もいるが、一人で抜け駆けすれば、その他の全員に追われることは理解している。

 

また、提督自体、艦隊の全員で動いても、本気で逃げられたら捕らえられないだろう。故に、私達は協力し合うしかないのだ。

 

「やっぱり、提督を捕らえるのは不可能デース、例え寝ていようと隙がありマセーン」

 

「あ、あの、私も試してみたんですけど、駄目でした……。司令官さんは勘が鋭過ぎて、どんなに気配を消してもバレちゃって……。ごめんなさい……」

 

ふむ、この鎮守府で最高の隠密性を誇る羽黒を以ってしても捕らえられんと言うことは、事実上捕らえられないと言うこと。

 

また、提督の筋力と身のこなしも馬鹿にならんし、その上、未知の手段で突然姿を消したり、空間を湾曲させ、テレポートまでする。捕らえるのは絶対に不可能だ。

 

「では、やはり、逃さないのではなく、逃げられないようにするしかないのですね?」

 

「子供、ですか?……練度が最大まで上がれば、多分……。何分、前例がありませんから、何とも言えませんけどねー」

 

今の私達の主な考え方は、子供を作ることだ。提唱したのは古鷹だが、確かに間違ってはいない。子供ができれば、提督は確実に逃げられん。

 

……まあ、私達に子供ができるのか、と言うのは、明石でも分からんそうだ。だが、肉体で繫ぎ止めると言うのも、あながち悪くはない手段だとは思う。

 

「じゃ、いつも通りゆーわくするんか?うちにはちょっちキツイなぁ?」

 

「はぁ、誘惑だなんて、私達駆逐艦の気持ちにもなって欲しいよ」

 

「でも、司令官は私がキスした時、反応してましたよ」

 

「「「「?!!」」」」

 

提督と唇を?!(重要)……重ねて?(嫉妬)

 

「……何やっとんねん、自分」

 

「司令官が可愛かったので」

 

「そんなん言うたらうちやって司令官が可愛くてしゃーないわ!!」

 

いかんな、これは協定違反だな、間違いない。

 

「三日月!それは……」

 

「言っておきますけど、協定には違反しませんよ?……ねぇ、大淀さん?」

 

「…………チッ」

 

どういう、ことだ!

 

「大淀さんと明石さんは、司令官が、いつでも、どこでもキスをして良いと言質を取ったそうです。他でもない、司令官自身の許可があるんですから」

 

「た、確かか?大淀!」

 

「…………はぁ、そうですよ、確かに言っていました」

 

「……何故言わなかった?」

 

「……聞かれてませんからねえ?」

 

「…………ふん、そうか」

 

大淀は、未だに艦娘同士での結託に否定的だ。無理もない、最初から共有を狙う者達だって、金剛型や暁型など、姉妹艦同士で、とのことであり、全員での共有に賛成する者は少ない。

 

「まあいい、多少の出し抜きくらいは許そう」

 

「良いの?長門」

 

「良いさ、大事なのは結果だ。……皆んなも良いな!出し抜くのも結構だが、提督が望むのは平穏だ!決して、争いを起こすことの無いように!艦娘そのものを嫌われてしまったら元も子もない!!」

 

そう、提督は優しい。……だから、私達、艦娘同士で争うのは御法度だ。提督を不愉快にしてしまう。

 

「では、キスは解禁、かしら?ふふっ、楽しみね❤︎」

 

「ああ、だが、いつも言っているが、やり過ぎて提督の邪魔になることのないようにな!以上、解散!!」

 

 

 

見ていろ提督、確実に堕としてみせるぞ……!!

 

 

 




大本営
悪の組織。

長門
艦隊のまとめ役。

陸奥
旅人を自分のものにしたい。

三日月ルプス
すげぇよ、ミカは……。

大淀
腹黒。ストーカー。最近の趣味は旅人の私物をこっそり新品と入れ替えること。

旅人
この後、鎮守府中の艦娘にキスされる。嬉しい。

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