旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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うううううー。


444話 黒井モール 前編

黒井モール開店……ッ!!!

 

俺は責任者だが、責任は取らないぞ!

 

何がどうなってもマジで知らんからな!

 

 

 

立体駐車場が併設されたモールの、五つある入口の一つ、南口からモールへ入る。

 

『イラッシャイマセ』

 

黒井鎮守府制式採用型アンドロイドが挨拶をしている。

 

尚、アンドロイドは俺の趣味によって女性型のロボ娘だ。

 

店内の雰囲気。

 

一階はクリーム色の床のいかにもなショッピングモール。高級志向よりかは、庶民的な雰囲気だ。

 

さて、南口から左手に見えるのは食料品店。スーパーだね。

 

黒井鎮守府の厳選食材が並ぶ。

 

え?大丈夫大丈夫、食べても直ちに問題はないやつしかないから。

 

これは本当だ。衛生管理やら何やらはしっかりやっている。

 

確かに、ドラゴン肉やパタポン族の野菜なんかを売っているが、衛生上にも健康にも問題がないクリーンな食品を売っているんだよね。

 

そりゃ、異世界から持ってきた食品を売りますとは大っぴらには言えないから、上の方は札束ビンタで黙らせてるけどさ、決して人間が食べちゃいけないものなんて売ってないよ。

 

そこは信じて欲しいし、確かに言える部分だね。

 

そして、スーパーの中にはもちろん、生活雑貨もある。

 

衣類洗剤雑誌、ベビー用品まで。

 

え?ベビー用品?

 

……艦娘が赤ちゃんプレイしたいって言うからわざわざ作りました。

 

あの子達全員、隙あらば孕もうとしてくるから気が抜けない。

 

鹿島がね、鹿島がね、「提督!赤ちゃんができた時のために、子供のあやし方の練習をしましょう!では私が赤ちゃんになるのでお世話をお願いしますね!」とか言ってね……。

 

まあ、楽しいから良いんだけどね?

 

鹿島はこと性行為においてはガチだから。

 

しっかりミルクも飲んだし、おしっこも漏らした。これが一流か……、と俺は戦慄したね。

 

もちろん、その有様はXVideosで全国公開し、鹿島の赤ちゃんっぷりは世界中に発信され、五千万再生を記録した。

 

あの優しげなウルトラA級の美女が、オムツに失禁しながら泣きわめき、俺をパパと呼んで甘えまくる痴態をばら撒いたのだ。

 

自ら。ノリノリで。

 

ネットではサキュバス扱いされ、最近は、童貞相手なら視線だけでイかせられると豪語していたよ。

 

流石に、飲食関係の店舗スタッフに鹿島がいたら、男性が食事中に思わず射精してしまう恐れがあるので、鹿島は二階のアクセサリー店のスタッフにしてある。

 

それでも、エロ親父やエロガキが、鹿島の姿を一目見ようと、女物のアクセサリー店に入り込んでは、メンタルズタズタになるような酷い振られ方をして消えていく。

 

後で鹿島のところには行くとして、今は黒井モール一階の飲食店を見て回ろうか。

 

 

 

黒井モールには、チェーン店は一切入っていない。

 

全て、黒井鎮守府ブランドの製品の店だ。

 

まず、目に付いたのは粉物屋。

 

ここは龍驤がプロデュースしている。

 

え?龍驤は関東出身?

 

……でも今はそんなことはどうでもいいんだ、重要なことじゃない。

 

この粉物屋は、店舗名を『粉物屋RJ』と言い、たこ焼きからお好み焼き、とん平焼き、焼きそば……、とにかく色々な粉物を出す。

 

メニューを増やすと廃棄が増え、コストが無駄になるのが常だが、我々黒井鎮守府には、謎の空間湾曲技術により、時間が停止した空間に物資を保存できるので、食品が調理されずに廃棄されるようなことは基本的にないのだ。

 

なので、豊富なレパートリーのメニュー、本場大阪の味が、ここ、K県で楽しめる訳だな。

 

龍驤は、艦娘の中でも良心が芥子粒くらいはある良識派なので、よく、店舗スタッフのアンドロイドに混ざって、お好み焼きをひっくり返す姿が見られる。

 

そう、エンターテイメント性を考慮して、粉物の調理場はガラス張りになっていて、調理シーンを見れるようになっているのだ。

 

そして、我々黒井鎮守府は、営利目的でやってる訳じゃないから、お好み焼きにもとん平焼きにもがっつり肉を入れる。

 

そういうところでコストを削るような真似はしたくない。

 

お肉はたくさん入っていた方が幸せでしょ?

 

いや……、ヴィーガン?の人達は知らんけど、少なくとも俺は、お好み焼きや焼きそば、とん平焼きに肉が多めに入っていると嬉しい。

 

そして、値段も安く、三百円くらいで売っている。

 

たこ焼き十個で三百円。

 

まあ、大阪だとこれくらいは普通だよ。

 

懐かしいなー、昔、あいりん地区で日雇い労働やっててさー。

 

あの時はちょっと魔術師協会に追われてて、しばらく身を隠すために……、っと、そんな話はどうでもいいか。

 

とにかく、粉物屋は、安い値段で高品質、本場大阪の味を意識した感じになってるよ。

 

 

 

そしてハンバーガー屋。

 

『The Big Stick』という店名で、責任者はアイオワである。

 

まあ、アイオワは基本的に料理なんて殆ど出来ない上に、普段は海外旅行に行ってるから、ほぼ名前だけだ。

 

しかし、メニューの考案は、アイオワの視点による、本場アメリカのハンバーガーを再現している。

 

ジャップのお上品なハンバーガーとは違い、アメリカンで豪快なカロリーボムが楽しめるのがウリだ。

 

アイオワが大好きなアメリカのハンバーガーチェーン店、Five-Guys-Burgers&Friesをパク……、リスペクトしたラインナップになっている。

 

まあ、サイズ的に、日本人じゃ食いきれないので、通常サイズはパンとパテ一枚のハンバーガーだ。

 

ハンバーガー、チーズバーガー、ベーコンバーガー、チキンバーガー辺りを基本に、10種類以上のトッピングメニューから選んだものをグッと挟んで提供。

 

パテ二枚のビックサイズ、三枚のキングサイズもあるよ!

 

ホットドッグ、サンドイッチもあり、ポテトも必ず揚げたてのものを提供する。

 

値段も安く、ハンバーガーとポテトをセットで注文すると、コーラが無料でついてくる。

 

持ち帰り可能。

 

 

 

こっちは、『カフェトリエステ』だね。

 

責任者はローマ。

 

そう、イタリア人のローマは、コーヒーに死ぬ程拘るのである!

 

……本当に、イタリア人ってコーヒー大好きなんだよ。

 

あんまり◯◯人は〜みたいなことを言う主語でかおじさんは害悪なので、こう言う言い方はしたくないのだが、本当にイタリア人は隙あらばコーヒーを飲むんだ。

 

BAR……、立ち飲み喫茶店がそこら中にあって、朝に一杯休憩中に一杯昼に一杯おやつに一杯定時で一杯夜に一杯……、みたいな感じでいっつもコーヒー飲んでるんだよね。

 

その上、コーヒーのバリエーションも実に豊富なんだよ。

 

ローマは、豆から淹れ方から、全てに拘ってるから、美味いコーヒーの淹れ方をいつも研究している。

 

そんなローマ特製のレシピで淹れられた美味いイタリア式コーヒーと、軽食を出すカフェがここだ。

 

雰囲気は、木の床と、黒を基調としたシックな店舗で、お洒落で落ち着いた、大人の雰囲気。

 

少々格式高く、とっつきにくい雰囲気があるが、その分、本当に味が分かっているお客さんが来るようになっている。

 

まあ……、本当にコーヒーの味がわかる奴なんてそうそういないんだけどね。

 

ほら、そう言うのはさ、情報を食いに来てるとかなんだとかラーメンハゲが言ってたじゃん?

 

雰囲気バッチリ決まってるから、味音痴だけど雰囲気を味わいたい人がたくさん来てるし、いいんじゃないかなー、ってことにしておこうか。

 

 

 

さあ、次は二階を見に行こうか。

 




旅人
黒井モール総支配人?

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