医者「喉風邪ですね」
俺「」
草生えました。
「にゃあ!お魚にゃ!」
「お肉もあるっチよ!」
「お野菜もいっぱいぴょん!」
んー!
「語尾があざとくて可愛い!百点!」
聞いたところ、語尾はどうしても出てしまうものらしい。
えー、猫又の天音、鼬(てん)の来夏、妖怪兎の美未。
天音は、長めの黒髪にキャミソールと短いジーンズ。露出が多くていいね!顔も整ってるし!中学生くらい?胸ぺたん。
来夏は少し鋭い眼の、栗毛ショートカットの美少女。白いワンピースと麦わら帽子がグッド。小学生くらい。
美未は……、セーラー服だぜおい。白髪ロングがバッチリだ。ちょっと薄幸そうなところがまたグッド。おっぱい大盛り高校生くらい。
その上、今は全員獣耳と尻尾が生えている!!!
気を抜くと耳や尻尾が出てしまうらしい。あざとい!可愛い!!二百点!!!
年齢は百歳しないくらいの若い妖怪なんだって。
「………………」
「時雨?どうかしたか?」
「いや、僕は提督を改めて尊敬するよ」
はあ。
「あれは人外だ、僕達と同じ、人ならざるものだ。そんなものにも本気の愛を注げる提督は、心が広いね」
「いや見た目が良いから……」
「『瞳』で見れば簡単に人外だと気付けるだろうに」
「いやあ、妖怪って変幻してると表面的には人間に見えるじゃん?耳とか尻尾は萌えポイントになるし……」
「それはつまり、僕も耳や尻尾を生やした方が良いってことかな?」
「いや時雨はクールキャラだからそういうあざといことは……、いや、クールキャラがそういうことをやるギャップ萌えか?上級者だな?」
「今度までに用意しておくよ」
「おう」
そして。
「「「ご馳走さまでした!」」」
お腹いっぱい食べた妖女達は、俺にじゃれついてきた。
あざとい!可愛い!!
「お兄さん、にゃーん」
「兄さんー」
「兄様ー、ぴょーん」
あざといぃ!!!
「君達、この家に住んで良いよ」
「えっ?!本当にゃ?!」
「ああ、居間に時空間転移装置を取り付けて、黒井鎮守府にも行けるようにしてあるからね、いつでもおいで」
「よく分からないけど嬉しいにゃ!」
天音達を引き連れて、家の周りの探索に。
因みに、今日は日曜なので、制服姿の高校生に見える美未を連れて歩いても問題はない。
イクゾー(デッデッデデデデカーン)!
「時雨はどうする?」
「僕もついていくよ?護衛だからね」
「そーなのかー」
構わんけども。
「田舎の風景を見て回るだけだから、面白くはないかもよ?」
「君と一緒にいられるだけで幸せさ」
言うねえ?
森の中を歩く。
「おっ、綺麗な川だな、あとで釣りしに行こう」
「お、あけびじゃん。食べよ」
「ん?あれは……?」
神社、か?
山奥に神社を見つけた。
人の手が入っていない、朽ちた社。
お供え物もない。
「ふむ」
俺は、皿といなり寿司をアイテムボックスから出して、社に供えた。
すると。
「のじゃあ?!!ひ、久し振りのお供え物なのじゃ!!しかも、大好物のおいなりさんじゃあ!!!」
その辺から、三本の尻尾と狐耳を生やした少女が、素早くいなり寿司を頬張る。
「うーん、可愛い!百点!」
そりゃもう百点あげちゃうでしょ。
のじゃろり狐娘だぞ?
某幻想世界で会った九尾狐も美人で良かったけど、のじゃろり狐娘も良きかな。
いなり寿司を食べ終わった狐娘に温かいお茶を渡す。
「おっ、気が利くのぉ」
お茶を飲み干した狐娘は、溜息を吐くと、あ、と呟いて。
「あ、あわわ、妾の威厳が?!」
「まだ行けるまだ行ける」
「ほ、本当じゃろうか?まだ取り繕えるじゃろうか?!」
「平気平気」
「よ、よしっ!うぉっほん!妾はこの山の守護者、蓮華と言う!ひれ伏すのじゃ!ふははははー!」
「ははーっ!」
「「「「………………」」」」
「おっ、そこの男はノリが良いのお!良いぞ!」
「提督、僕の愛する君が小学生程の少女に傅く姿は、その、あまり見たくないんだけど」
「いやだってリアルのじゃろり狐娘やぞ」
「たかが三尾の小物妖怪じゃないか……」
「だ、誰が小物じゃ!妾の妖術で痛い目に」
時雨が一瞬で刀を召喚し、狐娘の首筋に添える。
「あ、え?……ひ、ひええええ?!!や、やだぁぁぁ!!死にたくない、死にたくないのじゃあああ!!!」
うん、弱い!
俺は泣き喚く蓮華ちゃんをあやす。
「よしよーし、良い子良い子」
「ふえぇ、怖かったのじゃ……」
はー、すこ。
可愛けりゃなんでも良い派。
「可愛いねー、蓮華ちゃーん」
「ふぇ、そ、そうか?」
「蓮華ちゃん、新しく社を作ってあげるから、お引越ししようか?」
「い、良いのか?妾は弱いのじゃぞ?白面の者が怖くて、田舎の山奥の寂れた社に逃げ込んだ木っ端妖怪じゃぞ?」
「良いよ、大丈夫。白面も封印されたし」
「な、なんと!そうなのか?!」
「だからお前安心して引っ越しして良いぞ」
「わあい」
うちの前に新社を建てる。
ついでに黒井鎮守府の裏山にも建てておこう。
「な、なんと!こんな立派な社を建ててくれるとは!嬉しいのじゃ!」
「君が喜んでくれて何よりだよ」
さあ、次は黒井鎮守府の裏山に行くか。
「ここ、うちの裏山なんだけど、いつでも来て良いからね」
「転移の外法まで使いこなすとは、そなたは術師としてもできるのじゃな!」
こんな感じで、黒井鎮守府に愉快な仲間がまた増えました、と。
『もふ』
ん?どうした首輪付き?
『もふもふ』
裏山のボスは僕だ?おっ、そうだな。
ボスなら部下を守ってやれや。
『もふっ!』
っと、そんな感じ。
旅人
次の話で死ぬ。