旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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酒の席きらい。

飲み会とか参加しない主義です。


327話 ガングートと一緒

ガンちゃん?

 

ええい、略すな。

 

ガングートと呼ばんか。

 

ガングートすこ?

 

なんだ、すことは。

 

好きという事か?

 

だ?

 

だい?

 

大好きか?!大好きなのか?!!

 

DAISUKE?!!!

 

なんだDAISUKEとは?!!誰だ?!!!

 

な、何故踊る?!なんなんだ、なんなんだ一体?!!

 

え?

 

こ、心から愛している?

 

そ、そうか。

 

なら、最初からそう言え!

 

何故踊った?!

 

特に意味はない?

 

……酔っているのか?

 

……素面でそれなのか。

 

それは、まあ、なんというか。

 

薄々感じてはいたが、変わった男だな、貴様は。

 

いや、それは良いか。

 

ユニークな人柄なのは、付き合っていて面白いからな。

 

社会主義的ではないが、それもまた良いだろう。

 

ほら、取り敢えず飲め。

 

ズブロッカだ。

 

これはクセが強いがそのクセの強さがたまらないのだ。

 

 

 

ほら、酒の席なんだ。

 

無礼講だぞ。

 

飲め飲め。

 

うむ、良い飲みっぷりだ!惚れ惚れするな。

 

酒は好きか。そうかそうか。

 

ここ、黒井鎮守府なら、多くの酒が飲み放題だからな。

 

好きなだけ飲むと良い。

 

まあ、酒代もつまみ代も私の金ではないのだがな。

 

黒井鎮守府の運営費から出ているとのことなので、実質的には貴様の金だ。

 

いつもすまんな。

 

養ってもらうとは、社会主義的ではないな……。

 

しかしこの国は資本主義だ。

 

郷に入っては郷に従えと言う諺の通りに、それに従おう。

 

だが、まあ、黒井鎮守府では皆が富んでいて、皆が幸せそうに暮らしている。

 

実に社会主義的で素晴らしいぞ。

 

仕事が少ないせいか、怠け者の気があるが。

 

健全な生活には健全な労働が欠かせないものだと言うのに……。

 

まあ、それは良いだろう。

 

 

 

ほら、酒の席だぞ。

 

何か面白い話をしてくれ。

 

え?

 

最近はそういうのはパワハラで訴えられる?

 

そ、そうなのか?

 

最近は怖いな。

 

社会から、人々の優しさが失われていっているようだ。

 

む。

 

それは体感であり、実際に優しさが失われたというデータはない、と?

 

成る程、そう言えば貴様は大学を出ているんだったか。データから理論的な答えを見つけるのは重要だな。

 

軍事的な観点にも繋がるだろう。

 

貴様は賢いな。

 

それで、面白い話だが。

 

私?私にはないぞ。

 

私は普通に日常を謳歌しているだけだからな。貴様のように、人に話せるような冒険譚はないさ。

 

む、自己表現か。

 

コミュニケーションスキル?い、いや、私はそんなもの……。

 

な、何?社会に出てから困る?いや、既に社会に出ているだろ?

 

黒井鎮守府は学生と同じ?

 

学生気分なのか?!

 

な、成る程な。戦いが終わっても、人生は続く、か。

 

……先のことなど、考えたこともなかった。

 

ただ、漠然と、皆と、貴様と、幸せに暮らすものとばかり。

 

そう、だな。

 

未来のことも考えねばなるまい。

 

 

 

そう、それで。

 

式はいつにする?

 

え?

 

その話はしちゃ嫌だ?

 

どうしてだ?

 

折角だから、盛大な式を挙げたいだろう?

 

既にロシアの会場をピックアップしているんだ。

 

ほら、ここなんかどうだ?

 

艦娘を全員呼んで、盛大な式にしよう。

 

貴様は凛々しいからな、その白髪に、黒のタキシードはよく映えるだろうよ。

 

私がウエディングドレスを着るのは、些か違和感があるがな。

 

……ん、あ、そうだな。

 

私が結婚式を挙げたら、他の全員もやりたがる、か。

 

それもそうだな……。

 

そんなことをしたらスケジュールが一年分は丸々埋まるな。

 

だが、いずれは……。

 

考えておいてくれ。

 

ん?

 

それは、まあな。

 

私だって女だ。

 

結婚式に憧れもある。

 

女々しいか?

 

……ふふ、そうだな、私も、貴様からすれば、可愛い女の子だものな。

 

物好きめ。

 

ふ、ふん、何が、ガングートは百人中百人が可愛いって思う美人さんだよー、だ。

 

私にはお見通しだからな。

 

貴様はその舌先で、何人もの女を虜にしてきたのだろう!

 

だ、だが、まあ、あえて、あえてだ、私も騙されてやろう。

 

貴様のことを好きになってやるとも。

 

愛してやるとも。

 

だが、貴様はいずれ、私を捨てるのだろう。

 

ひっぐ、ぐずっ、私を、捨ててしまうんだ。

 

一人でどこかに行ってしまうんだ。

 

だから、だから私は、本気で好きになることはない……。

 

ないんだ……。

 

本気で愛したりなんて、しない……。

 

 

 

………………そんなの、無理、だ。

 

とっくの昔に、本気で好きになっていた。

 

貴様が好きで好きでたまらないんだ。

 

頼む、お願いだ、私の側にいてくれ。

 

私を一人にしないでくれ。

 

私は、私は、貴様がいないと駄目なんだ。

 

どうしてだ?

 

どうして貴様は、どこかへ行ってしまうんだ?

 

その手足をへし折って捻じ切れば、ずっと私の隣にいてくれるのか?

 

……あぁ、分かっている。

 

そんなことをしても無駄なことはな。

 

だが、貴様は知るべきだ。

 

想い人が、いつどこへいなくなってしまうかわからない、その恐怖を。

 

貴様は嫌じゃないのか、私達と離れ離れになるのが!

 

……貴様の、ずっと一緒にいる、は嘘なのだろう?

 

貴様は、私の望む言葉をくれるが、それを実行する訳ではない。

 

私を喜ばせるために、ずっと一緒だと嘯くんだ。

 

……たまには帰ってくる?

 

嫌だ、ずっと一緒にいろ。

 

側にいろ。

 

そうじゃないと私は、おかしくなってしまう。

 

 

 

それじゃあ、こうしよう。

 

抱いてくれ、提督。

 

……子供が、欲しいんだ。

 

貴様がいなくなってしまうなら、せめて、忘れ形見だけでも……。

 

何人か、子供を産ませてくれ。

 

逃げるな。

 

待て。

 

簡単な話だぞ、貴様は何も考えず、私を孕ませれば良いだけだ。

 

ほら見ろ、胸だって大きい方だし、顔だって悪くないだろう?

 

痩せ細っても、肥えてもいないだろう?

 

特別に美しいとは言わずとも、醜くはないはずだ。

 

そんな私の身体を好きにして良いんだ。

 

なんなら暴力を振るったって良い。

 

貴様に殺されるのだって悪くない。

 

……でも、愛していると囁きながら抱いてくれたら、嬉しい。

 

は、初めてなんだ。

 

だから、どうか優しくして欲しい。

 

もちろん、慣れてきたら激しくしてもらっても大丈夫だぞ?

 

痛いのも平気だ、艦娘だしな。

 

だが、子供が欲しいから、子宮を傷つけることはどうか控えてくれ。

 

私の全部を捧げよう。

 

だから、貴様を私に寄越せ。

 

私と、一つになろう。

 

……え?

 

抱いて、くれるのか?

 

そうか!

 

嬉しいとも。

 

沢山、愛してくれ。

 

 

 

さあ、準備は万端だ、早速抱いて……、む?

 

くっ、貴様等!

 

私と提督の恋路を邪魔するか?!

 

抜け駆け?

 

う、うるさい、私は提督と幸せな家庭を築くんだ!

 

邪魔をするな!

 

ぬおおおおお?!!

 




ガングート
子供が欲しい。

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