飲み会とか参加しない主義です。
ガンちゃん?
ええい、略すな。
ガングートと呼ばんか。
ガングートすこ?
なんだ、すことは。
好きという事か?
だ?
だい?
大好きか?!大好きなのか?!!
DAISUKE?!!!
なんだDAISUKEとは?!!誰だ?!!!
な、何故踊る?!なんなんだ、なんなんだ一体?!!
え?
こ、心から愛している?
そ、そうか。
なら、最初からそう言え!
何故踊った?!
特に意味はない?
……酔っているのか?
……素面でそれなのか。
それは、まあ、なんというか。
薄々感じてはいたが、変わった男だな、貴様は。
いや、それは良いか。
ユニークな人柄なのは、付き合っていて面白いからな。
社会主義的ではないが、それもまた良いだろう。
ほら、取り敢えず飲め。
ズブロッカだ。
これはクセが強いがそのクセの強さがたまらないのだ。
ほら、酒の席なんだ。
無礼講だぞ。
飲め飲め。
うむ、良い飲みっぷりだ!惚れ惚れするな。
酒は好きか。そうかそうか。
ここ、黒井鎮守府なら、多くの酒が飲み放題だからな。
好きなだけ飲むと良い。
まあ、酒代もつまみ代も私の金ではないのだがな。
黒井鎮守府の運営費から出ているとのことなので、実質的には貴様の金だ。
いつもすまんな。
養ってもらうとは、社会主義的ではないな……。
しかしこの国は資本主義だ。
郷に入っては郷に従えと言う諺の通りに、それに従おう。
だが、まあ、黒井鎮守府では皆が富んでいて、皆が幸せそうに暮らしている。
実に社会主義的で素晴らしいぞ。
仕事が少ないせいか、怠け者の気があるが。
健全な生活には健全な労働が欠かせないものだと言うのに……。
まあ、それは良いだろう。
ほら、酒の席だぞ。
何か面白い話をしてくれ。
え?
最近はそういうのはパワハラで訴えられる?
そ、そうなのか?
最近は怖いな。
社会から、人々の優しさが失われていっているようだ。
む。
それは体感であり、実際に優しさが失われたというデータはない、と?
成る程、そう言えば貴様は大学を出ているんだったか。データから理論的な答えを見つけるのは重要だな。
軍事的な観点にも繋がるだろう。
貴様は賢いな。
それで、面白い話だが。
私?私にはないぞ。
私は普通に日常を謳歌しているだけだからな。貴様のように、人に話せるような冒険譚はないさ。
む、自己表現か。
コミュニケーションスキル?い、いや、私はそんなもの……。
な、何?社会に出てから困る?いや、既に社会に出ているだろ?
黒井鎮守府は学生と同じ?
学生気分なのか?!
な、成る程な。戦いが終わっても、人生は続く、か。
……先のことなど、考えたこともなかった。
ただ、漠然と、皆と、貴様と、幸せに暮らすものとばかり。
そう、だな。
未来のことも考えねばなるまい。
そう、それで。
式はいつにする?
え?
その話はしちゃ嫌だ?
どうしてだ?
折角だから、盛大な式を挙げたいだろう?
既にロシアの会場をピックアップしているんだ。
ほら、ここなんかどうだ?
艦娘を全員呼んで、盛大な式にしよう。
貴様は凛々しいからな、その白髪に、黒のタキシードはよく映えるだろうよ。
私がウエディングドレスを着るのは、些か違和感があるがな。
……ん、あ、そうだな。
私が結婚式を挙げたら、他の全員もやりたがる、か。
それもそうだな……。
そんなことをしたらスケジュールが一年分は丸々埋まるな。
だが、いずれは……。
考えておいてくれ。
ん?
それは、まあな。
私だって女だ。
結婚式に憧れもある。
女々しいか?
……ふふ、そうだな、私も、貴様からすれば、可愛い女の子だものな。
物好きめ。
ふ、ふん、何が、ガングートは百人中百人が可愛いって思う美人さんだよー、だ。
私にはお見通しだからな。
貴様はその舌先で、何人もの女を虜にしてきたのだろう!
だ、だが、まあ、あえて、あえてだ、私も騙されてやろう。
貴様のことを好きになってやるとも。
愛してやるとも。
だが、貴様はいずれ、私を捨てるのだろう。
ひっぐ、ぐずっ、私を、捨ててしまうんだ。
一人でどこかに行ってしまうんだ。
だから、だから私は、本気で好きになることはない……。
ないんだ……。
本気で愛したりなんて、しない……。
………………そんなの、無理、だ。
とっくの昔に、本気で好きになっていた。
貴様が好きで好きでたまらないんだ。
頼む、お願いだ、私の側にいてくれ。
私を一人にしないでくれ。
私は、私は、貴様がいないと駄目なんだ。
どうしてだ?
どうして貴様は、どこかへ行ってしまうんだ?
その手足をへし折って捻じ切れば、ずっと私の隣にいてくれるのか?
……あぁ、分かっている。
そんなことをしても無駄なことはな。
だが、貴様は知るべきだ。
想い人が、いつどこへいなくなってしまうかわからない、その恐怖を。
貴様は嫌じゃないのか、私達と離れ離れになるのが!
……貴様の、ずっと一緒にいる、は嘘なのだろう?
貴様は、私の望む言葉をくれるが、それを実行する訳ではない。
私を喜ばせるために、ずっと一緒だと嘯くんだ。
……たまには帰ってくる?
嫌だ、ずっと一緒にいろ。
側にいろ。
そうじゃないと私は、おかしくなってしまう。
それじゃあ、こうしよう。
抱いてくれ、提督。
……子供が、欲しいんだ。
貴様がいなくなってしまうなら、せめて、忘れ形見だけでも……。
何人か、子供を産ませてくれ。
逃げるな。
待て。
簡単な話だぞ、貴様は何も考えず、私を孕ませれば良いだけだ。
ほら見ろ、胸だって大きい方だし、顔だって悪くないだろう?
痩せ細っても、肥えてもいないだろう?
特別に美しいとは言わずとも、醜くはないはずだ。
そんな私の身体を好きにして良いんだ。
なんなら暴力を振るったって良い。
貴様に殺されるのだって悪くない。
……でも、愛していると囁きながら抱いてくれたら、嬉しい。
は、初めてなんだ。
だから、どうか優しくして欲しい。
もちろん、慣れてきたら激しくしてもらっても大丈夫だぞ?
痛いのも平気だ、艦娘だしな。
だが、子供が欲しいから、子宮を傷つけることはどうか控えてくれ。
私の全部を捧げよう。
だから、貴様を私に寄越せ。
私と、一つになろう。
……え?
抱いて、くれるのか?
そうか!
嬉しいとも。
沢山、愛してくれ。
さあ、準備は万端だ、早速抱いて……、む?
くっ、貴様等!
私と提督の恋路を邪魔するか?!
抜け駆け?
う、うるさい、私は提督と幸せな家庭を築くんだ!
邪魔をするな!
ぬおおおおお?!!
ガングート
子供が欲しい。