体力測定でもやるか。
「いやあ、知り合いにさ、刃牙君って言う超強いグラップラーがいるんだけどね、その子、体育の体力検査で落第しそうになったんだってさ」
「ええと、つまり何ですか?」
「いや、それとこれとは全く関係ないけど艦娘の体力検査やります」
「は、はあ」
「いや別に意味とかはないけどね。でもほら、体力検査しとけば、今の実力が分かる訳じゃん?今後の訓練の目標とかできるんじゃないかなーって」
「成る程」
「それとな、大淀。俺は思うんだ。ブルマって良いよね、と」
「了解致しました、全艦娘に通達します」
はい。
ブルマ!
ブルマ!!
ブルマ!!!
って感じで。
俺がブルマを見たいが故に始まった黒井鎮守府体力検査。
「いやあ良い眺めだ、これだけでもう嬉しい」
「あのさぁ、司令官」
ん。
「どうした望月?」
「前の運動会で懲りなかったの?」
懲りるって……、何だ?
「だからさあ、私達に体力検査させるのってさ、意味なくない?」
「この世の中のことの大半は意味はないよ。そういうのは自分で見出すもんじゃないかな」
「いや、哲学じゃなくって。あのね、私達に体力検査やらせるとね」
どうなるんだ?
「僕のヒーローアカデミアみたいになるよ」
ふむ。
「承知の上だ」
「まあ、承知の上なら良いんだけどね……。多分、TAS動画みたいになるよ?」
まあ多少はね?
1:握力
取り敢えず、工廠がこんなこともあろうかと用意しておいたのだシリーズの一つに、百トンまで測れる握力計ってか計器があったので、それを無理矢理使う。
俺?
バフ抜きなら500kg、バフありで十トンくらいかな。単純なパワーなら気功で数トンは出せる。
「さあ、測ろうか」
「む、筋力には自信があるぞ!」
「駄目、長門は最後」
「何故だ?」
「どうせ計器ぶっ壊すでしょ」
「こっ?!壊さないぞ!ちゃんと手加減するから!」
はいはい。
さて、見ていこうか。
「やぁん、私こういうの苦手よ〜」
うーん、最下位は如月かあ。
それでも五トンくらいあるけどな!!
一位?
「そーっと、そーっと、あああっ?!!」
長門だ。
測定不能。
平均して二十トンくらいかなあ。
2:上体起こし
所謂腹筋だな。
俺なら、まあ、三十秒あれば100回はいけるかな。
「ふひい、疲れました……」
最下位は赤城、68回。いかんな赤城よ、ぷにぷにお腹をどうにかしなきゃ駄目だぞ。
一位は金剛だった。
265回。
パワーとスピードが高水準にまとまっているのは金剛型だ。
因みに、こんだけできるのに腹筋は割れてない。謎過ぎる。
一方、長門や武蔵なんかは、金剛の記録には一歩及ばなかったけれど、腹筋はバキバキに割れている。何故だ。
まあほら、艦娘は根本的に人間とは違うし。そんなもんかと納得する。
3:長座体前屈
俺ならまあ、6、70cmは行けるだろう。バフありなら?手ェ触手にして伸ばせるから1000cmとかふざけた数値になるんじゃない?
最下位は望月。30cmくらい。
「無理無理無理無理、もう曲がんない、もう曲がんないから」
「望月ー!」
「無理だってば、限界」
身体硬いな君は!
その外見年齢でそれは酷いぞ!!
一位は、何人もいるから分からないが、多くの駆逐艦は70cmくらいいったみたいだ。
うんうん、身体柔らかいと怪我しないから良いね。
4:反復横跳び
俺は……、バフ抜きで100、有りで600点ってとこかな。
さあ、見ていこう。
まず最下位は赤城。
「ひいぃ、できません〜……」
たったの35回。
「あのさぁ……」
「すみません提督……」
「仮にも軍人がその身のこなしはさぁ」
「うぅ、ごめんなさい〜!」
まあ良いよ、ゆるすよ。
俺は心が寛大、怒りが有頂天になることは滅多にない。
逆に一位は時雨だ。
島風じゃないのかって?
実は島風は小回りが利かないって弱点があるのよね。
最大速度は圧倒的なんだけど、小回りなら時雨なんだよ。
「……ってか、加速の秘儀使ったな?」
「ふふふ、さて、何のことやら」
まあ良い。これもゆるすよ。
別に体力検査でバフを使っちゃならないなんて決まりはないもんね!
5:持久走
これねえ……。
艦娘の馬鹿体力を考慮して、男子基準で1500m走ってもらうけど、どうだか。
俺は、バフ抜きで3分くらい、有りなら数秒ってところかな。速度には自信があるぞ。
はいそして最下位は赤城。
7分11秒。
「疲れたのか赤城」
「いえ、流石に1500mくらいならそんなに疲れませんが、単純に足が遅いんですよ私……」
確かに、艦娘の体力なら、数キロ走った程度じゃ疲れない。
うーん、100キロくらい走ってもらおうかな?
で、もちろん、一位は島風。
「私が一番?当然!だって早いもん!」
タイム?まあ、5秒切ってたよ。
ソニックブーム撒き散らしながらエアハイクで空を蹴って疾走してた。
EX:超持久走
1500m程度ではとてもじゃないが体力は測れないということで、急遽種目を追加した。
走らせる距離は実に150km。実に百倍である。
さて、最下位、一位は変わらなかったが、艦娘のおおよその体力は測定できた。
戦艦、駆逐艦の多くは体力があるようで、150kmをほぼペースを落とさずに全力で駆け抜けたみたいだ。
軽巡重巡、その他はペース配分して走っていた。
でも、神通、川内、あきつ丸辺りはほぼ全力で駆け抜けていた。
駄目だったのは空母。
数十キロメートルの辺りでペースが落ちていた。
まあ、空母の中でもインファイターな雲龍型はペース配分をしっかり考えてちゃんと走り抜いたが。
赤城は途中で10回くらいギブアップとか言っていた。許さん、走れ、ダイエットじゃ。
6:シャトルラン
俺はまあ、無限にできるな。体力的な意味ではなく、スピード的な意味になる。
音の間隔が0.05秒を切るようになったら厳しいかな?
ここでも、最下位は赤城だった。
赤城は走るのが遅い。
100回やる頃には音の間隔に追いつけなくなって、最後は転んだ。
「い、いえ、体力的には大丈夫なんですよ?ただ、スピードが」
「分かった分かった、休んで良いよ」
言い訳など聞きtonightと言うことではないが、聞き流しちゃう。
赤城はそのしっかり者に見えてちょっとポンコツなところが可愛いのだ。
直さなくて良いよ。
一位は、時雨と島風だ。
500を超えた辺りでもう良いかな、と。
7:50m走
俺は大体、バフ抜きで百メートルを5秒フラットで走れる。有りなら50mを0.05秒くらいか。
さて、最下位は、言わずと知れた。
「だ、だから、私、足遅いんですよ!!」
赤城。
9秒フラット。
いや、良いよ、ゆるすよ。
さて、黒井鎮守府全体の平均は4秒ってところかな?
一位は相変わらず島風。
直進の小細工抜きのスピード勝負ならやっぱり島風だ。記録は0.05秒。
他の子はねえ、大体、軽い艦ほど速くて、重い艦ほど遅い感じ?
まあ俺から言わせりゃ全員重いんですけど!別の意味で!あっはっはっは!笑えねえ。
そうだな、天龍はニンジャランで3秒台、ニンジャの川内は1秒切るくらい、神通も縮地で1秒切る。
時雨も加速の秘儀で0秒台。
スピードも中々だな、うちの子は。
一部グラップラーが踏み込みの力を入れ過ぎて地面抉ったりしてたけど。
8:立ち幅跳び
測定は砂場ではなく特殊カメラでやります。
いやね、砂場だとどうせ皆んな飛び越えるでしょ?俺には分かる。
さて、やってみようか。
あ、俺はバフ抜きで5メートル、有りで50メートルってところかな。
それで、最下位は蒼龍。
3メートルしか飛べなかったみたいだ。
「うう、なんかごめんなさい……」
「気にしないで良いよ?次は頑張ろうね!」
と、慰めの言葉を。
一位は川内。
流石はニンジャ、一飛びで45メートルは飛んだ。
因みに最近はパルクールにハマってるらしい。
9:ハンドボール投げ
測定はカメラで。投げられたボールの初速なり何なりを測って飛距離を計算するマッスィーンを工廠から提供されている。
これを使って測定。
俺は……、バフ抜きで100メートル、有りで800メートルってところかな。
こちらの最下位は如月。
「うーん、やっぱりこういうの苦手だわ」
100メートルちょいってところか。
如月はステゴロ苦手だもんな。
まあほら、か弱い女の子も可愛いしな。
一位は長門。
「おおおおおおあ!!!!」
うーん、10キロメートル。
相変わらずふざけた腕力だ。
「加減したんだがなあ……」
嘘つけ。
え?
嘘でしょ?
さて、全種目終了。
ほぼ全員がA判定。
まあ、俺の目から見た総合判定では……、うーん、金剛かな?
金剛型辺りが筋力速力持続力が一番高水準にまとまっている印象。
でも体力検査は別に競うもんじゃないしな。
「皆んな、ご苦労様!体力検査終了だ!」
「ふいー」
「疲れたー」
「結果見せてー」
結果を編集して、後日、掲示板に張り出しておいた。
皆んなよく頑張ったね。
さて。
体力検査にかこつけて艦娘のブルマ画像を大量に手に入れた俺は、画像を編集して、アルバムに仕舞い込むのであった。
違うんすよ、違うんすよこれは。
ほら、これは、あれだ、艦娘の成長記録って言うかなんて言うか。
スケベ目的じゃないっすよ。
決して。
断じて。
ぐへへへへ。
艦娘
パワーでは長門、速度では島風、小回りやテクニックなら時雨、総合力なら金剛。他にもそれぞれに特殊な技能を持っていたりする艦娘が多いので一長一短、測りきれない。例えば、気配を消すことなら羽黒が一番上手く、察知能力は妙高、時雨、跳躍力なら川内、継戦能力なら神通、防御力なら武蔵、殲滅力なら曙、残虐ファイトなら三日月、歌の上手さなら那珂ちゃんと多岐に渡る。
旅人
機動力は島風、テクニックは時雨、防御力は武蔵並。強いように聞こえるが、攻撃力は鎮守府最下位。