ネタ下さい。
『ナ、何ダァ〜、コレハ?!!』
「あるるかぁん!!!」
か、ら、く、り……?!!
リシュリューと名乗ったあの海外艦、何者だ?!
「dansez!」
奴の手指が空中で踊る度、恐るべき速さで深海棲艦が撃滅される。
「オリンピアッ!!!」
コマンダン・テストと名乗った海外艦も同様だ。
『エエイ、攻メロ!物量デ押シ潰セ!!!』
量産型に命じるが、
「甘い」
二人の操るからくり人形に容易く粉砕される。
リシュリューと名乗った海外艦のそれは、黒衣の道化師。
頭の大きな羽飾りが特徴的なそれは、物凄いパワーで深海棲艦を引き裂いている。
コマンダン・テストと名乗った海外艦のそれは、白衣の女神。
複腕を動かし、これまた高水準な性能を以って、深海棲艦を蹴散らしている。
ふざけるな、ふざけるな、ふざけるなっ!!!
『ソモソモドウイウ理屈ナンダッ!!!ソンナカ細イ糸デソレダケノパワーガ出ルモノヲ動カセルカッ!!!アリエン!!非常識ダッ!!!』
「いや、私も原理は知らないけど、動かせるなら良いじゃない」
『グヌヌヌヌ〜!!!』
おかしい、あり得ない。技術レベルがおかしい。
「これから死ぬ貴女が知る必要あるかしら」
『シ、死ヌノハ貴様等ダ!!!』
……啖呵を切ったのは良いものの、殺せる気がしない!
しかし、木材のフレームに歯車だと?ふざけた機構だ。そんなもので深海棲艦を引き裂いて殺すとは、考えられん。
「オリンピア!LA RONDE DE DESTRUCTION(破壊輪舞曲)!!!」
『ナッ、何ィ?!!!』
四つ腕の白いからくりは、肘から金属刃を露出し、胴体を高速で回転させて周囲の深海棲艦を薙ぎ払った。
何たる斬れ味……!!
『怯ムナ、押シ込メ!!!』
「LES ART MARTIAUX!!!(戦いのアート)」
『何?!!』
今度は黒いからくりの方。
「虎乱!!!」
同じように上半身を凄まじい速さで回転させ、周りの深海棲艦を蹴散らす。
『オカシイ!オカシイダロ?!何デデキテイルンダ、動力ハ何ダ、何デソンナパワーガ出ルッ!!!』
「はぁ、素材はボーダイ樹とノヴァクリスタル、動力は神秘、パワーの源は艤装の出力を回しているから。これで良いかしら?」
『ハ、ア、ウ……?』
「一から説明しないとわからない?ボーダイ樹はネオガイン遺跡の守護者ドガインが落とす生命力溢れる木材よ。これならある程度は自己修復するわ。ノヴァクリスタルは瘴気の谷で採取したものよ。ライトクリスタルよりも希少で価値が高いわ。そして堅牢で鋭い」
何を、言って、何だ、それは……?
「動力である神秘は魔術回路を刻んで。ヒヒイロカネを中心に配置した炉心に古龍の血で陣を描き込んだの」
知らん……、知らないぞ、知らないぞ、そんなものは!!
「そして、艤装として所有することで概念的に同化、強化されて、出力が上がる……。これで良いかしら」
『ア、ア……?』
「……理解できなかったようね。何も分からない癖に質問しないでくれるかしら」
『ウ、ウウ……』
ク、クソ……!
『ズ、ズルイ、オカシイ!何デ、何デオ前達バカリ……!!コレデハ虐殺デハナイカ!!!』
「そう、それが何か問題?」
『ッ?!!』
「私達は降伏の機会を与えたわ。それをふいにしたのは貴女達でしょう?だから、許さないわ、重巡棲姫」
『ダ、ダガ』
「ふふっ、まあ、でも、どの道……」
黒衣の道化師は両腕からギザギザの折りたたみ刀を展開する。
「一度痛めつけるつもりだけど!聖ジョージの剣!!!」
『ウ、ア、アアアアッ!!!』
怖い、逃げ、なくては、逃げ、ええっ!!!
『ア、エ?』
あ、脚が、動かない?
熱い、痛い、焼けるように熱い。
「脚の腱を切ったわ、さあ、もう逃げられないわ」
『ヤ、ヤメテク』
「うるさい」
蹲るワタシは、背中を蹴られた。
『イッ、ギィイ?!!』
「ねえ、貴女、分かっているの?降伏勧告を無視したってことは、Amiralの好意を無視したってことよ。……生かして帰すと思う?」
『ゴ、ゴメンナサ』
「謝罪の言葉は聞いてないわ。ただ、ただ……、苦しみなさい。懺悔しなさい」
あ、がっ………………。
×××××××××××××××
『対艦娘用エネルギーライフル、ソード……、何故通用シナイ!』
こちら、五十鈴です。
長良型で防空棲姫を集中攻撃!
まずは長良が二本のヒートショーテルを交差させるように振り抜く。
「やああっー!!!」
『チィ!!!』
防空棲姫は一歩退いて回避する。
次、由良のビームシザース。
『ウ、オオ!!!』
転がって横に回避。
次、鬼怒のツインビームトライデント。
「喰らえ!!!」
『アアアッ!!!』
鬼気迫る表情で、エネルギーソードで払う。
『死、ネェ!!!』
エネルギーライフルを乱射してくるが、
「当たらないっ!」
難なく回避。
「名取!」
「撃ち返します!」
『オオオ!!!』
転がって名取のミサイルの爆発範囲から逃れる防空棲姫。
次いで、私と阿武隈のツインバスターライフル、メガキャノンの斉射。
『危、ナッ!!!』
またもや回避。
……レーザー兵器は攻撃力が高いから、一撃必殺の攻撃になる。
その、一撃必殺の応酬……、ふふ、戦意が滾るわ。
『ナ、何故ダ』
「何よ」
『何故勝テナイッ?!!!』
えぇ、そんなこと言われても。
「んー、訓練が足りない、気合が足りない、技術が足りない……。でも、一番足りないのは」
『何ダ、ソレハァァァ!!!』
「運、かしらね」
『ソンナ、モノデエエエ!!!』
突き刺さるビームサーベル。
『グ、ガハッ……』
口から煙を吐いて倒れる防空棲姫。
「終わり、かな」
×××××××××××××××
「貴様等には罰を受けてもらう」
『『ヒ、ヒイイイイイ!!!』』
怯えて抱き合う深海双子棲姫。
死屍累々の戦場。
「大丈夫だ、殺しはしない、殺しは、なっ!」
『?!!!ゴヘェッ?!!!』
『イヤァァァ!!シロオオオオ!!!』
吐瀉物を撒き散らしながら、水切りの石のように海上を跳ねていく白い方。
「お前もだ」
『ヘ?アグハッ?!!!』
同じく吹き飛ぶ黒い方。
ガスマスクのような艤装が外れ落ち、這うように逃げ出す深海双子棲姫。
「逃すと思うか」
足首を掴む。
『イヤァァァ!!!イヤ、イヤァァァ!!!離シテ!!離セッ!!!』『痛ィイ!!ヤメテクダサイ、謝リマスカラァ!!!』
「黙れ」
『『ブヘェ!!!!』』
海面に叩きつけてやる。
「ふん」
そして、足首を握り潰す。
『『ア、ギィィィ!!!!』』
「さて」
そして、首を掴み、海に沈めてやる。吐瀉物と涙と涎に塗れた顔が洗われて良いだろう。
『『ガボボボボ、オボボガボ!!!』』
数分した後、引き上げる。
『『ゲッホ!ゴホ、ゲホ!!コヒュー……』』
「私は手加減が苦手でな。死なない程度に嬲る方法がこれくらいしかないのだ」
『『モウ、ヤメテ、クダ、サ……』』
失禁しながら、泣きを入れる深海双子棲姫。
だが。
「駄目だ」
『『ヒッ、ア、ガボボボボ!!!』』
再び水中に沈めてやる。
「やめろめろめろ長門めろ!!!」
「む?」
何だ、提督か。
「何だ、今は少々忙しいんだが」
「手を離せ」
「しかし」
「命令だ!」
む、分かった。
『『ガホッ、ゴホッ、ハァ、ハァ……』』
「大丈夫かい」
『『………………』』
「はい、タオル。顔を拭きな」
『『アリ、ガトウ』』
「ごめんな、もう大丈夫だからな。さあ、怪我を治そう」
『『ウン……』』
「………………」
何だ、これは?
何故だ、提督?
「そいつらに、貴方の優しさを向ける必要はあるのか?」
「あるさ、俺は美人には優しくする主義でね」
「敵だぞ」
「大目に見てやってくれ」
ふん、まあ、いい。
命令だ。
「全員!残敵の掃討!そして姫クラスをここへ!」
「「「「了解!!」」」」
切り傷だらけで血塗れの軽巡棲姫は、髪を引っ張られながらも、提督の前につき出された。
手足を失った潜水棲姫も。
同じく手足を捩じ切られた重巡棲姫。
土手っ腹に穴が空き、手足を焼き切られた防空棲姫。
姫クラスが揃った。
「これは酷い……。君達、何もここまでやることはないんじゃないかな」
苦言を呈する提督。
「む、指示通りに殺さなかったが」
「殺さずにリンチしろとは言ってないよね」
「す、すまない」
「……まあ、良いさ。これくらいなら治せる。でも、精神の方は」
『ゴメン、ナサイ、ゴメン、ナサイ……』
『痛イ、痛イ……』
『殺、シテ……』
『ヤダ、ヤメテクダサイ、ヤメテクダサイ……』
「……療養が必要だな」
「療養など……。貴方にそんなことをする義理はないはずだ、放っておけばいい」
「俺、見える範囲にいる美人には優しくする主義だから」
分からんな。
「さて、後味最悪だけど……、大西洋、攻略、と。帰って祝宴だ!俺はこの子達を治して、離島に送るから。それじゃ」
「「「「了解!!」」」」
まあ、なんにせよ。
「私達の、勝利だ!!」
リシュリュー、コマンダン・テスト
からくり使い。
長良型
ジャストワイルドビートコミュニケーション。
長門
旅人に逆らう者は苦しんで死ね。
旅人
殺しは基本やらない。