旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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ss書くためにアマゾンでゆゆゆとがっこうぐらし!見てるんですけど駄目だこれ、見るのが辛い。可哀想な女の子達を見るのは本当に辛い。

俺はリョナラーでも光のリョナラーだから、四肢欠損しても前向きに生きていく女の子や、腹パンされながらも笑うマゾの女の子が好きです。何だ、こう、うまく説明できないんだけど、俺は君を傷つけるけど、お互い幸せになろう?みたいな。違います、変態ではありません。


262話 未来へダイブ その4

「もう、やめちゃっても良いかなァ、人生」

 

「あっはっはっは、お互いまだまだ若いじゃないですかぁ」

 

もう消えて無くなりたい。

 

闇に還りたい。

 

やめて!旅人のライフはゼロよ!

 

「次行きましょ次」

 

「ひええ、堪忍してぇ」

 

「良いではないかー良いではないかー」

 

あーれー。

 

 

 

《遺伝情報確認、フルダイブ》

 

 

 

×××××××××××××××

 

次は誰だ。

 

誰が俺の心を殺す?

 

……ここは、白露型の工房、か?

 

いや、違うな。

 

似たような建物が併設、いやいや、増設されている?

 

ドアを、開ける。

 

中に入ると、そこには。

 

「やあ、待っていたよ、提督」

 

「こんにちは、父上」

 

男が、時雨の隣に腰掛け、本を読んでいた。

 

十代半ば頃、若いが、落ち着いた雰囲気から成人にも見える。細長い体躯、しかし、絞られた身体であり、一切の無駄がない印象。切れ目の瞳は青く、確かな智慧を秘めている。長い黒髪を編んでいて、顔には何を考えているか読めない微笑みが浮かぶ。

 

服装は一般的なヤーナムの狩装束を改修したもの……、黒の得体の知れぬ皮でできたロングコート、同じ材質のブーツと手袋。傍らには羽根付きの三角帽子と、刀……、千景。

 

……胡散臭え!

 

「おや、それは酷い」

 

って、こいつも俺の心を読めんのか。

 

「ええ。特に父上は素直なお人だ、読むのは容易い」

 

「ほー、言うねぇ」

 

「中々に優秀な狩人じゃないか。僕は嬉しいよ」

 

と、時雨。

 

「ええ、ええ、もちろんですとも。私は母上の最高傑作。至上の狩人なのです」

 

薄ら笑いを浮かべる息子カッコカリ。

 

「デカイ口を叩く。何を以って至高と嘯く?」

 

「嘯くなどと……。私達白露型の子は皆、調整と訓練を受け、それなりに実戦もこなしましたから。これは根拠のある自信なのです」

 

あー、嫌な予感がするが、一応聞こうか。

 

「調整とは?」

 

「薬物及び魔術……、様々な視点からのアプローチによる身体と精神の強化です」

 

なーにやってんだ白露型。

 

「私達の身体と精神は、母上の胎にいる頃から投薬や儀式によって強化されております。他にも、神話生物や上位者達の肉体の一部を切り離し、肉体に埋め込み、瞳を中心に様々な能力が強化されているのです」

 

人体改造、か。

 

「全く、倫理って言葉知ってるか、時雨」

 

「ふふふ、知っているとも」

 

知っている上でそう言うことするなら尚更タチ悪いよね!

 

「まあ、胎教の一種のような感覚だろうね。僕達にとってはそれが普通なのさ」

 

「……そして、誕生してからも、投薬や儀式、更に手術を続行し、更なる強化を。父上の血も輸血させていただきましたよ。あれは良い、貴方は月であり太陽だ」

 

俺の血を輸血?

 

なんてことを……。

 

「時雨、お前は息子を何だと思ってるんだ」

 

「うん?とても大切に思っているとも。ともすれば、君の次くらいには」

 

時雨の言う、俺の次に大事というのは、いつでも切り捨てられることを指す。

 

白露型の忠誠心は異常だ、俺のためなら自分の姉妹だって容赦なく殺す。

 

と、言うか、艦娘は、特に強いものこそ精神に異常を持っている。

 

「時雨……」

 

「愛してもいるさ、とても、とてもね」

 

「お前はそれで良いのか?」

 

俺は息子カッコカリに問う。

 

「何が、ですか?」

 

「お前は、実の母親に肉体を弄られて、人じゃない何かにまでなって、それでも一番に愛されている訳じゃなくって……。それで、良いのか?」

 

「はは、何を。私は例え一番でなくとも、母上にも父上にも愛していただいております。それに私は改造のお陰で人を超えることができました。私は嬉しいですよ。感謝しています」

 

ああ、クソ。

 

こいつも人として、どこかおかしい。

 

まー、サイコパスの俺が言っても仕方ねえか。

 

「それで、訓練と実戦とは?」

 

「ヤーナムで狩りを。そしてドリームランドでも少々流浪の旅を。更に、ミスカトニック大学の医学部で学問を修めました」

 

ふむ、頭も切れると。

 

この歳で医学部卒ってんだから、紛れもなく天才だわな。

 

「はは、ありがとうございます」

 

笑う息子カッコカリ。

 

「ですがまだ、母上には敵いませんから。私にもまだ改善の余地があると言うことです」

 

そりゃあまあ、時雨には敵わないだろうな。

 

時雨は俺の知る中でもかなり強い部類だ。

 

簡単には超えられないだろう。

 

「だけどまあ、いずれは超えてもらわなきゃ困るね。僕の子供なんだから」

 

「これは手厳しい」

 

「当たり前さ」

 

ははは。

 

 

 

《ダイブ終了》

 

 

 

×××××××××××××××

 

「どうでした?」

 

「ああ、なんか、俺の子供とは思えないくらいまともだっ、いや、まとも?まともか?」

 

「どうしたんですか?」

 

「いや、いや、ええと……。まあ、何でもない」

 

まあほら、子供作るなんてそんな。

 

そんな訳ないそんな訳ない。

 

時雨だぜ?

 

そーんな子供にマジになる訳ないじゃーん。

 

「おっと、次の艦娘が来たようです」

 

「OKだ」

 

さて、苦行の再開だ。

 

辛いぞ。

 

耐えろ。

 

 

 

《遺伝情報確認、フルダイブ》

 

 

 

×××××××××××××××

 

「よっ、提督」

 

「やあ、摩耶」

 

摩耶、摩耶かぁ……。

 

まあ、ギリギリセーフだろうか。

 

「あたし達のガキか……。へへっ、なんだか照れ臭いな!」

 

「そうね」

 

俺は顔も見たくないんだがね。

 

でも摩耶が幸せそうならOKです!……OK、かなぁ。

 

「っと、転移成功……、ん?」

 

「おお!」

 

現れたのは冒険者風の少年だった。

 

年の頃は十代前半、摩耶と同じダークブラウンの髪を適当に切り揃えた髪形、青い瞳。

 

軽鎧に外套、ブーツ、手甲、ロングソードに盾。弓も背負っている。

 

「お袋と親父か。三週間ぶりだな」

 

「おおー!こいつがあたし達のガキか!生意気そうなところが提督にそっくりだ!」

 

いや、生意気そうってんなら君の遺伝だと思うよ。

 

「どこに行ってたんだ?」

 

と、俺が問いかけると。

 

「ノースティリスだよ」

 

息子カッコカリは頭をかきながら答えた。

 

ほーん、ノースティリスか。

 

「お、あそこに行って来たのか!ネフィアか?」

 

摩耶が嬉しそうに問いかける。

 

「ああ、俺は冒険者だからな」

 

平然と答える息子カッコカリ。

 

「何で冒険者なんかに……」

 

「あぁ?別に良いだろ、なりたかっただけだ」

 

そうだろうか。

 

冒険者などと言う、旅人に等しい、命がペラ紙一枚より軽い仕事をやるのは、親不孝者ではないか。

 

「摩耶はそれで良いのか?」

 

「ん?あたしは別に構わねーぞ?ガキがやりたいってことをやらせるのが親ってもんだろ?」

 

止めるのも親の仕事だと思うんだけどね。

 

まあ、そこらへんは、親がいない俺が言えることじゃねーか。

 

親無しが教育について講釈垂れるなんてな。

 

そもそも、誰かにものを教えられるほど何かを修めている覚えはない。精々、何やっても一流止まりだ。超一流や超超一流には敵わない。

 

「大体、俺がどこで何をしようと俺の勝手だろ」

 

ふーん、態度悪いなこいつ。

 

「テメエ、態度悪いぞ!」

 

言ってやれ摩耶。

 

「うるせーなぁ……」

 

どうでも良さそうに返す息子カッコカリ。

 

「親父、あんたさ、よくこんな跳ねっ返りで生意気なのを嫁にしたな。馬鹿なんじゃねーの?」

 

ほー、言うじゃんか。

 

「摩耶は俺の大切な人さ」

 

「ふーん。女はやかましくないのが一番だろうに。声を出すのはヤってるときだけにしろよ、とは思うけどな」

 

あ、この下衆さはあれだ。

 

ノースティリスのあいつ……。

 

「お前、ノースティリスのあいつと……」

 

「あぁ?あの人と俺とじゃ格が違えよ。あの人は本物だ、俺の目標だ」

 

よりにもよってノースティリスのあいつを目標にしちゃったか。

 

「まあ、良いさ。俺はとやかく言わないよ」

 

新台家は代々屑の家系。

 

新しい屑が生まれても特に問題はない。

 

 

 

《ダイブ終了》

 

 

 

×××××××××××××××

 

「やっぱり、俺の息子だわな」

 

「へ?」

 

「いや、屑だったよ」

 

「別に提督は言うほど屑でもないでしょう?」

 

強姦以外の犯罪行為は一通りこなした経験がある。

 

とある怪盗三世との強盗、窃盗行為、ヤクザとの賭博に詐欺、秘密結社との放火に爆破、ハッキング、飲酒運転、脅迫、名誉毀損、器物損害、公然猥褻、売春、偽証、賄賂、密輸……。

 

アレ?俺これ屑だな、大分屑だな?

 

何にも言えないやつやんこれ。

 

「いや、本当に屑だわ俺。人生省みると大分悪いことやった」

 

「そうですか?そんなに悪いことやってるとは思えないんですけど」

 

「これは酷いぞ」

 

「まあ、私は提督が何をやっても怒りませんからね」

 

俺を甘やかすなー?

 

……兎に角、俺の息子も新台家の男らしく人間の屑に育った。

 

やはり駄目だ、子孫を残してはならない。

 

呪われた血統、ここで断つ。

 




時雨
狩人。

摩耶
冒険者。

旅人
旅人。

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