正直、ARMSはファンタジーでもやっていける火力があると思う。ハンプティダンプティのあらゆるエネルギーの吸収って魔王にも勝てるからね。そんで進化するジャバヴォックも組み合わせれば……。
「Admiral聞いて!キョートよ!皆んなでキョートに行ってきたの!」
そうかいそうかい、良かったなアイオワ。
「日本は良いところね!ニューヨークだったら、ゴミだらけの道に物乞いとホームレスがぞろぞろといるんだけど、キョートは快適だったわ!」
「キョート……、良いところだったわ。今ではパリも移民受け入れのせいで黒人がぞろぞろといて、ロマがそこらじゅうで悪さしてるんだけど、日本ではスリとかいないものね」
リシュリューが続く。
「そうね、車椅子の私にも優しい人が多いわ」
ウォースパイトが続く。
「治安良いですよね」
イタリアが続く。
「ベルリンなんて落書きだらけだもの。あと、トイレがタダなのは凄いと思うわ」
ビスマルクが続く。
「モスクワなんてそこらに酔っ払いの浮浪者がいるぞ」
ガングートが続く。
「でも、ナンパとか」
ナンパされるでしょ君らは。可愛いし。
「んー、東京ではよくナンパされるわ。でも、Englishで返すとガイジンガイジンって言われて帰らせられるから楽よ」
「うざったかったらノシちゃえば良いしね」
「ねー」
うーん、武闘派。
「え、てか何?この面子で京都に?」
「行ったわ!」
ほーん、海外戦艦組で。
「マイコサンに会ったわよ!日本語お上手ですねって言われたわ!……日本人は皆んな言うわよね、日本語お上手ですねって」
言うなぁ。
「帯引っ張るやつちょっとやりたかったんだけど、駄目って言われたわ……。アクダイカーンになりたかったのに」
何やってんだビスマルク。
んー、てか、この面子で?
大丈夫なのか?
「その、君らは仲良いの?」
「?、良いわよ?」
「過去の遺恨とかは?」
「別に?ビスマルクは未だにヒトラーが正しかったって言うし、リシュリューが物騒な国歌を歌うけど、でも気にしないわ。思想は人それぞれ自由だもの」
あら?大らか。
「大体、今やお互い命を預け合う仲間なのよ?過去の遺恨なんて下らないもので足の引っ張り合いをする程馬鹿じゃないわ」
偉いなー。
全ての国がこんな感じで大らかにやってくれると助かるんだけどなー!
これくらい世界中の人々が仲良くなってくれれば俺も世界征服しなくて済むんだけどなー!
なー!
「それより聞いてよAdmiral!ビスマルクったらね、キヨミズデラから飛び降りようとしたのよ!」
何やってんだビスマルクは。
「えー?あれって飛び降りるものなんじゃないの?」
「だから違うってば!」
「トレヴィの泉的なものでしょ?」
「一緒にしないで!」
イタリアが反論する。
「まあ、昔は願掛けにそんなことをやったこともあったらしいが」
「でも提督は飛び降りたことあるわよね?」
「何で知って、いや、何でもない」
酔った勢いで昔やった。
「ほらね?」
「もー!Admiralはー!!」
ごめんて。
「なあ、聞きたいんだが」
「何だいガングート」
「何故、ギンカクジは銀色じゃないんだ?」
それは……。
「諸説あるけど、銀閣寺は金閣寺を参考に作られたから、かな」
「金の次だから銀なのか」
「多分ね。詳しくは分かっていないよ」
「ふーん、やっぱりAdmiralは詳しいわね。そうだ、今度の旅行にはAdmiralにもついてきてもらいましょうか」
とウォースパイト。
「そうね、ガイドを雇うより面白いわ」
「ん、良いよ」
美女に囲まれて旅行か。
役得役得、と。
「じゃあ今度ね」
「おう」
気がついたら予定が埋まっているここ最近。スケジュールを気にしなくてはならない旅人とは一体。
「後はねー、あそこが凄かったわ!フシミイナリタイシャ!」
あー、あそこか。外国人ウケが良いよな。
「オイナリサマが居たわよ!」
「へえ、会ったのか?」
「会った……?いえ、石像だったけど?」
ん?
「え?」
「お稲荷様だろ?喋るだろ?」
「え?何それは?」
あれ?
俺なんかおかしいこと言ってる?
「あれ?もしかしてビスマルクって、神様とか見えない人?」
「えっ、えっ、いるの?!本当にいるの?!」
「イエス様がブッタ様と立川で休暇をエンジョイしてるのもご存知でない?」
「そうなの?!本当?!ねえそれ本当?!!」
あら?ご存知でない?
「はは、ははは、イエス様に会ったのは流石に冗談だろう?冗談だと言ってくれ!」
狼狽えるなガングートよ。
「マジだけど」
頭を抱え始める海外艦達。
何だ、何がおかしい?
「因みにイエス様はペドロとアンデレとネトゲやってるよ」
「嘘だァー!!流石に嘘だァー!!」
「ブログもやってる」
「信じんぞー!!!」
マジなんだけどなぁ。
「神って案外フランクよ?もう今は幻想入りしたけど、八坂様とか守矢様とか」
風祝に手を出した時は殺されそうになったが。
「こっちの世界じゃないが、エヘカトル様とかジュア様とかも結構良いよ」
「き、貴様の言うことが仮に真実だとして、貴様は何をした!」
「イエス様の茨の冠引っ張った」
「「「「馬鹿ーーー!!!!」」」」
「あれ防犯ブザーなんだぜ、鳴らすと五秒でウリエルが飛んでくる」
「何やってんだ貴様はーーー!!」
おお、どうしたガングート。
「おお、神よ……。我が主人の非礼を詫びます!」
どうしたイタリア。
「主よ、申し訳ありません!!」
どうしたアイオワ。
「あー、そうか、ちゃんと神のこと信じてるのか」
碌でも無いけどなあいつら。
旅の途中死にかけて神に祈ったり呪ったりしたけどスルーされたし。
「良いですか提督!貴方にやれと言われれば、このイタリア、神様だって殺してみせます!ですが!ですがぁ!」
神を敬えってか。
しかと胸に響いたぜ。
「かしこまっ!」
「本当に分かっているのか、全く……」
ガングートが呆れたように吐き捨てる。
「ねえAdmiral、Admiralは神様が怖くないの?罰当たりなことをするとHellに落とされちゃうわよ!」
んー、地獄か。
「焦熱地獄までなら落とされたことあるし、幻想郷の旧地獄にはよく行くし」
「……え?」
「いや、焦熱地獄はキツイぜ、気温が洒落にならんし、煮えた鉛の大釜で煮詰められるのは流石に辛い」
「じゃあ何でここにいるのよ!」
「獄卒ぶちのめしたり、スニーキングスキルフル活用して抜け出したりしたんだよ。最後の最後まで鬼灯って鬼が追っかけてきてな、超怖かった」
「なんてことを……」
「幻想郷の地獄では死神や閻魔が美人だったから口説いた」
「どうやら、Admiralの辞書には罰当たりという言葉が存在しないみたいね」
そうかね。
「後面白いのはあれだ、最後の審判ってあるだろ?」
「ええ、エジプトの、死者の心臓の重さと羽根の重さを秤にかけるあれね」
「俺の心臓は羽根と釣り合ったんだよ」
「ええー……」
ホルスのあの微妙な面は今でも忘れられない。
「本当なの?」
「本当さ、幻想郷の旧地獄は良いところだ。今でも鬼と酒盛りしに行くよ」
「鬼……、日本のMonsterね」
うん?
「妖怪に会いたいのか?幻想郷行くか?」
化け狐に化け狸、猫又、覚り、天狗に吸血鬼と、色々な妖怪がいるからな。
「え、えーと、いや、ちょっと、それは遠慮しておくわ。怖いとかじゃないのよ?決して!」
と、ビスマルク。
「妖怪も最近は大変なんだぞー。俺が知ってる鎌鼬には、住んでいた森が開発されて、住む場所を追われて、人を恨むようになったケースとか」
「希少動物じゃないんだから……」
「人の子を引き取った覚り妖怪とか」
「本当なの?」
さっきから本当?って聞いてくるけどマジだよ。インディアン嘘つかない。
「Admiralの旅は異常だわ。世界中どこにでも行ったことがあるんだから」
「イギリスには超強え吸血鬼がいるんだよ。まあ、あのワラキア公その人なんだけど」
「jokeなのか本当なのか分からないけど、仮に真実ならとんでもないことになるのよね……」
「白面の者って言う九尾狐が強くてさ、多くの妖怪が命を賭けて戦ったんだ」
「でも、嘘か本当か見分ける手段はないし……」
「ルシファーとフットサルやった」
「提督を疑いたくないと言う気持ちはありますが……」
俺はさっきから本当のことしか喋ってないが。
「兎に角、今度幻想郷にでも行こうか。知り合いの妖怪や神に合わせてあげるよ」
「ええ、分かったわ……」
あややとか萃香でも捕まえれば良いか。レミリアは……、見世物にするなって怒りそうだな。
兎に角、信じられないと言うなら連れて行ってやろう。
百聞は一見にしかずだ。
海外戦艦旅サークル
よく旅行する。
神の子
立川でバカンスしてる。
旅人
罰当たり。