「ェサヒィ〜スープゥードゥラーーーイ!!!」
「「え?」」
「鳳翔、間宮、一緒に飲まない?」
「「え?何ですか今の?」」
「いや、気にしないで良いよ」
何となく口に出してみたかっただけだ。
「でも、冗談抜きで好きだよ、アサヒスーパードライ。辛口でキレがあってさ。俺、辛口の酒好きだし」
喉越しが良くって、ガブガブ飲む俺には最適なんだよ。脂っこい料理をたらふく食った後にアサヒスーパードライを喉に流し込むのが最高なんだぜ。
「は、はあ」
「二人もたまにはビールとか飲んで思いっきり酔ってみなよ」
「私は、後片付けもありますから……」
「そーんなの俺がやっておくからさ」
なーんだよ鳳翔!
「提督にご迷惑をおかけしてしまうかもしれませんし……」
「気にすんなってばよ」
なーんだよ間宮!
お互いまだ若いだろ!酒の席で自制なんてしなくていーんだよ!そして酒の席でやったことなんて気にすんな!迷惑なんて好きなだけかけろ!
「駄目ですよ。只でさえ、最近はロボットにお仕事を取られているのに……」
ああ、あれなー。
鎮守府中に徘徊する多数のお手伝いロボットなー。
基本、料理以外の家事は全部やってくれるから、厨房組がちょっと困ってるらしい。
「良いじゃん、これを機に、家事以外の趣味でも見つけたらどうだ?」
ビールサーバーからビールをリロードしつつ、提案する。
「そう言われましても」
「思い付きませんねえ」
「編み物や裁縫とかは?」
「出来ますけど、皆んな十分過ぎるくらいお給料を貰ってますから、態々何かを作ることもないですね」
鳳翔が言う。
「……そもそも、何で殆ど戦っていない私にも、他の艦娘達と同じくらいのお給料が出てるのが分からないんですけど」
と、間宮。
うちの艦娘の給料、基本給は一律一緒だ。出撃や、夜戦には別で手当てを付けている。
「まあまあ、そんなことは良いじゃないか。さあ、飲めよ」
「もう、また誤魔化しましたね?」
「ビールが好きならエビスビールだな。コクがあって美味いんだよ」
「もう……」
誤魔化されてくれる二人。
渡したビールをゆっくりと煽る。
「……まあ、家事はさ、最悪ブラウニーとかシルキーとかキキーモラとか呼び出せば良いし、気にしなくて良いよ」
「何ですかそれ」
「家事やってくれる妖精とか幻獣とか」
「へえ、そんな便利なのがいるんですか」
感心する間宮。
「でも、呼ばなくて良いですからね!これ以上お仕事がなくなっちゃうと、困ってしまいます」
「ああ、分かった」
そう?
「まあほら、趣味がないってんなら、酒くらい飲みなよ。何なら飲むのが趣味だって言っても良い」
少なくとも俺は酒盛りを趣味と言えるくらいの頻度でしている。
「そうですね、それも良いかもしれません。……んー、ビール美味しいです」
鳳翔がエビスビールを飲む。
麦芽百パーセントだからな。独特のコクがあって美味いのよ、これが。
「よし、たまには俺がおつまみを作るか」
「いえいえ、提督は座っていて下さい!そう言うことは私達がやりますから!」
「もう立っちゃったもんねー」
さて、材料はと。
鯛に、キャベツ、椎茸、あさり……、などなど。旬の美味しい食材で一杯だ。
じゃあそれを、こうして、こうして、こう。
「春野菜たっぷり鯛しゃぶ、おつまみキャベツ、焼き椎茸、あさりの酒蒸しだ」
素材の味を活かした。
「言ってくだされば作りましたのに……」
「まあまあ、たまにはね。ささ、食いなよ」
「では、いただきます」
「いただきます」
さあ、どうだ?
「「〜ッ!美味しい!」」
「はっはっは、だろうな」
「甘みと旨みがぎっしりの旬の真鯛のしゃぶしゃぶですよ!」
「塩辛いガーリックソースと春キャベツの甘さとのハーモニーが!」
「椎茸もジューシーで噛むたびに水分が溢れてきます!」
「あさりの酒蒸しは安定した美味しさですね!バターの風味が最高です!」
満足してくれたようだ。
「どんどん飲みなよ。後片付けは俺がやっておくからさ、たまには思いっきり酔ってみなよ」
「うーん、まあ、そうですね。所謂、ハメを外す、と言うやつですか」
「そうそう。たまにはがっつり飲まなきゃな」
飲みニケーションの強要、ではないが、真面目で良い子の二人には、たまにはハメを外してリラックスして欲しいと言うのが本音だ。
何と言うか、良き妻であろうと頑張ってくれるのは嬉しいし、ありがたいんだが、たまには気を抜いて欲しい。
「オラオラ、飲め飲め、がっつり飲め」
「は、はい」
「いただきますね」
2 hours after、二人は。
「えへへぇ、だんなさまー❤︎」
「ていとくー❤︎」
べろんべろんに。
どうでもいいけどべろんべろんってなんか響きがエロいよね。
かなりのペースで飲んでたから、相当酔ってるなこりゃ。
酔った女の子は色々と守備力が下がるので良いですよねっ!
女の子を酔わせてお持ち帰り……、よくやったことだ。
「だんなさまー、あーんですよー」
「はいはい、あーん」
おつまみを口に入れられる。
「よしよし、良い子良い子れしゅ❤︎だんなさまも、だんなさまとの赤ちゃんも、可愛がってあげますかりゃねぇ❤︎」
確かに、鳳翔は良い母親になれそうだが。
「俺的には子供とか要らないんだけど」
「だめぇ!だーめでーしゅー!だんなさまの赤ちゃん欲しいでしゅかりゃ❤︎たくしゃんの子供に囲まれて……❤︎おかーしゃんって……❤︎えへへへへへぇ❤︎」
俺の腕に頬ずりしながら、妄想を垂れ流す鳳翔。
きっと、今の鳳翔の頭の中には、幸せな家族との未来予想図が広がっていることだろう。
おめでてーな。
「んー❤︎ていとくぅ❤︎しゅきぃ……❤︎」
いつもの貞淑なキャラが崩壊しているのは間宮。
俺に抱きついてべっとり甘えている。
「どうした間宮、随分と甘えん坊じゃないか」
「ほんとはぁ、ずっとこうしたかったんでしゅ……❤︎でもぉ、私は、ていとくの妻だから、ちゃんとしなきゃって思ってぇ❤︎」
そうかい。
「良いんだよ、間宮。沢山甘えてくれて構わない」
「んもぅ、ていとくだいしゅきー❤︎」
「はいはい、俺も好きだよー」
さて、既にシャツは脱がされ、上半身裸な訳だが。
なんだか知らんが、艦娘の皆んなは酔うと俺を脱がせるみたいだ。まあ、酔ってなくても脱がされるが。
そして、全身くまなく付けられたキスマーク。
独占欲の表れか。
「だんなさまのお母さんになってあげましゅね❤︎」
そして、母親になりたがる鳳翔に、
「はは、遠慮しておくよ」
「ていとく、わたしのお父しゃんになって❤︎」
本当は甘えたかった間宮。
「おう、良いぞー」
愛い奴め。良い良い、余は全てを許そう。
「だんなさま、子供、作っちゃいましょー❤︎」
「ゴム有りでなら今すぐにでも……」
『駄目だよ』
あっ、時雨からテレパシーが。
ゴム有りでも駄目らしい。
「ずるいでしゅよぅ、鳳翔さーん!ていとく、私とも子供作りましょ❤︎」
「ゴ、ゴム有りなら……」
『駄目だよ』
クッソ!邪魔するなァッ!時雨ェッ!!!
「さあ、二人とも!俺と部屋でイイコトしようじゃないか!」
さあ宴もたけなわいい調子。今なら誘っても許されるのでは?
「「はーい❤︎」」
セッ○スするんだ!俺は!うおおおお!!!
「「「「白露型だ!」」」」
「「一航戦です!」」
「「「「妙高型よ!」」」」
「「「「最上型です!」」」」
そして部屋に雪崩れ込む艦娘。
あーもう滅茶苦茶だよ!
結局、どうあっても俺はセッ○スができないのでしたとさ。
畜生……、畜生ーーー!!!
間宮
ジョインジョインマミヤァ。
鳳翔
嫁。
旅人
セッ○スができない現状に不満を持つ。