旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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エアマスター読め。


205話 私のハートを貫いた!!!!

「例えば、貴女達がその昔……、幼き頃……、捨てられて凍えてる仔犬を助けたことがあるとしましょう」

 

「雲龍、待って雲龍」

 

「でも死ね」

 

ああーーー?!!!やりやがったーーー!!!!

 

「雲龍!!雲龍待って!!!」

 

「な、何だ?!」

 

「けっ、警察!警察呼ぶぞ!!」

 

「おじさん、貴方達はウルトラマンにでも守られてるの?それとも……」

 

ああーーー?!!!またやったぁーーー?!!!!

 

「楽園にでも住んでるのかしら」

 

 

 

雲龍とデートに行って数分、俺は、女子高生達に逆ナン……、ってか援交のお誘いを受けた。

 

すると雲龍は静かにブチ切れ、話しかけてきた女子高生を三十メートルくらい蹴り飛ばしたのだ。

 

それを見咎め、警察に通報しようとしたサラリーマンのおっさん達も同じく蹴り飛ばした。

 

……鬼か?

 

「提督、好きよ」

 

「分かった、分かったから……」

 

マジでいかれてる。洒落にならん。思考回路がショートしてる。

 

「一般人に暴力は……、やめようね!」

 

「そう……(無関心)」

 

これだもんよーーー!!!

 

「雲龍、大切なことなんだ、ちゃんと聞いてくれ」

 

雲龍の肩に手を置いて、目を合わせてしっかりと話す。

 

「……提督」

 

「良いか、艦娘の力ってのは、一般人よりずっと強いんだ。気安く殴って良いもんじゃない。……そもそもんん?!」

 

……キスされた。

 

「近くで見ると、より素敵ね」

 

ははっ、聞いちゃいねえ。大丈夫?これ、日本語通じてる?

 

「雲龍……、ちょっとくらい、話聞いてくれても良くないか……?」

 

「聞いてるわ」

 

嘘つけ!!!

 

「それより、そろそろ食事の時間ね。行きましょう、奢るから」

 

俺の手をしっかりと握って、歩き出す雲龍。マイペースってレベルじゃねえぞ!!

 

「ここで良い?」

 

「ん、ああ、どこでも良いけど……」

 

「じゃあここで」

 

そうして、俺の手を引いて、その辺の定食屋に入る雲龍。

 

「好きなもの、頼んで。お金は私が払います」

 

「お、おう」

 

凄い勢いに押され、奢られることに。

 

「ご注文は?」

 

「じゃあこの、ジャンボ唐揚げギガ盛り定食と、特大ハンバーグギガ盛り定食、ギガ盛りミートソースパスタで」

 

「私も同じものを」

 

大体十数人前。適量だ。

 

「ええっ、何人前だと思ってるんですか?!」

 

店員さんが驚くが、それくらいは食うからな、俺達。

 

「大丈夫ですよ、フードファイター以上に食うんで」

 

「わ、分かりました……。唐揚げギガ二つ、ハンバーグギガ二つ、ミートソースパスタギガ二つですね」

 

「はい、お願いします」

 

と、言う訳で。

 

「本当に、マイペースなのは良いんだけど、突然人に暴力振るうのはやめてね」

 

「善処するわ」

 

善処するだけ、なんだろうなぁ。まあ良いや、言ってもどうしようもなさそうだし。一般的な会話を振ろう。

 

「……えっと、ほら、鎮守府での生活は慣れた?」

 

「ええ、まあ」

 

「趣味とかは見つけられたかな?」

 

「いえ、特には」

 

「困ってることとかは?」

 

「ありません」

 

……会話、弾まねぇな!でも、少なくとも、話は聞いてくれてるっぽい?

 

「……ハンサムね、提督」

 

「え、ああ、ありがとう?」

 

「大好きよ」

 

「お、おう」

 

何なんだ?何なんだ一体?分からん、変な子だよ雲龍は。

 

「帰ったらセッ◯スしましょう。提督の子供、欲しいです」

 

「んんんんんー、外でそう言うこと言わなーい。外じゃなくても言わなーい」

 

「あ、まだできないわね。練度を九十九まで上げたら、子供を作りましょう」

 

艦娘の肉体は、生まれたばかりでは霊的要素が強く、そのままでは子供なんてできない。しかし、ロック装置により肉体との適合率を上げると、練度九十九ケッコンカッコカリ時点で、完全に肉体が人間のものと同じになる。

 

つまり、艦娘は、簡単に言えば、練度九十九で子供を産める身体になるのだ。

 

「んあー、あれだ。子供なんて良いもんじゃないぞ。大変だぞ」

 

「大丈夫、私が育てるから」

 

うーん、この。

 

俺の話を聞いているようで聞いていない。完全に自分のペースで「喋ってる」だけだ。事実、先程からやっているのは、会話ではなく一方的な宣言ばかりだもの。

 

完全にサイコパス。

 

対話をしようよ対話を。

 

「あ、料理が来ましたね」

 

「ああ、いただこうか」

 

「「いただきます」」

 

あ、この唐揚げ美味い。

 

「………………」

 

「………………」

 

無言で食べ進める俺達。

 

「こ、これ、美味いね!」

 

「ええ、そうですね」

 

か、会話続かねー!!!

 

でもちょっと嬉しそうなのは分かる。例え一方的でも、話しかけられるのが、構ってもらえるのが嬉しいって面だ。

 

本当にごく僅かな表情の変化と、雰囲気の違いから気持ちを割り出してるが……、攻略難度高いな、この子は。

 

あっ、パスタ美味え、素朴な感じの味がグッド。ハンバーグも手ごねだな、ジューシーで美味しい。

 

 

 

特に会話もなく食事を終わらせ、再び街へ。

 

「提督、子供は何人欲しい?」

 

何だよいきなり?急な発問。

 

「いやぁ、いらないかな」

 

「そう……、二人くらいいると良いと思います」

 

「だ、だからね、俺は子供なんて」

 

「男の子と、女の子」

 

「話聞いてる?」

 

「提督と同じですね、男の子一人と女の子一人って」

 

怖ーい、話聞いてなーい。

 

「確かに俺には妹がいるけどな……、新台家の男ってのが不味いよ、碌な大人にならないから」

 

「きっと、提督に似てハンサムな子に育つと思います。髪もきっと白ですね」

 

いやいや、俺の髪が白いのは地毛じゃないから、遺伝しないと思うよ。

 

「俺のこれ、若白髪だよ?」

 

「へえ、そうなんですか。でも、私の髪が白いから……」

 

ふーん、ある程度、望む答えを出してやると会話が成立する、と。

 

「まあ、娘だったらいても良いかな」

 

「女の子ですか。私に似て、愛想がない子になったら嫌ですね。提督に似て明るい子になって欲しいです」

 

「はっはっは、愛想なんて別に気にならないさ」

 

「提督は、私のような愛想のない女も好きですか」

 

「ああ、好きだよ」

 

「ふふ、嬉しいです」

 

何だ、結構会話が出来るじゃねえか……。

 

 

 

そろそろ良い時間だ。居酒屋鳳翔にでも行くかァ!

 

「雲龍、酒飲もうぜ酒」

 

「はい、お酒、好きですよ」

 

との事なので、居酒屋鳳翔に直行。酒飲むぞー。

 

「鳳翔さーん、ビールちょうだーい」

 

「はーい」

 

鳳翔マイワイフ……。

 

鳳翔からビールを受け取る。

 

キンッキンに冷えていやがる……っ!!

 

「鳳翔さん、私も同じものを」

 

「はーい」

 

鳳翔さんがまたもやキンッキンに冷えていやがるビールを注いで、雲龍に渡す。

 

「んじゃあ、乾杯」

 

「ええ、乾杯」

 

喉を鳴らしてビールを飲む。やっぱこれだね、このために生きてる。

 

「……随分、美味しそうに飲むのね」

 

「んー?俺、お酒好きだもん」

 

「提督が幸せそうだと、私まで嬉しくなるわ」

 

と、雲龍は、優しげな笑みを見せた。何だ、可愛い顔出来るじゃんかよ。

 

「そうかい、俺も雲龍が喜んでくれて嬉しいよ」

 

正直な気持ちだ。例えちょっとサイコパスでも、黒井鎮守府の仲間だし、可愛い女の子だ。若干話が通じないくらいで嫌いになんてならない。

 

「提督」

 

「何、雲龍?」

 

「やっぱり私、提督が好きです」

 

「俺も雲龍のこと、好きだよー」

 

「提督を好きになって良かったと、心から思います」

 

「ははは、ありがとね」

 

無表情だが、声に喜色が。分かりづらいけど、好感度は上がってる。……いや、上げようと思ってないのにね!おかしいね!!

 

不味いな、この辺で好感度を下げるようなことやっとかねえとな。

 

さて、雲龍の隣に座って、と。

 

「触るぞ、雲龍」

 

「どうぞ」

 

雲龍の太腿を、揉む……!!

 

おおお、おおおおお!

 

筋肉!キック主体で戦うからか、太腿の筋肉すげー!!結構硬い!!

 

でも肌触りはすべすべ。白い肌。綺麗だ。

 

「どうだ雲龍、嫌いになったか」

 

「何をですか?」

 

「突然セクハラしてきた俺のことをだよ」

 

「いえ、嫌いになる要素がありません」

 

やっぱりな(レ)。

 

まあ、そんなことだろうと思ってた。むしろ嫌われる方法を知りたい。

 

「提督、その程度で良いんですか?服、脱ぎますよ?」

 

「いや、そこまではしなくて良い」

 

そんなことしたらエロ小説になっちゃうだろ!!

 

っはー、このしなやかさよ。ネコ科の動物みたいな鋭さと柔軟性を持ったこの足。こんな太腿に触れるとは、役得だ。

 

「本当に、これで満足ですか?」

 

「おう」

 

「挿れなくて、良いんですか?」

 

「女の子が挿れるとか言わないの」

 

「私はいつでも構いません。例え、今この瞬間に犯してもらっても」

 

「はいはいはいはい」

 

俺はセクハラできるだけで満足なの!中学生の頃のような、煮え滾る獣欲はもうない!……いや、性欲はあるけどね?

 

「じゃあ、そうだな。今晩は一緒に寝ないか?」

 

「喜んで」

 

よっしゃ、ベッドの上であんなことやこんなところを触りまくってやるぜ!!

 

と、今晩を楽しみにつつ、お開きだ。寝室へGO!

 

 

 

さあさあ、セクハラするぞー!!

 

 

 

おっと、ここから先は、大人の時間、ってことで。

 

「提督……❤︎」

 

「はいはーい」

 

まあ、なんだ。

 

楽しんだよ、色々とね。

 




雲龍
サイコパス。

旅人
サイコパス。

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