旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

204 / 593
RJ可愛い。


204話 戦慄のRJ

わるさめちゃんを散々辱しめて、深海棲艦の離島に送りつけて、次の日。

 

「体調を崩すくらいに面白くない……!!」

 

太平洋の嵐をプレイ中の俺。流石はクソゲーオブザイヤー受賞作品、恐るべきつまらなさだ。

 

「……何やっとるんや、司令官」

 

あまりのクソさ加減に俯く俺に話しかけるのは、RJこと、龍驤。

 

「クッッッソつまらんゲームやってる」

 

「暇なんか?」

 

「暇」

 

クッッッソ暇。先日のベーリング海奪還で俺の、鎮守府の暇は加速した。

 

俺達は、強くなり過ぎた。敗北を知りたい。

 

このままじゃ脱獄して日本目指す羽目になる。

 

いけない、このままではいけない。

 

「そっか、暇なんか。なら、うちと遊んでくれへん?」

 

「かまへんかまへん!」

 

ええぞ!

 

「よっしゃ!ほな、行くでー!」

 

龍驤に手を取られる。

 

可愛らしい、小さい手だ。少し力を入れたら壊れてしまいそうだな。まあ、実際は並の人間よりずっと丈夫なのだが。壊されそうなのはいつだって俺の方だ。

 

「どこ行くの?」

 

「そんなん、外出てから考えればええやろ」

 

適当。だが道理だ。気取らないで良い関係って良いよね。

 

 

 

外に出て、龍驤と手を繋ぎながら歩く。大人と子供くらいの身長差があるから、歩幅の差が出る。ゆっくり歩いてやらねば。

 

「で、どこ行く?遊園地とかか?」

 

「もー!子供扱いせんといてー!うちは大人のレディーなんやで!!」

 

「マ?」

 

「マジやマジ。大マジや」

 

大人のレディーらしい。

 

自分で自分を大人と言い切る奴は大抵大人じゃないと言う法則。あると思います。

 

格好もパーカーにジーパンと女子力低。やっぱりRJじゃないか……。

 

「とりあえず、その辺のショッピングモール冷やかしに行かへん?」

 

「良いよー」

 

ショッピングモールか、悪くない。

 

「いやー、凄いな。うちの時代はこんなん無かったからな、どこ行っても物珍しいんや」

 

まあ、二次大戦頃の記憶しかない艦娘にとって、現代のものは何でも珍しく見えるんだろう。

 

「でも、良い加減慣れたでしょ。もう建造されて何年も経つんだし」

 

「いやー、うち、一人だと殆ど外に出えへんからなぁ」

 

「あれ、何で?」

 

龍驤の性格的に、頻繁に外出してそうだが。

 

「いや、うち、この見た目やろ?どこ行っても迷子扱いされるんよ」

 

「あー」

 

なるほどね。

 

ぱっと見小学生くらいにしか見えないもんね、その辺ほっつき歩いてたら補導されるわな。

 

「もー、大変なんよ。お酒飲みたいってお店に言ったらびっくりされるし!」

 

龍驤も呑んだくれ勢だからなー。そっか、外で飲めねえのか。可哀想に。

 

「免許でも取ったら?」

 

「えー、めんどい」

 

あると便利だぞ、免許証。

 

「あっ、たこ焼きや!司令官、たこ焼き食べへん?」

 

「食う食う」

 

たこ焼き屋を見つけた龍驤は、嬉しそうにパタパタ走って行く。俺の手を引いて。

 

むーん、可愛いな。

 

「すいませーん、たこ焼き下さい!」

 

「はーい、どれにしますかー?」

 

ああ、ほら、たこ焼き屋の店員さんに早速子供扱いされてる……。

 

「うーんとな、これと、これと、これとこれ!司令官は?」

 

龍驤もそれなりに食うぞー。軽空母とは言え空母は空母。並の大人より大食いだ。

 

「同じものを」

 

俺はもっと食うけどな!……でも、あんまり注文し過ぎるのもあれなので、控える。

 

「えっ?えっと?」

 

それでも、普通と比べたら多いか。

 

「ええと、普通のたこ焼き、ネギソース、照り焼きソース、チーズ明太子を二つずつ」

 

「ご、五千六百円になります」

 

「ほい」

 

俺が店員さんに万札を差し出す。釣りはいらねえ、とっときな。

 

「あっ、司令官!もー、こういう時にお金使わんと、何のためにお給料貰っとるか分からなくなるわ」

 

「通販で使えば?」

 

「………………あー、なるほど?」

 

今の通販は凄いぞ、大体なんでも手に入るからな。

 

「でもうち、このあまぞん、ってやつイマイチ分からんのや」

 

「んー、どこが?教えてあげるよ」

 

「そもそもスマホがよう分からん」

 

ほら、龍驤は古い人間だから……。現代技術に追いついていけないのだ。

 

「ボタンじゃないのがなんか、こう、使いづらい」

 

「おばあちゃんか」

 

「誰がおばあちゃんやねん」

 

駄目だよ、ちゃんと新しい技術についてこなくちゃ。取り残されるぞ。

 

「何でこんないっぱい機能があるん?電話できればええやん」

 

「ラインとか便利だろ」

 

「んー、文字打つのが苦手や」

 

「ツイッターとか」

 

「分からん」

 

「ゲームとか」

 

「家帰ってやりゃええやろ」

 

うーん昭和!でも、艦娘の皆んなって大体こんなもん。現代っ子があんまりいない。

 

ぱっと思いつく現代っ子と言えば、うちでは、イムヤとか鈴谷とか、望月と漣とかだな。鹿島とか秋雲も結構……、あとは工廠組とか。

 

兎に角、皆んな現代に溶け込む気が全くない。

 

「ほら、このキャンディを砕くゲームとかどうだ?面白いぞ」

 

「うーん、ホンマによう分からんなー」

 

そんなこんなで、龍驤にスマホの使い方を教え込んでいると、

 

「たこ焼き、上がりましたー」

 

「はいはーい」

 

たこ焼きが。

 

「おっ、できたみたいやな、食べよ」

 

そこら辺にあるテーブル席に座って、できたてのたこ焼きを食べることに。

 

「「いただきます」」

 

挨拶は大事だ、古事記にもそう書いてある。……艦娘は常識が古いからなのか、礼儀がなっている場合が多い。今時いただきますをしっかり言える子なんてそうはいないのにな。

 

因みに俺もつい言っちゃう。俺は旅人、いつも何かをいただく側なので、せめて感謝ぐらいは……、と思った結果。

 

「んー、できたては美味いなー」

 

「ホンマやなー」

 

美味い美味い。旅の最中は最悪人肉とか食わされたこともあるし。店売りのたこ焼きなんて美味しいものの部類だ。

 

「………………!」

 

ん、どうした龍驤。

 

「司令官、あーん」

 

ああ、はいはい。

 

「あーん。……じゃあ俺も。龍驤、あーん」

 

「あーん」

 

機械的なイチャつき。

 

もっと、こう、少女漫画的な心のときめきや葛藤はないのか。

 

「えへへ、ちょっち恥ずいなー」

 

軽く頬を染める龍驤。

 

うむ、可愛い。

 

所謂ラブラブ状態なんだが、周りの人には何か微笑ましいものを見る目で見られてしまってる。娘か何かだと思われてるんだろうなー。

 

 

 

食後、ショッピングモール内をぶらつく俺達。

 

「司令官、映画見よ、映画」

 

そんな中、龍驤がショッピングモール内の映画館を見て言った。

 

「良いよー」

 

映画は好きだ。承諾する。後数十分で開幕だ、ちょっと待とう。

 

「映画、映画かー。司令官、好きな映画は?」

 

「あー、明日に向かって撃て、かな」

 

「ふーん、どんなん?」

 

「懲りない馬鹿二人がフラフラ生きる話」

 

「……おもろいんか、それ」

 

「まるで自分の人生を見てるようで楽しい」

 

正直、一番面白いのは俺の人生だが。どんな映画より旅の方が楽しいのだ。事実は小説より奇なりとはよく言ったもの、そこらの三文小説よりずっと楽しい人生を歩んできた。

 

「司令官、人生を楽しんどるもんなぁ」

 

「何だ、龍驤は楽しくないのか、人生」

 

いかんぞ、人生は楽しんでナンボだ。

 

「んー、楽しいけど、もうちょっと、大っきくなりたいなー、とは思うわ」

 

艦娘は成長しないからなぁ……。

 

望み薄、だな。

 

「あ、そろそろ始まるで」

 

「おっ、そうだな、行こうか」

 

と、店員さんにチケットを渡すと、

 

「こちらのお子さんは子供料金で大丈夫ですよ?」

 

とか言われる。

 

「うちはこー見えても大人やで!」

 

「え……?あ、あー、すみません?」

 

と、短いやり取りの後、映画に入る。

 

 

 

見た映画は、よくあるアクション映画だった。

 

「いやー、おもろかったなー!」

 

「中々だな」

 

普通に面白かった。

 

「でも龍驤、恋愛映画とかじゃなくって良かったのか?」

 

「んー、うち、恋愛とかよく分からんし」

 

そうなの?

 

「正確には、恋愛映画とか恋愛小説とかが分からんのや。何で皆んな、あんなにうじうじ悩むん?好きな人に好きって言えないもんなんか?」

 

あー、これはサバサバ系女子ですわ!

 

「うちは後ろ暗いこと何にもあらへんから、司令官に真っ直ぐ好きって言えるで!」

 

「そうか、龍驤は真っ直ぐな女の子だな。好感が持てるよ」

 

「うちも司令官の事、大好きや!!」

 

やはり圧倒的美少女。真っ直ぐ、一本気な女の子だ。恋に悩む女の子も可愛いけど、こうやって真っ直ぐ向き合える女の子も可愛いし、かっこいいと思う。

 

 

 

さて、昼も過ぎて良い時間。

 

おやつ食べたい。

 

「龍驤、おやつ食べよう」

 

「せやな。……そう言えば一階にドーナツ屋あったな、行こか」

 

おっ、ドーナツ。良いね、日本のドーナツは……、ってかお菓子全般が甘さ控えめだよね。それが良いんだけど。いや本当に、日本国外のお菓子は甘過ぎてなぁ。それはそれで美味いんだけどね。

 

「さて、ミスドミスド、と」

 

二人で10個ずつくらいか、ドーナツを買って、またもやそこらのテーブル席に着く。

 

「「いただきます」」

 

「美味い、美味いな」

 

「このチョコのついたオールドファッションが好きなんよー」

 

「俺はこの、チョコついたフレンチクルーラーかなー」

 

「もちもちしたやつも好きやわー」

 

「カスタード入ったやつも好き」

 

「あ、司令官、口元にクリームがついとるで?……はい、取れたで」

 

機械的なイチャつき(二回目)。

 

「ん、甘い」

 

まるで当たり前のように、俺の口元のクリームを掬って舐める龍驤。特にドキドキとかはない、気取らないイチャつきだ。

 

乙女チックなアレはないのか。

 

「まあ、その辺が龍驤の良いところだよな」

 

「?」

 

 

 

「じゃ、司令官、また後でな!」

 

「おお、今晩も飲もうな」

 

ブンブン手を振る龍驤と別れる。

 

この別れのワンシーンすら、葛藤の一つもないんだ、龍驤は。今夜は帰したくないとか、お前と結婚するのは俺だと思ってたとか、そう言うのがない。

 

さっぱりしてんな、流石龍驤。

 

やはり龍驤は、病んでいないのでは?

 

病み尽くしの中で清涼感と言える存在だな。

 

艦載機での監視はしてくるが、まあ、誤差の範囲だろう。

 

病んでない子もいる!希望はここにある!!

 

「ふふふ、提督。龍驤ちゃんとのデート、楽しかった?」

 

ヒェッ……、陸奥……!!

 

 

 

もう夜だ。陸奥の気を鎮めるのに時間がかかった。

 

危ないところだった。

 

これでもかってほど乳を揉んだら解放されたが。

 

「司令官!」

 

「どうした龍驤」

 

そして、ここは居酒屋鳳翔。丁度、龍驤とエンカウントしたところだ。

 

「見てたで〜!陸奥のおっぱいを!!」

 

「揉んだが、問題でも?」

 

「むむむ!当てつけか!揉むほど無いうちへの当てつけかー!!」

 

「いやいや、そんなことはないよ」

 

そんなこたぁ無い。

 

「……揉んで」

 

「は?」

 

「うちのも揉んで!!」

 

「まあ、良いけど……」

 

おっぱいは心で揉むもの。貧乳でも愛撫はできるッ!!

 

龍驤を膝の上に座らせて、後ろからおっぱいを撫でる。

 

「こうか?」

 

「んっ❤︎ええよ、ええ感じや」

 

なんと言うか、罪悪感。年端もいかない子を毒牙にかける成人男性の図、な訳だから。側から見たら。

 

「ちゃんと揉まな、機嫌直らんからな❤︎」

 

「おう」

 

平坦な胸を撫で回す。対貧乳の対策もバッチリなのだ。

 

一通り撫でたあたりで、

 

「あっ❤︎あっ❤︎あっ❤︎あーーーっ❤︎❤︎❤︎」

 

足をぴんと伸ばして、どこかへと達する龍驤。どうしたんでしょうね、一体ね?(すっとぼけ)

 

「満足した?」

 

「うん……❤︎満足や……❤︎」

 

ふー、楽しかった。

 

「そろそろ下ろして良い?」

 

「ん……、駄目」

 

そっか、俺の膝の上が気に入ったか。

 

「今晩は司令官に目一杯甘えるんや❤︎」

 

 

 

この後は、強いて言うようなことはない。それでも、一言言うのであれば……。

 

この後滅茶苦茶イチャイチャした。

 




龍驤
サバサバ系女子。

旅人
謎の房中術など、女の子を虜にする技能を多数所持。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。