旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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取り敢えず、来月半ば位までは投稿できます。来月半ばからは一ヶ月程休載します。

あまりの忙しさで心身ともに疲労している為、ネタのキレは悪いです。


172話 武器や防具は装備しないと意味がないぞ 裏編

「提督は、私達の手荷物を見た訳です」

 

「ならば、私達も、提督の手荷物を検査する権利があると言うこと!」

 

「いや、そのりくつはおかしい」

 

止めないで下さい、武蔵さん!

 

「武蔵さんも興味があるはずです!提督の持ち物について!」

 

「愛する提督の情報ですよ?!何でも知りたいと思うのは当然でしょう!」

 

もっと言ってやって下さい、夕張ちゃん!!

 

「し、しかしだな明石、夕張」

 

「大丈夫ですよー!提督はその程度じゃ何とも思いませんから!!怒ったりなんてしませんってば!!」

 

「そうですそうです!提督のことだから、面白おかしいものを沢山持ち歩いているに決まってます!!」

 

「面白いかどうかじゃないだろ……」

 

「いえいえ、提督は常々言ってますよ?人生を楽しめ、と!」

 

「まあ、確かにそうだが」

 

「それに見て下さいよこれ!万能鑑定マシーン!提督の所有する謎アイテムの正体もバッチリですよコンチキショー!!」

 

暇潰しに作った万能鑑定マシーンの出番ですよー!!

 

 

 

さあ、ここにある提督の鞄!いや、このフレンズ感溢れるかばん!!

 

ご開帳です!!!

 

「待てーい!!!」

 

「何奴?!!」

 

「大淀です!」

 

「白露型っぽい!」

 

「うちやで!」

 

「Meよ!」

 

「陽炎型だ!」

 

は、はわわ(諸葛亮)、暇人達がゾロゾロと!雁首を揃えて!!提督の匂いを嗅ぎつけて現れましたね!!

 

この明石だけに美味しい思いはさせないと言うことですかッ!!!

 

仕方ないですね。まあ、そんなこともあるでしょう。皆んな、提督の謎を知りたいでしょうし。

 

「では、本邦初公開、提督の持ち物!!ご開帳です!!!!」

 

 

 

まずは手前の方から行きましょうか……。

 

「これは……、ミントガムですね」

 

ブラックなガム。エチケットは基本らしいですねー。提督が常にいい匂いしてる理由の一つですね。

 

「何の変哲もありませんね。その辺のコンビニで売ってる物です」

 

夕張ちゃんがそう言ってガムを鞄にしまいました。続けて、鞄に手を突っ込む夕張ちゃん。

 

何だ、普通じゃない。やっぱり提督もまとも、

 

「魔道書です」

 

「?!?!!!」

 

あっ、まともじゃなかった。

 

「……一応ですが、表紙には何て書いてあります?」

 

「そうですね……、日本語でも、英語でもないですから、読めませんね」

 

見たことのない文字……、外国語ですねこれ。

 

「どうします?読んでみますか?」

 

「うーん……」

 

「……それは、やめた方が良い」

 

あ、時雨ちゃん。

 

「得てして、世の中は知らない方が良いことの方が多い……」

 

そう言うと、夕張ちゃんの手元から魔道書を引ったくって読み始める。

 

「……だが、ああ、これは……、実に興味深いね。冒涜そのものだ。魔物の咆哮……、つまりは、宇宙の彼方だ。死のすぐ側にある」

 

「何言ってんですかね」

 

時雨ちゃん、時折よく分からないことを言うから……。アレですね、電波系って奴ですね。

 

「うん、まあ、平たく言えば危ないものなのさ。僕が預かっておくよ」

 

そうですか。まあ、良いんじゃないでしょうか。「そう言ったこと」に関しては詳しいみたいですし。

 

「気にせずに次行きましょうか。では、はい!……縦笛!」

 

縦笛。

 

裏に「むすたんぐ」とマジックで書かれています。何なんですかね。

 

「一ミリたりともギターじゃないんですが」

 

「どの辺がムスタング?」

 

マジで何ですかこれ。え?ムスタング?

 

「……これ、昼間に吹いてたやつじゃない?」

 

「「「「………………」」」」

 

「よこせ!」「縦笛をこちらに!」「縦笛!」「間接キス!」

ああ!醜い争いが!!夕張ちゃん、早くしまって下さい!!

 

「はいはい、次です次!次は……、あれ、なんか引っかかって……、よし、出てき、た……?!!」

 

「うわあああああ!!!」

 

戦車だーーー!!!鞄から戦車出てきたーーー!!!

 

「あら、ティーガーIIじゃない。流石提督ね、よく分かってるわ」

 

嬉しそうなビスマルクさん。喜ぶポイントが謎なんですが。

 

「……どうするんですかこれ」

 

「……長門さん、武蔵さん、押し戻して下さい」

 

本当に、どうなってるんですかこれ。鞄に本物の戦車を入れるって、どう言う神経してるんですかね。

 

「次、次よ!はい!」

 

「ToHeart2」

 

「なんでや!!!」

 

龍驤さんの叫びも尤も。参りましたね、まるで意味が分かりません。ドイツ戦車の後にギャルゲが出てくる状況。謎過ぎる。

 

もう私、提督が分かりません。

 

一体何を考えているのか……。

 

「しかもこれ、PSP版ですね。あ、PSPもある。色はピンクです」

 

何故今時PSPを……。

 

「なんか……、もっとこう、提督の秘密とかそんなん無いんですか?」

 

「いやあ、無いですね。あ、替えのパンツ!」

 

自然な流れでパンツを懐に入れる夕張ちゃん。ずるいです。

 

「……夕張ちゃん?」

 

「まあまあ。えーと、後は……、調理器具、ロレックス、メッサーラ(プラモデル)、オリハルコン、けものフレンズのアニメDVD、分度器、幸せのベッド、青い秘薬、ハベルの指輪……」

 

「あー、えーと、なんか、もう、分かりませんねこれ」

 

統一性も何も無いですけど。何なんですかね。

 

 

 

「あ、明石さん、武器の欄がありますよ」

 

「武器の欄とは一体……」

 

武器の欄って何ですか。何でアイテム欄表示されるんですかね?って言うか、非暴力不服従反正義を旨とする提督が、武器を?

 

珍しいですね。でも、興味深いです。

 

「はい、まずは……、衝撃鋼ギルガメス」

 

銀色の……、手甲と足甲?材質は……、何でしょうかねこれ。

 

でも、綺麗。銀色のフレームに極彩色のボディ。精密な機構、装飾は少なめ。

 

「んー?これ、地上に存在しない材質っぽいですね」

 

万能鑑定マシーンを当てる夕張ちゃん。因みに、さっきから使っている万能鑑定マシーンは、物の名前と大まかな用途などが分かります。香霖堂?何ですかそれ。

 

「まあ、後で工廠で調べてみましょうか。他は何かありますか?」

 

「はい、次は……。えっ、これは……」

 

「あっ……」

 

……その、これは……。

 

「……アレ、ですよね」

 

「何かと聞かれれば、マッサージ機と誤魔化すやつですね……」

 

「直接的に言えば、男性のアレの形をした、電動のおもちゃですね」

 

あの、これ、その、これ……。

 

「その、なんだ。提督はこう言うのが好きなのだろうか」

 

む、武蔵さん……。

 

「ま、まあ、悪くは無いな。私も女だ。攻められるのは嫌いじゃない」

 

ああ!スイッチを入れないで下さいよ!振動してる振動してる!!

 

「む、このディ○ド、セレクターに強以上……、自殺、と書かれたところがあるな」

 

ディ○ドとか言わないで下さい!!!R-18タグが付いたらどうしてくれるんですか?!!

 

「ふむ、では……、折角だから……、自殺、と。……おおおおおおおお?!!!」

 

「ッ?!!これは?!!高周波です!バイブレーターからとんでもない高周波が発生しています!!早くスイッチを切って下さい武蔵さん!!!」

 

「お、おう!」

 

 

 

あ、危ないところでした……。鎮守府が灰になってもおかしくない高周波でしたね。

 

「な、なんて物を持ってるんですか、提督は」

 

「なるほどなるほど、正に昇天するバイブレーターですね」

 

武器とは一体。提督の中での武器ってなんなんでしょうか。確かに、攻撃力はありましたけど。

 

「まだありますよ、これは……、パンティです!」

 

「提督は武器って言葉知ってるんですかね?」

 

何の変哲も無いパンティのどこが武器なんですか。

 

『我が名はライトニングベヒモス』

 

「「「「パンティが喋った?!!!!」」」」

 

ちょ、待っ、えっ?

 

『呪いを受けし龍鱗のパンティ也』

 

えっ?

 

いや……、えっ?

 

『汝、力を望むならば、我を手にせよ。汝の生き血と引き換えに、強大な力を齎そう』

 

「えーと、これは?」

 

「待って下さい、今万能鑑定マシーンで……。はい、生きている……、呪われたパンティです」

 

「文章にするとまるで分からないですね」

 

「でも、強力な幻惑の力と、魔法らしきエネルギーが感知できました。多分、投擲武器です」

 

悲報、パンティは武器だった。

 

「って、このパンティ、誰のなんですか?まさか他所の女の人じゃ……」

 

それは困ります。提督には何処の馬の骨かも分からない女の子のパンティを持っていて欲しくありません。

 

「その、ええと、ライトニングベヒモスさん?貴方は何処から来たんですか?」

 

意を決して、パンティに話しかける。

 

『我の生まれはダンジョン也』

 

ダンジョン……、出土品ってこと?

 

「よかった、誰か他の女の人のパンティって訳じゃないんですね」

 

パンティを武器として使うのは百歩譲って良しとしても、私以外の女の人のパンティを持ち歩かれるのは嫌ですからね。

 

 

 

大体こんなものでしょうか。

 

「いやー、何一つ分かりませんでしたね」

 

「提督の女の子の好みとか、知りたかったんですけどねぇ」

 

「提督は好みのタイプとか無いんじゃないですか?」

 

「特に無いよ」

 

「ほら、無いって本人もこう言ってる……、え?」

 

あれ?

 

「て、提督?!」

 

「いやー、アイテム欄を弄られる感触があったから何事かと思ってね。びっくりしたよ」

 

あ、アイテム欄って触られてる感触があるもんなんですね。

 

「ドラえもんだってスペアポケット弄られるとくすぐったがるだろ。まあ俺としては、勝手に懐をまさぐられてる感じな訳でさ」

 

「そ、そうなんですか。その、すみません」

 

「良いの良いの。気にしてないから」

 

ああ、相変わらず心が広い。

 

結構怒られるようなことやったと思うんだけど。

 

それでも笑って許してくれるなんて、やっぱり良い人だな。

 

 

 

「お詫びに私のパンティあげます」

 

「遠慮しておくよ」

 




明石
黒井鎮守府のトラブルメーカー。

夕張
明石の補佐。

時雨
この後、読んだネクロノミコンの呪文により、ニャルラトホテプの招来に成功する。

旅人
手荷物を弄られた程度じゃ怒らない。

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