旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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うう、うああ、じかん、じかん……。

ssを書きたいがためにfgoを始めたというのに、全く書けてない。

書きたいよぉ〜、書きたいよぉ〜、レフの顔面に灰皿一杯の酒を、「ああん?俺の酒が飲めねえのか?」とか言って叩き込んだり、邪ンヌに、「あ?ジャンヌ?誰?……ほーん、陵辱されて焼かれて死んだ?……オラかかって来いや中古マ○コ!!ビビってんのか?!」とか言ったりする話書きたいよぉ〜。



133話 深刻な収容違反

「えっ、何このタイトル?」

 

不安なんだけど?

 

「どうしたの、Admiral?」

 

「いや、なんかタイトルが……、いや、何でもない」

 

気のせいだろう。そう思いたい。

 

「にしても、運転が上手ね、Admiral」

 

ん、まあ、そりゃあな。エンジンとハンドルが付いてりゃ何だって動かせるさ。

 

「それに、アストンマーティンなんて、素敵じゃない。……お金持ちが好きって訳じゃないけど」

 

なーに、ほんの二千万ちょいよ。

 

この前裏で超高レート麻雀で差し馬握らされた時の負けよりかはマシよ、マシ。何なんだろうな、あのオッサン。鳴く度に牌が光ってたけど。

 

え?どのくらい負けたか?億単位で持ってかれましたですわ。ウケる。

 

「でも、このアストンマーティン、明石と夕張に一週間くらい預けておいたからなぁ、不安だなぁ……」

 

「Why?あの二人、素晴らしい腕じゃない?Meのレールガンもあの二人が作ったのよ?」

 

「いや、腕の良さは認めるが……、十中八九余計な機能を……、あ、マニュアルだ」

 

何々、ミサイルポッド、防弾ガラス、ナンバー偽装装置、ステルス迷彩、ターボ、マキビシ、機関銃……。

 

「……あれ、知り合いの車にそっくりだわ」

 

マティーニを、ステアせずにシェイクして、ってな。まだスパイやってんのかな、あの人。

 

「……どう?どんな風にカスタムされてるの?」

 

助手席のアイオワが聞いてくる。

 

「あー、ちょっとばかし、物騒だね。まあ、事故らないだけ良いかもな」

 

「ふうん、あの二人のことだから、もっと凄いものを付けてるかと思ったんだけど」

 

そう言いながら、俺の手からマニュアルを取り、パラパラとめくり始めるアイオワ。

 

「……あ!これ、どうかしら?!そこのボタンで変形して空を飛ぶらしいわ!!」

 

そう言って、開かれたページを見せてくるアイオワの目は、キラキラと輝いていた。アイオワは結構な派手好きなんだ。趣味は俺に近いかもしれないな。

 

だが、

 

「それじゃ、その前にこいつはどうだ?」

 

CDをインサート。

 

『バージニア州、ノーフォークの故郷を去り、我が心のカリフォルニア!グレイハウンドに乗り込んで……♪』

 

古いロック・ミュージックだ。今時こんなん流したら引かれるだろう。……そもそも、女の子とドライブの時にロック・ミュージックなんて良くないし。不良っぽいよね。いや、俺個人は好きなんだけど。

 

さあ、どうだアイオワ?

 

「あら!エルヴィス・プレスリーね!Meは彼の大ファンなのよ!」

 

あれれー?

 

あー、そっか、丁度世代、なのか?

 

「Promised land、名曲ね!遠くまで行きたくなる気分にさせてくれるわ!」

 

歌を口ずさみながら笑うアイオワ。……ロック好きなのか。そっかー。

 

「ま、それはそれとして……、この車、飛ぶんだったか?どれどれ、このボタンかな……?」

 

あ、これか。

 

「にしても、エルヴィス・プレスリーってもう亡くなってたのね……。greatなミュージシャンほど早く亡くなるのは何故なのかしらね……」

 

「え?エルヴィスは死んでないよ?」

 

ええと、これを押して、と。

 

「何言ってるの?とっくの昔に……」

 

「彼は、故郷の星に帰ったんだよ!」

 

おっ、飛んだ飛んだ!!

 

速いね、これ!!

 

……何だか、久し振りに外宇宙へ旅に行きたい気分だな。

 

今度海王星にでも行くか。海王星には凄〜く美人な雪女がいてだな?

 

 

 

……ま、それはさておき。

 

「もう最高!天気も良いし、景色も!これ以上ないくらいのドライブ日和!……ふふふ、やっぱり、Admiralと一緒にいると退屈しないわね!」

 

……何でアイオワとドライブしてるんだろうか俺は。

 

いや、今更だけども。

 

だってアイオワはこう、サラの恋を応援する感じの、そう言うポジションなのでは?

 

「あ、言っておくけどね、Admiral?Meは貴方が好きよ?」

 

「えっ?」

 

は?いや、薄々気づいていたけども、ここで言う?

 

「あら?Meは貴方のgirlfriendじゃないのかしら?」

 

……あ、そうだよな。

 

アメリカは最近行ってないから忘れてたんだけど……、アメリカに告白と言うものはない。

 

恋人には「なるもの」ではなく「なっているもの」……。

 

即ち、

 

「Admiralとは何度もデートしたけど……、貴方はsmartで、considerate and gentle、looksもvery good!!Meとの相性も抜群ね!」

 

は?賢くて、思いやりがあって、紳士的で、見た目がとても良い?は?

 

いや、見た目はまだしも、俺より賢い奴はごまんといるし、優しくするのは美人にだけだ。

 

あれだけデートしたのに分からんのか?

 

あっ、そうだ(天啓)、

 

「俺、浮気症だよ?」

 

大抵はアメリカ人は浮気を嫌うからな。

 

「Meは貴方をイタリア人だと思ってるから」

 

それは何か?浮気するってお見通しってことかな?イタリア人が皆んな浮気してるみたいな言い方はいかんでしょ。

 

「ふふ、It's joke、冗談よ。……でも、でもね、Admiral?貴方は、Meの居場所なの……」

 

「居場所?」

 

「そうよ?アメリカにいた頃は、こんなこと無かったもの。……勇猛な海兵達も、国民も皆んな、私達の事を怖がってた。mediaはMeを持て囃したけれど、それは兵器としてであって、誰もMe自身を見てくれなかった……」

 

確かに、アメリカでの艦娘の対応は、うちの艦娘達と比べるとまだマシだったらしいが……。

 

「艦娘は、化け物を殺す化け物……。そんな風に言う人も、沢山、いたわ」

 

猛烈なスピードで空を駆ける車の中に寂しさが響く。

 

「辛く無かった、って言ったら嘘になるわ。あの時のMeを支えていたのはprideだけだったもの。……でも、今は違う」

 

窓から流れる景色を眺めていたアイオワがこちらを向いて……。

 

「家族がいるから!……Admiralも、サラも、艦娘達全員がMeの家族よ!……恋人がどうとか、浮気がどうとか、そんなことにこだわるつもりはないわ。ただ、Meは、貴方の側にいたい……。ずっと、ずっと……❤︎」

 

……ああ、はい。

 

そんなこと言われちゃうとなぁ。

 

側にいるよ。

 

……出来るだけ。

 

 

 

 

 

「あら?そう言えば、さっき、検問みたいなのを飛び越して来ちゃったけど、大丈夫なの?」

 

「えっ、検問?」

 

「そうよ?ええと、何だったかしら、腕章に『SCP』って書かれた部隊がいたわね」

 

おーっと?

 

「?、監視塔、かしら?何でこんな所に?」

 

あっあっあっあっ。

 

「Admiral、標識よ?あれは……、止まれ、ね。……空を飛んでいる車にも標識は適応されるのかしら?」

 

に、逃げ、

 

「え?あれ?!標識が、車両進入禁止に変わった?!……って、Admiral?!急ブレーキは駄目よ!!」

 

「い、いや、違う!……止められたんだよ!!!」

 

「……え?」

 

あー、クソ!はいはい!こう言うオチね!知ってた!このssにシリアスはありませんもの!!こりゃ駄目だ、進入禁止の標識のせいで車が動かない!

 

「チ、チクショー!!!かかって来やがれオラーーー!!!!」

 

シンボルなんざ怖くねぇ!野郎オブクラッシャー!!!へし折ってやるからな覚悟しろや!!!

 

「Admiral?!!」

 

『…………』

 

「オラオラ!何だ?!落石か?電車か?!出して見やがれ!!俺は死なねーぞ!!!」

 

道路標識通りの現象が起こせる?その程度で俺を殺せると思うな!

 

おっ、標識が、変わっ、て……。

 

『…………SCP-076-2、SCP-096、SCP-106、SCP-…………』

 

「っしゃあ!逃げるぞアイオワ地の果てまで!!!」

 

前言撤回。無理。勝てない。

 

「な、何?何なの?」

 

アイオワを抱えて逃げる。どうせこの後機動部隊が派遣されるんでしょ、知ってる。だから俺は逃げる!

 

 

 

走った。

 

そりゃあもう走った。

 

全開で走った。

 

「Admiral、monsterがまだ着いて来てるわよ?!」

 

アイオワには目隠ししてあるが、レーダーに反応があるとのこと。

 

「ウッソだろお前」

 

機動部隊はどうした?

 

「一直線にこっちの方へ向かって来てるわ!」

 

追って来ているのは、人間絶対殺すマン、顔見たやつ絶対殺すマン、男絶対殺すマン……。

 

あっ、ふーん。

 

狙いは俺かぁ……(絶望)。

 

「アイオワ!逃げろ!連中の狙いは俺だ!!」

 

「なっ?!無理よ!三体に勝てる訳ないでしょ!!」

 

「馬鹿野郎お前俺は勝つぞお前!!!(天下無双)」

 

俺のオーラ力的なサムシングも、この一年で強くなったんだ!

 

簡単にやられはしない!!

 

『◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎ーーーーー!』

 

「なぁーんちゃってウソウソー!!!」

 

速いし硬いし強いし巧いし!!!

 

どうする、どうする……?

 

転移で逃げるか?いや、どうせ地の果てまで追ってくるだろうよ。

 

考えろ、考えろ……。

 

クソ、せめて一番強い人間絶対殺すマンさんだけでも止まってくれりゃあ……。

 

 

 

「もう、何なのよ!よってたかって!頭数を揃えなきゃ戦えないの?!とんだchickinね!!」

 

『………………◾︎◾︎◾︎』

 

あ、止まった!

 

戦士特有の闘争に誇りを持つアレか!そうだよなぁ!囲んで棒で殴るなんて戦士のやることじゃねえもんなぁ!!

 

よっしゃ、こいつが止まれば……!!

 

「触れたものを腐食させる年寄りと!」

 

触れなきゃ良いんだ波動拳!!

 

「力が強いだけのノッポに!」

 

間合いに入れるかソニックブーム!!

 

「負ける訳ないじゃ〜ん?」

 

知っているかな?戦いの基本はハメ殺しなのだよ。近付けさせないし、近付いて来たら昇竜とサマソである。

 

もちろん、勝てるとは言ってないが。

 

え?ダメージ?いやいや、こいつらやたらと丈夫だし、あんまり効いてないと思うよ?でも、足止めくらいは出来るんだよねー。

 

で、このまま時間稼ぎしていれば……。

 

『目標を発見!!直ちに収容せよ!!』

 

『機動部隊展開!!』

 

『コンテナ用意!!』

 

ほーら、本職が来た。

 

よし、ずらかるか。

 

「帰るぞアイオワ。後は本職が何とかしてくれる!」

 

「本職?……まあ、良いわ。早く帰りましょ?何だか、どっと疲れちゃったわ……」

 

だよなぁ、折角のデートだったってのになぁ……。

 

 

 

 

 

「へぇ、そんなことが……。災難でしたね、提督」

 

「いやー、大変だったよ、サラ。……今度はサラも一緒にドライブしようなー」

 

「はい!」

 

 

 

「……ところで、あそこにいる刺青の、えーと、中東系の男性は、提督のお知り合いですか?」

 

『……◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎』

 

おーっと?

 

忘れてたっぽい?

 




アイオワ
ロック大好き。物事ははっきり言うタイプ。

牌が光るおじさん
タバコ吸いながら麻雀。

スパイ
ゴッテゴテに改造した高級車を毎回スクラップにする。

雪女
海王星の女王。

人間絶対殺すマンさん
クラスはバーサーカーかセイバーじゃない?(適当)。刺青入れたセム人の戦士。旅人を好敵手認定して襲いかかってくる。

旅人
実はketerクラスオブジェクト扱いされてる。某財団では非常勤。その癖、要注意団体とも繋がりがある。

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