旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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艦娘とデートして常識を教える話です。

またアンケ取ろうかな?




121話 デート・ア・艦これ その一

「ぎゃぁああああ!!!腕が!腕がぁぁああ?!!!」

 

「すみません、榛名の身体は提督の所有物ですから……」

 

「あー、榛名?まず、セクハラされたなら、腕の関節を外す前に声を上げよう?それと、外でそう言う話は、やめて?」

 

「はい!榛名は大丈夫です!」

 

大丈夫だった試しが無いよ?

 

……はい、そんな訳で。

 

金剛型の皆んなとお出かけである。

 

正確には、俺の散歩に金剛型が着いてきた、だな。

 

仕事?

 

あー、そうだね、俺が知らない間に、北アメリカの端っこまでの海路を開放してたね。もちろん、指示はしてない。

 

もう俺要らないんじゃないかな?

 

……いや、そんなことは良いんだ、重要なことじゃない。それより、この状況はまるで……。

 

「提督ー?どうしたんデスカ?」

 

「早く行きましょうよ!」

 

「提督は大丈夫です!!」

 

「具合でも、よろしくないのでしょうか?」

 

「い、いや、何でもないよ?」

 

包囲……?

 

包囲されてない?俺?

 

……さり気なく、右に行く。

 

「どうしました、司令?」

 

笑顔の霧島に腕を掴まれる。

 

さり気なく、左に行く。

 

「えへへ、司令の手、あったかいです!」

 

笑顔の比叡に手を握られる。

 

うーん、この。

 

前に、

 

「アイホールドユー!抱きしめちゃいマース!!」

 

後ろに、

 

「んっ❤︎提督……、榛名は、提督の側にずっといますよ……❤︎」

 

………………。

 

金剛型からはにげられない!!

 

何てこった、もう遅い!脱出不可能よッ!だなんて。

 

これではおちおちナンパも出来ない!宇宙の法則が乱れる!

 

「うわぁ、あんな美人を侍らせて……」

 

「あれ、黒井鎮守府の提督じゃね?ヤバくね?」

 

「なんか有名人らしい人発見!記念撮影なう!」

 

そして目立つ!自分で言うのもなんだが、俺はイケメン!そして艦娘は身内贔屓無しで美人!そりゃそうだ!

 

そして目立つと!

 

「あらあら〜?お兄さんさぁ、良い女連れてんじゃん?ちょっと俺にも分けてくんない?」

 

「マジかよ!この女マジでイケてる!ヤベェ!」

 

「女優とかか?ヤベェ女優喰うのは初めてだわ!」

 

「メッチャルックス良いわー!オシャレだし、金持ちじゃね?ラッキー、逆玉じゃん!」

 

馬鹿馬鹿!やめろ!やめろ身の程を弁えないチンピラの皆さん!!やめろ!!!

 

「こ、殺すな!!!」

 

「はぁ?もう命乞いかよ?そのデカい身体は飾りぺブァ?!!!!」

 

あ、いや、そうじゃなくって。

 

「ファックユー……、ぶち殺しマスヨ、ゴミめら……」

 

「金剛、殺すな……!」

 

この子達の話。

 

「良いですか、霧島!骨を折る時はこうやって折るんですよ!」

 

「や、やめろ!待て、待て、待て待て待て待て待て!!、ぎぃいやぁああぁぁぁ!!!!!」

 

「こうでしょうか?」

 

「あああああああ!!!!ぎゃぁああああ!!!!!」

 

「行きますよ!えい!とりゃ!」

 

「かぺっ?!!!痛ぎゃっ?!!!や、やめえぎゅっ?!!!殴らないでうぁあ?!!!!」

 

あーもう滅茶苦茶だよ。

 

「ストップ!!そこまでだ!!死人は出しちゃ駄目!!」

 

殴るくらいならまだしも!止めないと殺しかねない!!

 

「殺した?!」

 

「警察!警察を!!」

 

「うわああああああ!!」

 

パニック状態だ。仕方ない。

 

「煙玉!」

 

それ、逃げろっ!

 

 

 

「はぁー、あのね?いつも言ってるけどね、気に食わないからって暴力を振るっちゃ、駄目だよ?」

 

いつもの。

 

その辺の小綺麗なカフェで小一時間くらい説教してやる!オラオラ!紅茶飲め!ケーキも食べろ!

 

全く……。

 

「提督とお外でティータイム!嬉しいデース!」

 

「あわわ、これって、もしかして、デートってやつでしょうか?!」

 

「榛名、感激です!」

 

「成る程、逢引、ですか!私達は夫婦ですものね!」

 

あるぇー?

 

説教とは一体なんだったのか。

 

確かに説教したはずなんだがな……?

 

「提督のお話は興味深いデース!」

 

「あんなゴミでも、殺すと大変なんですね……。知りませんでした!」

 

あ、成る程、普通の世間話だと思われてたんだ。

 

……たまには、こう、ガツンと言うべきだろうか?

 

「えーと、つまりあれだ、手加減しなきゃ、駄目だぞ!怒っちゃうぞ!」

 

「怒った司令も素敵です!」

 

「比叡!気合い!入れて!怒られます!!」

 

なんでや!!

 

「ま、全く!俺は、ほら!怒ったら恐いぞ?!だから、手加減抜きで人を殴ったりしちゃ駄目だ!!」

 

「え?人を一人壊せば、提督にお説教していただけるんですか?!榛名、頑張りま」

 

「だから駄目だって!!」

 

話が通じん!!

 

いかんいかん!価値観がぶっ壊れてる!!

 

「駄目だってば!!俺を好いてくれるのは嬉しいけどさ!俺の為に他人を傷付けるなんて!!」

 

倫理とかそう言う話じゃなくてさ、ただ単に、俺に構って欲しいなんて理由で、他人を傷付けるのは良くない。

 

正確には俺は傷付け合うのが好きじゃない、だが。

 

「俺はさ、君達に、平気で他人に暴力を振るうような子になって欲しくないんだ」

 

「?、提督は、優しい子が好きなんデスカ?」

 

「んー、まあ、そうなの、かな?」

 

いや、確かにさ、俺も喧嘩はするし殺し合いの経験も何度もあるよ?でも、本当に、良いもんじゃないんだよ。

 

特に殺し合いなんて最悪だ。両手に血がこびり付くようなあの感覚は、世界で一番不快だと思う。

 

まあ、艦娘が戦う為に生まれた存在なのは重々承知だがね、だからと言って、暴力や殺しは本来痛ましいものだと言う事実は変わらない。

 

自分が何をしているか、何をしようとしているか、それを確りと自覚した上でその力を振るって欲しい。

 

俺に言われたからとか、俺に好かれたいからとか、そうじゃなくてさ?

 

「提督は優しい子が好き……。榛名は、提督に優しくします!」

 

そうじゃなくてさ?

 

「優しく、優しく……、こんな感じで、司令を撫でてあげたり、とか、かなぁ?」

 

そうじゃなくてさ?

 

「私の分析では、優しい子とは、こう言うものかと。……さあ、司令?ケーキですよ、あ、あーん、です❤︎」

 

そうじゃなくてさ?

 

 

 

……まあ、良いか。

 

ちゃんと、殺しは面倒事に繋がるってことは理解してくれたし。

 

俺の言うことを聞いてくれるのが救いだ。この調子で、確りとこの世界の常識ってやつを教えてやらねば。

 

……常識を、教える。

 

そう、そうだよ、これを機に、艦娘の皆んなにお出掛けと言う名目で常識を教えるんだ!

 

待ってろよ艦娘!

 

この俺が!常識を!教えてやるからな!!

 




金剛型
倫理観がぶっ壊れてる。旅人の為なら顔色ひとつ変えずに何でも殺す。むしろ笑顔で殺す。

旅人
多分黒井鎮守府で一番常識が無い。

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