どうしよ。
アヒージョの量産辛い。
いやー、どーもどーも!
司令官の可愛いお嫁さん、青葉です!
いやはや、前々から司令官とは健全なお付き合いをさせていただいておりましたが!先月、ついに指輪をもらいまして!!えへへ、嬉しいです!
……まあ、眠らされて、起きたら枕元に指輪が置いてあっただけなんですけども。婚姻届カッコカリは机の上に置いてありました。
とはいえ、結婚は結婚。司令官が言うには、法的な拘束力は無いらしいそうですが……、私が司令官を逃すとでも?
何を隠そう、ケッコンカッコカリと同時に、全世界へ向けて私達の情報を公開したのは私ですから!!
少なくとも、ネットワーク上では、司令官と私達は事実婚であると印象操作しました!
……そのせいなのか、連日、鎮守府に変な人達がやって来ますけど……、嫉妬でしょうか?艦娘が美人なのも、司令官がカッコいいのも事実ですけど、喚き立てたところで何も変わらないし、司令官はあげませんよ?
あ、窓の外であきつ丸さん達が変な人達に絡まれてる。怖いなー、戸締りしとこ。
……さて、私はまた取材を兼ねた鎮守府の散歩ですかね。え?出撃?十分前にノルマの百体は殺して来ましたよ?ははは、やだなぁ、黒井鎮守府の艦娘なら、十分で百体くらい簡単ですよ!最近ではむしろ、移動の方に時間がかかるくらいですし。
っと、その前にお昼ですね。私のお腹の虫が鳴いちゃいました。
さて、食堂、食堂と。
……おや?瑞鶴さんに、翔鶴さん?
「あ、あれ?お、おかしいな?こっちだと思ったんだけど……」
「うーん、ここ、さっきも来たような……?」
どうかなさいましたか?
「わあっ?!きゅ、急に声をかけないでよ!」
「び、びっくりしました……」
あ、すいません。
えーと、それで、何かお困りですか?
「あ、その、えーと……、迷っちゃって……」
「す、すみません。ええと、食堂はどちらでしょうか?」
あー、しょうがないですよ。うちの鎮守府、洒落にならないくらい広いですからね。鎮守府の本館だけで下手な大学とかより広いんじゃないでしょうか?私も、昔はよく迷子になりました。
「そ、そうよね!迷っちゃうわよね!」
「ご迷惑をおかけします……」
食堂ですね、ちょうど私も行くところですから!着いて来てください!
「あ、ありがと!」
「まあ、感謝します!」
「んん〜〜〜❤︎やっぱり黒井鎮守府のご飯は美味しい〜〜〜!!」
「もぐ、もぐ、もぐ……。ああ、よく噛んで食べなきゃ駄目よ、瑞鶴?」
ああっ!この二人も空母だった!な、なんてことでしょう、バイキングの料理が大皿ごと消えていきます……!
相変わらず、合単位以上で米を食う空母!大戦艦!
青葉、戦慄です……!!
「む!この出汁巻卵、ネギ入りかっ!……しゃきしゃきとした食感は飯が進むな!!」
長門さん、その、物理法則の限界まで盛られたお茶碗、意味あるんですか?もうおひつで行けばいいのに。
「おお!皿うどん!私の好物を用意しているとは、やるな鳳翔!」
おーっと!武蔵さん、大皿ごと行ったー!!何十人前もある皿うどんをすすり始めるその姿は、まさに大戦艦!!(意味不明)
「成る程な、最近はラーメン?と言う麺類に興味があるんだが……、この、イエケイ、というラーメンは中々だな……」
塩分脂肪炭水化物、三拍子揃った恐ろしいラーメンをすするのはグラーフさん!ドイツから来た正規食う母です!実際スゴイ!!
なんと恐ろしい空間なのでしょう!もう一年経ったので良い加減慣れるかと思いきや、そんなことはなく!!
くっ、これでは食欲が……。
いつも通り、見なかったことにしてご飯を食べましょう。
あ、このローストビーフ、ご飯に合いますね、おろし玉ねぎの和風のたれが美味しいです。
ふぅ、お腹いっぱいです。ちょっと痛いくらい、お腹いっぱいですよ。
やっぱりアレですね、食後のドーナツが効いたと言うか、そもそもたくさん食べたと言うか。……美味しかったです。
食後は、何故かやたらと気合の入っている厨房にインタビューして、そのあとはまた散歩ですかね。
厨房のインタビュー、完了しました。成る程、世の中には、凄いコックさん達がいるんですね。あの鳳翔さん達を以ってしても「勝てない」だなんて。
でも私は、ここの厨房の料理が一番好きですよ。なんだか、暖かい感じがして。
さてさて、散歩と言う名の取材です。ネタはあるに越したことはありませんから。
司令官が帰ってくる時間までまだ余裕がありますしね。一部の好戦的な艦娘みたいに、ノルマ以上の殺戮をしようとは思いませんしね、私は趣味に走らせていただきます!
「おやおや?むくれておりますね〜、ぼのたん!ご主人様がいなくて寂しい感じ?」
「むっ!ぼのたん言うな!ぼのたんって呼んで良いのは提督だけなの!」
「ま、まあまあ、曙ちゃん……」
「漣もからかわないの!」
おやおや、綾波型のいつもの四人組ですか。
可愛いですねぇ、恋する乙女は。……まあ、その恋する相手が司令官なのは癪ですけど。
「ほー?ぼのたんったら、提督にゾッコン?今日も勝負下着ー?」
「はぁ?!勝負下着じゃない日なんてないわよ!提督が望むならいつだって準備オーケーなんだから!」
「あ、曙ちゃん?!」
「え?!気合い入り過ぎじゃ?!少なくとも今日は半日は帰ってこないんだよ?!」
ほうほうほうほう?中々に興味深い話をしておりますなぁ?
「え、じゃああの、ピンクのフリフリのやつ、勝負下着なの?」
「……やっぱり、もっとセクシーなのが良いかしら……。潮の勝負下着みたいな」
「曙ちゃん?!やめてよ!」
「ま、まあ、潮の勝負下着は確かにアレだけど……」
「アレって何?!」
「……そう言えば、確か今日は潮も勝負下着だったような?」
「や、やだ、漣ちゃん!め、捲らないで〜!」
おお、サービスカット!激写激写!!
「「「「………………」」」」
あっ、ヤバ、見つかった。
逃げよ、
「……青葉さん?」
…………はい、すみません。
……何だか、皆んな私に冷たくないですか?ちょーっと下着を激写したくらいであんなに怒ること無いじゃないですか?私、半分くらい泣いてたじゃないですか?
まあ、良いです。
捕まって長門さんのところに連行されましたが、問題はありません。
「……また青葉か……」
何ですか、また、とは!
「……いや、これで何回目だ?」
覚えてません!
「はぁ、写真を撮る時は、せめて一言断りを入れろとあれ程……」
えー?そうすると皆んな断るじゃないですかー!横暴です!報道の自由をー!!
「全く……。ほら、罰として、手紙の仕分けだ!衣笠に手伝ってもらおうなどと思うなよ?」
どさり、と、音を立てて目の前に置かれたのは、段ボール一杯の手紙の山。
うへえ……。
「やることはいつも通り、悪意ある内容の手紙は廃棄して、それ以外は艦娘に渡すんだ。提督への手紙はこっちに移せよ」
はーい……。
全く、面倒ですね、この量!どうせ殆どはよく分からない反戦団体からとか、私達の見た目に惹かれたストーカーからなんですからね?!
『艦娘は人間と同じ理性ある存在で、無理矢理戦わせることなどあってはならない……』
『陸奥さんへ、一目惚れしました……』
『広報の写真を拝見させて頂きました、芸能事務所の346プロと申します。艦娘の皆さんの笑顔に惹かれました、是非アイドルに……』
ほーら!こんなんばっかりです!気持ち悪いですねぇ、もう!
長門さん、手紙とかやめましょうよ!
「む、やめたいのは山々なんだが……、ほら、これとかな」
長門さんが懐から取り出したのは、古い文字の手紙。
戦艦長門殿へ、と、達筆で書かれたそれは、どこか懐かしい気分になるものだった。
「これなんてな、私が艦だった頃に、私の乗組員をやっていた人からの手紙なんだ……」
へえ……。
「確かに、この鎮守府に届く手紙は、大半が雑多なものだがな、その中にこう言ったものが混ざっているかもしれないんだ。……全て廃棄なんて、できないだろう?」
……確かに、そう、ですね。
はぁ、仕方ないですね、仕分け、やりますよ。逃げも隠れもしません。……純粋に私達を応援してくれる人の気持ちを踏みにじるなんて、しませんよ。
はー、疲れた……。
やっと終わりました。殆どはゴミみたいな内容の手紙でしたけど、何通かは私達を純粋に応援してくれる人達からの手紙でした。
あ、私宛のもありましたよ!嬉しいですね!
「お疲れ、青葉。……そろそろ提督が帰ってくる時間だな、出迎えるぞ」
先程から、私の見張りを兼ねて、片手で逆立ち腕立てをする長門さんは、死ぬ程邪魔でしたね……。凄く気になってしょうがなかったです。
おっと、そんなことより、司令官のお迎えをしなきゃ、ですね!
あ、旅人号だ!見えてきた!
おーい、司令官ー!!
……あれ?
………………。
なんか、また、新しい艦娘が…………?
………………へぇ、そうですか。
「いやーっはっはっはただいまただいまイェイェーさて俺はこれから仕事がめっちゃバリバリでマックスハートだからさよならお出迎えありがとう嬉しいよそれじゃ!!!」
あっ!逃げました!全員!追うんです!!また新しい女を引っ掛けてきて!!
今日こそは司令官のオンナになりますよ!!
鶴二匹
やっぱり食う母じゃないか……(憤慨)。
大飯食らい勢
食い過ぎィ!
綾波型四人衆
歳上の男に恋する中学生みたいな、初々しい乙女達。
長門
この前届いた手紙にゴリラと書かれており、久々にマジギレ。
青葉
碌なことをしないと有名。
旅人
逃げた。