旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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よくよく考えたら、俺ってss書いてる人じゃん。ドットも打つし絵も描くしプログラムもいじるけど。

elonaの口上で良いのが見つからないんで、いっそ自分で書くか。




102話 黒井鎮守府では、常識にとらわれてはいけないのですね!

ただいま。

 

いやー、サバンナ。

 

力強く生きる動物達の生命の息吹を感じたな。アフリカ特有の動物達の、弱肉強食や食物連鎖から見られる命の円環は、厳しいが、この星の絶対の法則であるように思ったね。だけど、それ故に、これからも強く生きて行こうと思えたね。広い草原をジープで駆け抜けながら見る大自然は、本当に素晴らしかった。

 

コスタリカも良かった。

 

多数の固有種が存在する熱帯林は、近年の環境保全活動により拡大し、その美しさを取り戻しつつあった。人類は愚かで、自然を食い荒らすものだが、その自然を元に戻せるのもまた人類なんだな、と。夜の静かな熱帯林からは、確かな命の力を感じたよ。掛け値無しに美しいところだった。

 

 

 

さて、艦娘達の社会進出、だったな。

 

まあ、大丈夫だろうよ。皆んな本当に良い子だ。少なくとも見た目が良いのはかなりのアドバンテージだし……、頭も悪くない。体力もある。

 

一応、一般常識と基礎学力の確認くらいはしておくか。

 

「よーし!!艦娘皆んなに一般常識のテストをさせるぞ!!さあ!会議室へGO!!」

 

まあ、余裕っしょ。特に問題がある子はいないね。

 

 

 

 

 

「まあ、余裕っしょ」……、そう考えていた時期が、俺にもありました……。

 

 

 

 

 

「オイオイオイ」

 

死ぬわオレ。

 

えっ?なにこれは。

 

一般常識テストの平均点、30点?これ、満点は100点だよね?え?

 

30点?全国平均の半分くらい?

 

嘘だろ?

 

「どうしよ……、これ。え?いや、本当に、どうすんのこれ?」

 

「その、大丈夫ですか、提督?」

 

休憩室でテストの結果を抱えて、ついでに頭も抱える俺を心配する鹿島。鹿島は、両方のテストでほぼ満点を取ってくれていた。少なくとも、中高生くらいの学力はあるし、マナーもバッチリ。やはり、社会経験があるからだろうか。

 

「いや、だってさ、どうすんのこれ?基礎学力の方はまだしも、一般常識の方!!いかんでしょ!!」

 

そう、基礎学力の方は、大体平均5、60点くらいだったんだが、問題は一般常識!!

 

どうなってんだこれは!!

 

……傾向を見ると、どうやら、国語力はある程度大丈夫みたいなんだが……、問題は社会と時事!!英語も駄目な子が多いし、文化とかも駄目っぽい!!理数分野は、まあ、そこそこ、か。

 

「うわー、完全に予想外だ。まさかここまでとは……」

 

「……うわぁ、本当だ……。その、かなり、点数が……」

 

かーなーり、酷い。総理大臣の名前を知らないとかザラだからね?

 

「失礼します、司令官。睦月型の答案を受け取りに来ました」

 

ミカァ……。

 

「三日月、今の総理大臣は誰だか分かるか?」

 

「すみません、存じ上げません」

 

即答である。

 

「剣桃太郎さんだよ、覚えておこうな……」

 

「はい」

 

そうなんだよ、この子達、現代にあまり興味がないんだよ。

 

あそこでスマホを弄ってる鈴谷とか、ゴロ寝しながら2ちゃんに入り浸る漣とかは少数派。

 

皆んな、世の中の動向にまるで興味がない……。

 

現代に溶け込もうともまるで思っていない。

 

今幸せだから満足だ、と言うがね、明日も幸せかどうかは誰にも分からないんだ。色んなことを知って、真っ当に生きて欲しいな。明日も幸せに生きる為にさ。

 

「なあ、長門よぉ!」

 

「む、総理大臣は変わったのか?私の記憶だと、東條英機殿だった筈だが」

 

「へぇ、素敵な方ね。でも、ちょっとおじさんねぇ。私は、提督の方が良いわね」

 

長門、と陸奥!!

 

……東條英機て。戦時の総理大臣じゃねーか。常識が昭和かよ。

 

「知っとこうよ、そこは……」

 

「あー、すまん。興味が無くてな……」

 

「私も、ファッション誌くらいしか読まないし……。大体、社会がどうとか、今まで考えたことも無かったわ」

 

でもまあ、しょうがないのかもな。この子達は、自分のことを兵器だと思ってるし。俺に使われれば、俺の言うことを聞けば万事安泰、みたいな。

 

うーん、聞き分けがいいのは嬉しいけど、やっぱり俺は自分でものを考えられる、自立した人が好きかなぁ。

 

「まー、長門はバイトしてるし、社会に出れるかどうかっつったら大丈夫なんだろうけど……。最低限の常識は身につけた方が良いよ?」

 

「むぅ、すまん」

 

「うーん、私も、何かやってみようかしら?」

 

そうなんですよ、うちの長門はバイトやってるんだよ。近くの工事現場で。たまたま、知り合いの土木作業員に会ったから、その伝手で。

 

いやー、代わりに性的な意味で襲われそうになったけど、まあ、一命を取りとめたわ。

 

ありがとうタカさん。

 

え?戸籍がない艦娘が働けるか、だって?ははは、何のために会社作って利益あげたと思ってんの?

 

偉い人の頬を札束でビンタして接待って言い張れば、戸籍の一つや二つ、合法的に作れるもんだよ。

 

因みに、バイクが趣味の霧島とかは、かなり喜んでた。公道を走れるからって。

 

「聞いたところによると、鹿島と、霧島もバイトやってるとか?」

 

うちの艦娘は大学生並みに時間的余裕があるからな。バイトなんてやろうと思えば(いくらでも)。

 

「はい!私は近くのローソンでアルバイトをさせていただいています!あ、も、もちろん、黒井鎮守府からお給料は十分以上にいただいてますけど!その、社会経験を積んでみようと思いまして……」

 

「すごいなー、憧れちゃうなー」

 

鹿島、偉い子。

 

「ふふふ、ありがとうございます!……私、提督には私のヒモになっていただきたいんです!提督に沢山甘えてもらって、一生面倒を見ていたいな、と思ってます❤︎」

 

んんー?

 

「暴力を振るっていただいても、無理矢理犯していただいても構いません!私の全ては、提督の為にあるんですから❤︎」

 

んんんんんんー?

 

「き、霧島は?霧島は何のバイトを……」

 

改二になって背が伸びた霧島は、真面目でしっかり者。ちゃんと一般常識のテストも高得点を取っていたし、大丈夫だな。

 

「あら?ご存知無いのですか?真島さんはしっかりと伝えておいたと言っていましたが……」

 

……真島?まさか、真島のアニキ?

 

「私は今、東城会直系真島組で働いています。主に、賭博場の警備などを担当していて、最近は賽の河原などが多いですね」

 

「あ、あのさ、違法行為は」

 

「大丈夫ですよ、ガサ入れがあれば、身元を押さえられる前にサツを半殺しにしますから。それくらいの腕はあります」

 

何言ってんのこの子?!!

 

「い、いや、ほら!艦娘は護国の為にって、いつも言ってたじゃん?!」

 

「存じ上げませんね」

 

良いのかそれで!!!

 

「私は、この国に仕えているのではなく、司令に仕えているのです。司令の為ならば、この命、惜しくはありません」

 

そ、それは、その、ね?

 

「な、なあ!長門もさ、護国の為に戦うのが艦娘だって……」

 

「……私も、そう思っていたんだがな。かつて、護国の為に散った英霊達のことも、私達艦のことも、今は誰も知らないし、何とも思っていないじゃないか……」

 

「そりゃあ、そうだが……」

 

現代人なんて、そんなもんだ。戦争と言う所謂痛ましい記憶は、なるべく思い出したくないんだろう。

 

「きっと、この、人の形で生まれてきたのは、貴方に仕える為なんだと思っているよ。……もちろん、この国も護ってみせるさ。大分変ってしまったとはいえ、私達の愛した日本だからな。でも、一番は貴方だ……❤︎」

 

んあー、そっか。

 

変ったもんな、日本。

 

人の心は荒み、モノに溢れ、自然を破壊し……。艦娘の目には、今の日本がどう見えてるのかね。

 

でも、今の日本も捨てたもんじゃないって、ちゃんと教えたはずだ。

 

テロだとか、そういうことは考えてないみたいだし、良いだろう。

 

護国の為に、っていう考え方にとらわれずに、自分のやりたいことをやってほしいなー。

 

 

 

「では、恒例の大本営攻略会議ですが……」

 

「はい!青葉ちゃんの調査の結果、ここと、ここの警備が薄いですね!」

 

「大将はコイツか……、コイツの首をへし折れば、提督に安寧がもたらされるんだな……?」

 

……まあ、ヘイトの大半は大本営に行ってるみたいだし、大丈夫か。

 

自業自得だね、うん。

 




長門
最近はより筋肉が付いた。

霧島
違法カジノでの警備員をやっている。見た目もスタイルも良く、警備員としての仕事もバッチリな為、重宝されている。

鹿島
奉仕型のヤンデレ。その上マゾ。DVされたいとか思っているタイプ。

総理大臣
心眼や氣功を極めた武人。旅人の頭が上がらない人の一人。

真島のアニキ
関東最大の暴力団組織、東城会の誇るトリックスター。

タカさん
土方。物凄いマッチョでイケメンな、女性。

旅人
精神性までもが旅人で、自分の言うことを何でも聞く人より、自分と共に何処かへ行ってくれたり、逆に何処かへ連れて行ってくれるような、自立した人が好き。自分の世界が広がるのが楽しい。自立してない子はしてない子で可愛がるのであまり意味はないが。

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