冴えないヒロインと捻くれ者   作:リヨ

6 / 18
やはり俺が友達と勉強会をするのは間違っていると思う。

視聴覚室

「勉強会?」

「そっ。サークル活動とかでこの消費型オタクが勉強全然してないらしくて。あんたも来なさい」

「申し訳ない....」

「えー、いやだよ。どうせ澤村1人じゃ教えるの大変だから手伝えってことだろ?」

「ぐっ、まぁそうだけど....な、なら!加藤さん!」

「え?私?....別にいいけど、どうせならもうサークルのみんなで勉強会すれば?」

「おう!その手があったか!」

「....ごめんなさい。私、明日は用事があるから無理なの」

「詩羽先輩は無理か....一番頼りにしてたのに....そういや比企谷はどのくらい勉強できるんだ?」

「国語なら学年3位だ」

「ほぇ〜....すげぇな」

「でも数学は苦手だよね?」

「なんで知ってんだよ、加藤」

「だって前の数学の小テスト10点中1点だったの見えちゃった」

「....やっぱりあんたも来た方がいいんじゃない?」

「......行かせていただきます」

 

 

 

 

翌日

今思えば友達と勉強会とか初めてじゃね?なんか緊張してきた。っていうかあいつらと友達か?違うな。俺は孤高のぼっちだから。うん。

......そういえば勉強会ってどこでやるの?

もうこれはサボってもいいよね。だって場所分からないんだもん。仕方ない。決して数学の勉強したくないってわけじゃないんだよ?

と、脳内で言い訳していると、インターホンがなった。

「誰だよ....はーい」

ガチャ

「あんた今サボろうとか考えてたでしょ?」

「確かに、比企谷は考えそうだな」

......なんでこいつらがいるのん?

「.....なんでお前ら俺の家知ってるんだよ」

「まぁそこは気にしない。場所教えてなかったからわざわざ来てあげたんだから感謝しなさい」

いや、悪いのあなた達ですよね....あと加藤はいつ見てもスマホ触ってるな。依存症になっちゃうぞ。

「で、どこでやるんだ?」

「私の家よ」

 

 

英梨々の家

「でっけぇな.....」

ほんとにお嬢様なのねこいつ....

「さ、入って。私の部屋でしましょ」

 

部屋に入ると、まず目にしたのは....明らかにR18系の絵が書いてある紙が置いてあった。

「あ、片付けるの忘れてた」

「.....俺の澤村の最初のイメージからどんどんかけ離れてる」

「あはは....私も」

「さ、始めましょ」

 

「ちょっと倫也!そこ違うってば!」

「え?」

安芸の方はかなり苦戦しているようです。っていうか澤村が勉強出来ることに驚いてるわ。ハイスペックだな。

俺は今、加藤に数学を教えてもらっている。

「比企谷くん、聞いてる?」

「聞いてる聞いてる。ペンギンはラテン語で肥満って意味なんだろ?」

「いや、そんなこと言ってないよ....」

いや、だって加藤に教えてもらうのはいいんだけどさ、近いもん。女の子特有の香りとかするし。加藤も普通に可愛い部類に入るしさ。

「もう、ちゃんと聞かないと赤点とっちゃうよ?」

「それだけは勘弁。真面目にやるから」

「ほんとに?.....えっと、最初から説明するとここがこうで...」

 

「ちょっと休憩しましょ」

「そうだな」

「あー.....」

安芸は疲れて机に突っ伏している。

「....そういえば加藤さんと比企谷って最近仲いいわね?」

「なんだよ急に?そこまで仲良くないぞ?」

「いや、あんたら時々一緒に帰ってるじゃない」

「....たまにだろ」

そう。最近は加藤と帰ることが多くなった。まぁ途中まで道が同じだからなんだけど。

「はっ!まさか加藤!比企谷のことが....」

「いや、それはないから大丈夫だよ」

いきなり復活して何言ってんだこいつは。っていうか加藤もそんなあからさまに速攻で否定しないでくれますかね...

ちょっと傷つく。

 

 

「....なぁそろそろ終わりにしないか?」

「....そうね。まぁこれだけやれば何とかなるでしょ」

「疲れたね〜」

「加藤ありがとな。だいぶ分かるようになったわ」

「全然いいよ〜」

「詩羽先輩と英梨々っていつ勉強してるんだよ?」

「大してしてないわよ?1回見れば覚えられるし」

「す、すごいね澤村さん」

化けものかこいつ。

 

 

帰り道

「なぁ、加藤。思うんだけど一緒に帰る意味あるか?」

「え?」

「いや、たまに一緒に帰ろって誘ってくるけどさ、別にたいして会話もないし、俺といてもつまらんだろ?」

「う〜ん.....別につまらなくないよ?比企谷くん、話しかければ返してくれるし。私もあまり喋る方じゃないからこういう無言の空気も別に苦とかじゃないし。もしかして今まで嫌々だった?」

「いや、そんなことはないけど....」

「よかった。.....どうして私が比企谷くんと帰ると思う?」

「いや、わからんけど....」

すると加藤は俺の耳元まで寄ってきて....

「.....比企谷くんが魅力的な男の子、だからかな」

「ッ!?.」

何今の!?破壊力がやばい。.....でも

「いや、何その演技?」

「あはは、前たまたま見たアニメでこんなセリフあったから」

「加藤もオタクに染まりつつあるな....」

「あはは....そりゃああんなサークルに入ってたらね」

まぁでも、さっきのは中々グッときました。はい。

....それに加藤と帰るのも....たまにはいいかな。

 

続く


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。