冴えないヒロインと捻くれ者   作:リヨ

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俺の第2の妹はどうやらオタクになっていたようです。

「うっす」

「比企谷、そこのペン取って」

「来てそうそうパシるなよ...ほら」

俺はいつから澤村のパシリになったんでしょうか。

「ん.....あれ?あんた誰?」

「え、ついに名前も忘れられたの?」

「まさか比企谷....?」

「なんだよ?」

「いや、あんたメガネかけると印象変わるのね」

「そんなにか?」

「あら、比企谷くんだったの。メガネ似合ってるわよ?腐った目が浄化されてて」

「別にメガネかけただけで浄化されませんから。っていうか別に俺の目濁ってるだけで汚れてるわけじゃありません」

「あんたそのままにしてたら結構イケてるわよ?」

「まぁ俺から腐った目をとればただのイケメンだからな」

「あっそ」

お前から話しかけておいて....

「加藤!お前はヒロインとしての自覚が足りない!」

なんか廊下がうるさいな

「やっぱりこんな時期に髪型変えるのおかしかったかな?」

「そういうことじゃない!」

って安芸と加藤か。

「あれ?加藤、髪型変えたのか?」

「あ、比企谷くん。うん。気分転換に」

「気分転換とかそんな軽く!?」

 

その後も何か安芸が猛烈に加藤に説教していた。

まぁ加藤ガン無視してスマホ触ってたけど。

 

帰り道

「だからな加藤....」

「あーはいはい」

安芸はまだ説教を続けている。よくそんな喋ることあるな。

「比企谷からも何か言ってくれよ!」

「あー、もう少し静かにしろ」

「加藤じゃなくて俺への説教!?」

え?加藤に何を説教するの?

「倫也先輩....?」

俺達が説教しあっていると、安芸に声がかかる。声のする方を見ると校門に女の子がいた。

....でかい。どことは言わないけど。霞ヶ丘先輩よりは小さいかな....

「やっぱり倫也先輩だ!」

すると、その女の子はこちらに走ってきて...,安芸に抱きついた。

「えっ!?」

「やっと見つけた!先輩!会いたかったんですよ!」

......とりあえず一言言わせろ。安芸、爆ぜろ。

 

 

 

その後俺達は近くの公園までやってきた。

「で、誰?」

「あ、あぁ。波島出海ちゃん。俺達の後輩だよ俺が小学5の時くらいに知り合ったんだ」

波島出海.....なんかどっかで聞いたことあるような....

「それにしても最初見た時わからなかったよ。昔はすごく活発で日焼けもしてたし」

「そんなに変わりましたか?.....でも、もしそうなら、それは先輩のせいなんですよ?....先輩が私に女の子の喜びを教えてくれたから...」

「.....安芸、最低だな」

「....私も比企谷くんに同意見」

「待って待って!?ただオタクの世界のこと教えただけだからね!?」

「だから、これ受け取ってください!」

....これ、コミケの?

「私の入っているサークル、ファンシーヴェーブです!見に来てくださいね!ぜひ、みなさんもいっしょ....に...」

「出海ちゃん、サークル入ってたのか!....ってどうしたんだ?」

急に波島が黙ってしまった。あれ?俺見られてない?

「な、なにか顔についてるか?」

「い、いえ。えっと....すみません!勘違いです!昔倫也先輩の他にももう一人親しい男の子がいて、その人と似てたので!でも、その人は目がちょっと濁ってるので見間違いでした!」

「目が...」

「濁ってる...」

おい、安芸に加藤、ふたりしてこっち見るな。他にもいるってことだろ。そいつとは仲良くなれそうだ。

「出海ちゃん、ちなみに名前聞いてもいいかな?」

「え?は、はい。比企谷八幡って言う名前なんですけど...」

「比企谷八幡って....出海ちゃん。このメガネかけてるやつが比企谷八幡だよ?」

「....え?」

なんかすごい驚かれてるんだけど。っていうか俺この子と会ったことあったっけ?

「....あ、あの、メガネ外してもらってもいいですか?」

「え?あ、あぁ」

俺がメガネを外すと、波島はすごい度肝を抜かれたような顔をしていた。

「.....や、やっぱりお兄ちゃん....?」

『お兄ちゃん!?』

え?俺の妹は小町だけだけど....いや、待てよ?確か小さい頃...隣に引っ越してきた子と仲良くなったよな。でもその子数ヶ月したらすぐ引越しちゃったんだっけ。そういや、その子の名前って....

「も、もしかして、出海か?」

「やっぱりお兄ちゃんだ!」ダキッ

え?ちょっとこの子さっきから抱きつきすぎじゃない!?

二つの膨らみが当たってるんですけど!?

「ひ、比企谷?お前出海ちゃんと知り合いだったのか?」

「いや、昔ちょっとな...」

 

「なるほどね。またそりゃすごい偶然だな」

「確かに。俺も今の今まですっかり忘れてたけどな」

「今日はとっても素敵な日です!まさか会いたかった人に二人も会えるなんて!」

「すごいね。なんかみんな何かで繋がってるみたい」

「いや、正直俺もかなり驚いてるわ。出海、コミケ絶対行くからな」

「なんかすごいやる気出したね?」

「そりゃ、妹の頼みだからな」

「はいっ!待ってますね!それじゃあ私そろそろ帰らなくちゃ!さようなら!倫也先輩!お兄ちゃん!」

なんか今日は騒がしい日だったな。小町にもこのこと伝えてやろう。

 

 

続く


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