冴えないヒロインと捻くれ者   作:リヨ

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加藤家は大騒ぎ

「八幡くん、今週の土日どっちか空いてないかな?」

「は?なんで?」

「実はね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いらっしゃい!あなたが八幡くんね!あがってあがって!」

おい待てどうしてこうなった。

なんで俺が加藤の家にお邪魔してるんだ。

 

「お母さんとお父さんがね、私が八幡くん一緒に帰ってるところ見たらしくて、それでいろいろ質問されててそれに答えてたら何かいつの間にか八幡くんが私の彼氏になっちゃった」

「いや、なっちゃったって」

「ゲーム作りのメインヒロインと主人公って言ったところくらいから2人とも同じゲームが好きでそこから仲良くなって付き合ったって勘違いしてるの」

「お前なんて説明したんだよ…」

「とりあえず今日だけ彼氏のフリしてくれればいいから」ボソッ

「お前友達のフリすら無理な俺が彼氏役なんて絶対そのうちボロがでるぞ」

「そこは私もフォローするから」

 

「…比企谷八幡です」

「改めてよろしくね!私は恵の母です!お父さんもう少ししたら帰ってくると思うから!」

帰ってこなくていいよお父さん!なんか1発ぶん殴られそうだから!

「八幡くん、イケメンねぇ。クールな感じで!」

「ど、どうも…」

他人からイケメンなんて言われたの初めてだわ。自分では言ったことあるけど。

「八幡くんはなんで恵のこと好きになったの?」

おぉっと、いきなりドストレートな質問。

「…まぁ普通に可愛いですし…気が利くところとかですかね」

「そう?恵、あんまり感情出さない子でしょ?」

「まぁそうっすね」

そのおかげで原画担当さんは苦労してるし。

「でも最近ちょっと明るくなったっていうか雰囲気変わったのよ!八幡くんのおかげね」

「はぁ…」

「じゃあ恵は?恵は八幡くんのどこを好きになったの?」

「そうだね…きっかけとかは正直なところないかな。…普段一緒に帰って、おしゃべりとかしてるうちにいつの間にか好きになってたって感じ」

「お前ちょっとインパクトにかけるんじゃないか?」ボソッ

「元々私がインパクトないんだしこれくらいが丁度いいんじゃない?…まぁこれが本音だし」ボソッ

「…いいわ!そういうの!」

「え?」

「最初は仲のいい男友達だと思っていたのに、いつの間にか手が触れただけでドキッとしたり挨拶しただけで嬉しくなったりしてその男の子を好きになっちゃってるの!青春ね〜!」

「…俺さっきから思ってたんだけど、お前のお母さんすげぇ明るいよな」

「私と真逆とか思ったでしょ?」

「うん、正直思った」

「ただいま」

「あ、お父さん」

ついに大黒柱登場か。一体どんな強面…

「君が八幡くんかい?私は恵の父だ。よろしくね。今日はゆっくりしていきなさい」

ただの優しいハンサムダディだった〜!!

「それでそれで、2人はどこまでいったの!?」

「お、お母さん?」

「キスはした?もしかして大人の階段も登っちゃった!?」

「も、もうっ!私達部屋に行ってる!八幡くんいこ!」

「あ、おう」

 

 

 

「ごめんね、お母さんはしゃいじゃって」

「まぁ明るかったな。…というか良かったのか?部屋入って」

「え?別にいいよ?」

「あ…そう」

the、女の子の部屋って感じだな…

「…で、なにしよっか?」

「いや、そんな事言われても…」

「じゃあゲームでもする?」

「お前ゲームとかいえでやるのか?」

「最近はね。安芸くんがたまに貸してくれるからそれをやってるの」

「なるほどねぇ」

「でも二人で出来るのだと…ス〇ブラでもやる?」

「二人でス〇ブラつまらなくね?」

「そうかな?」

「どうやら何するか悩んでいるようだね〜」

「お母さん、いつの間に」

「そんな君たちにこれを授ける!」

「これは…?」

 

 

 

「では今からツイストゲームを始めます!」

「俺ルール知らないんですけど…」

「ルールはカクカクシカジカだよ!」

「なるほど、分かりました」

まぁやったことないゲームをやるのもいいかもな。

「でもお母さんそんなのいつかったの?」

「気にしない気にしない!じゃあ始めるわよ!まずは緑!」

「ほい」

「はい」

「次は…」

 

 

 

 

 

 

 

「ぬぐぐ…」

この体勢なかなかきついな…もうなんか腕立ての体勢になってる。

「じゃあ次恵!右手を右上の青!」

「よいしょっと…」

うぉぉぉぁぁぉ!?ストップストップ!服の隙間から見えてる!下着とか谷間とか見えてるから!

「八幡くん大丈夫?」

「ひゃい!?だ、大丈夫だじょ!?」

「…どうしたの?」

「…」ニヤニヤ

うわぁ、あのお母さん気づいてるな。めっちゃニヤニヤしてるもん。

目線で助け求めても親指突き出してくるだけだし。どう頑張るんだよ。

「では次八幡くん、左手を左上赤!」

「よっ…」

「は、八幡くん!?」

俺が手を伸ばすと、加藤の胸に頭が当たってしまった。

「す、すまん。すぐどける」

「ンッ…こ、これやるべきじゃなかったんじゃ…」

「はい次は恵!左手を右2個上の黄色!」

「八幡くんちょっとごめんね…」

「お、おう」

「んっ…」

待って待って!背中に柔らかい感触が!

「八幡くん、ファイトだ」

お父さん!応援するくらいなら助けて!

「八幡くん次は…右手を恵の左手のところに!」

「は?…ぐっ、加藤ちょっと触れるぞ」

「う、うん」

「…よっ…きっつ…」

というかちょっとじゃなくてだいぶだわ。加藤の手に俺の手が重なってる状態。

「いい感じだね〜。じゃあ次恵が左足で赤!」

「こ、こうかな…きゃっ」

「うおっ!」

ついに加藤がバランスをくずし、二人で倒れ込む。

「あー、残念」

「なかなかきつかったね〜」

「あぁ…」

個人的には精神的にきつかったわ…

「八幡くん、恵も結構成長してるだろ?」

「…………まぁそうですね」

別に妄想とかしてないよ?うん。

 

 

 

 

続く


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