冴えないヒロインと捻くれ者   作:リヨ

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やはり俺が女の子を家にあげるのは間違っている。

ある日の帰り道

「最近英梨々と霞ヶ丘先輩モチベーション高いよね」

「霞ヶ丘先輩はどうか知らんが、澤村はあの日からじゃないか?っていうかいつから名前呼びになったんだ?」

「え?あーなんとなくね」

まぁ仲が良くなったようで何よりです。

最近はもう毎日加藤と帰っている。親密度をもっと深めろ!とのことらしい。

ポツポツ.....ザァァァァ

「げっ、雨かよ。加藤走るぞ」

「う、うん」

 

ザァァァァ!

「今日天気予報晴れって言ってたくせに....」

ゴゴゴロ!

するとついに雷までなりだした。

「雷もかよ....加藤?」

後ろを振り返ると加藤がしゃがみこんでいた。

「うぅ...,」

「もしかして雷怖いのか?」

「う、うん....」

「まじかよ...」

でもこのままだと二人共風邪ひいちまうし....

「....加藤、すまん」

「え?....きゃっ」

俺は加藤をおぶって全速力で走った。

「加藤、とりあえず今のお前動けなさそうだから俺の家で休憩しろ!

俺の家の方がきっと近い!」

「う、うん、わかった」

ギュッ

....背中に当たってる双丘は気にしないでおこう...加藤って意外とあるんだな。

 

「ふぅぅ....小町ー!帰ったぞー!って靴がない....」

書き置きか?「今日お友達の家に泊まってくるから!よろしく!」

.....まじか。

「加藤、とりあえずシャワー浴びろ。そのままだと風邪ひいちま....う」プイッ

「う、うん。どうしたの?急に顔そらして」

「....下着すけてる」

「え?....あはは、さすがに恥ずかしいから見ないでね?」

「あぁ...というか着替えどうする....小町の部屋多分かぎしまってるしな...すまんが俺の服でもいいか?」

「うん。貸してくれるだけでもありがたいから大丈夫だよ」

「わかった。じゃあシャワー廊下進んで左奥だから」

 

今は加藤がシャワーを浴びている。っていうかこれ俺は完全に風邪ひくな...まぁいいか。とりあえず加藤の服を.....カッターシャツ1枚しかない....そういや丁度洗濯してたんだった。俺の着替えもないじゃん。

ドライヤーで乾かすか。

「加藤、ここに着替えおいておくから....」

「.....」

洗面室のドアを開けると、ちょうど浴び終わった加藤と鉢合わせになってしまった.....

「す、すまん!」バタンッ!

「う、うん....見た?」

「.....見てない」

綺麗な二の腕とか、それなりに成長している胸とか全然見てないから。

「今の間が気になるんだけど....」

「.....あと加藤、そこは普通叫び声あげるべきだぞ。メインヒロインなら」

「あれ?なんで私説教されてるの?」

だってなんか喋らないと色々妄想しちゃうもん。

 

「....八幡くん」

「おうあがったか....っ」プイッ

やっぱりカッターシャツだけじゃダメでした。下着とかはぎりぎり見えてないけど逆にエロい。生足とか濡れてる髪とかがもう、ね。

「流石に私も恥ずかしいよ....」

「す、すまん。ちょうど洗濯してたの忘れてて....そうだ、タオルはあるからこれで隠してくれ。さすがに俺も加藤の方見れん」

「う、うん」

『......』

「その....さっきはすまなかった」

「気にしないで。貸してもらったのは私なんだし。それにメイン主人公とメインヒロインならその内ああいうイベントもあったんじゃない?」

「いや、そこは気にしろよ。それにあれはゲームだからいいのであってリアルだと警察いきだわ」

「のぞいただけでそれはないよー」

「いや、俺の顔だと有り得る」

「....なんかすごい説得力あるね」

「...とりあえずどうする?乾くまで時間あるが」

「なら宿題しちゃおうよ」

「そうだな」その時

ゴロゴロ!!

「うわっ....停電かよ」

いきなりすごい雷がなって家のブレーカーも落ちてしまった。

「加藤、ちょっと見てくるから待っててくれ」

「ま、待って!」

俺がたった瞬間、加藤に袖を引っ張られた。俺はいきなり態勢を崩されたので後ろに倒れ込んでしまう。

「どわっ!」

「きゃっ!」

ドタン!!

俺が倒れたと同時に停電も治った。

「.....」

「.....」

視界がはっきりしてくると、倒れ込んだ目の前に加藤がいた。

周りから見れば俺が加藤に床ドンしてるみたい。太もものやわらかさがダイレクトに伝わる。顔の距離も近い。

あと少し近づけば唇がくっつきそうだ。

「.....は、八幡くん。そんなに見つめられると恥ずかしいよぉ」

「す、すすすまん!」サッ

「だ、大丈夫...」

.....さっきから気になってたんだが、言葉は気にしてなさそうだけど加藤、さっきから顔が赤い。この前の公園の時もそうだけど....

「加藤って最近顔の感情表現激しいよな」

「え?」

「だって言葉では気にしてないとか大丈夫って言うけどその時の顔すごい恥ずかしそうだぞ?」

「....そりゃあ私だって女の子だから恥ずかしいよ」

「いや、まぁそうなんだけど。普段の加藤ならもう無表情で言葉も棒読みだから」

「私そこまでひどくないよ?」

 

「今日はありがとね」

「あぁ。こっちこそその....色々とすまん」

「もう気にしてないってば。それじゃあらまた明日ね」

「おう」

....ラッキースケベってリアルであるんだね。

 

 

続く


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