二週間前、親の事情で千葉から引越しをした。
当然高校も変わるわけで、俺は豊ヶ崎学園に転校した。
最初は質問攻めにあったが、素っ気なくしているといつの間にか静かになっていた。
心置き無くぼっちライフを過ごせると思っていたのだが...
「なぁ!比企谷!うちのサークル入ってくれよ!」
こいつ。こいつのせいで俺のぼっちライフは半壊状態である。もうむしろ8割壊されてる。
名前は安芸倫也。オタク。...え?説明が足りない?なんか
Blessing?なんちゃらってサークルに入ってるらしくてそれに俺をしつこく勧誘してくるのだ
なぜそうなったのかと言うと、それは転校初日の話である。
「それじゃあ、比企谷はそこの席に座ってもらおうか。加藤!隣の席だから色々教えてあげてくれ。あとで校内の案内も頼む」
「わかりました。よろしくね、比企谷くん」
「あぁ。」
俺は最初ただのモブ女子としか思っていなかった。
だか、こいつがとんでもない伏兵だったのだ。
放課後
「それじゃあいこっか」
「わかった」
「ここが職員室だよ。あ、職員室入る時はノックした後に「やま」って言われるから「びこ」って言わなきゃいけないんだ」
え、なにその謎の合言葉....
その後も何事もなく進んだかに思われたが....
「最後にここが視聴覚室だよ」
「お、加藤終わったのか?」
「あ、安芸くん。ちょうどここが最後の部屋だよ」
視聴覚室の中を見ると3人ほど人がいた。メガネをかけた男子に金髪美少女、黒髪美人。なんだこのメンツ。
「あ、私ねサークルに入ってるんだ。」
「なんのサークルなんだ?」
「よくぞ聞いてくれた転校生!」
加藤に聞いたつもりが何故かメガネ男子が反応した。
なんかあつくるしいやつだな
「このサークルはBlessingflowers!まぁオタクサークルなんだけど。実は....」
長い。さっきからこいつひとりでベラベラ喋っている。加藤とかもうスマホ触ってるんだけど。俺も聞くのめんどくさくなったので視聴覚室の中をなんとなく回ってみた。
すると、金髪美少女のところでふと止まった
「絵、上手いんだな」
「....何アンタ?口説いてんの?」
「なわけあるか。ほんとにそう思っただけだ。」
性格キツそうだなこいつ
「あっそ」
素っ気ないなー。これは見た目はいいけどモテナイパターンだな
ん?この机の上に置いてあるの...
「これ、リトラプか?珍しいの置いてあるな」
「あんた知ってんの?」
「まぁ、ガチではないがどっちかっていうと俺もオタクだからな。なんなら中学の時とか自分でゲーム作ったりラノベ書こうとしてたからな」
「おぉ!同士だったのか!」
なんかいつの間にかメガネが戻ってきていた。
「そういや、名前なんていうんだ?」
「比企谷八幡だ」
「そうか。俺は安芸倫也!比企谷!お前も俺たちのサークルはいらないか!?」
「え、やだ」
「え!?なんでだよ!」
「いや、めんどくさいし」
「いや、でもな....」
その後、またなんか長い話を聞かされた。
「どうだ?やる気になったか?」
「いや、なってない」
「ぐっ....仕方ない。こうなったら、比企谷!明日はちょうど休みだ!明日俺の家こい!ギャルゲーの素晴らしさを教えてやる!」
「めんどいから嫌に決まってんだろ」
「..-.比企谷くん、早めに言っておくけど諦めた方がいいよ。そうなった安芸くんは止められないから」
....加藤、まだいたのか。というか加藤もサークル入ってるってことだよな。
「あ、ちなみに私はオタクじゃないよ?かくかくしかじかで入ることになったの」
「ふーん。ま、俺はいかないからな」
「この通り!この通り!だから!お願いします比企谷さん!!」
しまいには土下座してきたんだけど。
どこぞの材木座みたい
「.....はぁ。なんでそこまで俺を誘う?今日あったばっかのやつに」
「.....オタクの勘だ!」
「....は?」
「いや、割と真面目に。なんかここで誘わなきゃ、なんかこう....進めない気がするんだよ」
「.....はぁ。わかったよ。そこで俺が入る気にならなかったら諦めろよ?」
「来てくれるか!まぁそれは保証できん。あ、加藤も明日俺の家集合な。ついでに加藤にももう少しギャルゲーについて学んでもらう」
「え〜....」
すっげえ嫌そうな顔してるよ。はぁ。明日はどうなることやら。
続く